今シーズンの川崎フロンターレと黄金期(N-BOX時代)のジュビロ磐田の共通項。

そういえばガンバvs川崎を現地で観た事ってないなあって今ふと思った。

 

どーもこんばんは

 

サンガvs川崎はある(2008年)。

 

 

さてさて、このブログを書いている段階ではまだ第12節は終わっていないのでアレですが……現在、J1では川崎フロンターレが首位を独走中です。ぶっちぎりです。なんか1チームだけ異次元です。

 

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異次元という表現にも無理はないはず。開幕戦を引き分けた川崎でしたが、J1が再開した第2節鹿島戦を2-1で勝利した事を皮切りにそこから怒涛の10連勝。これは同一シーズンに於ける記録としては1997年と2018年のガンバ大阪、2007年の鹿島アントラーズが記録した9連勝を抜いて単独記録となりやがりました(8/23追記:その後第12節で名古屋に0-1で敗れたので連勝は10でストップ)。

特に圧巻だったのが第11節、暫定2位で堅い守備に定評があるセレッソ大阪との首位天王山に挑んだ川崎でしたが、堅守セレッソのディフェンスをギッタギタに切り崩して大量5得点。今やJ1上位戦線のポイントは「川崎をどこが止めるか?」という雰囲気にすらなってきましたね。

 

しかしここまでのペースで無双されると、最近ではあるチームとの比較もされるようになってきました。そう、黄金期のジュビロ磐田です。

 

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そうだね!色も水色!…という小さい共通項は置いておいて。

2001年に採用した名波浩を中盤の真ん中に配置した特殊な3-5-2がN-BOXと呼ばれ、1997年の初優勝から2003年の天皇杯優勝に至るまでのジュビロ磐田というチームの存在はJリーグ史の中で非常に大きい存在でした。魅力的なパスサッカー、フィールドプレーヤー全員を日本代表経験者で占める事が出来るスカッド、そして2001年には参加予定だったにも関わらず世界クラブ選手権(現在のFIFAクラブW杯)が中止になった事でレアル・マドリードと公式戦で戦う機会が寸前で失われた事や名波の負傷によりN-BOX自体が短命に終わったというストーリーとしての儚さも帯びていた事もあって、しばしばこの時期の磐田はJリーグ史に残る「伝説のチーム」として語られるようになりました。コロナ禍でリーグが中断していた時には各媒体が「J史上最強チームはどこか?」的な企画を行なっていましたが、そこでもやはりこのチームの人気は高かったです。

それこそ2連覇を達成した川崎もそうですが、西野朗監督が率いたG大阪、2000年代後半の浦和、3連覇を達成した鹿島…その他にも名古屋、柏、広島といった辺りが磐田の後に黄金期と呼べる時代を迎えました。しかし、それらのチームのそれぞれがそれぞれの魅力と強さを持つチームではありますが、黄金期の磐田との比較はされる事なく今日に至っています。それだけ当時の磐田とは圧倒的かつ特異な存在だったのでしょう。そしてその磐田と初めて比較出来るポジションに来たのが今の川崎なんじゃないかと思っています。

 

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一番わかりやすい共通点としては両チームともチームとしてポゼッションサッカーを志向している部分です。何もこれは「とりあえずポゼッションやっとけ」的な意味ではなく、磐田にしても川崎にしてもポゼッションサッカーを行う上でしっかりとした土台づくりと適切な人選が出来ているからこそ為せるサッカーであり、一長一短で行えるものでは無いでしょう。

現在川崎で指揮を執る鬼木達監督は川崎のスタイルのベースを作った風間八宏監督の下でコーチを務め、しっかりとした理想的な引き継ぎをする事が出来たのは非常に大きく、当時の磐田にしても鈴木政一監督は長らくフロントの一人としてチームに携わっていました。磐田にしても川崎にしても、サッカーのベースとなるスタイルと共に監督人事に於いて内部昇格の成功例と言えるのは一つの共通ポイントです。

 

また、チーム戦術に関しては磐田にしても川崎にしてもそポゼッションスタイルが注目されがちですが、同時に守備の安定も実は大きなポイントと言えます。

川崎は風間監督体制で攻撃的なパスサッカーを確立しましたが、同時に守備面でかなりの脆さがあったのでタイトルは尽く逃していました。そこで風間監督からチームを引き継いだ鬼木監督はそれをベースにチームに守備の規律を与えてバランスを調節。これは鬼木監督の最大の功績といえる部分であり、2018年には現時点で唯一となる「リーグ最多得点かつ最少失点」を達成するなど今や攻撃だけのチームでは無くなっているのは数字を見れば明らかです。

磐田の場合は、そもそもN-BOXは当時の磐田のイメージから攻撃的なシステムとして語られる事が多いですが、あのシステムにしても元々は「プレスとカバーリングを絶え間なく繰り返す事で攻撃的な守備を実践し続ける事」を最大の利点に挙げる戦術であり、要するにN-BOX自体は「如何に連動した守備をするか」「如何に守備と攻撃を連動させるか」を目的とした、ディフェンス強化の発想から生まれたシステム…という表現すら出来るのです。

ジョゼップ・グアルディオラ監督が率いたFCバルセロナの黄金期以降、日本のみならず世界的にも「バルサスタイル」だとか「パスサッカー」って言っておけばいい、みんな盲目的にそれを目指そうぜ!時代はティキ・タカや!みたいな風潮も生まれましたが、グアルディオラ監督自身守備には人一倍気を遣っていますし、前述した通り当時の磐田や今の川崎もその意識は凄く高いのです。話は本筋から逸れますが、「魅力的なポゼッションサッカーをやりたいならば尚更守備に気を遣え」というのは迂闊にバルサスタイルを目指すチームが見落としがちなポイントでとあります。

 

 

そして、恐らく今の川崎がこれまで黄金期を迎えたチームと比べても黄金期の磐田と比較されるべき対象である大きな要素が「生え抜き選手の多さ」です。

 

まずはN-BOXを採用していた時の磐田がこんな感じ。

 

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殆どの選手が磐田で現役を終えた訳では無いにしても、上記で名前が上がっている13選手の中で生え抜きはなんと11人。移籍組なのはGKのヴァン・ズワムと大岩剛の2人だけ。高原直泰も当時は2001年の2ndステージ期間のみアルゼンチンのボカ・ジュニアーズに移籍していただけなのでこの時点では生え抜きカウントにしていいでしょう。

当時は制度上の理由や今ほどサッカービジネスが確立されていなかったので移籍も活発な時代では無かったとはいえ、殆どが生え抜き選手でかつ代表経験者というのは凄まじい。2001年と2002年の監督を務めていた鈴木監督は長らく磐田の育成部やスカウト部門を任されていたので、この当時の主力の多くの獲得・育成には鈴木監督もガッツリ絡んでいたはずで、その辺りも一つ重要な要素でした。

 

で、川崎の場合がこんな感じ。

 

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今の川崎に関しては当時の磐田の時代とは違い、選手の海外移籍なんかも凄く活発に行われている時代なので真正面からの比較は出来ません。ただ、川崎の伝統というか流れとして、2003年に中央大学から入団した中村憲剛を筆頭に大卒ルーキーが代表クラスに育ちやすい環境とノウハウを持ち合わせています。小林悠登里享平谷口彰悟車屋紳太郎、長谷川竜也、守田英正、脇坂泰斗…そして今季の大卒ルーキーである旗手怜央と三笘薫も早速存在感を見せていますし、大卒ルーキーじゃなくても上に挙げた中なら大島僚太は高卒からの生え抜きで田中碧はユース上がりですからね。

何も私は「生え抜き>補強選手」と言いたい訳では無いですし、そう思っている訳でもありません。ただ、生え抜き選手をベースにチームスタイルを作り上げる事は補強ポイントを明確にするというメリットもあって、それこそ必要かつピンポイントでの補強リストを作れるのです。確かに私は開幕前は「川崎補強足りないんじゃね?」なんてブログに書いちゃいましたけど実際にこういう成績ですし、その中でピンポイントで補強した山根視来があれだけのパフォーマンスを発揮している訳で。この選手編成に関しては当時の磐田の進化系が今の川崎でしょう。

 

 

 

実際、今年の川崎があの時の磐田のような成績を残して、あの時の磐田のように伝説と呼ばれるチームになれるかはわかりません。ただ、川崎というチームの今を見た感じ、どこまで優勝を勝ち取れるかは別としても「強い川崎の時代」は当時の磐田よりも長く続く気がしています。

 

 

 

でも大事なのは川崎を止める事より止めた後よ。

ではでは(´∀`)