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ロシアW杯観戦記〜あれから1年…《海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜》2019年再編集版〜第16話 曇天と晴れ間

【ロシアW杯観戦記再編集版、第1話、前話はこちら↓】

 

 

 

日本代表がコロンビアに2-1で勝利し、見上げたサンクトペテルブルクの曇天には晴れ間が差し込んだ気がした。……まぁ、天気に関しては曇天どころか普通に雨が降っていたが。ただ、晴れやかに気分になっていた事は間違いない。

 

試合が終わったのは17:00頃。これから観に行くロシアvsエジプトのキックオフは21:00なので時間的にはまだ余裕があるが、お買い物な時間も欲しかった事、そしてカザンで観たフランスvsオーストラリアのスタジアムに入るのはかなりギリギリだった事から、今日はスタジアムに早いうちから行っておこうと試合が終わって少ししてからホテルを出た。外は曇り、そして雨。ただ、サンクトペテルブルクは元々雨の多い街で「ロシアのロンドン」とも言われている。むしろ、我々は観光デーに快晴を引き当てた方がラッキーと言えるものだった。私、日本では雨男って言われてるのに…。

 

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まずは道中にあったゼニト・サンクトペテルブルクの公式ショップに向かう。

……なんとここで日本人女性に遭遇。カザン以来、友人以外と日本語を扱えた。なんでも、旦那さんがロシア人でサンクトペテルブルクに住んでいるらしい。立ち話ではあるがコロンビア戦のプチ祝勝会気分である。

ワールドカップ関連のお土産に加えて、友人はロシア代表関連のグッズを買っていた。私は…実は日本にいた頃から、ファンって言えるほどでは無いにせよゼニト・サンクトペテルブルクはそこそこ好きなチームの一つだった。…あるじゃん?ファンじゃないけど、まぁ、割と好きかも、みたいなチーム。だからロシアに行ったらゼニトの何かしらのグッズは買いたいと思っていた。ゼニトの公式グッズも探せばあるんだろうけど、日本ではそうそう目に入るものでもないし。

 

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雨に濡れたサンクトペテルブルクの、ある意味でいつも通りの街並みを練り歩く。

 

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帰国してから、「ロシアはロシア代表が決勝トーナメント進出を決めてから盛り上がり始めた」的な記事を見た。いやいや…開幕前はわからんけど、少なくとも開幕戦が終わってからはエラい事なってたぞ。地下鉄の駅が近づく頃には既に大声で歌うロシア人が大量にいた。地下鉄の駅のホームは人人人人人。しかもそこにエジプト側まで絡み始める。

 

 

 

驚くなから、これがそのままのテンションとそのままの人数で地下鉄に乗り込む。もうこうなってくると完全にカオスだ。

 

 

 

ようやく地下鉄ゾーンを脱出。外界になんとか解放された瞬間である。

 

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聞いた話によると、最寄駅はワールドカップの為にスタジアムと共に新設されたらしい。

そしていよいよ見えてきました、この日…あらゆるロシア人の視線が注がれる舞台、サンクトペテルブルクスタジアム!!

 

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一応ここでサンクトペテルブルクスタジアムについて簡単に説明しておこう。

世間的にはこのスタジアムはワールドカップ用に作られたと思われる事が多いが、実はちょっと違う。元々このスタジアムの完成は当初2008年を予定していた。ロシアW杯の開催が決まったのが2010年だから、ワールドカップとは関係なく建設は決まっていた事になる。だが色々あった結果、なんと完成したのは当初予定から9年後の2017年。ギリギリ同年のFIFAコンフェデレーションズカップに間に合った格好だ。収容人数は67000人で、普段はゼニトのメインスポンサーである企業の名を冠した「ガスプロム・アリーナ」。ワールドカップではネーミングライツが認められていないので「サンクトペテルブルク・スタジアム」の名を用いる。

 

 

色んなスタジアムに行ったり、写真を見たりするのが好きなJリーグファン、そして名古屋グランパスのファンの方ならどこか見覚えを感じる人もいるかもしれない。このスタジアム、外観も内観も豊田スタジアムにそっくりなのだ。それもそのはず、このスタジアムの設計をしたのは豊田スタジアムの設計も担当した黒川紀章氏なのだ。黒川氏は2007年10月に当スタジアムの完成を待たずしてお亡くなりになられたので、サンクトペテルブルク・スタジアムは黒川氏の遺作とも言える。

日本にいる友人にスタジアムの写真を送ったところ、案の定「もろ豊スタやんけ」と返信が来た。

 

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ちなみに、私が買ったゼニトのグッズがこれ。

 

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せっかくなのでユニフォーム…とも思ったが、敢えてジャージを購入した。…というか、シンプルにサンクトペテルブルクが寒かったのである。モスクワやカザンは「暑くない!涼しい!」くらいの感覚だったのに対し、サンクトペテルブルクはシンプルに寒かった。写真を見てもお分かりの通り、一部の熱狂的なサポを除いては大体の人間がコート着用、少なくとも長袖である。ジャージとして買ったこのグッズだが、純粋に防寒具としての役割も大きく果たしてしまっていた。ロシアという国柄、素材からその辺りの事は考えているのか結構暖のとれるジャージだった。

 

帰国後…実家にて何気に多趣味の父からは「おぉ、ええやん」的なリアクションを得る事に成功した一方、母は「あんた何枚ユニフォーム買うねん」的なリアクションであった。だからジャージだっつうの。

 

 

 

さぁ、ぼちぼちキックオフである。友人はビールを買い、以上に酒に弱い私はコーラを購入した。いよいよ幾重にも渡る厳重&厳重なゲートを潜る。

まずは私が手荷物検査やFAN IDのチェックを受けて抜ける。しかしだ、私より前に並んだはずの友人がなかなか入場ゲートを抜け出せない。すると背後から「ブーーーッ!」とブザーが鳴り響く。友人が引っ掛かり続けたのはDSライトだった……。

 

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最後になる入場関門を通り抜ければ、一気に視界に広がるのはサンクトペテルブルクの美しき戦場である。

 

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どうです?

 

 

 

思ってた以上に豊スタでしょう…?

 

 

 

(でも実は豊スタ行った事ないんだよね…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンクトペテルブルクの、そしてロシアのサッカーファンにとってこの日は一生の記念に残る日となる。それはたとえ、この日負けたとしても。ロシアの狂乱を見て、自国でのワールドカップが行われる事の大きさを感じる瞬間は多々あった。

試合開始まで、残り時間はカウントダウンのように刻まれていく。その頃、スタジアムには晴れ間が差し込み始めた。スタジアムの屋根は晴れ空の青一色に染められ、これからそれぞれの歴史に刻まれる濃密な90分が始まるのだ。

 

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つづく。