鼻の穴の中に瘡蓋がある生活を耐え抜き
耐え抜いて
うっかり風呂場で鼻をかんで
瘡蓋が吹き飛ぶ
どーもこんばんは
はい、振り出しに戻る。
さてさて、今の日本サッカー界で最も熱い話題といえばやはり現在開催中のアジアカップです。
そんな中、唐突に衝撃的なニュースが齎されました。
新10番としての活躍が期待されたアジアカップは負傷の影響により離脱を余儀なくされたものの、2017年夏から移籍したポルトガル、プリメイラ・リーガのポルティモネンセSCではポルトガルのみならず欧州全土でも話題になる程の活躍を見せ、今冬、或いは来夏の移籍が有力視されていました。
実際にポルトガル国内の強豪のベンフィカやFCポルトに加えて、イングランドのウェストハム・ユナイテッドやサウサンプトン、スペインのセビージャ、ドイツのアイントラハト・フランクフルトにVfLヴォルフスブルクなどが中島の獲得に興味を示していると報道されており、その他にも多くのクラブが獲得を検討していると言われています。
しかし一部報道によると、クラブは中島の売却に積極的であるとは言え、中島の違約金を日本円で約52億円に設定しており、サウサンプトンが提示した約22億円の移籍金でのオファーを却下したとも言われていて、ポルティモネンセ側のびた一文まけてたまるか的な意思が見え隠れしています。そんな中で突如報じられたのが欧州から大きく離れた中東・カタールへの移籍だったのです。
ポルトガル・メディア「zerozero.pt」が報じたところによると、既にポルティモネンセは中島移籍に関してカタールのチーム、アル・ドゥハイルと移籍金などの金銭面でクラブ間合意が成立している状況との事。
当然、最終的に移籍が成立するかどうかは中島本人が首を縦に振るかどうかという事なんですが、クラブの意思に反して移籍話を蹴ると「ポルティモネンセが意図的に中島を起用しない」…所謂「干す」という手段を取ってくる可能性も無いとは言えず、かといって今のポルティモネンセがポルトガル人でもない選手の為に52億よりも22億のオファーを優先してくれるとも考えにくいので、近い将来のビッククラブ行きも夢では無いと言われ続けてきた中島にとっては思わぬ形でキャリアを左右する局面に立たされたと言っても過言ではなくなってしまいました。
余談ですが、中島が移籍か?と言われているアル・ドゥハイルSCを簡単に紹介すると、カタールの首都、ドーハを本拠地とするクラブで16-17シーズン終了後にレフウィヤSCから今の名前に改名。17-18シーズンはカタールリーグで無敗優勝を果たすなどカタールでは屈指の強豪です。ちなみに、昨シーズンヴィッセル神戸に所属したアーメド・ヤセルの元の所属チームでもあります。
とはいえ、本当に移籍するかどうかはもう少し様子を見ないとわからない話なので、今回は移籍の可能性よりも中国、そして中東への移籍云々についてブログを書いてみたいと思います。
振り返れば、Jリーグで活躍した有力外国人選手が中東に行ったり欧州のビッグクラブでもプレーするような選手が中国に行くようになった時期でも、日本人選手が中東や中国に移籍するというケースは殆どありませんでした。顕著なのが韓国代表やオーストラリア代表は数人ほど中東や中国所属の選手が招集されているのに対し、日本代表の場合は全員がJリーグかヨーロッパの所属という点です。
まずその要因として考えられるのが、中東各国のリーグや中国超級リーグに比べると、Jリーグの方が圧倒的にインフラ面で優れている事。それにプラスして、生活するには色々な意味で不安のある中国と、そもそもから文化が全く違う中東で生活する事になる部分を考えると、ちょっとやそっとの年俸アップ程度では移籍のメリットを感じられない、という側面も当然あると思われます。これは日本という国が島国で、ヨーロッパのように国から国への移動が容易くない事もあるでしょう。
実際、当時岡田武史氏が監督を務めた杭州緑城が遠藤保仁を、中国No.1クラブとも言われる広州恒大が槙野智章の獲得に動いた事もありましたが、いずれも移籍は実現していません。
もう一つは、 リーグレベルとしてのJリーグはなんだかんだ言いながらもアジアではやはりトップと言える競技レベルを誇っています。その為、欧州ではなくJリーグではないアジアのリーグに移籍する事は「格落ち」という形にもなってしまう事が多く、それは結果として、代表や欧州挑戦からは遠のく事を意味するものにもなります。
実際に、これまで中国や中東のみならず、韓国やタイに新天地を求めた選手は殆どが30歳前後となって「Jリーグでやれる事はやったし、代表入りの可能性も欧州挑戦の可能性もかなり少なくなった」という状態で、このままJリーグでプレーし続けるよりも良い待遇を約束されて移籍した、というケースが殆どです(韓国とタイには単純に出場機会を求めてパターンもあるし)。
その流れは世界的にもあって、最近は中国リーグが現役代表をぶっこ抜いてくる事もチラホラありますから、代表に選ばれ続ける事はちょこちょこありますが、中東や中国に移籍後、欧州復帰自体はあっても再び欧州ビッグクラブに復帰するのは相当なレアケースです。もし仮に、このまま中島のカタール移籍が決まれば「終わった選手」という烙印を押されてしまう可能性は高いと言わざるを得ないでしょう。
まだ20代前半頃の選手で、Jリーグや欧州でバリバリプレー出来ていて、ステップアップも見込めるのにも関わらず、中東や中国に移籍してしまうのは避けた方が良い、という事はサッカー界ではある種常識のようになっています。日本人の中東・中国移籍が殆どこれまで無かったのはそこを理解出来ていたからで、韓国人選手のように「兵役の空白期間があるからどうしても稼がなくてはならない」というような状況も無く、尚且つJリーグが世界的に見れば高めの水準をキープ出来ている事が生み出した状態だと言えます。
ここまで述べたように、中島翔哉のような状況の選手が中東などに新天地を求める事には反対の立場です(勿論本人の固い意志などならとやかくは言えませんが…)。
ですが何も、全ての中東移籍に反対という訳ではなく、特に昨今の塩谷司のようなパターンは今後の日本人選手にとって一つの大きなモデルケースにもなると思っています。
サンフレッチェ広島に所属していた塩谷は広島でリーグ優勝などを経験し、2014年には日本代表デビュー。2016年のリオデジャネイロ五輪にもオーバーエイジ枠として参加しました。
しかし塩谷を代表デビューさせたハビエル・アギーレ監督退任後は代表から遠ざかってロシアW杯出場の可能性は絶望的に。年齢的に欧州挑戦は望めなさそうな状態に加えて広島は余り資金力の強いチームでも無く、広島やJリーグでやるべき事はやり尽くした形になった塩谷は29歳になる年に、広島での待遇を大幅に上回る条件を提示したUAEのアル・アインFCへ、ある意味で「サッカー選手として最後のギャンブル」とも言える移籍を決めました。
UAEでも屈指の強豪であるアル・アインに移籍し、高年俸のみならず実力でガッチリとレギュラーも掴んでみせた塩谷は昨年のクラブW杯での活躍で再びスポットライトが当たり、更にUAEで開催されたアジアカップにも守田英正の負傷離脱に伴って緊急招集。ウズベキスタン戦ではJリーグでもUAEでも度々見せてきた得意の弾丸ミドルで決勝点を奪うなど、おそらくあのまま広島に残留していれば得られなかったであろう30歳のキャリアを積んでいます。
前述のように、中島翔哉のような状況での中東や中国への移籍は避けるべきです。ですが塩谷のように、ややキャリアが下り坂に来つつあった選手にとっては、中東などへの移籍は金銭的な待遇のみならず、選手としてのピークを塗り替える「大逆転のプラン」の一つとしても考える事が出来る時代に来ているのでは無いでしょうか。
でも何度も言うけど中島は頼むカタールは行かないでェ…。
ではでは(´∀`)