サウスゲートの渾身、レーヴの冒険〜UEFA EURO 2020 ベスト16 イングランド代表vsドイツ代表 マッチレビュー〜

昨日のフランスショックはまだ少しあるわね

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2020 ベスト16、イングランド代表vsドイツ代表の一戦です!

 

 

 

ベスト16も今日が最終日。本日行われる2カードが終わればいよいよベスト8が出揃います。激闘だらけのベスト16……そして今宵、その最大の注目カードが行われます!

 

 

サッカーの歴史を振り返る時、そこには常にイングランドvsドイツというカードがありました。サッカーに関係なくとも因縁のある両者ですが、盛者必衰のサッカー業界の第一線を常に走り続けてきた両チームの対戦はサッカーの歴史そのものといっても決して言い過ぎではなく、世界が世界に誇るゲームといっても過言ではないカードになっています。

1966年イングランドW杯決勝、未だに議論を呼んだジェフ・ハーストのシュートでイングランドが優勝を果たした事に始まり、W杯やEUROで両者の対戦は何度も実現。1970年メキシコW杯準々決勝、1990年イタリアW杯準決勝、EURO1996準決勝、日韓W杯欧州予選、そして南アフリカW杯……多くの歴史を紡いできたイングランドvsドイツというカードは単なる強豪同士、単なる優勝候補同士の試合とは全く異なる意味と重みを持っているのです。勝負強さの差もあって、1966年W杯以降は多くの場面でドイツが勝負を制してはいますが、イングランドにとっては今回はホームでの決戦…メジャー大会での両者の対戦は現在のVAR導入のきっかけにもなったフランク・ランパード幻のゴールでお馴染み南アフリカW杯ベスト16以来となります。イングランドがあの時のリベンジを果たすか、ヨアキム・レーヴ監督最終章に再びイングランドを叩いたページを加えるか。欧州サッカーの歴史と伝統を繋ぐ運命のビッグマッチが、1966年W杯の決勝戦と同じ舞台で行われます。

両チームスタメンです。

 

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グループステージでは3試合で一人しかスタメンをいじらなかったレーヴ監督ですが、今日は第3戦のハンガリー戦からメンバーを3人変更。ハンガリー戦が初スタメンだったレロイ・サネ、ここまで全試合出場していたイルカイ・ギュンドアンとセルジュ・ニャブリがスタメンから外れてレオン・ゴレツカとティモ・ヴェルナーが入り、トーマス・ミュラーが先発に復帰しています。システムは変わらず3-4-2-1です。

一方、大胆な魚出たのはサウスゲート監督でした。元々3バックを採用する事もあったとはいえ、ここまでの3試合は全て4バックでしたが、ここに来て3-4-2-1を採用してドイツにシステムを合わせてきました。右サイドバックで起用されていたカイル・ウォーカーを3バックの右に下げ、キーラン・トリッピアーが右WBの位置に入っています。

 

 

本日の会場はイングランド、ロンドンのウェンブリー・スタジアムです。

今大会の準決勝と決勝はロンドンで行われる事になっていますので、イングランドもドイツもイタリア開催の準々決勝以外は残り試合は全てウェンブリー。移動が一つの鍵にもなる今大会では、比較的コンディションを調整しやすい日程が組まれています。

今から25年前、1996年のEURO準決勝、自国開催となったイングランドは決勝進出を懸けて、建て直される以前のウェンブリーでドイツと戦いました。1-1でPK戦にもつれ込んだ試合はイングランドもドイツも5人目までが全員成功。先攻のドイツが6人目を成功すると、迎えたイングランドの6人目のキッカーがPKを決められずにイングランドは決勝進出を逃し、ドイツは最終的に大会を制したのでした。そしてこの時、ウェンブリーの地で自らのキックで試合を終わらせてしまった人物……それこそが現イングランド代表監督、ガレス・サウスゲートです。もしかすると、両チームの中でこの試合に懸ける思いが最も強い人物かもしれません。

スタンドにはウィリアム王子を始めとしたロイヤルファミリーに、ディビッド・ベッカムエド・シーランの姿も。

 

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イングランドがドイツに対してシステムを合わせてきた影響もあって、前半はそれが噛み合う事により膠着状態とも言うべき時間が続いていました。近年志向しているサッカースタイルとしてはイングランドよりもドイツの方がポゼッション意識は高いのですが、前半に多くボールを持っていたのはどちらかと言えばイングランドポルトガル戦のように相手のシステムとのミスマッチも利用して迫力あるサイド攻撃を仕掛けたいドイツはスピードダウン気味な展開に。

 

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ボール主導権を握っていたイングランドは右のトリッピアーと左のルーク・ショーをワイドに開かせながら、時折ロングボールも交えてドイツに揺さぶりをかけていきます。ドイツも狙いとしていたジョシュア・キミッヒやロビン・ゴゼンスのサイドアタックには結び付けられなかったものの何度かカウンターを繰り返していく中でも、イングランドは細かくパスを繋ぎながらゲームをドイツ陣内に押し込んでいきました。

 

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前半アディショナルタイムには凄まじい攻防が。左サイドでミュラーからボールを奪ったラヒーム・スターリングがカットイン気味にドリブル突破を仕掛けたペナルティエリア内に侵入すると、エリア内でDFに当たってリフレクションしたボールを拾ったハリー・ケインが冷静にGKマヌエル・ノイアーのタイミングを外して特大の決定機を迎えます。しかしギリギリのところでマッツ・フンメルスが見事なカバーリングを見せてゴールには至らず。前半は0-0で終えます。

 

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後半開始早々、ドイツの決定機をジョーダン・ピックフォードのファインセーブで阻んでからまさしく膠着状態。非常に締まった、両チームなかなかボロを出さない試合展開が続いていきます。その中でイングランドはジャック・グリーリッシュ、ドイツはセルジュ・ニャブリとそれぞれに切り札を投入します。

 

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そして膠着状態の続いていた試合が遂に動いたのは75分でした。バックラインから縦パスが一本スターリングに入ると、スターリングは自ら持ち運んでからケインへ。これをグリーリッシュを経由して左サイドへ流すと、走り込んだショーの折り返しにスターリング!!今大会絶好調のスターリングのゴールでイングランドが遂に先制!!

 

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しかし81分、ヒーローへのカウントダウンが始まったスターリングのミスを突かれると、ドイツはミュラーが一気に抜け出してGKピックフォードと1対1の場面を迎えます。ですが……レーヴ・ドイツの最重要人物の一人で、百戦錬磨を体現したようなエースのシュートは無常にも枠の左へ……。

 

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そしてドイツが決定的な86分、今度はドイツ陣営にミスが発生すると、前がかりになっていたところをカットしたショーが攻め込み、1点目同様ち左に流すとグリーリッシュのクロスにハリー・ケイン!!!!今大会、注目されながら点を取れず、批判にもさらされた大黒柱が遂にゴールを決め、ウェンブリーの空気はまさに最高潮。

 

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ドイツは猛攻を仕掛けますが、イングランド守備陣は最後まで高い集中力を発揮してドイツのクロスボールを跳ね返し続けます。そしてウェンブリーに鳴り響く試合終了の笛………イングランドが遂に、遂に長く高い壁だったドイツを打ち破ってベスト8に進出!そして、15年という長い期間の栄光に包まれたドイツとレーヴの冒険はウェンブリーの地で終幕を迎えました。

 

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今大会のドイツは結構特徴的なチームで、ハンガリー戦での苦戦やフランス戦の展開、逆にポルトガル戦での大ハッスルも踏まえて、その戦い方にはオールorナッシング的な部分がありました。ポルトガル戦がそうだったように、こういうチームはスペースというよりもリズムに乗せると手のつけようが無くなるので……それを踏まえると、システムを変えてドイツと同じ形にして陣形を噛み合わせる事で試合を膠着状態に持ち込んだサウスゲート監督の策が見事にハマった形になりましたね。イングランドはここまでの試合が余り良くなかったので…別にドイツはさして関係のない変更だったのかもしれませんが、これがドイツに対して非常に効いていたのは事実です。

 

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そして今日はやはり、二人の監督の背景にスポットを当てるべき試合でしょう。

上でも述べたように、EURO1996の準決勝……同じウェンブリーの地でドイツとのPK戦で、自身のPK失敗により敗退した過去がサウスゲート監督にはありました。リベンジと一言で言うのは簡単ですが、自身が25年の時を経て今度はイングランドの監督として、同じ会場、同じコンペティションで因縁の相手とぶつかるような邂逅はそうそう訪れないものでしょう。ホイッスルが鳴った瞬間のサウスゲート監督の力強いガッツポーズは胸を熱くさせるだけの意味がこもっていました。

 

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一方、ドイツのレーヴ監督はこれがドイツ代表監督としての最後の試合に。最後の試合と言えばよくある話ですが、レーヴ監督は15年も世界屈指の強豪国の監督を務めていました。代表監督としては異例中の異例である長期政権です。前任のユルゲン・クリンスマン監督時代から始まった世代交代を完成させ、「良いところまでは行くけど勝てない…」がお決まりだったドイツをW杯優勝に導いたその功績、レーヴ監督が15年間やってきた実績と事実は、ドイツのみならず世界のサッカー史に残る偉業と言えるでしょう。レーヴ監督の次の行先がどこになるか、ひとまず休みを挟むのかはわかりませんが、本当にお疲れ様でした。

 

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レーヴさん次Jリーグ来る…?

ではでは(´∀`)