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ベンゼマと攻撃ユニット組めたら絶対に楽しいと思う〜UEFA EURO 2020 グループF フランス代表vsドイツ代表 マッチレビュー〜

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ロシアにフランス観に行った時に明らかに日本人グループいたけど声掛ける勇気はありませんでした

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2020 グループF第1戦、フランス代表vsドイツ代表の一戦です。

 

 

 

前回大会にあたるEURO2016。決勝はポルトガルとフランスが戦い、準決勝に勝ち進んだのはドイツとウェールズでした。直近の国際大会の成績…EURO2012を最後にスペインが優勝から遠ざかってからの優勝チームはドイツ(2014ブラジルW杯)→ポルトガル(EURO2016)→フランス(2018ロシアW杯)と続いています。

 

それではグループFの顔ぶれを見てみましょう。

 

フランス

ドイツ

ポルトガル

ハンガリー

 

 

 

……なんでこんなグループが出来上がったと…??

 

 

 

 

…まぁ、ともかく、そんな今大会最恐のグループF、最も死の組のグループF、ハンガリーは何をしたらこうなったんだグループFの初戦。いきなりフランスvsドイツというド本命ダービーで幕を開けます。

今大会、まさしく優勝候補本命と言うべきチームはフランスです。各ポジションに世界トップクラスのタレントを擁し、そしてブラジルW杯以降代表から離れていたカリム・ベンゼマまで復帰。かつてフランスW杯とEURO2000を連続制覇した時の主将だったディディエ・デシャンは監督として栄光の再現を狙います。一方のドイツはというと、近年は少し不調ではありますが……それでもやはり揃ったタレントは超一流。加えて15年間監督を務め、ありとあらゆる栄光に包まれたヨアキム・レーヴ監督は今大会での勇退が既に発表されており、そしてそんなレーヴがドイツ代表で唯一得ていないタイトルこそ、このEUROなのです。いわゆる「レーヴさん手ぶらで返すわけにはいかない」状態。大本命か、名将とのラストダンスか。ちなみに私の予想ブログではこの2チームの決勝を予想しています!

両チームスタメンです。

 

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フランスはアドリアン・ラビオとベンゼマ以外は全員ロシアW杯の優勝メンバーです。システムは4-1-2-3で、3トップは右からアントワーヌ・グリーズマンカリム・ベンゼマ、キリアン・ムバッペとなっていますが、グリーズマンに関しては4-3-1-2のトップ下という側面も持っており、若干フリーマン的な立ち位置です。

一方のドイツは3バックか4バックかとも議論されていましたが、レーヴ監督は最終的には3-4-2-1を選択。セルジュ・ニャブリを最前線に置き、ブラジルW杯以降から続くややゼロトップに近い形です。ロシアW杯以降、レーヴ監督は世代交代を目的にトーマス・ミュラーマッツ・フンメルスを代表から外した時期がありましたが、この大舞台に向けては彼等をチームに戻しています。

やはりフランスとドイツなだけあって、エンゴロ・カンテとカイ・ハフェルツの中盤でのチェルシー対決とか、そんな邂逅にも注目が集まりますね。

 

 

本日の会場はドイツ、ミュンヘンのフースバル・アレナ・ミュンヘンです。

EUROやW杯のような国際大会ではクリーンスタジアム規定が設けられているので、ネーミングライツではなく正式名称(というよりは企業名を外した名称)で呼ばれる決まりがあります。「フースバル…?…どこそれ?」と思う方もおられるかもしれませんがアリアンツ・アレナと言えば通じるでしょうか。ご存知、バイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムです。ドイツにバイエルン所属選手が多いのは今更言う必要も無いでしょうが、フランスもスタメンのリュカ・エルナンデスとバンジャマン・パヴァール、ベンチに入ったキングスレイ・コマンとコランタン・トリッソはバイエルン所属なので本拠地での試合ですね。

世界のスタジアムで最も有名な外観と言っても過言ではないこのスタジアムですが、実は次回大会にあたるEURO2024はドイツでの開催が予定されており、そこでも当然このスタジアムは会場リストに入っています。ですので予定通りに進めば、このスタジアムは史上初の2大会連続でEUROを開催したスタジアムになるとの事。今年のEUROではゴール裏に両チームの国旗を模した装飾が施されています。

 

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序盤から完成度の高さを見せたのはフランスでした。ベンゼマがオフ・ザ・ボールの時に上手く動きながらポジションを取る事でドイツのDFを右に引っ張る事でムバッペが走れるスペースを作り、そうして出来た左サイドのガラガラのスペースにポール・ポグバが絶妙なスルーパスこれにムバッペが飛び出し、このパスはGKマヌエル・ノイアーにカットされたものの先制点の布石は作っていました。

 

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迎えた20分、フランスは右サイドでのスローインからパヴァールとポグバでパスを繋ぎ、その間にFW陣も右サイドに寄ってきたところでポグバがファーサイドアーリークロス完全にフランスの右サイドに寄っていたドイツDF陣の裏をかいたサイドチェンジに唯一反応していたエルナンデスがシュート性のクロスを入れると、これがフンメルスのクリアミスを誘ってオウンゴールとなりフランス先制!

 

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対するドイツは左サイドからいくつか攻撃の形を作る事は出来ました。38分にはクロスのこぼれ球を、所属するマンチェスター・シティで得点力が開花したイルカイ・ギュンドアンがボレー気味に合わせましたが枠の外。ドイツはシュート数でもポゼッションでも上回ったにも関わらず、主導権と流れは明らかにフランス…という前半をビハインドで終えます。

 

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後半も主導権を握ったのはフランスでした。52分には左サイドからベンゼマがカットイン気味に持ち込むとムバッペとのパス交換で崩し、最後はムバッペのパスに抜け出したアドリアン・ラビオが決定的なシュート。しかしこれはポスト直撃。

ドイツも直後に決定機を作りました。54分、左サイドでフリーになったロビン・ゴゼンスのクロスにファーサイドでフリーになっていたニャブリがダイレクトボレーで合わせたものの、このシュートは僅かに枠の上へ。

 

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このシーンをきっかけに試合はフランスのチャンスの後にドイツ、ドイツのチャンスの後にフランスというなかなかのオープンゲームに。前述のニャブリのシーンの後はドイツは左サイドでゴゼンスがアタランタで見せているような攻撃力を見せられるようになり、そこから良いクロスが入る事で決定機もいくつか迎えます。一方、守備では3バックである事が裏目に出る形で空きまくったサイドのスペースを突かれ、67分にはオフサイドディレイで失点は免れたもののムバッペの超絶シュートでネットを揺らされるなど、ドイツはシステムのメリットもデメリットも垂れ流しながら進む後半戦に。

 

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ドイツはティモ・ヴェルナーとレロイ・サネを投入し、ホームという状況も手伝って前への圧力を更に強めていきます。しかしフランスにはボールを繋げる選手もいれば、ムバッペみたいなチートもいる。86分、カウンターがルーズボール気味になったところをポグバが収めてすぐさまスルーパスに繋げるとムバッペが完全に裏に抜け出して折り返し、最後はベンゼマ!!…ただしこれはまたしてもオフサイドドイツは2回命拾いしました。

 

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ポゼッションのドイツが押し込みながらも、機を見て強烈すぎるカウンターを仕掛けるフランスの前に迂闊に前にも出にくいドイツ。その構図はまるで今季のCL準々決勝のバイエルンvsパリ・サンジェルマンのようでした。それでも最後はフンメルスを最前線に上げてパワープレーを敢行しますが、結局前半のオウンゴールがそのまま決勝点となって試合終了。グループステージ最大の注目カード、前回のW杯王者と前々回のW杯王者の試合は1-0でフランスがモノにしました!

 

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いやー…クソ面白い試合でしたねぇ。何と言ってもベンゼマはやっぱりすげぇなと思いましたよ。

ベンゼマは今季のレアルでは間違いなく主役でしたけど、他に主役になり得る選手がいたらその選手を活かす為の動きっていうのが抜群に巧いんですよね。レアルではそれがクリスティアーノ・ロナウドで、そして今回はそれがムバッペだった。ベンゼマがボールを持っていない時のポジショニング、或いはフリーランニングで、ドイツのDFをじわじわとフランスの右サイドに引っ張っていく。すると左サイドをムバッペが突っ切るスペースが出てくる訳です。その形で決定機は何度も生まれましたし、ムバッペでは無くとも先制点の場面のエルナンデスや後半開始早々のラビオの決定機もそうでした。そういうベンゼマの誘導にドイツのDFが引っ掛からなかったとしても、それならそれでベンゼマは自分が受けても仕事が出来る選手ですし、右WGながらフリーマン的な動き方をしているグリーズマンベンゼマとムバッペの間を突く事が出来る。何より、ポグバがその役割を担ったようにベンゼマがスペースを作る、スペースが空く、スペースに走るといった過程の後にスペースにボールを出せるんですよ。攻撃の全てがオーガナイズされていたなぁと。

 

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ロシアW杯の時点で一定の完成を見たフランス代表はその完成されてチームで今回のEUROに乗り込んだ訳ですが、そのチームにおいてベンゼマは本当に「補強」に近い意味を持っていたんだと思います。そしてベンゼマも合流から1ヶ月も経ってないのにあれだけのパフォーマンスを見せた…見事という他ありません。

 

 

一方のドイツに関しては、今回は相手が悪かったとでも言うべきでしょうか。フランスが仕上がり過ぎていたというか…。ただ、攻撃面では悪くはなかったけど、今日のフランス相手に3バックはちょっとミスマッチ過ぎたような気も少しします。あと完全に希望ですけど、あのシステムでやるならハフェルツとヴェルナーは同時起用して欲しかったですかね…チェルシーでも同じシステムと同じポジションで組んでるし…。

 

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まぁ、こんなタイトルにしたけどサッカーやってた時バチバチにDFだったんだけどね。

ではでは(´∀`)