クーラーの設定温度の適温がもうわからない
どーもこんばんは
さてさて、本日のテーマは宮本恒靖新監督就任後のガンバ大阪です。
前任のレヴィー・クルピ監督の解任、宮本恒靖監督就任の経緯やこれまでのガンバについては以下のブログも見て欲しいのですが
改めてざっくりと説明致しますと、15節のロシアW杯による中断期間を前に16位に沈んでいたG大阪は、賛否両論ありながらもクルピ監督の続投を一度は決意。
しかし再開後のサンフレッチェ広島戦、清水エスパルス戦で連敗を喫したタイミングで方針を撤回しクルピ監督の解任を決定、同時に宮本恒靖監督の就任を決定します。
これについて意見や見解などは上に貼ったブログに書いたのでここでは割愛。
そして宮本監督就任後、ガンバはJ1リーグを5試合戦って1勝3分1敗。五分の成績ではありますが、第22節ではガンバが北海道コンサドーレ札幌戦に引き分けている間に4連勝を収めた名古屋グランパスに順位を抜かされ、再び最下位転落の憂き目をみる事となりました。
宮本ガンバはこの5試合で、順位こそ後退したものの戦績自体は1勝3分1敗ですから4勝3分10敗だったクルピ体制から一応は向上しているとは言えます。
しかし5試合のうち、19節ジュビロ磐田戦、先日の22節北海道コンサドーレ札幌戦での引き分けは勝点1を得た試合ではなく明らかに勝点2を落ジュビロとした試合でしたし、20節名古屋グランパス戦の逆転負けは1敗以上のダメージが確実にあったので、宮本ガンバをこの段階でどう評価するべきか、というのは中々に難しいテーマであります。
そこで今回のブログは、この5試合で見えた宮本ガンバの良いところ、悪いところを私なりにまとめてみようと思います。
これはいちガンバファンの勝手な見解であって、もちろん私のようなぺーぺーとは違って現場の宮本監督始め選手、コーチングスタッフはパンクしそうになるほど色々な事を考えて試合に臨んでくれていると思うので、あくまでド素人の戯言だと思って読んでください。
宮本ガンバの良いところ
①ディフェンスラインの整備
宮本監督は元々DF、それもフィジカルで劣る分を頭脳でカバーする事によって日本代表のレギュラー、キャプテンまで上り詰めた選手です。
それもあってか、クルピ体制に於いて完全に崩壊し、秩序の失われていたディフェンスラインを就任してから日が浅い事を踏まえればある程度は立て直せていると言ってもいいのではないでしょうか。
後述しますが、前半戦ではボランチが守備の得意ではない面子だったにも関わらずセンターバックが闇雲に飛び込んでしまう事が多くありました。ファビオが裏取られて追っかけてる姿なんて今年何回見た事か……。
それを守備陣にある程度の規律、約束事を定めた事は宮本監督の良い仕事の一つで(同時にこれまでそれが何も無かった事はクルピ監督の大きな過失の一つだが)、実際に磐田戦、札幌戦に代表されるように相手にボールを持たせる時間は増えたものの完璧に崩されてピンチを迎える場面は少なくなったと言えるのではないでしょうか。
②個々の役割をはっきりさせた
クルピ監督が解任され、宮本監督就任後の初練習の後の囲み取材にて「少し個人の自由度が高いプレーが多いので、少しそういった所を整理出来たらなと思っています」というコメントを発しました。
おそらく初練習の時点でこの点が宮本監督がまず最初に取り掛かった課題だった事が読み取れますし、実際にクルピ体制から1番改善された部分はここだと思います。
1番わかりやすいのがボランチです。
井手口陽介の海外移籍、今野泰幸の度重なる負傷に加えてフロントも守備的ボランチを誰も獲得しないという愚策を披露した結果、目星のつく守備的ボランチが誰もいない状態で開幕した2018シーズン、クルピ体制でダブルボランチは主に遠藤保仁と今夏での退団の決まったマテウス・ジェズスのコンビが殆どの試合で採用されていました。
退団は決まってしまいましたが、マテウスは良い選手でした。対人能力も強く鳥栖戦、での弾丸シュートのようなパワフルなプレーのみならず展開力にも長けた選手で、苦しむ前半戦のガンバを支えた選手の1人だという考えは変わりません。
遠藤にしても、確かに数年前と比べてコンディションは常に下降気味ではありますが、ゲームを作る、整理するコントロールタワーとしての役割は未だに大きなものがあります。
しかし今のこの2人は守備が得意ではありません。
マテウスはデュエルでは一定の強さを見せるものの組織的な守備力には欠けていたし、遠藤は元々守備が不得意ではない選手でしたが、彼はもう38歳。いくらサッカーに年齢は関係ないとは言えども攻守にフル稼働を求める事の方が最初から無理があると言ってもいいでしょう。
実際に4月下旬から5月上旬、一時ガンバが上昇気流に乗りかけた時期は今野泰幸が一時的に復帰しており、遠藤をトップ下に配置する事ができてボランチのマテウスも守備のスペシャリスト、今野の存在で守備の負担を大きく軽減する事が出来ていた側面があります。
そして宮本監督就任後はマテウスの契約解除の影響もあって5試合中4試合で遠藤とJ3チームで宮本監督の教えを受けた高宇洋のコンビが採用されています。
もちろん高がJ1でもある程度やれる事を示した事もポジティブな要素ですが、何より大きいのは遠藤は攻撃重視、高は守備重視とボランチの役割をはっきりさせた事。これで遠藤も負担がある程度軽減されますし、高が守備に力を発揮してくれているお陰でクルピ監督最後の試合で顕著に見られた4バックノーボランチ状態になる事も無くなってボランチが本来あるべきDFラインとの連携を取れるようになりました。
③適切なゲームのスタートプラン
現役時代、クレバーな頭脳を活かしたプレーを売りにしていた選手という事もあって試合開始時のゲームプランは決して机上の空論だけではなくある程度ピッチ上で体現出来ていると思います。やや守備に重心を置いている宮本ガンバですが、実際に5試合で前半の失点は僅かに1失点のみ(じゃあ後半は…という点は後述します)。これは②の項にも大きく通じる事ですが、ゲームプラン、そして②のようにはっきりさせた役割に応じた適切なスタメンを組める事は宮本監督の長所と呼べるポイントの一つだと思います。
前述の高の起用にしてもそうですし、1番わかりやすかったのが21節FC東京戦で、米倉恒貴も初瀬亮も守備に難のある中、守備能力だけではなくフィード力、ビルドアップにも長けた三浦弦太を右サイドバックにスライドさせた事はFC東京戦、そして次の札幌戦でも功を奏していました。
さらにFC東京戦では、ファン・ウィジョがアジア大会で出られないという事情があったとはいえ、その代役が一美和成というチョイスだった事は大きくハマったと言えます。
高にしても一美にしても、宮本監督が2シーズンJ3のガンバU-23で指揮を執っていた事がこの采配に繋り、お互いに理解し合う事が既に出来ていたのもそうですが、一美の献身性、ボールを収める力はアデミウソンと抜群の補完性を備えていると言えますし、恐らくウィジョとも同じようにコンビネーションを取れるのではないでしょうか。
今のガンバのFWのファーストチョイスは間違いなくウィジョ、及びアデミウソンです。ですが、この2人がツートップを組んだ再開後の数試合を見てわかるように、この2人は2人とも個がかなり強い為に互いの長所を消し合ってしまう嫌いがありました。ウィジョがアデミウソン復帰前の方が活躍していた事も、ウィジョが離脱したFC東京戦でアデミウソンがキレキレだった事も無関係ではないでしょう。
その点、この2人のどちらか+ボールを溜める事の出来る一美を組み合わせる事で圧倒的な個人能力を持つ2人を活かす事ができ、それを理解しているからこその宮本監督の渡邉千真獲得リクエストに繋がったんだと思います。
宮本ガンバの悪いところ
①絶望的に勝負弱い
今の宮本ガンバにとって、間違いなく避けては通れない話題です。
1勝3分1敗のうち、勝利したFC東京戦と初陣で引き分けた鹿島戦以外の3試合はただの敗北、ただの引き分けの何倍もダメージの強いものでした。
磐田戦、札幌戦では後半アディショナルタイムのラストワンプレーで同点ゴールを被弾。名古屋戦では最下位相手に2点リードと完璧な形で前半を折り返したものの、後半は物の見事に3失点を喫して大逆転負け。
今のチーム状況の中でこのような展開を繰り返せば繰り返すほど、あまりにも絶望感と悪循環に嵌っている感覚が強くなってしまっていて、これこそが戦績を五分に戻した事をポジティブに捉えられない最大の要因と言えます。
②交代カードの切り方
前提として、交代カードの切り方を含めた試合中の采配は、全て結果論でしか成功と失敗を語れないものですし、勿論宮本監督には宮本監督の考え、プランがあり、それに基づいた采配をしている事は間違いないですし、そもそも選手交代についての考えは考える人間の数だけ答えがあるものですから、ある意味で正解もなければ不正解もないものです。
その上で一つ感じるのが、交代カードを余りにも早く切り過ぎてる、と思う点がいくつかありました。
無論、ビハインドの展開の時は当然1点を追いかけないといけない訳ですから、次々と交代のカードを切る事は当然の事です。ですが宮本ガンバは殆どの試合で試合終盤までリードしている事が多く、その上で3枚の交代枠を手早く使ってしまうのは如何なものか、と思ってしまいます。
交代枠はチームに変化を与えるのに最も有効な手段です。そして1点差で動いている試合は、ガンバが今痛感しているようにいつ同点、或いは逆転が起こってもおかしくはない。交代カードを手早く切るのも2枚まではいいです。ただ1枚は、自チームが1点差でリードしているのならギリギリまで引っ張るべきだと言うのが私の考えです。
磐田戦、名古屋戦、FC東京戦ではいずれも1点リードで迎えたそれぞれ84分、78分、81分に交代枠を使い切っています。そして3試合とも交代枠を使い切った後に同点弾を許している為、いずれもその後に勝ち越しを奪いに行くカードを切る事が出来ない状態になっています。
加えて宮本監督は試合中の采配はかなり消極的で、勿論リードしている訳ですからそれ自体は悪くないと思うのですが、それで3枚を使い切って同点に追いつかれると著しく攻め手が減ってしまっている中残り時間を戦う事になってしまいます。名古屋戦はまさに典型でしたし、最終的に勝利を収めたとはいえ、FC東京戦もそうでした。
また、下位に沈み、前述のような悪循環が始まっている為仕方ない事ではあるのかもしれませんが、札幌戦では59分に藤本淳吾を下げて米倉恒貴、85分には一美和成を下げて藤春廣輝とサイドバックの2選手を投入。
宮本監督としてはサイドバックは三浦とオ・ジェソクのまま、この2人をサイドハーフとして投入したつもりなんだとは思いますが、結果的に気がつけばズルズルバックラインに吸収され、終盤は完全に6バック状態になってしまったガンバはただただ札幌の攻撃を受け続けるしか無くなってしまい、それがラストの都倉賢の同点ゴールに繋がってしまった大きな要因でもあります。
まずそもそも論として、宮本監督にはトップチームの経験はなくこれが初めてです。
J3というプロリーグでは指揮を執っていたとはいえ、それはガンバ大阪のセカンドチームという立場でしたから、宮本監督の監督経験はユース以上J3未満という事になり、経験の浅い監督である事は確かです。
それを踏まえれば、ここまでの仕事は決して期待ハズレというほどのものではまず無く、むしろ良くやってくれている方だとすら思っています。ただ期待以上の仕事という事が出来ないのは前述の理由もあって、そこは監督自身にも改善の余地があるのでしょうが、ある程度は仕方のない事でもあると思っています。
一方でガンバフロントのサポート体制はいささか疑問の残るもので、レノファ山口から小野瀬康介、ヴィッセル神戸から渡邉千真を獲得しましたが、泉澤仁、長沢駿を放出した事を考えるとプラマイはゼロ。同じく残留を争う名古屋グランパス、サガン鳥栖は積極補強で上昇気流に乗りつつあるところを見ると、今夏どころか今シーズンど頭からビジョンに沿った補強を殆ど出来なかったフロントの罪は大きく、梶井前強化部長がその職を辞する羽目になった事も一切の擁護は出来ないと言わざるを得ません。
ですが、ここまでにも述べたように宮本監督には期待できる部分も多くありますし、実際に土壇場の勝負弱さが凄まじ過ぎて薄れてはいますが、クルピ体制より希望を感じる試合が出来ている事もまた事実。
ガンバファンとして、2012年の悪夢を払拭する為にも、こうなってしまった以上後は宮本監督と選手を信じるしかありません。
次は明治安田生命J1リーグ第23節、ベガルタ仙台戦。
札幌戦で復帰した藤春廣輝を始め、今野泰幸も復帰のメドが立ってきました。
某アイドルグループのあの方の言葉を借りるなら、最下位に落ちたガンバは崖っぷちではなく既に崖の下です。ですが残り12試合でその崖を這い上がる事な不可能ではないはずと信じています。
ではでは(´∀`)