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いびつなロコモーション〜ガンバ大阪、開幕から8試合を考えてみる〜

ロッベンまじで来るの?

 

どーもこんばんは

 

さてさて、Jリーグは第8節を終え、平成のJリーグはいよいよ第9節の1試合を残すのみとなりました。

第8節終了時点だと、開幕から未だ無敗をキープしているFC東京が首位の座についています。

 

 

 

そんな中、クラブのレジェンドである宮本恒靖監督の下で初めて開幕を迎えた今シーズン、「GAMBAISM」というスローガンを掲げたガンバ大阪は、ここまで2勝1分5敗の勝点7。ホームゲームに至っては1分4敗で、降格圏ギリギリの15位という苦しい成績に終始しています。

 

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そこで今回は、今季のガンバの良くも悪くもポイントとなっている部分をいくつか考えていこうと思います。

 

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①ディフェンスラインの問題

 

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2シーズンCBのレギュラーを務めたファビオが退団したガンバは、今季の補強の目玉として現役韓国代表のキム・ヨングォンを獲得しました。

Jリーグ経験もあって、間違いなく優秀な選手である事は確かですし、補強ポイント的にもヨングォンの獲得は的確な補強だったと言えます。しかし現実問題として、失点は増えるどころか激増中。三浦弦太と共に、現役日韓代表コンビという状況ながら8試合で喫した17失点という数字は清水エスパルスと並んでリーグワーストなので、今季のガンバの不振を語る上ではまずは守備の事を話さなければなりません。

 

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小中高、競技のレベルを問わず、サッカーをやってセンターバックをやっていた人なら「チャレンジ&カバー」という言葉は口酸っぱく言われてきたと思います。スタートからリトリートで通すような戦術でも無い限り、4バックの時のCBではチャレンジするストッパー的な選手、カバーするスイーパー的な選手…といった具合に役割がある程度分担されている形が理想的です。

そういった面で今季のガンバに於いて歪みが生じている一つの要因は、CBを組む三浦とヨングォンが2人ともスイーパー的な状態と化している事が挙げられます。

 

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この事によってボランチとディフェンスラインの間にスペースが大きく出来てしまい、相手のチャンスに繋がりそうな場面になると無条件で相手の攻撃を不利な体勢で受けざるを得ない状況が多くなっているのが今季のガンバの守備決壊の要因の一つでしょう。

一方で、守備が比較的安定していた第4節川崎戦や第5節神戸戦の前半(最終的に4点取られたけど前半はほぼ完璧な出来だった)では、三浦弦太が右サイドバックに移り、代わりにCBには菅沼駿哉が入りました。菅沼は完全にストッパー、チャレンジタイプの役割を果たし、ヨングォンとやるべき仕事の棲み分けが出来ていた事が一時的に守備が安定した要因の一つではないでしょうか。

ヨングォンの能力には疑いの余地は無いですし、まだ本領発揮には至らずとも随所に能力の高さを見せているところもあります。とはいえ連携面ではまだ上手くいっていない様子で、これにはヨングォンが韓国代表としてアジアカップに参加していた事からガンバの1次キャンプに参加出来ず、合流してから1ヶ月も経たないうちに開幕を迎えてしまった事も理由かもしれません。ある程度長くCBコンビを組むようになると、連携や意思疎通がスムーズになって試合の場面ごとにチャレンジとカバーを入れ替える事も出来るのでしょうが、連携面でまだそこには達せていないヨングォンにとっては菅沼と組んで分業がハッキリしている方がやりやすいのでしょう。

 

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②ダブルボランチ問題

 

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ガンバは昨シーズン、今野泰幸という選手の不在にずっと悩まされ、その事が残留争いに巻き込まれる大きな原因となっていました。それを証明するかのように、今野が復帰してからは9連勝を成し遂げ、最下位にも沈んだチームが最終的には一桁順位でフィニッシュ。しかし今野は既に36歳で、学年としては40歳の学年になる遠藤保仁を含めて、ガンバは勝利と同時にこれからの事も考えていかないといけなくなり、ボランチ起用は単純思考で迂闊に「遠藤&今野をフル稼働させればいいや」という訳にもいかなくなってきているのが実情です。

 

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昨季は無理に今野を復帰させた事が離脱を更に長期化させる事にも繋がったので、今野のコンディションが万全で無いという事もあって宮本監督は宮本監督就任後から今野の代役を務めるようになった高宇洋を開幕スタメンに抜擢。また、第4節川崎戦からの数試合では、遠藤をトップ下に置いて倉田秋ボランチに下げた4-2-3-1システムも併用するになりました。結局のところ、一番安定するのは遠藤&今野の組み合わせではあるものの、年齢的にはむしろ今シーズンもそれでそこそこやれてる事の方が異常なくらいで、いつどちらかがダウンしても正直おかしくない状態ですので、その2人がまだまだやれる内にボランチの新しい可能性を試すべく、高や矢島慎也の起用や倉田&高の組み合わせを積極的に試しています。

 

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しかし、高にしても倉田にしても前への意識が強いタイプで、それ自体はむしろ長所でもあり、宮本監督もその部分に期待して起用しているところもあるのですが、これが非常に相手を選ぶのです。

例えば、相手がポゼッションスタイルで前への意識が強いスタイルのチーム相手だと、高と倉田で高い位置でボールを奪い、そのまま遠藤を経由してアデミウソン、ファン・ウィジョ、小野瀬康介のスピードと推進力を活かしたショートカウンターに繋げやすくなります。実際、この4-2-3-1が抜群にハマったのが第4節の川崎戦であり、敗れはしたものの第5節の神戸戦である訳で、後半からこの形にした第8節大分戦も前に前にくるタイプの相手を逆に押し込む事に成功しました。

 

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その一方で、しっかりと自陣にブロックを組んでから相手…あんまり前に出てこない相手にこのシステムを採用すると逆に大事故に繋がりかねず、それの象徴が第6節広島戦での惨敗でした。

一方、より昨季の9連勝時の形に近い遠藤&今野コンビの4-4-2だと、前へと急ぎ過ぎずに落ち着いてやっていこう…みたいな形になる事で、安定感という意味ではやはり増しています。

相手のタイプを見ると、開幕戦のマリノス戦第3節名古屋戦はもしかしたら4-2-3-1の方が勝機はあったかもしれませんが、第7節浦和戦がそうだったように、結局のところ最後に頼るのは遠藤と今野…という事になってしまうのです。

勿論、これ自体は遠藤と今野が如何に凄いかという話でもあるのですが、一方で来季、そしてその先という意味では不安にもなるところです。逆に宮本監督もそれを気にし過ぎているのか、今野起用に慎重になり過ぎている事が神戸戦の敗因の一つだったりもしますし、難しい話なんですが…。

 

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③不振からくる前線の余裕の無さ

 

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アデミウソン、ファン・ウィジョのツートップの破壊力はやはり凄まじいものがあります。15位に沈み、失点はリーグワーストである一方、得点に関しては13得点でFC東京、札幌と並んで名古屋に次ぐリーグ2位です。昨季からブレイクを果たしつつある小野瀬康介の活躍にも目を見張るものがありますからね。

しかし、攻撃陣が抜群に機能していたと言えるのは第5節神戸戦までで、その後は3試合で僅かに1得点。チームの不振が加速すればするほど、特にウィジョとアデミウソンが余裕を無くしているようにも感じます。

 

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昨季の9連勝がわかりやすい例なのですが、選手個々としてもチームとしても抜群にイケイケモードだったあの時期は、勢いと同時に頭がクリアになって余裕も生まれます。その結果、アデミウソンにしてもウィジョにしてもチャンスメイクにも頭が回り、それによって攻撃は更に連動性を増していきましたし、今季も神戸戦まではそれが出来ていました。 

しかし、神戸戦の後はアデミウソンもウィジョもどこか無理な個人突破が目立ってしまい、余裕が無くなるに連れて2人の中の選択肢がどんどん狭まっているように見えます。ですので、前線にボールが行くと後はスピードとスペース任せになってしまっているところが見受けられ、前線での連動性は失われているとも言えます。

そういう意味では、一度前線で起点に慣れる渡邉千真をスタメンに入れて、ウィジョorアデミウソンと渡邉…という9連勝を成し遂げた時の前半部分の形を採用してもいいんじゃないか、と思うのですが、そうなると肝心の渡邉が第8節大分戦で負傷退場…軽傷である事を祈るしかありませんが…。

 

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結局のところ、今季のガンバは神戸戦以前と以後で大きく分かれるように感じます。それだけにあの試合の敗戦ショックは大きく、今は正解を見失っているような状態と言えるかもしれません。

ですが、今季は色んな今でガンバの未来にとってもキーになりかねない一年です。次節の仙台戦を終えれば、第10節からは令和の時代が始まります。そこで巻き返せるように、宮本監督始め、選手やスタッフの皆さんの奮闘に期待したいところです。

 

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ハセケンさんのサッカーと合うのか…ロッベン…。

ではでは(´∀`)