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タイムスリップ〜コパ・アメリカ2019、日本代表総括〜

やっぱり「26日4:00」とかよりも「25日28:00」とかの表記の方が助かる。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、2019年の日本サッカーにとって、最も大きなポイントの一つであったコパ・アメリカ2019に参加した日本代表ですが、2分1敗の勝点2となってグループリーグ敗退を余儀なくされました。

 

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開幕前から、メンバー選考の面で何かと賛否両論だった日本代表は、初戦のチリ戦こそ0-4の大敗を喫したものの、2戦目で強豪ウルグアイ相手に2-2の大健闘。勝てば決勝トーナメント進出という状況だったエクアドル戦では決定機を何度も作りはしましたが、結果的に1-1の引き分けに終わり、グループリーグ3位という結果で大会を去る事に。

とはいえ、ルイス・スアレスエディンソン・カバーニといった選手を擁する優勝候補のウルグアイ戦でのパフォーマンスは日本のみならず各国のメディアからも好評化を受け、日本にとっては意義あるものを積み重ねられた大会だったんじゃないかと思います。

今回はそんなコパ・アメリカの日本代表を総括していきたいと思います。

 

 

 

①メンバー選考

 

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まず今回のコパ・アメリカを振り返る上で、必ず触れなくてはならないのがメンバー選考の件です。

コパ・アメリカはその名の通り南米最強チームを決める大会という事で、FIFAによる選手招集の強制力というものが認められています。ですので、リオネル・メッシルイス・スアレスネイマール(負傷の為、最終的には参加せず)など、各国のトップ・オブ・トップと言える選手達が当然のように出場しています。

一方で日本代表はと言うと、23人のメンバーのうち18人が東京五輪世代となる22歳以下の選手というどころか、大会開幕前の時点で日本代表出場歴がある選手は7人のみ。更には日本代表初招集選手も13人というメンバー構成で、数少ない日本代表経験者にしても、川島永嗣岡崎慎司はロシアW杯以降、日本代表での活動ではセミリタイア気味…という状態で、このBチームどころか世代別日本代表+オーバーエイジとも言えるメンバー構成は、「コパ・アメリカを軽視している」「勝つ気がない」など、国内外から賛否両論を巻き起こしていました。

その理由は既にあらゆる場面で説明がなされているように、前述の大会参加の強制力は1年に1度しか働かず、その1度の権利を日本は1月のアジアカップで消費する形となっていました。そうなると選手招集に強制力が働かないので、ベストメンバーを日本の希望だけでは揃えられないという事態になるのです。

2010年代の日本代表はスタメンの殆どがヨーロッパ組となっていますし、ヨーロッパのクラブ(特に5大リーグ)のクラブからすれば選手を派遣するメリットも必要性も理由も無いチームが多いので、大迫勇也酒井宏樹吉田麻也長友佑都など、海外組選手の招集に障壁が出た時点で、そもそもベストメンバーでの大会参加は不可能になっていました。

 

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そうなってくると、日本に残された選択肢は【①Jリーグクラブに協力を打診して、出せる限りのベストメンバーを招集する】【②東京五輪を見据えて、U-22日本代表をベースに招集出来る海外組を加える】という二択しか無くなります。

ただ、舞台はコパ・アメリカです。ブラジルやアルゼンチン、チリやウルグアイといったただでさえ日本より格上のチームが、ガチのマジで牙を剥き出しにしてかかってくる公式戦です。フルメンバーを揃えた日本代表でも勝てる可能性は低いと見る方が妥当なのに、それを無理矢理絞り出したベストメンバーで挑んだところで返り討ちが目に見えています。それならばいっそ、東京五輪世代の若手の成長の場として、来年の東京五輪…そしてその先のW杯に繋げていくというのが日本サッカー協会森保一監督の選択だったんだと思います。これに関しては、森保監督がオリンピック世代の日本代表監督を兼任していたからこそ出来た事とも言えるでしょう。

「勝つ気がない」という意見もありましたが、実際にフルメンバーで臨む事が出来なくなった時点で、日本はどちらにしても負ける可能性の方が高い前述の二つの選択肢を迫られました。同じ敗北であれば、どちらの敗北の方がより多くの財産を日本サッカーに残せるかという観点で、東京五輪世代の若手に滅多にない貴重な舞台と世界レベルを経験させる事を選んだ判断は、私個人としては正しいというか、実に有意義な判断だったと考えます。ましてや来年の五輪は東京開催。過去やこれから未来のオリンピック以上に重い意味を持つ…という部分もありますしね。

 

 

 

②日本代表の戦いぶり

 

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詳しくは3試合分マッチレビューもご覧頂きたいのですが、3試合に共通して言えるのはどの試合も日本はある程度の決定機を作り出していた事です。今回のベストゲームであるウルグアイ戦、試合を通してオープンな展開となったエクアドル戦は勿論、それは0-4の大敗を喫したチリ戦でもそうでした。南米のチームは、特に今回のコパ・アメリカの様な大会になると「最終的に勝てればOK」的なスタイルにもなるので、それはある種必然的な流れかもしれませんが、例えばカタールvsアルゼンチンの試合でカタールが決定機を作り出すには至らなかったところを見ると、それはやはり一つ評価されるべきポイントだったんじゃないかと。

ただ、その3試合の中でもチリ戦とその後の2試合では大きな差があり、中盤が完全に柴崎岳の孤軍奮闘に委ねた機能不全に陥っていたから、スピードと抜け出しに賭けた形でしかチャンスを作れなかったチリ戦に対し、板倉滉、三好康児の起用で「中盤でしっかりボールを持つ」という日本の良さをしっかり活かす事がその後の2試合では出来ていた為、大会中に軌道修正が出来たところも個人的には良かったと思います。1勝も出来なかった事実は事実なので結果は残念なものでしたが、メンバー構成も考慮すれば内容的には予想よりも良かったのではないでしょうか。

 

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一方で、チリ戦では上田綺世が再三に渡って訪れた決定機を外してしまい、エクアドル戦のアディショナルタイム、これを決めれば決勝点になる可能性が極めて高かった久保建英のパスから提供された決定機を前田大然が逃してしまうなど、近年聞く機会が減りつつあった「決定力不足」という言葉はこの大会では凄く感じる結果にもなってしまいました。

この大会を通じて、なんとなくどこか良くも悪くも昔の日本代表のように感じた方は少なくなかったのではないでしょうか?その要因は、今回のメンバー構成がもたらした戦力以上の不足要素だった様に感じます。

 

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日本がW杯初出場を果たした1998年フランスW杯と近年の日本代表の最大の差として間違いなく挙げられるのは「選手個々の国際経験の差」です。

フランスW杯に挑んだ日本代表は全員がJリーガーで、それ以前に海外でプレーした選手もごく僅かしかいない状況でした。その為、世界というものはリアルに感じられるはずもなく、初戦のアルゼンチン戦では対戦相手であるガブリエル・バティストゥータアリエル・オルテガディエゴ・シメオネといったスター選手は所謂「テレビの中の人達」であって、その時点で試合前から少し不利なメンタルになっていたところがありました。しかし海外でプレーする選手が増え、そしてそもそも、日本代表の躍進と共に国際大会での経験も増えた今の日本代表にとってその心配は無く、それがフランスW杯とロシアW杯の最大の違いである事は明白です。

一方で、今回はA代表では無くU-22日本代表+オーバーエイジと言える布陣で大会に挑みました。柴崎や岡崎慎司川島永嗣といった経験のあるプレーヤーも数名居たとはいえども大半が国際経験は少ない選手で、そういう意味では選手の国際経験的には2000年代前半くらいに戻っていたところがあるのです。この辺りがどこか、コパ・アメリカの日本代表に悪い意味での懐かしさを覚えた要因の一つだったと考えています。

 

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勿論、いくら実質U-22日本代表だとしてもA代表として公式大会に参加した訳ですから、結果は求められて然るべきです。でも、必ずしも勝利を目標にしようがなかった今大会で日本が見せた戦いは大きな価値のあるものだったと思いますし、そしてこの戦いを本当に意義のあるものにする為には来年の東京五輪での活躍が必須となってきます。

なんにせよ、100点の大会でなかった事は間違いないですが、ネットで渦巻く「賛」と「否」で語るなら、十分「賛」に値したのではないでしょうか。

 

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…という途中で書くのが止まってたブログの続きをなでしこ見ながら書いてます。

ではでは(´∀`)