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どーもこんばんは
さてさて、今回は東京オリンピックに挑むU-24日本代表について。
基本的に世代別代表で行われているオリンピックサッカーですが、1996年のアトランタ五輪から「オーバーエイジ」というルールが設けられました。
このブログを読んでらっしゃる方ならもはや説明するまでもないでしょうが一応軽く説明すると、東京五輪の出場対象選手は1997年1月1日以降に産まれた選手ですが、各チーム3名だけ1996年12月31日以前に産まれた選手を招集出来る…と。五輪のサッカーでメダルを獲得する為には、このオーバーエイジを上手く使えるかどうか…が間違いなく重要なポイントになります。
過去の五輪日本代表を振り返ってみましょう。
1996年アトランタ五輪(監督:西野朗)→オーバーエイジ選手未招集
2000年シドニー五輪(監督:フィリップ・トルシエ)→MF三浦淳宏(当時26歳)、DF森岡隆三(当時24歳)、GK楢崎正剛(当時24歳)
2004年アテネ五輪(監督:山本昌邦)→GK曽ヶ端準(当時24歳)、MF小野伸二(当時24歳)
2008年北京五輪(監督:反町康治)→オーバーエイジ選手未招集
2012年ロンドン五輪(監督:関塚隆)→徳永悠平(当時28歳)、吉田麻也(※1当時23歳)、※2GK林彰洋(当時25歳)
2016年リオデジャネイロ五輪(監督:手倉森誠)→FW興梠慎三(当時29歳)、DF藤春廣輝(当時27歳)、DF塩谷司(当時27歳)
※1 吉田は大会時点では23歳だったが、ロンドン五輪の出場資格は1989年以降に産まれた選手で吉田は1988年産まれの為、オーバーエイジとなっている。
※2 本登録メンバーではなく、バックアップメンバーとしての招集
オーバーエイジ成功例の代表例として挙げられているのが2000年シドニー五輪で、この時は当時のトルシエ監督がA代表と五輪代表で一貫した戦術、そしてそもそもA代表自体がシドニー世代中心のチームになっていたので、森岡や三浦、楢崎にとってはA代表に参加する感覚で五輪チームに入れたのが大きな要因でした。実際、大会メンバーの半分がそのまま日韓W杯に進んでますからね。
2012年ロンドン五輪ではGK林の招集を巡り、バックアップメンバーにオーバーエイジを使うべきなのかどうかで賛否両論が巻き起こりましたが、本登録メンバーに入った徳永と吉田はMVP級のパフォーマンスを見せてベスト4進出に大きく貢献。特に吉田はキャプテンとして獅子奮迅の働きを見せ、吉田個人としてもイングランド・プレミアリーグへの挑戦権を得たほどでした。
まとめると、オーバーエイジを選ぶ条件は大体こんな感じです。
①人材不足のポジションを上手く補えるかどうか
②下の世代が中心のチームに溶け込める人間性があるかどうか
③そもそも招集出来るかどうか
…よく「五輪経験の有無」が挙げられる事もありますが、これに関しては「自分の世代の時に五輪出場を逃したが故の意欲」が重視される場合もあるので、この部分は一長一短なのかなと。
①に関してはロンドン五輪の際、前線は大迫勇也や原口元気が最終選考から落選するほど選手が揃っていたのに対し、バックライン(特にCB)の戦力層はかなり薄い状態でした。それもあってオーバーエイジを後ろの選手にフルで注ぎ込んだのは正しい判断だったと言えます。これに関してはリオ五輪も同じで、肝心の塩谷や藤春のパフォーマンスが低調だったので批判されるのは仕方ありませんが、少なくとも興梠、藤春、塩谷というチョイスは上記の3条件を満たした選出だったのは確かです。
③に関しては、基本的にオリンピックはA代表の試合とは異なり招集に対する強制力を有していません。今回はガンバ大阪の代替試合分を除けばJリーグは中断されるのでそこの協力は取り付けられるでしょうが、海外クラブだと特にそう上手くいく訳ではなく、「選手自身はオリンピックに出たいけど所属クラブの意向で出場出来ない」という事象は海外のトップクラスの選手にも起こります。
これらの点も踏まえて、今回は東京五輪に誰を呼ぶべきか…というのを考えていきたいと思います。
まずは最初にオーバーエイジを呼ぶ必要の無いポジションを考えていくと、まず真っ先に言えるのは2列目です。4-2-3-1の3、3-4-2-1なら2シャドーの位置。ここにはA代表でもレギュラー格の堂安律(ビーレフェルト)がいて、他にもA代表常連の久保建英(ヘタフェ)と三好康児(アントワープ)、海外組の食野亮太郎(リオ・アヴェ)と安部裕葵(バルセロナB)、Jリーグでも三笘薫(川崎)が大爆発していて、五輪では18人しか登録できない事を思うと既に人材過多です。
加えて、この世代はGKもJ1でレギュラーポジションを得ている選手が多く、オーバーエイジが必要なポジションを考えると2列目とGKは真っ先に外れます。
オーバーエイジを登用する優先順位で言えばCBもそこまで高くないと思います。A代表レギュラーかつヨーロッパでも市場価値が爆上がりしている冨安健洋(ボローニャ)は勿論、オランダでレギュラーポジションを確保している板倉滉という鉄板の二人がいて、Jリーグで活躍した選手としては渡辺剛(FC東京)、瀬古歩夢(C大阪)、田中駿汰(札幌)が台頭。恐らく協会や森保一監督としては「A代表との連携」「五輪での経験値」という側面から吉田麻也(サンプドリア)を招集したい気持ちはあると思うし、吉田が来てくれたら確かに相当大きいんですけど、考え方としては「吉田を呼べるなら呼ぶ、でも吉田を呼べなさそうならCBにはオーバーエイジを充てない」みたいな結論になると思います。CBに関してはオーバーエイジの緊急性は薄いけど吉田であれば例外…みたいな感じでしょう。
となると、残るポジションはボランチ、センターフォワード、サイドバックの3つになります。
今回最もオーバーエイジ登用の重要性が高いのはセンターフォワードです。2列目には豊富な人材がいる日本ですが、それゆえに必要なのは得点力以上に前線でボールを収められて、いわゆる攻撃の交通整理を担えるFWの存在。今現在、日本でその役割を代表レベルで務められるのは大迫勇也(ブレーメン)だけという現状で、結局これがA代表でも大迫を絶対に外せない理由な訳です。仮にオーバーエイジを一人しか選べないというルールだったとしたら選ばれるのは大迫でしょう。最近になって前田大然(横浜FM)や林大地(鳥栖)が台頭してきたとはいえ、センターフォワードは割と人材難とも言われてきたので、最優先すべきはやっぱり大迫の招集です。
大迫自身、世代に該当していたロンドン五輪では予選ではレギュラーだったにも関わらず本大会では落選しているので、大迫本人の五輪への意欲も相当高いでしょうし。
ボランチに関しては、これまではゲームメイカータイプのボランチが著しく不足していた事もあって柴崎岳(レガネス)のオーバーエイジでの招集が確実視されていました。ですがここに来て田中碧(川崎)が圧倒的なパフォーマンスを見せるようになり、それは3月末の田中のいたアルゼンチン戦と田中のいなかったアルゼンチン戦を観ても明らか。一時期はオーバーエイジ最優先ポジションとも目されていましたが、田中の台頭で当時よりは緊急性は減ったと思います。
とはいえ、中山雄太(ズヴォレ)と田中碧の次が決め手に欠けるのは事実です。齋藤未月(カザン)の負傷と3月末の試合で山本悠樹(G大阪)を試せなかったのはちょっと痛手だった…。そう考えるとボランチにもオーバーエイジを充てがう可能性は高く、勿論柴崎も候補の一人ではありますが、柴崎に固執する理由は無くなったのでドイツで無双中の遠藤航(シュトゥットガルト)が呼ばれる可能性もあります。
もう一つはサイドバック。サイドバックといっても、まずここは森保監督が五輪のシステムを3-4-2-1で考えているのか4-2-3-1で考えているのかによっても変わってきます。
前者ならオーバーエイジを使う必要はなく、3-4-2-1のサイドプレーヤーが2列目とサイドバックに分かれる後者なら、2列目はいらないでしょうがサイドバックは少しオーバーエイジがあってもいいような気にはなります。勿論、例えばそこで吉田辺りを招集して冨安をサイドに出す…とかも一つですし。ただ、緊急性はワントップやボランチよりは低いので、その辺りは他のポジションとの兼ね合いでもあるでしょう。
個人的には……実際に招集出来るかどうかは別として、招集するなら大迫と遠藤がベスト、後の一人は直前の怪我人状況やシステムにも寄りますが、その辺りの事情に変化がなければ吉田を置ければベストなんじゃないかなと思っています。
ラジオ早くもネタ詰まりそう。
ではでは(´∀`)