ロシアW杯観戦記〜あれから1年…《海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜》2019年再編集版〜第9話 モスクワの休日

【ロシアW杯観戦記再編集版、第1話、前話はこちら↓】

 

 

 

無事にチケットセンターを抜け出した我々はいよいよモスクワ見物に出かける。中国では殆ど何もしないまま出国したし、前夜の赤の広場は観光とはどこか意味合いが違ったような気もするから、この旅行でちゃんと観光をするのは3日目にして初めてとなる。

 

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モスクワ…それは大国ロシアの首都で、ヨーロッパで最も人口が多く、世界の誰もが知る大都市である事に異論を挟む者はまずいない。一時期サンクトペテルブルクに首都の座を譲った時もあったが、ロシアの時代もソビエトの時代もユーラシア大陸東側に於いて絶対的な都市で在り続け、世界史の教科書でも幾度となく舞台となる歴史ある都市だ。

そんな歴史的な大都市だから、当然観光名所も見るべき場所というものも非常に多い。だが一方で、他の大都市に比べるとロシアという国への観光には些か抵抗を覚える方も多いのではないか。実際に私もそうだし、ニュースを見て歴史を学べば「妙な恐怖感」が付き纏う。友人知人に海外旅行大好き人間は複数いるが、トランジット以外でロシアに旅行に赴いた人間はあまり聞かない。それだけロシアという国は今の日本と物理以上の距離があると感じてしまうのだ。私自身、「ワールドカップ観戦」という大義が無ければ友人の誘いを受けてロシアに行ったかどうか正直わからないし、「お前、初海外がロシアってやべぇな」と様々な友人どころか誘った張本人の友人にすら言われた。なんなら自分でネタにもしてたし。

しかしだからこそ、ただでさえ英語もロクに喋れない私がロシアに行くとすれば今回のように、ロシア語ペラペラの友人が通訳&ガイドを務め上げてくれる今回以外にチャンスは訪れる事は無かったように思う。お昼前、昨夜とは雰囲気の違う赤の広場へと戻った。

 

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赤の広場を抜けると、ロシアの象徴であるモスクワのクレムリン聖ワシリイ大聖堂が顔を出す。ロシアW杯中継の時、恐らく何度もOP映像なんかで流れただろうし、ロシアの観光名所と言えば!という質問に多くの人が最初に思い浮かべるであろうアレだ。間近まで近付くと当然だが相当にデカい。

 

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やはりW杯期間中だからか、我々も含めてロシア人よりもW杯ついでに…という観光客が多かったように思う。ユニフォーム姿の外国人も非常に多かったし、なんならまたしても「ペェェェルゥゥゥッ!」というコールも聞こえてくる。ペルー代表サポーターの集団はどこにでもいるのか…。ちょっとだけ宇佐美貴史ユニ着てくれば良かったかも、なんて少し思いながら天候にも恵まれた赤の広場を歩く。理屈としては北海道と同じで、冬は極寒な分夏は程よく涼しい。6月のモスクワは暑くもなく寒くもなく、丁度いい気候と言えた(この後行くサンクトペテルブルクはだいぶ寒かったけど)。

ちなみに、気候的には過ごしやすいけどロシアは滅茶苦茶陽射しが強い。最初は海外旅行に行くんだからカッコつけてやろうくらいのノリで出国前にサングラスを購入したが、ロシアに行く際にはサングラスは見栄では無くガチで要る。

 

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海外経験の無い私にとって、夢というほどの事では無いがささやかな願望があった。それは一度「海外の日本食を食べてみたい」という好奇心100%の試みである。2泊3日、3泊4日くらいの旅行ならやはりロシア料理を優先したいが、いかんせん今回は2週間近い期間ロシアに滞在するからこそ、一度ロシアで寿司…いや、SUSHIを食べてみたかった。海外の寿司というのは色々日本とは違うと聞く。この際、美味しいとか美味しくないは関係無く、海外に行ったから何とか実現したいと思っていたところ初日で実現した。場所は赤の広場近くのショッピングモール、日本酒BARに併設された日本料理レストランだ。値段はまあまあ張る。

 

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手前の2つはチーズが巻かれており、チーズロール、或いはサーモンロールに近い。奥のものは半熟卵を巻いたものを天ぷらのように揚げており、こうなってくるといよいよ寿司ではない何か別の料理である。寿司かと言われれば独自進化を遂げ過ぎだとは思うが、味としては結構美味しかった。日本より物価の安いロシアでありながらまあまあ高かったけど…。

 

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何度も言うが、この時はロシアW杯開催期間中である。その為、普段のロシア旅行とは空気が幾分異なっているのだ。それは単純に各国代表のユニフォームを着た観光客が多いだけで無く、特撮モニュメント的なものも設置されていたりする。

 

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HUBLOTのモニュメントがちょっとした広場に置かれており、時計メーカーらしく大会開幕までのカウントダウンが刻まれていた。開幕戦は昨夜行われた為、カウントダウンの数字はゼロになっていたが、ワールドカップが始まれば各国のサポーターがこの広場でちょっとした交流をしてみたり休憩してみたり、憩いの場としての役割を果たしていた。海外旅行未経験者が何をエラそうに、という話だが、この時の異国情緒は通常感じる異国情緒ともまた種類が違うものだったように思う。

 

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ちなみに、このモニュメントの近くで派手な格好で踊りまくっていたコロンビアサポーターのおじさんがこのエリアでは人気を博し、多くの観光客から写真撮影を求められていた。日本の初戦の相手はコロンビア。せっかくなので一枚…。

 

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しかしこの場所、異常なまでに居心地が良かった。快晴と呼べる天気ながら程よく暖かく、周囲の喧騒もどこか心地良いものがあった。近くにあったスターバックスでコーヒーを買えば、ただひたすらこの場所での日光浴に身を浸らせる。

この天気、このロケーション…日本での日常から離れたところに来て、この場所でただただボーッとし、時折コーヒーを飲む。それだけで何かデトックス効果が発揮されていた。よく「時間が止まれば」などという事を言う人がいるが、この場所で何も考えずに過ごす事は時が止まったような感覚を覚えて、そしてこの日この時のこの場所は在りもしない永遠に最も近い場所のような気さえしていた。もういっそ、今日ここで寝てもいいや…なんて思うほどに。

 

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唐突にユニクロ(ちゃんと日本語表記)。

さて、のんびりばかりしている訳にもいかない。だって数時間後には「戦い」が待っているのだから…。赤の広場を出ると、次はアルバート通りへと向かう。

 

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ちょうどこの時、サンクトペテルブルクではグループBのモロッコvsイランが行われたりしていて、テレビで中継を流している店も多くあった。

 

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アルバート通りの街並みを一周すれば近代的な建物の並ぶ通りや「THE ロシア」とも言えよう建物の並ぶところなど、一周するだけで様々なロシアを味わえる、美しい街並みだった。…が、一部分だけまあまあ露骨なハリボテがある。どれとは言わない…探してみてくれ…。

 

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…さぁ、最終日にもう一度戻ってくるが、楽しい楽しいモスクワ旅行はこれで一旦終わりである。これから夜はグループリーグ最大の注目カード、グループBのソチで行われるポルトガルvsスペインの試合をテレビ観戦……する事は出来ない。そう、我々は明日行われるフランスvsオーストラリア戦の為、ここからカザンへと移動するのだ。飛行機?いいや、違う。ただでさえロシアに2週間ほど滞在するならそれだけでまあまあな出費だ。我々は御曹司でもなんでもない、一端の大学生である。そんな金はない。

 

寝台列車である。

 

そう、寝台列車11時間の旅が始まるのだ。リアルシベリア鉄道、そしてこのロシアという地に来てまさかの水曜どうでしょう並の頑張りを見せなくてはならないのだ。なんてったってこの度での寝台列車の総移動時間は39時間にも及ぶ事が既に確定していたのだから…。夜行バスよりも恐ろしい旅に向けて、緊張を抱きながら駅へと向かう。

 

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どこまでも果てしなく美しすぎるモスクワの駅に続くこの街並みはひょっとして寝台列車に続く恐怖の戦いを演出しようとでもしているのか…駅舎はもはや、駅舎とは思えないほど綺麗な建物であった。建築方面で有名なロシアだが、何が凄いってローカルな地下鉄の駅一つ一つにまで建築美を発揮している事である。

 

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確認ではあるが、我々はサイコロを振った結果寝台列車に乗るのではない。強いて言うならば提示されたパネルの1〜6全ての項目が同じだったような感じである。

 

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この寝台列車だが、全部が全部という訳ではないものの第5話で述べたFAN IDを持っていれば無料で乗れるものもある。ロシアに着けばFAN IDは更に強さを発揮し、駅など公共施設の有料のトイレもFAN IDを見せればタダで使用する事が出来る…など。

寝室はこんな感じだが、日本人の私ですら狭いと思うこの部屋…日本人より明らかにデカいロシア人なんか体が縮まるのでは…とも思う。

 

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ただ、なんやかんやでこの列車の中での11時間はそれなりに快適に過ごす事が出来た。4人部屋の中で(ここもなんかどうでしょうっぽい)、2人は私と友人として、もう2人の相部屋となるロシア人2名が非常に気さくな人だった(ちなみにロコモティフ・モスクワのファンらしい)。彼らは11時間の列車の旅用に大量のウォッカ、大量のコーラ、鮭や鶏肉を使った自作のおつまみを大量に用意していたのだが、声を掛けてもらってプチ宴会に参加させて貰える事に。このおつまみはかなり美味しかった。

…そして、ロシアといえばウォッカである。度々ジョークのネタにも使われるほど、ロシア国民はウォッカ大好きである。ロシア人2人は当然にしても、恐ろしい事にロシア慣れした友人もまあまあ普通にウォッカを飲めてやがるのだ。一方の私はそもそもの問題として純粋に酒に弱い。ただせっかくなので、一応一度ウォッカを口にする。

…口にした瞬間の私は多分とんでもない顔をしていたのだろう。「あっ、こいつこのままウォッカロックで飲ませたら死ぬわ。」そんな表情を察したのか、気の利くロシア人はコップになみなみとコーラを注いでくれた結果、ウォッカ0.5にコーラ9.5くらいの割合で飲み切った。ともかく、この2人のお陰もあって異国交流を楽しめた事もあり、このモスクワ→カザンの移動は思っていたよりも苦なく過ごせた。本当にしんどかったのはこの後のカザン→サンクトペテルブルクの移動になるのだが、それはまた今度話すとして…。

 

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ちなみに右下が私。

さぁ、いよいよカザンである。夢にまでみたワールドカップはもうすぐそこにあるのだ。

 

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つづく。