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プレーオフ大作戦〜OPERATION LINE〜【柏レイソル2度目の監督交代に想う】

物凄くよくわからないところに物凄くよくわからない極小ニキビ出来てた。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、Panasonic Stadium Suitaでは我等が大先生、レジェンド、遠藤保仁が600試合を達成しようとしていた頃、ヤンマースタジアム長居では川崎フロンターレが優勝を目指す一戦を迎えようとしていた頃、ノエビアスタジアム神戸ではイニエスタvsフェルナンド・トーレスに心を躍らせていた頃……

 

 

 

柏レイソル、監督交代。

 

 

 

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J1第32節は11月10日に開催されましたが、同日に鹿島アントラーズACL決勝を戦う関係で日程を前倒しし11月6日に第32節が開催された柏。

その試合で鹿島に一度は逆転したものの再逆転を許した柏は2-3で敗北。順位は17位のまま16位名古屋との勝点差は4となってしまい、残留がかなり厳しくなってしまいました。

 

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そして柏、鹿島を除くチームが第32節を戦う直前、柏は5月から指揮を執った加藤望監督の解任を発表。後任には岩瀬健コーチを昇格させ、残り2試合に臨みます。

 

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狙った訳ではありませんが、今シーズンの当ブログのマッチレビューではガンバ大阪京都サンガを除くと最近は柏を取り上げる機会が比較的多かったようにも感じます。

ですので、自分なりに加藤体制の柏の失敗について少し考えていきたいと思います。

 

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まず誰もが共通して思う事は、柏の場合は戦力は少なくとも残留争いをするような面子ではないという事。

森保ジャパンにも定着してきた伊東純也、ロシアW杯メンバーにも入った中村航輔を始め、クリスティアーノやマイケル・オルンガといった優秀な外国人選手、中山雄太といった若手ホープ鈴木大輔キム・ボギョンら各国の代表経験者も揃えているなど群雄割拠のJリーグとて17位になるような戦力層でない事は間違いありません。

そうなると、必然的に大きな要因は戦力よりもマネージメント面という事になってきます。

 

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2016年、2017年と下平隆宏監督の下で若手の躍動する見応えのあるサッカーを展開し、2017年には4位まで進んだ柏にとって2018年は勝負の年でした。

Jリーグでの優勝は勿論、「柏から世界へ」のスローガンが示す通り2013年はベスト4、2015年にはベスト8まで進んだACLでの躍進も狙ったシーズンは開幕前に江坂任、瀬川祐輔、小泉慶など新人以外で計7名の選手を補強。実際に瀬川は今の攻撃陣を引っ張る存在の1人ですし、江坂もチャンスメイカーとして機能するなど、補強がハズレたという訳でもありません。

 

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しかし蓋を開けてみればACLでは呆気なく敗退が決まり、リーグでは第14節を終えた時点で5勝2分7敗の11位。

特にACL第1節の全北戦、J1第4節のG大阪戦のように2点リードしながらも勝てない試合や、第8節札幌戦、第14節川崎戦の逆転負けに代表されるようにリーグでもACLでも終了間際の失点で勝点を多く逃した事が響き、クラブは川崎戦が終わったタイミングで下平監督の解任を発表。この後任としてロシアW杯による中断前最後の試合となる第15節名古屋戦から指揮を執る事になったのがクラブOBでもある加藤望監督でした。

 

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15節こそは当時ぶっちぎりの最下位だった名古屋に3-2で勝利し、加藤体制は幸先の良いスタートを切ったかにも見えました。

しかし中断機会明け最初の試合を落とすと、第17節鹿島戦ではなんと6-2の惨敗。そこからはガス抜き程度の勝利と連敗を繰り返し、名古屋やG大阪横浜FMなどが復調してきた隣で好転の兆しさえも掴めないままあれよあれよと17位。

監督交代で状態を改善出来ない事はまだ仕方なくとも、明らかに状態を悪化させてしまいました。

 

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柏の試合を見ていて思ったのは、攻撃にしても守備にしても加藤監督がびっくりするほど戦術を授けていなさそうなところです。

実際に守備は中村航輔が長期離脱していた影響はゼロではないかもしれませんが、試合を重ねる毎に改善どころか悪化してすら思えるような状態で、結局のところは仮に中村が離脱していなくても状況はそんなに変わっていなかったとすら思います。

かといって、攻撃のオプションもなく前線の個人技頼みとなってしまっていて、相手が迫力とスピードに慣れた頃には何も出来ない手詰まり状態になる事が毎試合毎試合…。

 

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加えて、Twitterなどでは「監督が何も指示せずに、大谷秀明らベンチのベテランばかりが指示を出している」とすら言われる始末で、しかも何もしないだけならまだしも第28節浦和戦、第32節鹿島戦のように選手交代で明らかに改悪していく光景をしばしば。

その辺りなどはシーズン終了後に書いてみたいとも思いますが、シーズン中の監督交代がここまで悪手に出たのは珍しいのではないでしょうか。

 

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ただ、そもそもの根源はなぜ加藤氏を監督にしたのか?という部分にもあります。

まず下平監督の解任そのものには賛否両論あるところでしょう。優勝を目指していたチームとしてはACL早期敗退とリーグ戦11位は看過出来ないところもあると思います。

私を含め、「監督解任するほどか…?」という意見も多くあったとは思いますが、今回の事態に至ったのは解任そのものではなくフロントの見通しの甘さにあります。

 

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今シーズン行われた監督交代の中でも、レヴィー・クルピから宮本恒靖に監督を替えたG大阪マッシモ・フィッカデンティから金明輝に監督を替えた鳥栖、そして今回の柏の岩瀬コーチの昇格はいずれも内部昇格で新人監督がトップチームの監督になりましたが、この3パターンはいずれも「後任が他にいない」という状態でした。

逆に堀孝史監督を解任した浦和は大槻毅氏を暫定監督としている間にオズワルド・オリヴェイラとの交渉を進め、神戸は吉田孝行監督を解任した後、恐らく最初から内定していたであろうファン・マヌエル・リージョを前倒しで監督に就任させました。

 

 

 

これらのケースに対して、柏が下平監督を解任したのは第14節終了後。第15節を終えればロシアW杯による中断期間に突入し、準備期間や監督選考期間を十分に設けられる為、解任そのものの賛否はあれど解任するタイミングとしては一番良いタイミングだったと思います。

要は加藤監督以外の監督をリストアップ、交渉出来る時間はたっぷりと残されていた事になります。中断期間があった事も加味すれば、外部監督がチームを把握する時間も十分にあったと言えるでしょう。この場合でのベターな選択は、とりあえず第15節だけ当時ヘッドコーチだった加藤監督に暫定監督として指揮を執らせ、中断期間中に監督を決めて新体制を発足させる……そんな誰もが考える一番スムーズに進む監督交代のやり方が出来たはずなのに、まるで盲目のように加藤監督をあっさり正式監督としてしまった事は柏フロントの見通しの甘さが浮き彫りなったとしか言えません。

 

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G大阪鳥栖のように他に人がいないという訳でも無ければ、浦和や神戸のように後任の目星を付けていた訳でもなかった。むしろ目星を付けるどころかそれをしようともしなかった。加藤監督の采配あれこれの前に、柏の凋落の最大の要因はこの柏フロントの判断……いや、下平監督を切る判断をした後、解任よりも大事な判断すらしなかった事にあったと思います。

 

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何にせよ、柏が15位以上の自力残留を果たす可能性はこの上なく低くなりました。16位すら厳しくなった今、17位でFC町田ゼルビアを祈ってのプレーオフに賭けて岩瀬健コーチを監督に昇格させての「プレーオフ大作戦」に打って出た訳ですが、果たして柏レイソルに解任ブーストと奇跡は訪れるのでしょうか。

 

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ちなみに最終節の相手はガンバだよ。

ではでは(´∀`)