結局、Jリーグクラブに於ける親会社ってなんぞ?〜最近Jリーグの親会社とかIT企業なんたらのニュースが多いから、その辺のニュースを理解し易くする為のJリーグと親会社の形の基礎知識〜

フェスのセトリとか大型音楽特番とか見てると周知曲3曲持ってたら相当デカいよねって思う。

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、昨年は「◯◯ペイ」という言葉が流行語大賞にノミネートされたりもしましたが、IT化の波は近年ではモノに留まらず様々なところに波及してきています。…安心してください、別に経済ブログじゃなくてちゃんとサッカー絡みのブログです。ただ、JリーグとIT業界の関係は近年どんどん結び付きを強めており、特にここ2〜3年はその事が大きく話題になったりもしていましたね。特に昨年は鹿島アントラーズの経営権を「メルカリ」が取得したり、オーナー企業にAbemaTVなどを運営する「サイバーエージェント」を持つFC町田ゼルビアのクラブ名変更騒動などがあったりしましたが、インパクトの大小はともかく来年以降も「JリーグとIT企業」「Jリーグとオーナー・親会社」的なニュースや話題は多くなっていく事が予想されます。

 

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ただ、鹿島や町田の件で感じた方もいるかもしれませんが、そのニュースを見てこう感じた方もいると思います。

 

「そもそもの前提がわからんから何がなんだかさっぱり…」

 

という事で今回は、さすがにめちゃくちゃ専門的なエコノミックな事だったりテクノロジーの事を語れる程の知識は無いので細かい事は書けませんが…少なくともJリーグのビジネス的なニュースをある程度理解出来る助けにはなるようなチュートリアル的なブログを書いていきます。

昨年にも一応Jリーグと親会社の関係をまとめたブログを更新したのですが(このブログの中では結構ロングヒットしてる)↓

 

 

さすがに去年のブログなので情報にタイムラグもあったりしますし、その辺りも最新の情報にバージョンアップしながら書いていけたらと。

 

 

 

①そもそも、Jリーグに於ける親会社の定義って何?

 

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Jリーグの規約として「チーム名に企業名を入れてはいけない」となっている為、プロ野球で言う「福岡ソフトバンクホークス」「北海道日本ハムファイターズ」などの様にわかりやすくアピールされている訳ではありませんし、例えばJ1であれば北海道コンサドーレ札幌大分トリニータなどの様に親会社を持っていないチームも多く存在します。が、親会社を持つチームの構造については一般的に言う「子会社」などに近い感覚で考えて大丈夫です。

というのも、そもそも1993年のJリーグ開幕の時から居たようなチームの多くは「会社のサッカー部」という事例が多く、プロ化に伴い「会社のサッカー部」から「子会社としての企業」となったのが親会社を持つJリーグチームの主なパターンです。例を挙げると以下の通り↓

 

Jリーグ元年の10クラブ(オリジナル10)

住友金属工業蹴球団株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー

古河電気工業サッカー部ジェフユナイテッド株式会社(ジェフユナイテッド市原)

三菱重工業サッカー部浦和レッドダイヤモンズ株式会社

読売サッカークラブ株式会社読売日本サッカークラブ(ヴェルディ川崎)

日産自動車サッカー部日産フットボールクラブ株式会社(横浜マリノス)

全日空横浜サッカークラブ全日空佐藤工業サッカークラブ(横浜フリューゲルス)

トヨタ自動車工業サッカー部株式会社名古屋グランパスエイト

松下電器産業サッカー部株式会社ガンバ

東洋工業サッカー部株式会社サンフレッチェ広島

(オリジナル10の中では現在の清水エスパルスのみ親会社を持っていない)

 

…結論から言うと、親会社と呼べる定義についても基本的には一般的にイメージする定義と大差は無く、株式の50%以上を取得しているかどうかというところになります。

ただ、親会社を持つチームにもパターンは複数ありまして。親会社を持つチームをパターン別に分けると大体こんな感じ↓

 

A.母体となった企業がそのまま親会社になっているクラブ

 

浦和レッズ(三菱重工業株式会社)

大宮アルディージャ(NTT東日本)

柏レイソル(日立製作所)

川崎フロンターレ(富士通)

FC東京(東京ガス)※1

横浜F・マリノス(日産自動車)※2

ジュビロ磐田(ヤマハ発動機)

名古屋グランパス(トヨタ自動車)

ガンバ大阪(パナソニック)

セレッソ大阪(ヤンマー)

徳島ヴォルティス(大塚製薬)など

 

B.主要株主が2社存在し、共同経営と言えるような状態になっているクラブ

 

ジェフユナイテッド千葉(東日本旅客鉄道古河電気工業)など

 

※1 FC東京に関しては厳密な意味での親会社では無いが、東京ガスが事実上の親会社となっている事でAに分類している。一方、ミクシィが本格的に経営に参入してきた昨今ではBに分類されるという見方もある。

※2 横浜F・マリノスは2014年に20%の株式を取得したシティ・フットボール・グループの影響が大きくなっている為、事実上のBとする見方もある。

 

C.元々あったチームを買収、50%以上の株式取得、及び元の親会社から経営権を譲渡されたクラブ

 

鹿島アントラーズ(メルカリ)

FC町田ゼルビア(サイバーエージェント)

湘南ベルマーレ(RIZAP)※3

京都サンガFC(京セラ)

ヴィッセル神戸(楽天)

V・ファーレン長崎(ジャパネットたかた)など

 

※3 湘南ベルマーレ筆頭株主はRIZAPでは無くRIZAPと三栄建築設計が共同設立した「株式会社メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ」である為にBに分類する見方もあるが、議決権は三栄建築設計ではなくRIZAPが有しているのでCの方が近い。

 

実際に大きなニュースになっていましたが、これまでは元の親会社がそのまま経営しているパターンか親会社を持たない企業を買収するパターンが主だった中で、日本製鐵からメルカリに経営権が譲渡された鹿島のパターンはJリーグにとって新しい展開でもありました。ミクシィの動き方次第では、近い将来鹿島のパターンにはFC東京が続く可能性もあります。

 

 

 

②そもそも親会社を持つ事のメリットとデメリット

 

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プロスポーツの親会社」と聞くと、ニュースになるのはネガティブな話題が多かったりします。社長や幹部が親会社からの出向人事だったりだとか、親会社の意向が悪い意味でクラブに反映されたりだとか、経営陣の現場介入だとか…。親会社を持つクラブのファン・サポーターはこれらのニュースに疲弊して親会社の居ないクラブの自由な発想なんかを羨ましがる図も時折見かけます。勿論、これらは親会社がいる事の大きなデメリットとも言える部分で、近年では2016年の名古屋のように経営陣の対立などにクラブそのものが巻き込まれたり、2019年には町田のクラブ名改名が賛否両論を巻き起こしたり、最悪の事態としては1998年の横浜フリューゲルスのようなパターンが挙げられるでしょう。

 

ですが、間違いなく言えるのはヨーロッパのビッグクラブなどと違ってクラブ単体で巨額の利益を生み出す事はまだ難しいJリーグクラブにとって親会社を持つ事は相当なアドバンテージになる…という事です。

勿論、親会社の中でも補強などの強化予算を多く落としてくれるかどうかはチーム、企業によって差もあります。ですが、それでも親会社は最低でもチームが存続の心配をする必要は無いだけのお金を落とす責任は発生する為、親会社を持たない市民クラブがチーム強化やクラブ設備に加えてチームの存続まで考えた予算構成を想定しなければならない中で、親会社というバックがついている以上は子会社はある程度スポーツ面への投資だけを考える事が出来るのは大きな利点でしょう。親会社の存在というものは、例えば神戸のように起爆剤とまでは行かなくても、少なくとも「保険」という見方をする事は出来ます。Jリーグの歴史を見ても、親会社を持たないチームが優勝した事例はサンフレッチェ広島のみで、その広島にしても元々の親会社だった東洋工業が完全に撤退した訳ではなく株式を一部譲渡しただけで後方支援には加わっている為に完全に「親会社を持たない」とは言えないチームなので、Jリーグで上位を争うチームで居続けたいのなら親会社の存在は必須とすら言えます。

 

 

 

③企業から見る親会社となるメリット

 

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基本的にサッカーチームを子会社化するにあたって、サッカーチームで利益を出そうという狙いで経営、買収をする事例は殆どありません。というより現実的に実現性が余りにも低過ぎるので。じゃあ買収する目的は?というと、企業側のメリットとしては多角的なプロモーションが狙える部分が大きいです。そしてそれは、何も単純な「広告塔」との意味も異なってきます。

近年、楽天に始まりメルカリやサイバーエージェントミクシィなどのIT企業がスポーツ事業に積極的に参入している理由はこの部分にあって、プロスポーツチームを経営している」という事はビジネスの世界で「話のネタ」にし易く、プロモーションというものは単純なCMというよりは世界に向けた人脈構成的な意味合いが近年は強まっています。昨年に大きな話題となった町田のクラブ名改名騒動で、藤田晋オーナーがクラブ名に「トウキョウ」を含める事にあれだけ拘ったのはスポンサー獲得も含めたプロモーション的な側面が非常に大きな意味と狙いを持っていました。最近、新設される多くのスタジアムに「VIPルーム」が設置される事が多いのも、サッカーというコミュニティをビジネスの発信地とする狙いが見て取れます。Jリーグの初期は親会社にとっての福利厚生としての意味合いが強かったですが、あらゆる分野がグローバル化している昨今ではサッカーチームは「広告塔」よりも「ツール」という意味合いが強くなっていると考えられるでしょう。

 

 

 

もっと本格的な経済とスポーツの話を知りたいという方はそういうところに精通した方のブログや記事を読んで頂きたいのですが、とりあえず基礎知識としてのJリーグと親会社などのビジネスの形としてはこんな感じです。IT化の動きは少なくとも逆行する事は無いでしょうから、どれくらいの速度かは別としてもその波はこれからも続いていく事は確かです。即ちこの手のニュースはこれから増えていくでしょうから、これらの事を頭に入れておくとニュースの内容も理解し易くなるのではないでしょうか。

ではでは(´∀`)