さぁ、来ましたよ!
どーもこんばんは
さぁ来ましたよ、とか言った割にはいつもの緩い始まり方です。
さてさて、今宵はいよいよ運命の一戦、AFCアジアカップ2019UAE大会決勝!最後のファイナル!(by GLAY・TERUさん)
アジア王者を賭けて戦うこの決勝戦のカードは日本代表vsカタール代表となりました!
グループステージ初戦、トルクメニスタン戦の大苦戦を皮切りに決して順風満帆ではない大会を過ごしてきた森保ジャパン。大会前を含めると計5人もの選手が離脱を余儀無くされ、大迫勇也と東口順昭も2試合を欠場するなど、苦しいチームコンディションの中で戦ってきました。
しかし、必ずしも本調子ではなく、パフォーマンスが手放しで喜べるものでは無かったとしてもしぶとく「勝利」を手にしてきた日本代表は尻上がりに調子を上げていき、今大会最大の難敵と思われた準決勝のイラン戦では攻守に完璧なパフォーマンスを見せて3-0の快勝。いよいよあと一つ、あと一つまで迫りました。
今こそ、有終の美を飾るに相応しい時と言えるでしょう。
一方、対戦相手で2022年のワールドカップ開催国でもあるカタールは開幕前は優勝候補とは思われていませんでした。しかしスペイン人のフェリックス・サンチェス・バス監督の下で、組織として高い完成度を身につけたチームはグループステージでサウジアラビア、ベスト8で韓国と言った優勝候補を、そしてベスト4では開催国UAEを4-0と完膚なきまでに叩きのめし決勝進出。
日本同様に6戦6勝を飾るどころか、ここまでの試合の得失点は16得点かつ無失点と驚異的な数字を見せており、一部では「組織力は今大会屈指」とも言われている難敵です。
アジアカップ初優勝が懸かるカタールにとっては自国開催のW杯を控えている事もあって、この試合はカタールサッカー史上でも過去最大に重要な試合くらいの気持ちで臨んでくる事でしょう。W杯とは違って、アジアでは今や追われる立場の日本代表。しかし、それも日本サッカーが新たなステージに向かうには超えなければならないポイントです。最後にアジア王者のトロフィーを掲げている事を信じて…。
両チームスタメンです。
遠藤航がイラン戦で負傷し、決勝戦はそのまま出場。ボランチのポジションにはUAEでプレーする塩谷司が入り、その他はイラン戦と同じです。
また、イラン戦から決勝までの間にGK権田修一の海外移籍が決まった為、史上初めてスタメン全員が海外組という事になりました。
本日の会場は首都、アブダビに位置するザイード・スポーツシティスタジアムです。
UAEでは最大のスタジアムとして4度のクラブW杯決勝を開催している他、1996年のアジアカップ決勝の舞台でもありました。今大会の日本代表は第2戦のオマーン戦をこのスタジアムで戦っています。
思い返せば、前回日本がアジアカップを制した2011年大会は今日の対戦相手であるカタールでの大会でした。ベスト8でのカタールとの激闘も強く記憶に残っています。
アジアカップを制する為、そして2022年のカタールW杯の為…文字通り、絶対に負けられない戦いが始まります。
日本は試合立ち上がり、どちらかと言えば無理をせずセーフティーファーストに試合を進めていきます。一方のカタールはここまで武器としている細かいパスを中心に積極的に仕掛けてくるような展開に。
試合が動いたのは12分、左サイドのアクラム・アフィフが上げたボールを受けたのは大会得点王のアルモエズ・アリ。アリには吉田麻也が付いていましたが、アリは吉田を背にした状態でまさかのオーバーヘッド。転々としたボールは絶妙なコースに吸い込まれてカタールが先制点。アリはこれでアジアカップ最多得点記録を更新します。
前半のうちに同点に追いつきたい日本は反撃に打って出ようと試みますが、カタールのチェックの素早さもあってアタッキングサードまでボールを運び切る事が出来ず、逆に27分にはアブデルアジズ・ハティムに豪快というよりは鮮やかなミドルシュートを決められてしまい、まさかの2点ビハインドを喫する事に。
最低でも1点は前半のうちに返しておきたい日本ですが、守備で常に数的有利を作ってくるカタールの守備に苦しみ、予想外の展開に焦りもあるのか要所要所でクロスやパスにも精度を欠く時間が続き、5度目のアジア王者への挑戦は0-2の2点ビハインドという厳しい展開のまま前半を終えます。
後半、2点を追いかける日本はギアチェンジをして後半に挑み、一方2点のリードを得たカタールはバックラインを下げてリードを守りきる方向に出ます。その為、日本が攻め込む時間は増えたものの、カタールの誰かマークが剥がされても必ず誰かがフォローに行くような組織的な守備の前に決定的なチャンスまで持っていけません。
カタールの組織的な守備にとにかく苦しんだものの、原口元気に替えて武藤嘉紀を投入した辺りからカタールの疲れもあり、徐々に形は出来始めます。そして迎えた69分、塩谷の縦パスから大迫勇也がペナルティエリア前で潰れて溢れたボールに飛び出したのは南野拓実。カタールの守備網を強行突破して抜け出すと、キーパーとの1対1を冷静に制して遂に日本が1点を返します!
…しかし反撃ムードが芽生えている時間にも、カタール守備陣は昔から中東勢あるあるとも言われた集中力の欠如を切らす事無く日本の反撃に対応を続け、逆に前がかりになった事でカウンターの対応に手間取った日本はカウンターから招いたコーナーキックの中で吉田がハンドを取られてPK献上。吉田にとってはベトナム戦からしてVARに泣きVARに泣く辛い流れでPKを決め切られて1-3。致命的なゴールを許します。
日本は塩谷を下げて伊東純也、南野を下げて乾貴士を投入し、攻撃的なシステムにシフトして最後の反撃に出ます。…が、アディショナルタイム直前の吉田のヘディングシュートも僅かにゴールの上に逸れて得点ならず…。
そしてアディショナルタイム5分を経過したところで無情にもタイムアップ。日本はカタールに1-3で敗れ、王座奪還を目指した挑戦は惜しくも準優勝に終わりました。
日本は…うーん…やはり「えっ?」というような形で喫した前半の2失点が全てを決めてしまった印象です。立ち上がりの日本はかなりセーフティーに入った為、決勝という事もあるのでセーフティーに入るのは何も悪くは無いのですが、セーフティーに入った試合では一番不味い形の失点だったと思います。
また、勿論選手達は油断などをしていた訳でない事は確かだと思いますが、見ている側の我々を含めて、決してカタールを見下しては居なかったものの準決勝のイラン戦を余りにも「事実上の決勝」として意識し過ぎてしまったのかな、とも少し思います。これは今思えば私も含めて…。
そういう背景もあった事が、先制点を取られた後、必要以上に焦ったかのように精度を欠いてしまった要因の一つだったのかもしれません。
一方、初優勝を飾ったカタールですが…単刀直入に強かったです。ハイ。
大会のレコードを更新する事となったアルモエズ・アリの個人能力を始めとした攻撃も見るものが多かったですが、何よりもカタールの守備が見事だったと思います。
守備の時間に於いてカタールは常に数的優位の状況を確実に作り出していました。大迫がボールを持てば3人くらいが纏めてプレスに突撃し、南野や堂安律がマークを1人剥がしても確実に誰か1人がカバーに来て対処するといった「守備の連動性」というものが今日のカタールでは特に印象的でした。しかもそれを90分続けましたし、その結果日本は南野のゴールのような若干のハプニング性のあるシーンでしかシュートチャンスを作り切れずにペナルティエリア前で何らかの対処をされてしまっていた……日本のチャンスとシュート数の割に、異様にコーナーキックの本数だけ多かったのはこのカタールの守備システムが大きかったと思います。
日本が負けるべくして負けた、とは思いませんが、悔しいですが少なくともカタールにとっては勝つべくして勝った試合だったのではないでしょうか。
自国開催となる2022年のワールドカップに向けて、今のカタールは恐らく日韓W杯前後に日本が辿ったような成長曲線を辿ろうとしているのでしょう。今後の各コンペティションでも日本にとって、イラン、韓国、オーストラリア、サウジアラビア辺りと肩を並べる強敵となるかもしれません。
悔しい結果に終わってしまった日本代表。しかし間違えてはいけないのは、優勝は逃しても「準優勝」は決して失敗と呼ぶ結果ではないという事です。メンバーなども含めて変革期である今だからこそ得た収穫や課題もあったでしょうし、このアジアカップをどう活かすかも全てはカタールで行われる2022年のワールドカップに懸かってきます。これからの森保ジャパンの歩む道に注目と応援を注ぎたいところです。
何はともあれ日本代表の皆さん、お疲れ様でした!
意気揚々と冒頭の煽り文を書いてた午後2時の私が切ない…。
ではでは(´∀`)