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Another One Bites the Dust〜試合終了は後半64分…清水エスパルスvsヴィッセル神戸とは〜

今道中で某チームのスタジアム通過した

 

どーもこんばんは

 

 

 

さてさて、J1は第33節が終了。半分のチームがホームでの最終戦を終え、様々な事項が決定しています。

まずは我らがガンバ大阪

 

 

 

勝利!!

9連勝!!

 

 

 

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最下位から抜け出せない時期があったり、最下位を抜け出してもなかなか降格圏から抜け出せなかったり……。夏頃までは不安で仕方のない2018年シーズンでしたが、いつの間にか今シーズンがもう終わってしまうのが惜しいようなシーズンになっていました。

最終節の結果次第では最高で6位でシーズンを終えられる可能性もあります(数字の上では5位フィニッシュの可能性もあるが、得失点差のつごうで現実的に確立はゼロに近い)。選手やスタッフの方々は当然として、何より宮本恒靖監督には感謝しかありません。ツネ様ぁ…。

 

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一方、そんなガンバが抜け出した残留争いでは負ければ降格の決定してしまう柏レイソルセレッソ大阪相手に敵地で意地の勝利。

しかし他会場では残留を争う湘南ベルマーレ名古屋グランパスサガン鳥栖がそれぞれ勝利を収めました。

 

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この結果、勝利こそしたものの他会場の結果により柏レイソルのJ2降格が決定しました。ACLに出場した年でのJ2降格は2012年のG大阪、2014年のC大阪以来3例目です。

 

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加藤望前監督体制になってから柏の降格は試合を見ていれば予想に無理がなくなる状況ではありましたが、それでもこの戦力で降格か…と思うとやっぱり驚きです。

GMにはサンガファンにお馴染み、布部陽功氏の就任が発表されましたが、さてどうなる事やら。

岩瀬健新監督、初監督初試合初勝利初降格はさすがに可哀想だよ…。

 

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ガンバの9連勝

柏は勝ったのに残留を争う3チーム全部が勝つという結構低い確率が通って降格決定

岩瀬新監督初監督初試合初勝利初降格

広島しれっと6連敗

フェルナンド・トーレスフェルナンド・トーレスたる所以を見せつける決勝ゴール

 

…などなどトピックが尋常じゃなく大量発生したJ1第33節でしたが、これら全ての事柄が霞むほどの試合が静岡県清水市IAIスタジアム日本平で行われたのです…。

 

 

 

清水エスパルスのホーム最終戦となるこの試合、まず前提としてこの試合は僅かにACL出場の可能性を残していた清水にとって絶対に負けられない試合であることは言わずもがな、清水で活躍した兵働昭弘選手が今シーズン限りでの引退を表明した為に最後の日本平での試合となっていました。

更には試合当日に入った訃報で、清水の副会長兼GM久米一正氏が死去。クラブに多大な貢献をした兵藤の花道を飾る為にも、そして久米氏の為にも、清水にとってはACLを抜きにしても多くの勝たなければならない理由がありました。

 

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勝たなければならないのは対戦相手のヴィッセル神戸も同じ。神戸は今なお残留が決まっておらず、J1参入プレーオフに回らなければならない可能性を持っています。前述の清水のホーム最終戦に加え、神戸のアンドレス・イニエスタ効果もあって超満員となったスタジアムでキックオフ。

 

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試合は62分の時点で、3-1で神戸が2点リード。しかし83分、神戸のMF藤田直之がこの日2枚目のイエローカードで退場となると流れは一気に清水へ。87分にドウグラスのゴールで1点を返し、4分のアディショナルタイムに突入すると、ここから異次元の出来事が発生。

 

…ここでアディショナルタイムを振り返ってみましょう。

 

【後半46分】アディショナルタイムは4分の表示。

【後半48分】残り30秒の段階で清水MF河井陽介に神戸DF橋本和が後ろから当たりに行く形で接触。両者頭部を強打する。ファウルは取らずプレー続行させた後、試合が一旦止まる。

【後半53分】河井、橋本は両者共に負傷退場。残り30秒の時点で止まっていた試合が再開する。

【後半53分】清水のロングボールからの攻撃は神戸GK前川黛也がキャッチ。しっかりボールを確保してから前に大きく蹴り出すがまだ試合は終わらない。

【後半54分】一向に試合が終わらない事にイラつき出す神戸。清水DF立田悠悟に神戸FWルーカス・ポドルスキにアフターチャージをかまされて倒れるもノーファウルでプレー続行。神戸がボールを保持し、神戸DF大崎玲央が清水DFファン・ソッコのハードチャージを受けたところで試合が止まる。

【後半56分】立田の負傷によるプレー中断中、神戸MF三原雅俊三田啓貴、FWウェリントンらが指を4本立てたり時計のところを指差すジェスチャーをして試合終了をアピール。

【後半57分】立田が負傷退場。とっくの昔に4分は過ぎているのでもうこの辺で試合終了かな…。と思いきやまさかのプレー再開。やはりまだ試合は終わらない。

【後半57分】清水FWチョン・テセのシュートはGK前川がしっかりキャッチ。きっちりボールを保持して大きく前に蹴り出すが何故かまだ試合は終わらない。

【後半58分】前川の蹴り出したボールをキープし、イニエスタ、三田、ウェリントンらがパスを回して完全に神戸ボールになる。だがどうしてもまだ試合は終わらない。

【後半58分】清水のロングボールを拾ったのは神戸MF伊野波雅彦。そのまま大きく敵陣にクリアするが、やっぱりまだ試合は終わらない。

【後半59分】CKを獲得した清水はMF石毛秀樹のボールになんとGK六反勇治が頭で合わせて遂に同点。歓喜に沸く日本平。理不尽な結末に呆然とする神戸。お楽しみはまだまだこれからと言わんばかりにまだ試合は終わらない。

【後半59分】ポドルスキ、怒りとイライラが募ってキックオフシュート。枠外に逸れるが笛の音は聞こえずポドルスキも思わず苦笑い。もしかすると永遠に試合は終わらないかもしれない。

【後半60分】神戸陣営は時間をアピールするが受け入れられず、そして怒りが爆発したウェリントンが石毛にハードタックル。ウェリントンにはイエローカード。しかし清水サイドから何やら物が投げ込まれて大乱闘スマッシュブラザーズ開催。試合はまだまだこれからだぜ。

【後半61分】ポドルスキが殴り込みに行ったり、神戸DF那須大亮が「レフェリー!全部あんただよ!わかる!?」と言ったり言わなかったりしたりもう滅茶滅茶。それでもまだ試合は終わらない。

【後半62分】乱闘は一段落したが、ウェリントンにこの日2枚目のイエローカードを提示されて退場。ウェリントンは仲裁に入った六反を柔道技のように投げ倒してスポーツニュースの話題を独占する。この頃にはレフェリーの目はどこか泳いでいた。試合はもう終わらないんじゃないか。

【後半63分】引退試合がすっかり霞んでしまった、ある意味一番の被害者とも言える清水MF兵働昭弘のFKを神戸がクリアしたところでようやく試合終了。当然の如く囲まれる審判。

 

 

 

キーパー点取るわ

ATクソ長いわ

乱闘起こるわでとんでもない事に。

 

 

 

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恐らくこのブログに辿り着いた方の多くはご存知でしょうが、改めてこのアディショナルタイムの経緯を説明すると、後半アディショナルタイムに突入してから清水の河井陽介、立田悠悟、神戸の橋本和の3名が負傷。治療などがあったとは言え異常なほどにアディショナルタイムはグングン伸びていき、神戸の選手たちが指を4本立てながら試合終了の笛を吹くよう主審にアピールするものの叶わず、アディショナルタイム目安の4分をちょうど10分経過したタイミングで清水GK六反勇治がCKを頭で合わせて同点ゴール。

 

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神戸にとっては納得のいかない展開に、ただでさえ荒れていた試合は更にコントロール不能に。そして後半60分という訳のわからない時間に神戸FWウェリントンが清水の石毛秀樹を後ろから倒した事を発端に再び乱闘が勃発。

清水のベンチ?スタンド?から物が投げ込まれたという情報もあり、ルーカス・ポドルスキが清水ベンチに殴り込みに行くなど試合は騒然と化し、更にはこの小競り合いで2枚目のイエローを貰ったウェリントンが退場となると、そのまま六反勇治を投げ飛ばしてしまうなとまさしく大乱闘。それでもまだ試合は終わらず、ラストワンプレーツープレーほど行ってようやく試合が終了しました。

 

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基本的に、ありとあらゆる試合で「審判が悪い」みたいな空気になってしまう事は少し審判に同情している部分もあります。例えば、ファウルか否か微妙なシーンになればその時点で審判がどちらのジャッジを下しても不利を被ったチームからはジャッジの是非を問わずに納得いかないという声が挙がるでしょう。清水FWチョン・テセもインタビューで述べていましたが、主審にとって今日の試合がアンラッキーだったのも確かにそうだと思います。

ですがそれらの部分を踏まえてもこのような事態に至ったのは主審の責任だと思います。

まずチョン・テセが前述のインタビューで述べていたように、神戸が荒めのチャージを多くかけてきていたのなら主審はその時点で何かしらの基準を設けるべきでした。結局、ここを曖昧にしてしまった事が最終的にとんでもない事態を招いた訳ですから。

 

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それらが重なって必要以上に激しくなった試合に決定打となったのがアディショナルタイム拡大事件です。

いくら河井の治療に時間がかかったとは言え、試合を終わらせるべきタイミングはいくつもありました。治療が終わった後、神戸は普通にボールをキープする時間もありましたし、何よりあの状況で無意味に時間を増やせばよりハードになる事は予感できるはずで、実際最終的にその通りになってしまいましたね。

 

 

 

あんな理不尽に延ばされたアディショナルタイムで追いつかれれば、勿論あってはならない事は当然とはいえ神戸の選手の理性が崩壊するのも必然の流れとも言えます。勿論、ウェリントンポドルスキの行為に関しては100%やってはいけない行為である事に一切の疑いはありません。特にウェリントンに関しては相応の処分は必要でしょう。

とはいえ、Twitter上でウェリントンと元磐田のギレルメを同列に語っている方もちらほら見受けられますが、そこと同列にするのはどう考えても違うのではないでしょうか。

原因となる伏線はその前から明らかに張られていた訳で…。

 

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また、河井陽介橋本和の両者が接触し頭を打って倒れたシーンについては主審が即座にプレーを止めるべきでした。これはJ1第9節の大阪ダービーガンバ大阪vsセレッソ大阪に於ける東口順昭三浦弦太の衝突の際もそうですが、頭を強打したと思われる場面では大チャンスであってもプレーを審判が止めるべきでしょう。東口と三浦の接触の際はプレーを続けようとしたという事で杉本健勇が批判に晒されましたが、杉本も「おっしゃ行ったれ!」ではなくどうすればいいのか…というような状態になっていたので、あのような場面では主審が毅然と試合を切るべきです。

これに関してはFIFAチャンスの場面を止めたのならFKからの再開を認めるなどして、頭部へのダメージが疑われる場合には審判の権限で試合を止められるようルール上の規定を加えるべきとも考えます。勿論基準などの問題も発生するのであくまで案の一つでしかありませんが、何にせよ頭部強打の際に対応は何かしら定めておくべきではないでしょうか。

 

 

 

とにかく、この清水エスパルスvsヴィッセル神戸という試合は尋常ではないエンターテイメント性を誇る試合だったと同時に、権限を持つ人間がゲームをコントロール出来なくなった時に何が起こるか、というサッカー以外にも通ずるような事を教えられたような気がするゲームだったのではないでしょうか。

清水のヤン・ヨンソン監督も神戸に少し同情的なコメントもしていましたし、両チームの不満、ブチギレ要素も納得がいきます。

 

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ボヘミアンラプソディ観てからQUEEN熱が冷めない。

ではでは(´∀`)