何かの間違いでDAZNで解説とかやれないかしら(唐突)
どーもこんばんは。
ごめんなさい、調子に乗りました。
さてさて、国際Aマッチによる中断期間が明ければJ1は残り5試合でございます。
そこで前回から残り5節の展望を行なっておりますが、残留争い編が途中でした。今回は過去の残留争いのデータも加味して考察していきたいと思います。
企画概要などは前回、前々回のブログをご覧頂けると幸いです。それでは早速参りましょう。
③降格確定チームがいない
結局のところ、今年の残留争いの最大のポイントはここにあると思っています。J1残留争いが始まった1999年以降、必ず最下位を独走しているチームだったりが存在して、残り5節を迎える頃には決定こそしていなくても「まぁ、どう考えてもこのチームは降格するやろ」という事が数字としてもほぼ確定しているチームが1〜2チームほど存在していました。
例えば昨シーズンなら新潟の降格は早い段階でほぼほぼ既定路線と見られていましたし、2013年に至っては湘南、磐田、大分、2015年は松本、清水、山形で早々と降格チームが固まった感があり、特にこの時点で最下位のチームは大体降格が既に決定しているか時間の問題となっているかの2択です。
しかし今年、ラスト5節の現時点で最下位の長崎は最下位こそ脱出出来ていないものの、第29節終了時点で勝点を28獲得しており、これはJ1が18チーム全34試合となった2005年以降の最下位チームとしての最高勝点記録を既に更新する事が確定しています(これまでの最高は2009年千葉の27)。
さらに勝点で並ぶ14位柏、15位の磐田との勝点差は僅かに5。加えて長崎は残り5試合のうち4試合が残留を争うであろう相手との直接対決なので、状況がひっくり返る可能性が十分に残っているのです。
私個人の予想としては長崎は最下位のまま降格してしまう予想は変わりません。ただ例年の最下位チームと違って長崎はまだ残留を十分に争える位置に付けているのは間違いなく、長崎が残留を果たしたとしてもそれは奇跡と呼ぶほど不思議な事ではないと言ってもいいでしょう。
④やたらとハイレベルな残留ライン
この時期になるとよく耳にする言葉が「残留ライン」という言葉です。要はどれくらいの勝点を取れば残留出来るのか、という目安と呼べる数字で、シーズン毎に変動する数字ですが大体例年35〜40辺りを推移します。
J1が18チーム全34試合となった2005年から2017年までの13シーズンで、残留圏内となる15位のチームが獲得した勝点の平均は四捨五入して37(最高は2006年甲府の42、最低は2016年新潟の30)。また16位となったチームの平均勝点は33(最高は2012年神戸の39、最低は2013年湘南の25)になります。この2つの数字を平均すると、例年であれば単純計算で大体勝点35を取る事が残留には必須と言えます。
しかし中位陣の足踏みと下位陣の巻き返しにより例年以上に大混戦となった今年のJ1残留争いに於いては勝点35では降格すると見ていいでしょう。現在2試合未消化の16位名古屋の勝点が31で、勝点で並ぶ14位柏、15位磐田の勝点が33。恐らく今年の残留争いでは残留の為には勝点40は必須と言えるかもしれません。状況によっては残留争いが45にまで登る可能性も捨てきれません。
これまでに過去一番残留争いが熾烈と言われたのは2012年でした。この年は札幌の降格は早々に決まりましたが、最終節の時点でC大阪、神戸、G大阪、新潟の4チームに降格の可能性が残り、最後に降格したのは神戸とG大阪。
この年は初めて残留ラインが40に乗り、最終的に15位で残留した新潟は勝点40を獲得。そして16位の神戸が獲得した勝点39は現在でも降格チームとしては最多の勝点であり、同年にG大阪が獲得した勝点38という数字は降格チームの勝点としては神戸に次ぐ歴代2番目に多い数字です。
ちなみにこの年の第29節終了時点での残留争い圏内の順位はこんな感じでした。
11位 セレッソ大阪 (勝点39)
12位 川崎フロンターレ (39)
13位 鹿島アントラーズ (38)
14位 ヴィッセル神戸 (35)
15位 大宮アルディージャ (33)
16位 ガンバ大阪 (32)
17位 アルビレックス新潟 (31)
18位 コンサドーレ札幌 (14)
この年もハイレベルな残留争いでしたが、今シーズンはこれに加えて勝点差がかなり詰まっている為、既に巷で言われている通り過去最もエグい残留争いになる事は間違いなさそうです。
今シーズンに当てはめると前回のブログでも述べたように現時点で13位湘南、15位磐田、16位名古屋の3チームが未消化試合を抱えていますから、結果次第では残留ラインはさらに引き上げられる事になります。
余談ですが、長崎が勝点を後2つ積んで30台に乗せる事が出来ればJ1が勝点制を導入してから史上初めて全チームが勝点30を超える事になるそうです。
⑤FC町田ゼルビアの動向
今年のJ1残留争いが例年と違うのは残留争いに絡む可能性のあるチーム、例年以上にハイレベルな残留ラインの予想値に加えてJ2のFC町田ゼルビアの存在があります。
今シーズン、J2リーグで町田は予想を覆して躍進。第36節終了時点で3位に位置しており、勝点で並ぶ1位大分、2位松本との勝点差は4。加えて町田は未消化試合が2試合ある為、仮にこの2試合を両方勝利すれば町田が一気に首位に躍り出る計算になります。
それだけならただのJ1昇格争いなのですが、町田はJ1に昇格する為に必要なJ1ライセンスが交付されていません。これがJ2下位チームの話ならややこしくはならなかったのですが町田は現時点で自動昇格争いにも絡んでいる為、話がややこしくなっているのです。
似たようなケースとして2014年のギラヴァンツ北九州の例があります。北九州も当時、町田同様J1ライセンスが交付されていない中でJ2を5位でフィニッシュ。本来なら3〜6位のチームが出場出来るJ1昇格プレーオフに進出できる順位でシーズンを終えますが、J1ライセンスを有していない為にプレーオフ出場は叶いませんでした。
結局2014年のJ1昇格プレーオフは、J2で7位だった大分を繰り上げで進出させるのではなく、北九州を除いたプレーオフ圏内(3〜6位)である千葉、磐田、山形の3チームが出場。3位の千葉にはシードが与えられる形となり、プレーオフの枠を埋めるのではなく北九州の分の枠を消すという方式を採用した事になります。
今年の町田がこのままプレーオフ圏内でシーズンを終えれば2014年と同様の措置が採られる事になるでしょう。
ではJ1自動昇格圏内の1位か2位でシーズンを終えた場合はどうなるのか?それも考え方としてはプレーオフと同じで、他チームで埋め合わせをするのではなく一枠削る方式が採用されます。即ちJ2自動降格は最下位の1チームのみとなり16位のチームは残留。17位のチームがJ2プレーオフを勝ち抜いたチームとの入れ替え戦に挑む事になるのです。
町田が自動昇格圏内に入れば史上初めて「降格する順位のチームが降格しない」という現象が発生する為、J1残留争いの当事者チームとしては町田の勝利を心から願う事になるでしょう。
さて、前回の分と合わせて今年の残留争いのポイントは以上の5点です。
優勝争いもここに来て緊迫してきたJ1リーグ。J2の動向も含めて、25周年のJ1はとんでもない混戦になって来ましたね。ますます目が離せない戦いも残り5試合。最後に笑い、そして涙するのはどのチームになる事やら。
ではでは(´∀`)