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ロシアW杯観戦記〜あれから1年…《海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜》2019年再編集版〜第14話 翔べばサンクトペテルブルク

【ロシアW杯観戦記再編集版、第1話、前話はこちら↓】

 

 

 

さて、旅の舞台は最終目的地とも言えるサンクトペテルブルクに移った。

簡単に説明すると、かつてこの地は1917年まで存在したロシア帝国の首都であり、ソビエト連邦の時代はウラジーミル・レーニンの名をとって「レニングラード」と呼ばれていたロシア第2の都市であり、「水の都」と呼ばれるほど観光都市としての人気も高い場所である。

元々、一緒に行っていた友人は元々サンクトペテルブルクへの短期留学経験が何度もあった。そもそも、その事がロシアワールドカップ観戦計画の発端であり、友人にとってサンクトペテルブルクは第三、第四の故郷くらいの感覚とも言えるほどの土地勘がある。

 

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ロシアの建築分野は世界の中でもかなり優れた位置にいる。モスクワにも同じ事が言えたがロシアという国が位置する場所的も影響しているのか、様々な建物がヨーロッパ系の建物文化にイスラム系の建物文化をミックスしているような感覚を覚えた。

それでも、モスクワの建物の感じとサンクトペテルブルクの建物の感じは雰囲気としてどこか違っていた。モスクワはどちらかと言えばクレムリン赤の広場のようなわかりやすい観光地がドンとあり、シンボルを中心にした綺麗な街並みと近代的な都市の部分がミックスされたような感じの印象だった一方、サンクトペテルブルクは逆に町全体の空気感がどこか幻想的で、ある種サンクトペテルブルクという街そのものにテーマパークのような雰囲気が漂っているとも言えた。「海外感」はモスクワでもカザンでも、何なら深圳でも感じたが「ヨーロッパに来たんだ…」という感覚が一番大きかったのはやっぱりサンクトペテルブルクだったと思う。日本人がヨーロッパに抱きがちな幻想的な街並みのイメージは多少裏切られる事を前提に飛行機にのったが、逆にロシアはそれを上回ってきたのだ。

 

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最初の目的地はペトロパヴロフスク要塞。ここは18世紀に発生した大北方戦争スウェーデンから土地を防衛する為に築かれた要塞であり、要塞内の首座使徒ペトルパウェル大聖堂にはピョートル大帝以降の皇帝が葬られている。

 

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全体を収めるのがしんどいくらいにはデカい…。

 

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チケットを買えば中に入る事も出来た。

先に書いておくが、今回はドタバタ観光道中というよりもちゃんと観光ブログらしいブログになる。

 

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この時、要塞内でロシア軍によるちょっとしたパレードが行われていた。友人曰く、このパレードは結構当たればラッキーみたいな感覚らしい。

 

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余談だが、第4話でも述べたように大会期間中は「FAN ID」というW杯観戦に必要な身分証がビザの代わりの効力を持つ為、パスポート同様に常に携帯しておく必要があった(ロシアではパスポートは絶対に携帯しておかないといけない)。だから外国人観光客は大体みんな首からFAN IDを下げていたし、服の中に隠していたが我々も首にかけては居た。この時期の外国人観光客はみんなFAN IDをかけている中でFAN IDを持っている気配もないツアー中の中国人団体客と色んな場所で頻繁に出くわしたが、中国人のロシア旅行率は結構高いらしい。

 

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サンクトペテルブルクってどの場所でもロケーション抜群なのね…。

 

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…で、これがかの有名な血の上の救世主教会(ただし一部工事中)

 

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昨年のラグビーワールドカップで「ファンゾーン」が各地に設置されていた事も話題になっていたが、勿論FIFAワールドカップでも同様の会場は設置されている。サンクトペテルブルク会場はちょうど血の上の救世主教会の真裏だった。

 

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さて、お食事である。昼はグルジア料理の店に入った。

この店は友人のお気に入りの店らしく、食事をどこで取ろうか…となるより先に友人が「行きつけの店あるから」と言い放ったのだ。日本から遥か遠く離れた異国の地、ロシア・サンクトペテルブルク。国籍はもちろん言語も文化もまるで違うサンクトペテルブルクで友人の口から発せられた「行きつけの店あるから」というセリフ……。人生で言ってみたいわ、その言葉…。実際凄く美味しい。時間的にも昼夜兼用なところがあったのだが、腹持ちも中々にヘビー。

 

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で、こちらが世界三大美術館の一つとして知られるエルミタージュ美術館である。

 

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かつてのロシア皇帝エカチェリーナ2世が集めた様々な美術品を中心に、建物も含めた凡ゆるコレクションが大量に埋蔵されている当館は単純に建物自体が異常なまでに美しく、そして途轍もなくでかい。広い。全部見て回るには1日で足りる訳がない。

元々、私は美術に疎い人間らしい(あくまでらしいって事で)。日本にいてもあまり美術館などに進んで行く事もそうそう無いし、そもそも単純に美術の成績が悪い。高校では芸術科目として「音楽・美術・書道から一つ選べ」と言われていたが、音楽が好きというよりも美術と書道が無理という理由で音楽しか選択肢ご無かったくらいに。ただ、こうしていざ美術館をきちんと回ってみると味わい深くていいものである。気がつけばしっかりと魅入っていた。誤算があったとすれば、ベンチで一息ついている時に何気なくLINEを開いたら神聖なるエルミタージュ美術館の空気に包まれているにも関わらず日本にいる友人からド下ネタLINEが送れていた事くらい…確かに日本時間ではもう24時だったけどさ……。

 

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サンクトペテルブルクと言えば水の都。サンクトペテルブルクを流れるネヴァ川はサンクトペテルブルクの象徴の一つでもあり、歴史の深さや河川の存在の大きさを理由に日本人向けの旅行サイトやブログなどでは「ロシアの京都」として紹介しているところもあるほど。

せっかくなのでネヴァ川のクルージングに参加してみる。クルージング時間は50分ほどとまあまあ長め。

 

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ロシアという国、街のビジュアルはどこまでも幻想的だった。この国の、この街の建物や街並みに惹かれたと言っていた友人の言葉は身と目をもって感じた。美しい建造物が並ぶ街並みに加え、雲さえも躍動的かつ立体的に映る。さっきはテーマパークみたいな…と書いたが、もはや映画の中に迷い込んだかのような錯覚さえ覚えていたような気もする。

ボートは夜8時を超えても陽の沈まない6月のサンクトペテルブルクの水面を駆ける。その音が聞こえ、建物を影にする逆光でさえも美しく見えるその姿は企画するモチベーションをじわじわと奪うには十分過ぎた。「百聞は一見にしかず」とはよく言ったものだ。飛び込んだ非日常の世界は非現実的な感覚すら私に与え続けていた。

 

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最後に聖イサク大聖堂、ピョートル大帝像を眺める。基本的にロシア旅行に於ける「観光パート」はほぼここで完結だ。

 

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明日はいよいよロシアvsエジプトのワールドカップ観戦である。カザンでのフランスvsオーストラリアの時は夜行列車の都合もあって到着が割とギリギリになってしまった。ただ、次はもう既にサンクトペテルブルク入りもしているし、友人のこの土地に関する土地勘はカザンの比では無い。様々なオプションを込めるだけの余裕もある。

 

 

 

…だが、開催国ロシア戦はチケットも持っているから勿論としても、我々日本人にとってはロシアvsエジプトのキックオフの笛が鳴る6時間前に最も緊張する瞬間が訪れるのだ。

 

西野ジャパンの初戦、日本vsコロンビアの一戦である。

 

 

 

つづく