【超不定期連載】脱・ぺぇぱぁどらいばぁ日記〜第2話 うれしはずかし免許取得

この物語は、とある京都の運転免許を持つ者がペーパードライバー脱却に向けて奮闘する、はっきり言ってブログ更新するネタがない日用のブログで、完結するかどうかもわからないければそもそも脱却の為の奮闘すらこれからするかどうかという無茶苦茶な物語である。

 

 

 

卒検とは中々に運ゲー要素が強い。

えぇ、今それくる?と言いたくなるような不運なトラブルイベントの多くに私も教習官もヤキモキした挙句、最終的にはお互いなぜか喧嘩越しに近い口調になり合いながらなんやかんやでギリギリ卒検を突破した。後は残すのは学科試験のみ。運転免許取得へのカウントダウンはもう始まっていた。

 

 

 

京都の運転免許試験場はまあまあとんでもない辺境地にある。凄く行きにくい上に文字通り何にも無いところに行かなくてはならない。だからその分、絶対に「2度目の試験」を受けたくない…というよりは2回もあんな場所に行きたくないからみんな一発合格を目指すのだ。かくいう私自身も、安易に行かずに確実に受かるだろうという状態にしてから試験会場に向かおうと思っていた。

 

しかし、である。

 

別にいつまでも自信が無かった訳ではない。

 

ただ慎重に試験を受けに行く日を考えているうちにまたしても期限ギリギリの半年近い月日が経ったのである。

 

簡単に言うと、秋に卒検を終えた私は気付いたら冬を超えていたのである。

いよいよ慌てて試験場へと向かった。

 

 

 

私はこのテの試験の場で絶対に知り合いに会いたくない。なんなら、友人と一緒に行く事も避けたい。

例えば2人で一緒に行ったとして、2人とも合格か2人とも不合格ならば別に良い。問題はどちらかが落ちた場合である。自分が落ちる立場でも気まずいし、自分だけ受かったパターンでもまた別種の気まずさが身を苛む。どっちでも地獄である。だから基本的にこのような即日結果が出るタイプの試験の時は一人で行くようにしていた。

 

 

 

試験会場へ向かうバスの停車場、いきなり知り合いに出会う。

 

 

 

 

 

 

 

頭を抱えても遅い。

なんならこの知り合いは最近は疎遠だったとはいえ、昔所属していたサッカークラブのチームメイトという関係でもあった以上「じゃ!」と言って去るのもそれはそれで…である。プランはいきなり崩れ、結局彼と共に受験会場に向かう事になる。受験料を振り込み、試験のゴングが部屋に鳴り響く。

 

 

 

試験が終わる。

即日結果発表とはいえ、結構な人数が一気に受験しているのだ。結果を出すにはそれなりの待ち時間は当然発生する。その間、待ち時間で彼とラーメンを食す。これが結構長距離歩くのだ。だって周りに何もないから…。結果的には、ラーメンというよりもこの歩行距離で時間を稼いでいた。

 

試験が終わってから数時間、私も彼も共に合格を決めた。助かった。よかった。これでどちらかが落ちていようものなら……。我々の近くにいた女子3人組のうちの一人が乾いた笑顔で「うん、おめでとう、先帰るね!お疲れ、また明日!」と気丈な笑顔で振る舞い、残る2人が「うん…」と、絶妙に気まずそうにしている。せめて2と1を逆にしてやってくれ…2人より地獄やぞアレ…。2人とも受かったし、時間も潰せたから彼と遭遇出来た事は良い方に転がったから良かったが、やはりこういうところにはこれからも1人で来るようにしよう…と強く思った瞬間だった。

 

 

 

合格者は写真撮影などを経て部屋に集められ、諸般の説明を受ける。ちなみに私、この日の財布には受験料と交通費ギリギリの金額しか入っていなかった。免許発行料の事を完全に失念していたのである。お金を下ろすにも、周りにはコンビニさえも無かった。あれだけ一人で行こう、知り合いに会いたくないと連呼しておきながら、偶然出くわした知り合いに金を借りるという形で救われるとは何とも皮肉な…。

 

部屋の中で教官の口調は妙にハキハキしていた。

高らかに叫ぶ。

 

 

 

「いいですか!?」

 

 

 

「皆さんの免許証には『(有効期限が)平成32年まで』と書いてある事と存じますがぁっ!」

 

 

 

平成32年は来ませぇぇぇぇん!!!!!」

 

 

 

時代は変わる。私はこれから車に乗るのだ。だって時代が変わるんだもの。車に乗っていなかった、免許を持っていなかった平成は終わる。私に平成32年は来ない。来るのは車を運転出来る令和2年なのだ。

 

 

 

しかしこの時はまだ知らなかった。次の元号が令和である事、そしてここからペーパードライバーへの道をまっしぐらに進み、平成32年を迎えようとしている事を…。

 

 

 

つづく。