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ガンバ大阪2010年代システム今昔物語〜前編・2010〜2014年編〜

これから横浜絡みのブログ書きまくらねば…。

 

どーもこんばんは

 

 

 

さてさて、先日ガンバ大阪所属のDF、米倉恒貴が古巣であるジェフユナイテッド千葉への期限付き移籍が発表されました。

同時にJ3で好調を維持していたFW高木彰人のモンテディオ山形への期限付き移籍も発表され、これで今夏にガンバから退団した選手はDFオ・ジェソク、MF田中達也、FWファン・ウィジョ、FW中村敬斗、MF藤本淳吾、MF今野泰幸に続いて8人目(ジェソク、中村、藤本は期限付き移籍)、特にジェソク、今野、そして今回の米倉と、2014年の三冠メンバーが3人退団という事になってしまいました。

一方で、同じく三冠メンバーであるFW宇佐美貴史、FWパトリックが復帰するなど、巻き返しに向けてガンバは激動の移籍市場の波を渡っています。

 

 

 

ジェソクや今野はここ数年ずっと不動のレギュラーでしたし、米倉は不動のレギュラーではなくとも常に準レギュラーのポジションにはいました。そんな3人が今夏、出場機会を求めて移籍を決断した要因としては、第12節セレッソ大阪戦以降、宮本恒靖監督がシステムのスタメンの大幅変更を決意し、そしてそこから成績が上向いた事でガンバがこれまでやや後回しにしていた感のある世代交代を一気に推し進めた事にあります。ただ、これに関してはサッカー界の摂理でもある訳で、時代というものは止まらずに進んでいく訳です。

そこで今回は今、改めて、西野朗監督が率いていた2010年からのシーズンやスタメンを振り返り、2010年代のガンバ大阪のメンバーや戦い方の推移を振り返っていきたいと思います。それではまずは2010年から。

 

 

 

2010年

監督 西野朗(9年目)

J1リーグ 2位(18勝8分8敗勝点62)

ナビスコ杯 ベスト8

天皇杯 ベスト4

ACL ベスト16

ゼロックス杯 準優勝

 

主な入団選手

FW ゼ・カルロスポルトゥゲーザ

FW ドド←愛媛

FW イ・グノ←磐田(シーズン途中)

主な退団選手

GK 松代直樹→引退

MF 倉田秋→千葉(レンタル)

FW 播戸竜二C大阪

 

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2008年、2009年のような大型補強は行わなかったガンバだったが、その中でも数少ない補強となったゼ・カルロスが大外れ。更に前年途中に加入したペドロ・ジュニオールまで退団した上に、怪我人やコンディション不良の選手が続出した事で開幕から5試合未勝利無しなど苦戦を余儀なくされる。しかし怪我人の続出や補強の失敗はかえって現有戦力のブレイクを促す結果にも繋がり、平井将生が日本人最多得点となる14ゴールを決め、宇佐美貴史もブレイクを果たすなど成績は徐々に復調。この年は名古屋が独走状態だった為に優勝争いに絡みはしなかったが、結果的に優勝した2005年以降では最高成績となる2位でフィニッシュした。

翌年は橋本英郎が大怪我でシーズンの殆どを欠場する事になる為、遠藤保仁橋本英郎明神智和二川孝広で構成される「黄金の中盤」が機能したラストシーズンという表現も出来る。

 

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2011年

監督 西野朗(10年目)

J1リーグ 3位(21勝7分6敗勝点70)

ナビスコ杯 ベスト4

天皇杯 3回戦敗退

ACL ベスト16

 

主な入団選手

DF 藤春廣輝大阪体育大

FW アドリアーノC大阪

FW ラフィーニャ草津(シーズン途中/レンタル)

主な退団選手

DF 安田理大フィテッセ

FW アドリアーノ→アル・ジャイシュ(シーズン途中)

FW 宇佐美貴史バイエルン・ミュンヘン(シーズン途中/レンタル)

 

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クラブ創立20周年、そして西野ガンバ10年目にしてラストシーズンとなる2011年の前半戦は、これまで築いたポゼッションサッカーからは少し逸れ、宇佐美、イ・グノアドリアーノのスピードを活かすカウンターサッカー寄りのスタイルとなった。

そのサッカーで思うように勝点を積み上げる事が出来ない中、宇佐美とアドリアーノの退団とラフィーニャの獲得を機に再びポゼッションスタイルへと戻すと後半戦は調子を上げ、一時首位にも躍り出る。最終的に優勝は逃したものの、積み上げた勝点70はガンバ史上最多。このシーズンをもって西野監督が退任し、西野ガンバの中心的存在だった橋本、山口智もチームを去る事になる。

 

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2012年

監督 ジョゼ・カルロス・セホーン(1年目)→松波正信(4節〜)

J1リーグ 17位(9勝11分14敗勝点38)

ナビスコ杯 ベスト8

天皇杯 準優勝

ACL グループステージ敗退

 

主な入団選手

DF 今野泰幸FC東京

DF 岩下敬輔←清水(シーズン途中/レンタル)

FW レアンドロアル・サッド(シーズン途中/レンタル)

主な退団選手

DF 山口智→千葉

MF 橋本英郎→神戸

FW イ・グノ蔚山現代

 

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西野監督が退任し、セホーン監督と呂比須ワグナーヘッドコーチによる「新しいガンバ」を造る作業が始まる。しかし様々な要素が絡んで大失敗したのは周知の通り。結局第4節という早い段階から断れない状況で監督初挑戦をする事となった松波監督にとってここからの再建とは余りにも酷なミッションと言えた。戦い方などを西野監督時代のものを踏襲し、夏場には岩下敬輔家長昭博レアンドロを獲得した事で一時は好調に転じかけたが残留争いを抜け出すには至らず、最終節で磐田に敗れて初のJ2降格を喫してしまった。

最多得点で得失点差プラスながら降格という珍記録が話題になったが、この年のガンバは守備が完全に崩壊し「3点目を取らないと勝てない」という現象がそれを如実に物語っていた。同時に最多得点といっても、札幌戦や名古屋戦、浦和戦などでの固め取りが影響しており、西野体制では当然のように取れた「3点目」を取りきれなかった事も降格の要因だろう。尚、今野をボランチに配置して守備の比率を高めて挑んだ天皇杯では準優勝の結果を残している。

ただ、この年の新戦力となった今野、岩下、佐藤晃大に加えて前年にデビューした大森晃太郎金正也、この年にルーキーとして入団した阿部浩之西野貴治、レンタル移籍から倉田秋丹羽大輝らが復帰した事で後の三冠チームのメンバーの大半が揃ったシーズンでもあり、今思えば第一次黄金期の崩壊と共に第二次黄金期が幕を開けた年だったとも言えよう。

 

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2013年

監督 長谷川健太(1年目)

J2リーグ 優勝(25勝12分5敗勝点87)

天皇杯 3回戦敗退

 

主な入団選手

DF オ・ジェソク江原FC

FW ロチャ←ステアウア・ブカレスト(シーズン途中)

FW 宇佐美貴史バイエルン・ミュンヘン(シーズン途中/復帰)

主な退団選手

DF 中澤聡太→川崎

MF 家長昭博マジョルカ(シーズン途中/復帰)

FW レアンドロアル・サッド(シーズン途中/復帰)

 

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清水を躍進に導き、多くの日本代表選手を育てた長谷川健太監督が就任。守備の再構築や若手の活性化という意味では、J2落ちを正当化する事は間違っても出来ないが、後の三冠に繋がる事を考えれば育成という意味でJ2での1年間は理想的なステージだったのかもしれない。

序盤は思うように勝ち切れずに苦しんだとはいえ、なんだかんだ早いうちから自動昇格は確定的なものにする事に成功。シーズン途中に家長とレアンドロが退団するが、代わりに入団したロチャ、そして復帰した宇佐美貴史の大活躍でガンバと激しいデッドヒートを繰り広げていた神戸を振り切ってJ2優勝を果たした。これまでは余り出場機会に恵まれなかった若手選手がこの一年で大きく経験を積み、「戦力として使える」レベルまで育った事は2013年の何より大きな成果だった。

J1が人気や観客動員が低迷している中、この年のガンバはJ2各地のスタジアムで観客動員に苦しむチームのチケットを軒並み完売させ、J2平均入場者数の大幅アップに大きく貢献。この現象は前年に「ガバノミクス」とも呼ばれるなど、ピッチ外でも話題性があった。

 

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2014年

監督 長谷川健太(2年目)

J1リーグ 優勝(19勝6分9敗勝点63)

ナビスコ杯 優勝

天皇杯 優勝

 

主な入団選手

GK 東口順昭←新潟

DF 米倉恒貴←千葉

FW パトリック←サルゲイロ(シーズン途中/レンタル)

主な退団選手

GK 藤ヶ谷陽介→磐田

DF 加地亮→チーバスUSA(シーズン途中)

MF 武井択也→仙台

 

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J1に再昇格したガンバは長年懸念とされていたポジションにGK東口順昭を獲得。加地亮オ・ジェソクも怪我がちだった右サイドバック米倉恒貴を獲得してシーズンに挑んだ。昨年から長谷川監督の元で取り組んできた守備の再構築の効果もあって守備には一定の安定感が見られたものの、宇佐美の負傷離脱もあって攻撃が停滞し、降格圏に沈んだ状態でブラジルW杯に伴う中断期間に突入する。

しかし中断期間直前に宇佐美が復帰するとチームは徐々にJ1の感覚を取り戻し、攻撃は再び輝きを獲始める。そしてパトリックを獲得したタイミングで一気にブーストがかかり5連勝。1勝1敗を挟んで7連勝を果たすなど一気に優勝争いに参入。第32節、この試合で勝てば優勝が決まる状況だった浦和との直接対決を終了間際の2ゴールで制すと、そのままの勢いでリーグ優勝を達成。更にはナビスコ杯と天皇杯も制してJリーグ史上2チーム目となる三冠を達成し、名実共に歴史的なチームとなった。

西野監督時代の黄金期と比べると、攻守のバランスが向上した事は言うまでもないとして、攻撃に関しては西野ガンバのようにチーム全体の攻撃力というよりも、宇佐美、パトリックの人並み外れた馬力を持つ2人が前線に君臨していた事の効果は大きい。そして2列目のポジションにいた倉田、阿部、大森の3人が攻撃力とハードワークを両立するという、組織というよりも個人の連動で成立していた攻撃パターンだったと言えた。

 

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…一旦ここで今回は終了。

次回は2015〜2019年編です!


 

 

まーりんるーじゅで、あーいさーれて♡

ではでは(´∀`)