松波正信暫定監督がやろうとした「治療」と「矯正」【ガンバ大阪vs浦和レッズ】

友人に聞かれたんですよ

 

落ち込んでる?と…

 

ドチャクソ落ち込んどるわ。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、既にブログでも色々更新しましたが、ガンバ5月14日に宮本恒靖監督との契約を解除し、シーズン途中での監督交代を決断しました。

 

 

 

次期監督が決定するまで、当面は暫定監督として松波正信強化アカデミー部長が指揮を執る事になり、5月16日にはその初陣となる浦和戦が行われました。しかし結果は……前半だけで3点のビハインドを喫して完敗。0-3で敗れてしまっています。

 

 

…まぁ、そもそも強化部長として…ならともかく、さすがに浦和戦の敗戦の責任を松波監督に負わせるのは酷なもので、2日しかなかった準備期間でやれる事は世界のどんな名将だって限界があります。ただ、松波監督なりにこの試合に向けてやろうとしていたアプローチはあったので、今回は「浦和戦で松波監督がやろうとした事は何か」…について書いていこうと思います。

 

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まずスタメンです。

 

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宮本監督での今季は4-4-2、或いは4-1-2-3を採用していましたが、浦和戦で松波監督は4-2-3-1を選択しました。

メンバーのチョイスこそ宮本体制から大きな変更があった訳ではないですが、これまではこのメンバーならおそらく宇佐美貴史がFWで倉田秋が左サイドになっていたであろうところを倉田をトップ下に置き、中央をメインに動かすようにしたところは一つの変化というか、ポイントでした。

 

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まるでゴールを奪えない…チームとしての不調も相まって、特に広島戦で顕著でしたが、ガンバが陥っていたの極度なセーフティーファーストでした。ガンバはポゼッション率はそれなり高く、その状態は「持たされている」とよく評されますが、ガンバの場合はむしろガンバの方に「取られてはいけない」という意識があまりにも強すぎたんだろうと。精神論はあまり好きではないですが、心理学的な側面での影響がスポーツに及ばすものは大きく、試合の前日会見で松波監督が「シンプル」を殊更に強調していたのもその辺りも関係しているのでしょう。

 

ここからは完全に推測に過ぎませんが、おそらく松波監督が浦和戦で行った采配のテーマは大きく分けて2つ、「治療」「矯正」です。2列目の人選…左から宇佐美、倉田、チアゴ・アウベスというユニットはガンバにとっては歯列矯正の矯正器具みたいなものだったと思っています。

 

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特に宇佐美はそれでシュートチャンスもありましたが、宇佐美とチアゴはサイドに置くと、直線的なサイドアタックよりも内側に切り込んでいく、カットインを常にする傾向にあります。要するに、例えばチアゴから右サイドで起用してもボールを持った時に右サイドを突破する事はほとんど無いわけです。

そこで松波監督がどういう意識付けをチームに行ったかというと、まず浦和戦で一つ印象的だったのは両サイドバックが相当高い位置をとっている事でした。宇佐美とチアゴは良くも悪くも確実に中央に切り込んでプレーしたがるので基本的にボールを持った時はサイドにいません。その時に、サイドバックの奥野耕平と黒川圭介がサイドハーフ、なんならWGのような位置を取る…と。攻撃時はほぼ守備にはセンターバックだけを残す形で全員がリスクを冒すようなポジショニングをとる事で、消極性が目立って使えないスペースばかりを生み出していたガンバに松波監督が徹底したやらせたのは攻撃時のスペースを誰かがしっかり動く事。宇佐美とチアゴの習性を利用してサイドで奥野と黒川がそういうポジションに入れる、入らないといけない型を作り、確実に「誰かはいる」「誰かはパスを受けられる」という状況を作る。運動力のある倉田を左ではなく中央で起用したのもその目的があっての事でしょう。途中からは倉田とチアゴがポジションを入れ替える場面もあったり、チアゴはハーフタイムに交代しましたが、スタートの時点ではそういう意図はあったように思います。

結果的にそのリスク意識が裏目に出る形で浦和にカウンターの場面を多く作られて3失点を喫した訳ですが、浦和に持たされていた感は否定しませんがパスが回るテンポ、ピッチをワイドで使う事、攻撃の連動性は多少改善されているようにも見えましたし、結果はショッキングで満足できるようなものではありませんでしたが、自分としては腑に落ちた感覚は一応ありました。

 

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一見、ブログでわざわざイキって書くほどのものでも無いように見える話ですが、そもそもガンバは心理的な側面もあって全くもって攻撃のフォローにいけなくなっており、バックパスが相次いでいたりカウンター攻撃も独力でのドリブル突破しか術がないような状況になっていました。どれだけ点を決めても大量失点を喰らえば勝てないのと同じで、無失点で抑えようが点を取らなければ勝点3にはなりません。

宮本監督解任の是非はともかく、少なくともガンバは監督交代を決断した時点で「監督交代が正解だった」とシーズンが終わった時に言える結果に持っていかなければならないのです。そして松波監督はあくまで暫定監督であり、勝敗そのものに監督としての責任は無い分、次の監督によりよいチーム状態に戻して引き継ぐ事を求められています。それを踏まえると、試合が終わった今に振り返るなら……ガンバにとっては浦和戦はある意味で犠牲にする必要があった、そういう試合だったんじゃないかと。勝利より大事なことがあるとは言いませんが、少なくともこの浦和戦に限っては心理的なアプローチとして攻撃意識を取り戻す事、リスクを冒す意識を思い出させる事が最優先事項でした。そして浦和戦で松波監督が取り組んだのは「治療」であり、宇佐美とチアゴの習性を利用してガッチリと攻撃のポジショニングに型を作ったのは「矯正」だったんだと思います。浦和にラッキーパンチ一発で勝つよりは、例えば3試合くらいの単位で見た事に2勝出来るのはどっちか…みたいな。0-3で負けた時点で少なくとも高評価になる事は無いでしょうが、少なくとも限られた時間で松波監督が浦和戦でやろうとした事はなんとなくわかるというか、納得している部分はあります。

多分、この浦和戦の評価は昨日今日というよりも今後の数試合で決まるでしょう。この試合を治療と矯正にあてて犠牲にした甲斐があったのかどうか、それはシーズンが終わった時に振り返れば宮本監督の交代が正しかったのか否かにも直結する話題なんだと思います。

 

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浦和さんユンカー貸して♡

ではでは(´∀`)