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結果は期待外れに終わったけどメンバー豪華だったW杯の代表チーム〜2002年日韓W杯編〜

紙ストローってどうなの?(いまさら)

 

どーもこんばんは

 

さてさて、今回は久々にインターナショナルチーム絡みの企画を。

 

 

 

日本代表が過去にW杯で成功と呼べる成績を残したのは2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会の3大会です。

ですがこのうち、2010年と2018年はボロカスに批判された中での大会入りだったのに対し、結果は残念な結果に終わったものの、大会前はその豪華メンバーから「史上最強」とも称されていたのが2006年ドイツ大会と2014年ブラジル大会でした。要するに、メンバーがある程度豪華なのはW杯で好成績を収める為の要素の一つだとしても、豪華メンバーを揃えたから好成績が残せるのか?といえば別にそういう訳では無いのです。

 

 

……という事は、即ち裏返せば「W杯ではちょっと期待ハズレな成績に終わったけどなんやこのメンバークッソ豪華やんけ的なチーム」もあるという訳です。

 

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……という訳で、今回は優勝とか準優勝は出来なかったけど何?このメンバー豪華過ぎねぇ?結果はそこまでだったけどメンバーめっちゃ華あるくね?っていうチームをいくつか紹介していきます(個人のリアルタイム的な知識のキャパの限界もあるので2002年から始めていきます)(どの強豪国でもベスト4まで行けばある程度は成功だと思うので、条件としてはベスト8以下という事で進めていきます)。

 

 

 

2002年日韓ワールドカップ

 

フランス代表

 

監督:ロジェ・ルメール

前回大会成績:優勝

直近の国際大会成績:EURO 2000優勝、コンフェデ杯2001優勝

 

日韓W杯での試合結果

A組1節 vsセネガル●0-1@ソウル

A組2節 vsウルグアイ △0-0@釜山

A組3節 vsデンマーク●0-2@仁川

 

グループステージ4位(1分2敗、0得点3失点)

 

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自国開催の前回大会を制したフランスは立て続けにEURO 2000とコンフェデ杯を制覇。直前のリーグ戦となる01-02シーズンではイングランド(ティエリ・アンリ)、イタリア(ダビド・トレゼゲ)、フランス(ジブリル・シセ)と5大リーグのうち3つのリーグの得点王がこのフランス代表から排出されるなど、前線からリリアン・テュラムマルセル・デサイーパトリック・ヴィエラを擁する守備陣までサッカー史に残る選手を多く揃えており、なんといっても当時世界最高の選手だったジネディーヌ・ジダンを擁するチームは疑いようのない優勝候補本命だった。当時の絶対感は、母国のリーグレベルの点を除けば2008〜2012年のスペインに近いほどの空気感。誰もが少なくとも7試合を戦う(=ベスト4には進む)事を信じて疑わなかった。

しかし、大会直前の韓国との親善試合でジダンが負傷すると、初出場セネガルとの開幕戦でまさかの敗戦。ウルグアイ戦ではアンリが退場処分を受けるなど負の連鎖は止まらず、崖っぷちに追い込まれてジダンが強行出場して迎えたデンマーク戦も0-2で敗戦。当時の世界最高のチームは1勝どころか、1点も取れないまま大会を去った。

だが、この時点では前回王者がグループステージで敗退したのはこのフランスと1966年イングランドW杯のブラジルのみだった(1934年イタリアW杯を辞退したウルグアイと優勝から次回大会までに12年の間が空いた1950年ブラジルW杯のイタリアを除く)。だがこのフランス以降、次大会のブラジルを除くとイタリア→スペイン→ドイツがこのループにハマってしまっている。現在「ディフェンディングチャンピオン」の座を有しているのは他でもないフランスだが、果たして……?

 

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イタリア代表

 

監督:ジョヴァンニ・トラパットーニ

前回大会成績:ベスト8

直近の国際大会成績:EURO 2000準優勝

 

日韓W杯での試合結果

G組1節 vsエクアドル○2-0(ヴィエリ②)@札幌

G組2節 vsクロアチア●1-2(ヴィエリ)@茨城

G組3節 vsメキシコ△1-1(デル・ピエロ)@大分

ベスト16 vs韓国●1-2V(ヴィエリ)@大田

 

グループステージ2位通過(1勝1分1敗、4得点3失点)→ベスト16敗退

 

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ベスト16韓国戦を観ると期待外れと一刀両断するのは少し酷な気もするが、豪華メンバーを揃えた割にはイタリア自体が韓国戦より前、グループステージの時から不振だったのは正直否めない。当時のセリエAは世界最強のリーグと言っても差し支えなく、そのセリエAのスター選手が集う中に名将トラパットーニが監督を務めるチームは当然ながら大きく期待されたが、第2戦でクロアチアに敗れ、メキシコ戦終了間際のアレッサンドロ・デル・ピエロのゴールでなんとか決勝トーナメント進出…というスロースタートぶりだった。確かにクロアチア戦も「?」って判定多かったけど……。にしてもDFラインがドリーム過ぎる。ファビオ・カンナバーロアレッサンドロ・ネスタパオロ・マルディーニジャンルイジ・ブッフォン……(ちなみにマテラッティクロアチア戦で実況にボロカス言われてた)

この大会後にイタリアはマルディーニヴィエリが代表を去るなど緩やかな世代交代が行われ、ドイツW杯では上記のスタメンにアンドレア・ピルロらが加わって優勝を果たしている。

 

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アルゼンチン代表

 

監督:マルセロ・ビエルサ

前回大会成績:ベスト8

直近の国際大会成績:コパ・アメリカ1999ベスト8

 

日韓W杯での試合結果

F組1節 vsナイジェリア○1-0(バティストゥータ)@茨城

F組2節 vsイングランド●0-1@札幌

F組3節 vsスウェーデン△1-1(クレスポ)@宮城

 

グループステージ3位(1勝1分1敗、2得点2失点)

 

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日韓W杯で決勝戦に進出するブラジルとドイツは予選で苦戦した事もあって、大会前の前評判はそこまで高くはなかった。逆に本命とされていたのが前述のフランス、そしてマルセロ・ビエルサが監督を務め、南米予選をぶっちぎりで勝ち抜いたアルゼンチンだった。セリエAで大活躍していた選手を中心に、特に中盤からFWにかけて豪華プレーヤーを揃えたが、持ち前の攻撃力を思うように発揮出来ずにまさかのグループステージ敗退。初戦こそガブリエル・バティストゥータのゴールでナイジェリアに勝利したものの、グループステージ最大の注目カードと目されたイングランドとの大一番でデイヴィッド・ベッカムのPKに沈んだ敗戦があまりに致命的過ぎた。

元々アルゼンチンの属するF組は死の組と称されて、これまた凄まじい面子を揃えたイングランドに欧州の強豪スウェーデン、そして前回大会で存在感を残したナイジェリアが同居するW杯史にさえ残る厳しい組ではあった。それでもアルゼンチンの敗退はフランスと共に大きな衝撃を与えたのは言わずもがな。だがそれまでのチーム造りと育成手腕を評価されたのか、ビエルサ監督は留任して2004年まで指揮を執っている。当時のアルゼンチン国民はバティストゥータエルナン・クレスポの併用を求める声もあったが、そこは3-4-3システム(というよりセンターフォワード+ウイングの形)を貫くべく絶対に併用しなかった辺りはビエルサっぽい。

 

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ポルトガル代表

 

監督:アントニオ・オリヴェイラ

前回大会成績:予選敗退

直近の国際大会成績:EURO 2000ベスト4

 

日韓W杯での試合結果

D組1節 vsアメリカ●2-3(ベト、OG)@水原

D組2節 vsポーランド○4-0(パウレタ③、フィーゴ)@全州

D組3節 vs韓国●0-1@仁川

 

グループステージ3位(1勝2敗、6得点4失点)

 

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俗に言う「ポルトガル黄金世代」。雰囲気としては最近のベルギー代表のポジションに近いところがあるかもしれない。ただし、ベルギーと大きく違うのはW杯で全くと言っていいほど結果を残せなかったところである。

娯楽性に富んだ魅力的なサッカーが故に1998年フランスW杯は予選で敗退するなどの苦節はあったが、EURO1996とEURO2000では好成績を収め、間違いなくこの大会でも注目チームの一つだった。しかし初戦のアメリカ戦を2-3で落とし、続くポーランド戦こそ輝きを見せたが……1勝1敗で迎えた韓国戦、完全アウェイの中2人退場で9人という苦しい状況に追い込まれて最後は敗北。この試合の判定云々もあり、この世代は黄金世代であったからこそ余計に切なさの残る世代となった。黄金世代はこの大会で多くのメンバーが代表から去り、自国開催となったEURO2004の時点では3人、ドイツW杯の時にはルイス・フィーゴ一人だけとなっている。

余談だが、黄金世代の一人でもあるパウロ・ベントは韓国戦が最後の代表戦となり、その16年後の2018年からは他でもない韓国代表の監督を務めている。

 

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ウルグアイ代表

 

監督:ビクトル・プア

前回大会成績:予選敗退

直近の国際大会成績:コパ・アメリカ1999準優勝、コパ・アメリカ2001 4位

 

日韓W杯での試合結果

A組1節 vsデンマーク●1-2(ロドリゲス)@蔚山

A組2節 vsフランス△0-0@釜山

A組3節 vsセネガル△3-3(モラレス、フォルランレコバ)@水原

 

グループステージ3位(2分1敗、4得点5失点)

 

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上に挙げた国のように決して優勝候補という訳では無かったが、非常にロマンのある選手を揃えていたのが2002年のウルグアイである。長年ユベントスの守備の要として活躍したパオロ・モンテーロを筆頭に、セリエAリーガ・エスパニョーラで活躍する選手を多く揃え、なんといってもトップ下には当時のスーパースター、アルバロ・レコバが君臨していた。出場機会こそ少なかったが当時24歳のディエゴ・フォルランもメンバーに入っており、唯一の出場となったセネガル戦ではゴールを決めている。

ウルグアイにとっては組み合わせが不運だった。フランスは言わずもがなとしてデンマークも同居しており、セネガルに関してもあそこまでの躍進は確かにサプライズだったが、主力の多くがリーグ・アンでプレーしていた事から一定の実力は見込まれていたし、ウルグアイと対戦する時には既にセネガルゾーン状態だったという不運もある。勝利が絶対条件で迎えた第3戦では3点ビハインドを追い付く粘りを見せたが、あと1点届かなかった。

 

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スペイン代表

 

監督:ホセ・アントニオ・カマーチョ

前回大会成績:グループステージ敗退

直近の国際大会成績:EURO 2000ベスト8

 

日韓W杯での試合結果

B組1節 vsスロベニア○3-1(ラウール、バレロン、イエロ)@光州

B組2節 vsパラグアイ○3-1(モリエンテス②、イエロ)@全州

B組3節 vs南アフリカ○3-2(ラウール②、メンディエタ)@大田

ベスト16 vsアイルランド△1(3PK2)1(モリエンテス)@水原

ベスト8 vs韓国△0(3PK5)0@光州

 

グループステージ1位通過(3勝、9得点5失点)→ベスト8敗退

 

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スペイン代表が後に迎える黄金期の中心となるメンバーが台頭してきたのは2006年のドイツW杯からだった。即ち、日韓W杯の時のスペイン代表はその一つ前の世代…いわゆる「無敵艦隊」という通称がついた頃のメンバーの集大成という位置付けでもあった。

この時はFCバルセロナが不調だった分、当時黄金期を迎えていたバレンシアCFデポルティボ・ラ・コルーニャに加え、レアル・ソシエダレアル・ベティスRCDマジョルカもタイトル争いに絡めた時代だった事もあって、イタリアでプレーしていたガイスカ・メンディエタを除けばスペインリーグのバルサレアル・マドリードに集中せず各クラブから幅広くメンバーを選出。怪我でジョゼップ・グアルディオラはメンバー入りを果たせなかったものの、レアルとバルサの2強状態になる以前のリーガが好きな人からすればたまらないスカッドなのでは。昨今のスペインのティキ・タカというよりは迫力あるサイド攻撃が特徴的で、グループステージは3戦全勝と絶好調。ベスト16でも台風の目となったアイルランドを下し、優勝も現実味を帯びるほどのクオリティを持ち合わせていた。しかしベスト8で上に挙げたチームとは違って「失敗」と称するには酷な悲劇が起こり……。

余談だが、スペインの属するB組と韓国が同居するD組(ポルトガル)は決勝以外の全試合を韓国で行う日程になっていた。逆に日本と同居したH組、イングランドやアルゼンチンのF組は3位決定戦以外は全試合を日本で行う日程が組まれている。

 

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(番外編)オランダ代表

 

監督:ルイス・ファン・ハール

前回大会成績:4位

直近の国際大会成績:EURO 2000 4位

 

予選敗退につきW杯本戦に出場できず。

 

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W杯予選では突破にせよ敗退にせよ、各大会何かしらのサプライズが各大会にある。だが本戦出場を果たせなかったという意味に於いては、この時のオランダ代表に勝る衝撃は殆ど少ないのでは。2018年ロシアW杯の出場権を逃した事もサプライズ扱いされてはいるが、戦力的にもこの時の予選敗退のインパクトは比較にもならない。

パトリック・クライファートマルク・オーフェルマルスルート・ファンニステルローイエドガー・ダーヴィッツフィリップ・コクーマルク・ファンボメルクラレンス・セードルフフランク・デ・ブールヤープ・スタムエドウィンファンデルサール……世界トップクラスのタレントを多数揃え、監督はあのルイス・ファン・ハール。間違いなく日本でも見たかったチームの一つだったが、W杯での来日を心待ちにしていたファンも多かっただろうがポルトガルアイルランドの前に屈した。

終了間際、フィーゴのPKで2点リードを追いつかれたポルトガルとの一戦は伝説のゲームの一つ。引き分けすら致命的な状況で迎えたアイルランド戦では1人少ない相手に対して徹底的に攻め込んだものの、逆にカウンターに沈められて……。

 

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次回はドイツ大会編やります。

 

 

迂闊にかけない締めの一文。

ではでは(´∀`)