不確かな依存の末路〜サガン鳥栖が20億円もの赤字を出して経営危機に陥った要因とそれが如何にヤバいかっていう話〜【これからどうするの編】

福島牝馬惨敗。

 

どーもこんばんは

 

 

 

さてさて、先週イキって【お知らせ】なんて題して、今後のブログ更新に関するご報告をしました。

コロナ禍でJリーグもストップし、4月はなんとかなるけど毎日何かしらを更新するには近いうちにネタが枯渇するだろうという事で、毎日何かしら更新してた記録がジャスト2年になったタイミングで「ここしかない」と思って連続記録を一旦ストップ。その上で、これからは当面日曜日、月曜日をブログお休みとする事を発表しました(なんやこいつ偉そうに)

 

 

ただ、その中でも日曜、月曜に更新する例外パターンとして挙げたのが「連載のまとめページnoteとかYouTubeの更新情報のまとめページ」「練習試合などが配信された場合のマッチレビュー」そして「今日中に更新しておきたいニュースがあった時」の3パターンです。その結果、ブログお休みを挟むようになった初週にいきなり例外を発動する事になってしまったのです。

今回取り上げるのはサガン鳥栖、赤字20億円問題」についてです。

 

 

 

 

 

 

 

えらいこっちゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっくり事の経緯を説明しますと、サガン鳥栖を運営する株式会社サガン・ドリームスは4月26日に2019年度の経営状況を開示しました。しかしその内容が衝撃的過ぎて……一気にTwitterのトレンドまで上り詰めたのです。

 

www.sagan-tosu.net

 

なんと赤字、20億円。

ヨーロッパのサッカーなんかを見ていると、最近はお金事情が余りにもインフレ状態になっているので麻痺しがちですが、「20億円の赤字」なんてワードはもうそれはそれは……。

以前にもブログで書きましたが、鳥栖の経営危機はこれまでも何度か各所で触れられていました。「大手スポンサーの撤退」「新規スポンサーがつかない」……そしてそれが今回、明確な危機が数字として現れた格好です。

 

今回は…そもそもこういう事になった原因、今回の件が如何にヤバいか、これからどうすればいいのかについて書いていきます。

 

……3月に経営危機が報じられた際に、サガン鳥栖のクラブ史というか、鳥栖がそもそもどういった形態のクラブなのか、そんなチームが経営危機に陥るまでの過程…なるものを書いたブログを更新しました↓

 

 

↑今回取り上げる部分で、特に「赤字20奥にに陥った要因」に関してはこのブログで書いた事を頭に入れてもらえると非常に理解しやすくなると思うので、先に此方から読んで頂けると幸いです。

 

目次

①そもそも、なんで赤字20億円なんて事態に陥っちゃったの?

②これからどうなるの?

 

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①そもそも、なんで赤字20億円なんて事態に陥っちゃったの?

 

近年の鳥栖にはフェルナンド・トーレスを筆頭にイサック・クエンカやビクトル・イバルボのような強力な外国人選手、権田修一金崎夢生などの日本代表選手がいた事で勘違いしがちなんですが、元々「サガン鳥栖」というクラブは経営危機じゃない時がないようなクラブだったという事が大前提としてあります。この辺りの話はある程度前から鳥栖ファン歴の方や上に貼ったブログを読んで貰えたらわかると思うのですが、過去に何度も経営危機を経験している鳥栖の状況は2012年にJ1に昇格してからも苦しいのは変わらず、他チームの主力や強力な外国人助っ人を引き抜くなんてまず不可能なチームでした。

その状況が一変したのが2015年夏、大手ゲームメーカーの「Cygames」がクラブのスポンサーに就任したというニュースが鳥栖を大きく変えました。Cygamesが鳥栖に落としたスポンサー料はJリーグの歴史の中でも親会社では無くスポンサーとしては破格の金額で、監督・スタッフを含めた人件費を一気に増加する事ができ、それは2018年夏のフェルナンド・トーレスの獲得にも繋がっていきます。

 

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しかし、竹原稔社長の強引な拡大路線で経費が大幅に膨らんでいく中で2019年からCygamesがスポンサーから撤退。最大のスポンサーというより、クラブの赤字部分を全て補うほどの存在となっていた収入源を失った結果が20億というトンデモナイ赤字だったのです。

 

地方クラブにとって、お金があるうちに積極投資をして地盤を固めておく事は必ずしも間違いではありません。金の成る木を植える事は金がある時にしか出来ませんから。ただ、鳥栖の場合はその資金計画が余りにも「Cygamesありき」だった事、そして鳥栖に於けるCygamesの立場が今回の件に大きく絡んでいます。

 

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まず鳥栖がどれだけCygamesに依存していたかというと、これが実に深刻で……鳥栖が4月26日に公開した2017年度から2019年度までの経営情報をご覧下さい↓

 

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……我が目を疑うほどの赤字…というところはさておき。注目すべきは「入場料収入」と「物販売上」の部分です。

経営不振に陥るチームの多くは「チケットが売れない」「グッズが売れない」事を悩みとしているのに対し、鳥栖の場合はこの表を見てもわかるようにこの2つの数字は右肩上がりなんです。2019年はトーレスの現役引退絡みが特に物販では大きく影響したと思いますが、「入場料とかは増えたのに20億の赤字」という矛盾さえ感じるようなフレーズは如何に鳥栖がCygamesありきで全ての計画を進めようとしていたかを如実に物語るデータと言えるでしょう。

 

ただ、ヴィッセル神戸が「楽天ありき」と言われるように避けた方がよくても一企業ありきの経営計画を立てるチームは一定数あります。そんな中で鳥栖が問題なのは「『スポンサー』に過ぎない企業に依存し過ぎた」という点です。

 

 

サガン鳥栖というチームは「株式会社サガン・ドリームスが経営するクラブで、過去にこのブログでも何度か取り上げた「親会社とJリーグクラブ」の関係にあてがえば「市民クラブ」という扱いになります。

 

 

トーレス獲得と同時期にアンドレス・イニエスタを獲得した事もあって、鳥栖の竹原社長を語る時にはヴィッセル神戸三木谷浩史オーナーを比較対象に挙げて議論される事が多いです。上の例に倣えば「Cygamesありき」だった鳥栖に対して神戸は「楽天ありき」ですからね。

実際はこの2チームの状況は全く違うのですが、それだけに比較すると鳥栖の原因がわかりやすいのでここでは神戸と鳥栖のケースを比較する形で書いていきます。

 

賛否両論はあれど、神戸が経営として上手く回っているのは楽天が親会社であり、かつ三木谷氏自身が楽天の社長だからです。要するに、経営の大部分を楽天に頼っていても楽天そのものが傾かない限りクラブとしてはそれで経営がある程度は約束されているのです。勿論、投下予算の増減はシーズンによって考えられるにしても、楽天ヴィッセル神戸というクラブを「所有する責任」を既に持っているので、ヴィッセル神戸楽天のモノであると同時にヴィッセル神戸は「楽天ありき」で物事を進める権利を有するのです。

一方鳥栖の場合、鳥栖が依存しきった収入源であるCygamesはあくまで「スポンサー」に過ぎません。要するに、Cygamesは神戸で言う楽天のような権限は無い代わりに鳥栖に対して責任を負う必要は別にないんです。楽天ヴィッセル神戸の内部とも言えるポジションなのに対し、Cygamesはあくまで協力関係にあるだけの外部企業に過ぎません。一部報道などでは竹原社長がただでさえ高額なスポンサー料を落としてくれていたCygamesに更なる要求をしたとか、息子さんのバスケットボールチームの件とか、トーレスのような超高額選手獲得にあたっての事前報告などが一切無かった事などが報じられていましたが……どれがどこまで事実かはさておき、実際に鳥栖サイドとCygamesの間で信頼関係に亀裂が入った事が2019年のCygames撤退に繋がったのは事実でしょう。そのような事態になると楽天のようなチームに対して責任のある親会社とは異なり、あくまで外部企業のCygamesは鳥栖というクラブや経営陣を信用出来なくなったら契約を更新するか打ち切るかを選択する権利を有し、鳥栖の存続を約束する責任は一切ないのです。竹原社長の最大の失敗を挙げるとすれば、親会社では無くスポンサーに依存しきった経営計画を組み立ててしまったという点。その上で、頼みの綱というか計画に於いて絶対的な部分に対して不義理を働いていたとなればこうなる流れは必然だったと思います。

 

 

 

②これからどうなるの?

 

Twitterでも言及しましたが、ちょっと誤解されている方もいるので補足しておくと、20億の赤字が発生したのは「2019年度」の決算です。要するに、他の多くのチームが危機に陥っている新型コロナウィルスによる影響とは一切関係なく20億もの赤字を叩き出してしまったのです。

 

この20億という数字がコロナ禍以前という事は即ち、この数字を前提に今年のコロナショックがこれから襲い掛かるという事。加えて2020年シーズンはCygamesどころか胸スポンサーのDHCまで撤退してしまったので、追い討ちがかかっている状態のところに追い討ちがかかってくるような、泣きっ面に蜂だけじゃなくてヘビもクマもやってきたような状態に陥ってしまっているのです。

Jリーグにはいくつか融資などのシステムもありますが、今年に関しては間違いなくその融資は「新型コロナウィルスの影響で危機に陥っているクラブ」に優先順位が与えられる事になるでしょう。となると、コロナ関係なく今回のような状態になった鳥栖までそれが回ってくるかどうかは疑わしいですし、コロナ関連に伴う各規則の例外事項が鳥栖にも適用されるかはわかりません。

 

Jリーグとしては少なくとも、鳥栖Jリーグから除名するような事態になる事だけは避けられるような動きはすると思います。ですが、それにはサガン鳥栖というクラブにも確実に何らかの引き換えが必要となるでしょうし。果たして、先の見えない道が2つも出てしまったサガン鳥栖の辿る運命はどこに行き着くのでしょうか……。

 

 

 

天皇賞頑張るぞい。

ではでは(´∀`)