海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜第11話 奇跡の前の奇跡


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カザンに到着し、フランスvsオーストラリアを観戦した後はその日の宿へと向かった。

宿と言っても、この日の宿はアパート形式の宿で、ルームサービス的なものは一切ない代わりにキッチンなども完備されていて、宿泊期間中はあらゆる設備を自由に使う事が出来る。

アパート真横にあるスーパーで冷凍のおつまみやチーズなどを適当に購入。またここで、ロシアの水餃子とも言えるロシア料理、ペリメニを冷凍で大量に購入した。

 

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旅の行程では、モスクワやサンクトペテルブルクでは1泊2日しかなかったのに対し、カザン滞在は2泊3日あるスケジュールだった。

ちょうど旅の折り返し地点だし、モスクワやサンクトペテルブルクより観光地は少ないけれど、ここ辺りで長旅の疲れもあるだろうから少しゆっくりする時間を設けよう、という狙いである。

実際宿がアパート形式だった事もあり、この2泊は自分の家のようにくつろいだ。

シャワーを浴びる際、お湯加減の調節に10分ほど要するのはネックだったが、それを除いては値段と比較すると充分すぎる環境であった。

 

   

 

フランスvsオーストラリア観戦から一夜明け、6月17日。

ここまでも何度か言及しているように我々はロシアには行ったが日本戦の観戦予定はない。

そもそも最初に決められていたロシア滞在期間上、期間内の試合は6月19日の日本vsコロンビアのみで、その日はロシアvsエジプトのチケットを抽選会前に確保してしまっていた。まさか裏番組に日本戦が入るとは思わなかったのである。

 

しかし、だ。

はっきり言ってのカザン2日目、我々は全く予定がなかった。

クレムリンには行こうと思っていたが、それで丸一日が潰れる訳がない。

 

そもそもカザンの日程に余裕を持たせたのは、前述の休養目的もあったが、もう一つ下心的な目論見もあった。

 

カザンといえばご存知、西野ジャパンのロシアでのベースキャンプ地であり、この6月17日は日本代表が初戦のコロンビア戦の会場、サランスクに向かって移動する日である。

 

もしかしたら代表見れんじゃね?

 

これ、カザンの空港で張ったらワンチャンあるんじゃね?

 

というわけで行動力が既に麻痺していた事もあり、宿から2時間かけてカザン空港へと向かった。


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空港に着いた時点で、日本代表はまだ練習場で調整を行っていたため、ボルシチやシルニキなどのロシア名物を堪能。

ロシア料理は何にでもサワークリームをつける。

 

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Twitterでぼーっと情報収集をしながら待ち始めて1〜2時間ほど経過しただろうか。

人間というものは考えることは大体同じである。ちょうどこの時、カザンに滞在していた日本人が何人か、同じ目的で空港に集まり始めていた。

向こうもそうだろうし、此方がそうであったように、日本人を見ると安堵する気持ちが芽生えて来るのだろう。彼らと合流し、カフェで時間を潰した。

ちなみにここのカフェで、コーヒーより比率多いんじゃないか?というくらいガムシロの味しかしなかったエスプレッソをお見舞いされる羽目になる。

 

   

 

もはやエスプレッソの概念をぶっ飛ばしたかのようなエスプレッソを何とか飲みきった頃、1組の日本人夫婦に声をかけられ、その場にいた数名で彼らについていった。

 

ここからは我ながら色々と凄い体験だったし、仮に今後W杯が日本で開催されたとしてもする事の出来ない経験だと思う。

 

なぜかテレビ局の人と合流し、そのまま関係者エリアへと入れてもらえた。銃を構えた軍服の警備員の横を抜け進んだ先には、既に各媒体のメディアが日本代表の到着を待っている。

そしてそれから待つ事数分。

 

   

 

ニュースなどで何度も映った、日本代表を乗せたバスが目の前にゆっくりと現れた。

そしてSAMURAI BLUEの戦士達がバスを降り、カザンへの空港へ向かって歩き始める。

 

この時はまだ、日本代表へのバッシングか強い時期だった。

私自身、コロンビアから勝点を取れればグループリーグ突破は充分可能だと思っていたが、そのコロンビアに勝つ難易度が余りにも高すぎると思っていた状態だった。

我々のこの奇跡の約48時間後、日本代表は日本中を熱狂させる奇跡を起こし、そしてそれに続く試合で奇跡ではなく必然であった事を証明してみせる。

 

普段の日本の生活では発揮される事はなかったであろう行動力もそうだし、あの空港で同じ目的を持った人達や、我々を関係者ゾーンまで導いてくれた人達との巡り合わせも運が良かった。

そして何より、この出来事は結果的にフランスvsオーストラリアの試合のチケットを確保し、その後がロシアvsエジプト観戦まで割と暇だったから成し得たイベントである。

 

観戦記の第3話、第4話を見て頂いた方は覚えてくれているかもしれないが、仮にこの日に開催されていた、我々がチケットを取り損ねたドイツvsメキシコ、ブラジルvsスイスのチケットを取れていたらこの体験は出来なかった。

逆に6月16日にカザンでのフランスvsオーストラリアではなく、モスクワでのアルゼンチンvsアイスランドのチケットを得ていてもこの体験はなかっただろう。

 

6月16日の、カザンでの試合のチケットしか手に入らなかったからこの体験に遭遇できた…全ての巡り合わせがバチっとハマった、まさに奇跡的な瞬間だった。

 

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先日、ベスト16のベルギー戦を終えた日本代表が成田空港に帰国した際、大勢のファンが成田空港に詰めかけた。

先頭の人は良くとも、後ろの方の人はほとんど見えなかった事だろう。

そう思えばこの日、自分はとんでもない場所で彼らを見ていたんだなぁ…なんてふと思った。

 

つづく

 

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