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消えた天才〜ガンバファンとしてちょっとだけ想うところがあったとか〜

来週はボヘミアンラプソディー観に行くとして

 

今週何か映画行こうかしら、億男でも行こうかしら


   

どーもこんばんは

 

さてさて、昨日ですがTBSにて消えた天才という番組が放送されました。

 

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一応サッカーブログとして運営している当ブログですから、このブログを読んで下さっている方の中にはご覧になった方も、見てはいないけど何となく内容は聞いた、みたいな方も多いのではないでしょうか。

今回はサッカー枠、というよりもロシアW杯戦士枠として吉田麻也、そして宇佐美貴史が出演して「自分が勝てなかった天才」を挙げ、彼らのその後を追跡する番組です。

 

 

 

吉田麻也のパートでは吉田麻也が挙げた天才(新川織部)と同時期に世代別代表でプレーした選手リストが公開され、内田篤人香川真司が紹介されながら間に名前だけ書いてあった倉田秋が完全スルーされるという切ない場面もありましたが、ガンバファンにとって、そして番組としてもよりインパクトがあったのは宇佐美のパートの方でしょう。

 

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宇佐美が挙げたのは河本光善という人物で宇佐美より1歳年上の1991年生まれで、その圧倒的な才能で中学2年生の時には10番を背負い、中学3年では高校生のユースチームに飛び級で昇格しました。

世代別代表にも選ばれ、原口元気も当時は代表では河本の控えに追いやられていたほどだとか。

 

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1991年の年代という事で、同期は現在東京ヴェルディでプレーしている内田達也辺りですね。宇佐美は1学年下ですから、宇佐美と同期の現FC東京大森晃太郎、そしてかつて同じくガンバジュニアユースに所属していた現鹿島アントラーズ昌子源辺りも面識はあるでしょう。

ガンバユースは国内屈指のレベルの高さを誇る育成組織であり、本田圭佑東口順昭はジュニアユースからユースチームに昇格できなかった事を考えると、これが如何に彼の才能が凄かったがわかります。

 

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ざっくりと番組で紹介された河本氏の流れを説明すると、飛び級で昇格したはいいもののユースチームではチームプレーに馴染めずにサッカーを辞め、その後は暴走族にもなるなど道を踏み外しかけるものの、後に妻となる女性の支えもあって現在は更生し、今では子供を授かり、家族3人で幸せな家庭を築いている…というストーリーでした。

実際普通に感動しましたもん。嬉しそうな宇佐美の姿だとか、久し振りにボールを触った辺り、まだテクニックが健在な辺りとか…。

 

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というわけで面白かったのは面白かったのですが、少し異を唱えたいと感じたのが、一人の天才を潰したとして余りにガンバユースが悪者的なタッチでした。

 

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もちろんTV番組という性質上それは仕方ない部分もあるし、河本氏の立ち直るまでの軌跡も面白い番組でしたし、そもそも人間にはそれぞれの目というフィルターがある訳で、見る人の数だけ見方や感じ方があるのは当然の事です。

ですが青山学院大学原監督の「全ての指導者を代表して謝りたい」発言のようにただただ天才を潰した無能ユース…みたいな雰囲気になってしまっている事には想うところがあるので、あくまで自論ですが少しブログで書いてみたいと思います。

 

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まず結果として、ガンバユースの最高傑作と言われる宇佐美ですら勝てないと言わしめるような才能を持っていた河本光善という男をトップチーム昇格にすら導けなかった、という事は紛れもない事実です。

色々な事情はあるとはいえ、その結果だけを見れば育て切る事が出来なかった責任の一部はガンバユースにある事は否定できません。

ガンバユース、というチームが育成における一つの箱である以上、結果論を言い出すとそこは避けては通れませんからね。

 

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とはいえ、河本が飛び級でユースに昇格した翌年に河本と同じ中3でユースに昇格した宇佐美はトップチームに上がってW杯にまで上り詰めた訳で、そこに「指導者を代表して」謝られるほど決定的にガンバユースの非と責任が大きかったとは思えません。そもそも、番組構成ではあたかもガンバユースが潰した形になっていましたが、決してそういう事ではないと思っています。

現在では更生しているのは番組で描かれた通りですが、河本氏への取材VTRの中で宇佐美が「待ち合わせ場所にちゃんと来れる人で良かった」等の発言をしていた事が物語る通り、実際に当時は素行面に問題が多くあったのは事実のようで、当時のアカデミースタッフは24時間体制でのサポートをせざるを得ない状況だったようです。結果的にサッカーを辞めてから暴走族になってしまった事が示すように、そこに繋がる知人など何らかの伏線はその頃から張られていたでしょうから。

 

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そもそも、ガンバ側だって河本氏が天才という事を認識していないとトップに飛び級昇格なんてまずさせないので、ガンバとしても期待していた人材ではあった、でもそれと同時に素行面という大きな問題もあった…というのが現実で、前述したように最終的に彼の才能を形に出来なかった責任のほんの一端はあったとしてもガンバとしてはやれる事は全部やったと言えます。

 

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そもそもガンバユースは言ってしまえばエリート集団で、世代別代表経験者や地元で天才少年と言われた人間が平気で試合に出れないどころかセレクションにすら受からない事の多い場所です。そこで「実力が通用する」事と「圧倒する」事はまた別の事で、そこに飛び級で行った訳ですから河本氏も実力がある程度通用していても圧倒できていた訳ではないでしょう。

チームプレーと言っても様々な解釈がありますから、そこで「個人技術だけならここで詰まるから、ここで周りを使うようにすればプレーの幅も広がるのでは?」というように才能を広げる為の指摘、という解釈だって出来ますから、一概にそれが全ての要因で潰したと言えるものでもありません。

再現VTRの演出こそアレでしたけど。

 

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翌年に飛び級昇格した、同じく天才型と言えるプレーヤーの宇佐美は順調に成長した事が示す通り、この件に関しては決してガンバユースの当時の選手やスタッフが一方的に河本氏を潰したのではなく、彼自身の問題やら色々なものが絡んだ結果であると言えるのです。

宇佐美らを始め、ジュニアユースの面々は必然的に河本氏との付き合いも長くなりますから、宇佐美の言葉を借りれば「面白かった」「放っておけない」という対応も可能になりますが、当時まだ高校生の選手達に会ったばかりでそれを求めるのも難しい話でしょう。学校などで、自分達のクラスで想像して貰えれば少しわかってもらえると思います。

 

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繰り返すように、その後の河本氏の立ち直るまでの軌跡は見応えのあるもので、番組としても面白かったと思いますが、天才を潰した組織として一方的にガンバユースを悪者視する前にこういう事情があったという事は心の何処かに留めて貰いたい……そもそも競技の違う指導者の、指導者を代表した謝罪を受け入れる前に、100発打って1発当たるかどうかわからない成果の為に、アカデミーのスタッフの苦労や費やす労力の事も少し考慮して貰いたい、そう思って今回のブログを書きました。

 

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もちろん、あくまであたかもガンバユースが一方的に潰したみたいになっていた事に言いたい事があっただけで、河本氏にケチをつけるつもりは一切ありませんし、繰り返しになりますが実際に私感動しました。

息子さんがサッカーをやりたいと言ったとの事ですが、あのテクニックを見ればその子にとってとてもいいコーチにもなってくれるでしょうから、是非名前が轟くような選手を育てて欲しいです。

 

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ただそれでも宇佐美さんが天才度はぶっちぎりだったと思うで…

ではでは(´∀`)