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タクティカル・クラシコ〜ラ・リーガ・サンタンデール第10節 FCバルセロナvsレアル・マドリード レビュー〜

時刻表の曜日を間違えた時の戦慄

 

どーもこんばんは

 

焦ったねぇ…

 

さてさて、今日は遂に世界中のサッカーファン待望のエル・クラシコです!!

 

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FCバルセロナレアル・マドリード単にスペインのトップ2のクラブチームの対決というだけでなく、様々な観点での因縁を持つ両者の対戦は今年も間違いなく世界最高のチーム同士の戦いと言えるでしょう。

 

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今シーズンからはバルサアンドレス・イニエスタ、レアルはクリスティアーノ・ロナウドが居ないクラシコになるなど、一つの時代が去り、新時代のクラシコの幕開けとなるのかもしれません。

 

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とはいえ両チームそれぞれの懸念材料が。まずバルサは何と言ってもリオネル・メッシの欠場です。

 

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第8節のセビージャ戦で負傷したメッシはチャンピオンズリーグインテル戦を欠場。そのインテル戦はバルサは見事なパフォーマンスを見せて快勝したものの、絶対的エースの欠場は懸念材料と言わない訳にはいかないでしょう。

 

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一方のレアルはと言うと、レアルをに導いたジネディーヌ・ジダン監督が惜しまれながらも退任。後任はスペイン代表監督CL3連覇W杯を戦う事を犠牲にしてまでレアルの監督となったジュレン・ロペテギですがここまでは大苦戦が続いています。

 

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直近のCL、V・プルゼン戦は勝利こそしたものの2-1とこれまでのレアルにとっては明らかにパッとしないもの。リーグ戦2連敗中、さらに4試合勝ちなしの現状を打破出来るのでしょうか。

 

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久し振りに乗るバスに揺られながら書くこのマッチレビュー果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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メッシが欠場するバルサは先週のCL、インテル戦の良い流れのまま同じスタメン。

レアルは現状ではベストと言えるスタメンと言えるでしょう。

 

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今年最初のクラシコの舞台はバルサのホーム、カンプ・ノウ1982年スペインW杯の際はカンプ・ノウで開幕戦、レアルのホームであるサンチャゴ・ベルナベウで決勝戦でした。

さぁ、試合開始です。

 

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試合は早い時間帯から動きます。11分、低い位置からボールをビルドアップしていったバルサイヴァン・ラキティッチが緩急を一気に切り替える完璧なパス。抜け出したジョルディ・アルバは一気にレアルの右サイドを切り裂いて中に折り返し、最後に仕上げたのはフィリペ・コウチーニョ

 

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まさしく完璧な攻撃の流れ。完璧な展開からバルサが早い時間帯から1点を先制してみせます。

 

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ビハインドを背負ったレアルですが、70%を超える時間帯があったほどのバルサのボールポゼッションを前にボールすら持てない時間が続き、28分にはバルサの良い流れとレアルの悪い流れを象徴するようにラファエル・ヴァランルイス・スアレスを倒してしまってVARの末にPK。

 

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これをスアレスが確実に決め切ってバルサが30分の時点で2-0とします。

 

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レアルの苦しい試合展開は続き、ハーフタイム時にはDAZN解説の水沼貴史氏に「どうしたの?」と言われるほどにほとんどチャンスを作れず、失点とはならなかったとはいえやっとの思いで掴んだセットプレーさえもバルサのカウンター攻撃に繋げられてしまう始末。

 

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バルサワンサイドゲーム……そんな表現も決して大袈裟ではないような前半は2-0。バルサリードで折り返します。

 

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とうとう解任にリーチを掛けてしまったロペテギは後半からルーカス・バスケスを投入。ここまではある程度予想も出来たのですが、意外だったのが前線の選手ではなくセンターバックのヴァランをベンチに下げてカゼミーロを最終ラインに引き込んで3バックに。バスケスとマルセロを両サイドハーフに置いた3-5-2にシステムを変更します。

 

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このシステム変更が想像以上にハマったレアルは後半、一気に主導権を握ります。まずは左サイドから流れるように右へと展開し、バスケスの右からのパスをイスコが折り返し、バルサのDFに当たったこぼれ球を一列ポジションを上げたばかりのマルセロが決めて1点を返し2-1。

 

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ダブルボランチが攻撃的なルカ・モドリッチトニ・クロースなので守備は一気に綱渡り状態となるリスクを秘める分、高い位置を取ったバスケスとマルセロをバルサが捕まえ切れず、さらに高い位置を取った抜群のパスセンスを誇るボランチの絡む攻撃は一気にバルサを窮地に陥れて54分にはマルセロのクロスからセルヒオ・ラモス、55分にはモドリッチのミドル、67分にはバスケスからベンゼマのヘッドと何度も決定機を創出します。

 

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完璧な前半から一転、劣勢に立たせたバルサしかし今度はバルサの監督エルネスト・バルベルデが策を講じます。大きかったのはラフィーニャを下げてネルソン・セメドを投入し、サイドバックのセルジ・ロベルトを右ウイングに配置した事でレアルに前からプレッシャーをかけられるようにします。

 

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レアルのビハインドだからこそ成立した超ハイリスク戦術は高い位置でバルサのボールを奪う事、最終ラインを相当なハイラインにして陣形をコンパクトに保つ事が絶対条件でした。そこでS・ロベルトがポジションを上げて前からプレスをかけるようになり、良い位置でボールを奪い返す事が出来るようになったバルサに待っているのは広大なスペース。

 

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途中出場ウスマン・デンベレがボールを前に運び、S・ロベルトに繋いだボールを最後はスアレスが頭で押し込んでバルサにとっては是が非でも欲しかった、レアルにとっては希望の打ち砕かれる3点目が決まります。

 

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ビハインドが広がれば広がるほどリスクを冒さなければならないレアルでしたが、もうここから完全にレアルの即興システム攻略の糸口を見つけたバルサの独壇場が始まります。83分、クレマン・ラングレのロングボールに対するS・ラモスの誤処理を見逃さなかったS・ロベルトが粘ってスアレスへ。そのまま冷静にループシュートを決めたスアレスハットトリック

 

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87分にはデンベレが左サイドを突破して上げたセンタリングデンベレ同様途中出場のアルトゥーロ・ヴィダルが頭で押し込んでとうとう5点目。

 

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最終スコアは5-1新時代の幕開けとも位置された18-19シーズンのクラシコ第1戦はバルサが快勝を収めて首位キープとなりました。

 

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非常に面白い試合でした。

何より圧倒的なバルサパースで進んだ前半を終え、レアルがあそこまで盛り返してくるとは思ってませんでしたし、一時的にバルサを完全にパニックに陥れました。

 

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最終的にはその時間帯に再三の決定機を迎えながら同点弾を奪えなかった事、そしてこのシステムの致命的な弱点を露呈する形となった事で大敗を喫しましたが、バルサを追う立場で2点ビハインドを背負ったクラシコで点を取る為にリスクを背負うのは当然の事ですし、後半を迎えるに当たってのロペテギの修正、戦術展開は結果には繋がらなかったものの見事と言えるでした。(でもこれで去就は厳しいかしら……W杯蹴ってまで監督就任したのに……)

 

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そして何と言っても、一旦はパニック状態に陥ったにも関わらずレアルのシステムの対策をピッチ内でしっかりと通じ合ったバルサの選手達の戦術理解度、そしてバルベルデの選手交代を通じてのロペテギが講じた策を上回った修正策が余りにも鮮やかでしたね。今回のクラシコはまさに戦術戦と言える見応えのある戦いでした。

 

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中村憲剛氏の解説聞きやすい面白い。

ではでは(´∀`)