ロシアW杯観戦記〜あれから1年…《海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜》2019年再編集版〜第6話 Wi-Fiの失せた男の哀歌

【ロシアW杯観戦記再編集版、第1話、前話はこちら↓】

 

 

 

 

出張でも旅行でも、海外に行く時に重要になってから一つの問題は電波問題である。

時代は21世紀…今や世界は携帯電話無しでは成立しない世の中となっているからだ。海外に行く際の電波確保としては、空港でポケットWi-Fiをレンタルするか最初から購入しておくか、或いは現地SIMを使用するか…といった方法が挙げられるだろう。ロシア滞在期間、別に現地SIMを購入するほど長期間滞在する訳でもないし、ロシアでの時間はポケットWi-Fiをレンタルする事になった。

 

問題は中国滞在期間をどうするか…である。

 

前回でも述べたように、トランジットの都合上で中国の深圳で一泊する事になっていた。しかし、ポケットWi-Fiを空港でレンタルするとなるとロシア用と中国用で別にお金を払わなければならないし、そもそも中国でする事なんて空港からホテルに行き、ホテルで寝て空港に向かうだけだ。そもそもこのご時世、多くのホテルでWi-Fiは無料で使えるようになっている。予約したホテルでもWi-Fiが使える事を確認済みだった我々は、コストカットするならここ…という事で、中国ではポケットWi-Fiはレンタルしなくて良かろう…という事に。プランとしては空港のWi-Fiを用いて位置関係を把握しよう…というプランである。

この後発生するトラブルを経た今でも、別にこの判断が間違ったものだとは思わない。しかしこれが、後々厄介な事象の引き金を引く事になった。

 

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問題は深圳の税関を抜けてすぐに訪れる。

まず友人の荷物が一向に流れてこないのだ。…まあ、これは言ってしまえば海外旅行あるあるというか飛行機あるあると言えるもので多少のストレスは溜まれど、そこまでイライラするほどの問題ではない。真の問題は友人の荷物を待つ間、せっせと接続を試みたWi-Fiに関してである。

空港で使えると思い込んでいたWi-Fiは繋がりこそするものの、全くもって使用出来なかった。ここに関しては完全に認識が甘かった。中国でTwitterGoogleなどが使用出来ない事は知っていたが、それ以上に我々は同様に使えないLINEをどう使うかばかり気にしていた為、日本で使えるWi-Fiの使用方法が冷静に考えれば使える訳もない事が完全に頭から抜け落ちていたのだ。全てを委ねた友人が悲鳴を上げればその瞬間、私は黙って白眼を剥いて鼻血と鼻水を噴き出す事しか出来ない。とりあえず、ホテルまでのアクセスは出国前にプリントアウトしてあった為、それに基づいて深圳空港からとりあえず深圳の地下鉄に乗り込む事になる。

 

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深圳というか、この時期の中国は全体的にワールドカップ観戦でロシアへのトランジットの為に宿泊している人間がかなり多かった。その為、空港近くのホテルなら結構な料金を取られるので、空港からは離れたところにあるホテルを予約していた。後述するが値段の割には結構なクオリティのホテルで、勿論物価など違いはあったとしても東京で同じクオリティのホテルを取ろうと思えば倍以上はするんじゃないかと思うほど。だがその分、空港からは地下鉄で1時間近い時間を要した。

 

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初めて体験する中国の地下鉄は中々にカルチャーショックではあった。

深圳空港で地下鉄に乗ってから一度乗り換えをするのだが、多分そこがターミナル的な駅だったのだろう、かなり多くの乗客が乗降者する駅だった。これ自体はむしろ、満員電車で有名な日本で育った私なのでよく見る光景ではある。

しかしその駅で降りようとした時だった。私を含めてそこそこ多い乗客が降車しようとすると同時にそこそこ多い乗客が一気に乗車してくるのだ。「ええっ…うそやん、うそやん…」と思いながらローラー式脱水機の如く人波に揉まれて降車したこの時、私は初めて「日本じゃない国に来た」という事を実感したかもしれない。ちなみに、ロシアの地下鉄では降りる人優先の秩序はしっかり守られていた。

1時間ほどかけて目的の駅が近付いてくる。深圳と言えば今や中国のシリコンバレーとも称され、近未来都市とも呼ばれているような都市だが、我々が宿泊する場所は都市群というよりはベッドタウン的なところだったので、多分その辺は地下に潜っている間に通り過ぎているのであろう。ちょっと見物したかった気も無くはないが、そもそもトランジット目的であって中国旅行は目的ではない訳で。

 

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…で、問題はここからである。Wi-Fiが無くても一応Googleマップは地図としての機能を果たしはしているが、現在地がさっぱりわからないのは仕方ないとしても目印となるべき建物がもはやさっぱりわからない。そしてGoogleマップ的にホテルがどれを指しているのかもブレブレの状態だった。日本から地図プリントアウトしてくれば良かった…と思ってももう遅い。蒸し暑い中国の夜、中国代表は出ないけれど、やたらとワールドカップ広告が乱立している街を練り歩く時間が続く。本来のアクセスは駅から10分だったらしいが、駅を出て10分なんてとうに経った。

もう一つ誤算だったのは、勝手な思い込みとして深圳という都市の性質的にも、深圳は結構英語が通じる都市だと思い込んでいた。それは友人も同じ事を思っていたらしく、英語で道を聞こうと試みたりしていたが想像以上に英語が通じない。いや、まあ確かに自分も英語なんて喋れないので人の事は言えないのだけれど…とにかく、アクセスに繋がる明確なヒントは見つからない。前述のGoogleマップの件も、恐らく日本ならばその状態でも辿り着けたのだろうが、国と言語が変わり土地勘の全てが失われる事の影響は確かに大きかった。

 

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散々うろうろした挙句、警備員と思わしき方に道を聞く事が叶い、通常10分の距離を40分かけてようやくホテルに到着する。思えばこの日は昼過ぎに飛行機に乗ってから一度もWi-Fiを繋ぐ事が出来なかったから、ホテルについてWi-Fiを入れた瞬間、あれだけLINEを返す作業に感動した事があっただろうか…。文明の発展とは恐ろしいものである。

トランジット目的とは言え、せっかく中国で一泊するんだから、晩飯として深圳で中華料理くらいは食べたいね、なんて話はしていた。しかし散々ホテルを探し回り、そうでなくても関空までの移動を合わせれば半日くらいフルで移動ばかりしていた我々にそんな体力と気力が残っているはずもなく、実に久し振りのWi-Fiと戯れ、「…ロペテギ!?」なんて声を発した後、泥のような眠りについた。宿泊客が男だったが為に「そういうお店」のチラシも入れられたりしたが、そういう気力だってあるはずもない。

 

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翌朝。

朝食バイキング会場に行けば、殆どの客が少なくともアジア系ではなさそうな外人だった。深圳という土地柄、そればかりという訳では無いだろうが、我々と同様にロシアに行く中継地点としている人間も多かったのだろう。朝食バイキングに関しては揚げパンがかなり美味しかった。全体的にそこそこ美味しかったが、やはりコーヒーに関しては作成済みの激甘カフェオレしか無かった…。

 

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初日にして、なんならロシア入り前にも関わらずこの旅最大のピンチを迎えた深圳での夜を越え、いよいよ今日はロシアへと旅立つ日だ。行きしはあれだけ苦労した道も、今回はWi-Fiが無くともきっちり10分で駅まで着く事が出来た。人間とは学習する生き物である。

ただ、中国の道路は余りにも交通量が多いどころか、大抵が交通ルールなるものをガン無視で走っている。信号は青のはずなのに何故か此方が車と車の間をすり抜けていくような歩き方を余儀なくされたり、とんでもないところを自転車が走って行ったり。日本ならば1年で聞くくらいのクラクションの回数なんて3分くらいで越えて行った。半日ほどの滞在でも受けたカルチャーショックは結構ヘビーだった…。

 

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つづく。