G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

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北海道コンサドーレ札幌の給与返上に対して思ふ〜札幌を称賛する、以外のアクションは誰も起こすべきでは無いよね、って話〜

 

 

ツンデレ!?

 

どーもこんばんは

 

去年の長居での大阪ダービーでガンバが負け、その悲しみをしたためたブログを更新してTwitterに上げた時、RTといいねが全部セレサポだったのは感謝と共に小さなトラウマです。

 

 

 

さてさて、昨日こんなニュースが流れ込んで来ました。

 

www3.nhk.or.jp

 

新型コロナウィルスにより、Jリーグの各クラブ…というか、世界的にサッカークラブはかなり危機的な状況に陥っています。そんな中で最近多く見られるようになったのが「選手が給与の一部を返上する」という動きです。近年の欧州サッカー界は特に年俸と移籍金のインフレが深刻化している事もあってビッグクラブなどの間でこの傾向が見られ、シンプルにガチのマジの経営危機に陥っているようなチームも選手側が協力するような形での歩み寄りを見せています。

選手達がこのような動きを見せる、クラブ側が選手に求める大きな要因は「クラブの負担減」というよりは「スタッフの収益確保」の側面が大きいです。勿論、破産寸前のチームであればまた話は変わってきますが、ただでさえ高給だったり、破産してもまだ移籍先を見つけられるかもしれない選手側に対し、そういう訳にはいかないスタッフ側の給与を100%保証出来るように…という意味合いがこの措置を実施したクラブの声明文に盛り込まれている方も多いです。

 

そんな中、Jリーグで初めてのケースとなる選手側の給料カットを選手側から提案したのが北海道コンサドーレ札幌でした。

札幌は元々野々村芳和社長の下で独自路線を歩んでおり、賛否両論はありますが厳重な健康確認をした上で練習公開に踏み切るなど色々と独自の取り組みをしているチームです。4月6日には札幌の宮澤裕樹キャプテンを代表に選手一同の名での声明が公式サイト上にアップされました。

 

www.consadole-sapporo.jp

 

その後、自身も既に給与削減を実施している野々村社長は取材に応じ、経緯や実際に削減する給与割合の話をした上で「この大変な時期を選手とクラブが一緒になって乗り越えていきましょうってクラブに勇気をくれる提案だったと思う」とコメント。前述のように、Jリーグで初の事例という事で瞬く間にニュースなどでも取り上げられましたね。

 

www.nikkansports.com

 

勿論、札幌の選手達のこの提案は称賛に値するものですし、これは選手達の野々村社長を始めとしたクラブに対する信頼あってのものでしょう。この信頼関係は短期間で成り立つようなものでは無いですし、札幌がクラブとして現場に対し真摯に対応してきた証でもあります。この件に関しては掛け値なしに素晴らしいエピソードと言うべきです。

 

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…ただし、そもそもコロナ云々以前から渦巻いてはいましたが、この札幌の件が「変な流れ」を生み出す事だけは避けて欲しい…と思い、今現在ブログを書いております。

 

 

 

前述の日刊スポーツの記事の最後にも野々村社長のコメントとして掲載されていますが

 

「これはあくまでもうちの選手たちがクラブへの思い、北海道に対する思いでやっただけで、他の団体や他のクラブが同調しないといけないというのは決してない」

 

今に始まった事ではありませんが、今回の札幌のようなケースが一つでもあると「じゃあこの状況で100%の給与を貰ってる奴等は何なんだ?」という風潮になってしまいがちです。最近はこの風潮が強くなりすぎた反動で、逆にその風潮を咎めるような声も多くなってはいますがそういう批判を未だにする人間がいるのも確かです。

サッカー選手は一見…というか実際に高給取りな方が多いです。ただそれは、多いとは言っても当然一握りであり、実際に全員が高給取りな訳ありません。そもそも、サッカー選手は長く続けられる職業ではなく、殆どの選手が30〜40歳の期間で引退を迫られる職業です。要するに賞味期限が短い以上、稼げる時に稼いでおく必要が他の職業に比べても強いのがサッカーに限らずスポーツ選手が高収入を得られる時に発生するリスクと言えます。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20200407001520j:image

 

そもそも、普段のTwitterしかり、ボランティアしかり、寄付や募金なんかでも思うのですが……最近は余りにも「善意」のハードルが高くなり過ぎている気がします。善意は別に「やらないといけない」ものでは無くて「やってくれたらありがたい」程度のものであり、やってくれた時に感謝が発生するのみで、やらない事はプラスマイナスゼロ、批判する理由は別にないという事をこの札幌の件で改めて意識するべきでしょう。それはサッカーやスポーツに限らず、例えば芸能人などの著名人とか、普通に我々一般人に対してもそうです。

少なくとも、札幌の件を利用した批判と炎上だけはこれから絶対に起こらないようにして欲しい。そうなると批判を受けた側のダメージは勿論、札幌の選手やクラブも複雑な立場に立たされます。札幌と同じような事を他のクラブに対して強いるような事は論外ですし、「札幌はこうしたんだから我々も!」というのを給料を受け取る側が発案するならまだしも、給料を払う側が札幌を持ち出すのは論外ですし、それは札幌を利用していることに他なりません。それは当事者だけで無く、迂闊に適当に批判的な事を言ってしまいがちなTwitterでも札幌を利用した要求や批判だけは絶対にしないで欲しい…札幌の選手達はあくまで「北海道コンサドーレ札幌」というクラブへの姿勢を示しただけであって、日本中にこの風潮を根付かせて同調させたい訳ではありませんから…。

メディアにしても、出来れば札幌の件を報じる時には上にも載せた野々村社長の「これはあくまでもうちの選手たちがクラブへの思い、北海道に対する思いでやっただけで、他の団体や他のクラブが同調しないといけないというのは決してない」というコメントも併記して欲しいとこほです。

 

 

 

このご時世だからこそ我々は善意の意味をもう一度考えるべきで、性善説を振りかざす事の罪と性悪っぷりを再度考え直すべきでは無いでしょうか。

ではでは(´∀`)