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綺麗な崩しとフラストレーション〜明治安田生命J2リーグ第25節(延期分) 松本山雅FCvs京都サンガFC マッチレビュー〜

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死活問題の一戦を前に死活問題の一戦。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J2リーグ第25節(延期分)、松本山雅FCvs京都サンガFCの一戦です!

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

 

当初は8月14日に行われる予定だったものの、今年のお盆といえば凄まじい豪雨が襲いましたから……その影響で延期となった試合です。とはいえ、延期になった事でサンガも松本もチームとしては宜しくはない状態の中で突入する事になりました。

中断期間が明けてから町田戦水戸戦、東京V戦を新加入FWイスマイラの活躍もあって3連勝で快調に飛ばしたサンガでしたが、前節甲府戦は0-3でぐうの音も出ない完敗。今季あれほど「完敗」を印象付けられたのは初めてでは無いでしょうか。サンガにとっては今日は文字通り切り替えが求められる試合です。首位の磐田より試合数のサンガにとって、この試合で勝てば「正式に首位」となりますが、逆に勝てなければ「正式に2位」にもなる試合ですからね…。

一方、松本も現在はなかなか苦しい状況です。J2残留争いに巻き込まれた松本は、柴田峡監督を解任して第20節から名波浩監督が指揮。中断明け最初の試合で秋田に快勝し、そのまま勢いに乗りたかったところでこの京都戦が延期となってしまい、その後は3連敗…特に大宮、磐田に2試合続けて0-4負けとなったのは大きなダメージでしょう。松本が置かれた立場はサンガと似ているけど真逆で、勝てば「正式に降格圏脱出」で負ければ「正式に降格圏」。真逆でリンクした2チームの行く末は果たして…?

両チームスタメンです。

 

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サンガは前節甲府戦からスタメンを5人変更。宮吉拓実と黒木恭平がリーグ再開後初のベンチ入りかつスタメン。特に黒木は今季リーグ戦で初の先発出場となっており、ここまで全試合に出場していた荻原拓也は初めてメンバーから外れました。尚、今季のサンガのサイドバックは荻原、飯田貴敬のレギュラーに白井康介をローテーションさせる形で回していましたが、飯田と荻原が共に先発を始めるのは今年初めてです。

松本は0-4で敗れた前節磐田戦から5人先発を変更。伊藤翔セルジーニョの夏の新戦力は引き続き先発となりました。安東輝は第16節岡山戦、橋内優也は第15節栃木戦以来となる先発復帰です。

 

 

本日の会場は長野県松本市サンプロアルウィンです。

2002年日韓W杯の事前キャンプ地としてパラグアイ代表が使用した際、世界的GKのチラベルト「こんなに素晴らしいスタジアムがあるのになぜ地元のチームがないのか?」と語った事がJリーグ入りの動きを加速させた話は有名。松本のJ参戦10周年となる今年、チラベルトからはビデオメッセージも送られています。現在は制約があるので要塞としての要素は薄れていますが、松本側からすれば最高のボルテージ、対戦相手からすれば超絶アウェイ感を生み出すアルウィンというスタジアムはJリーグでも屈指の人気スタジアムですね。

松本は8月の愛媛戦、9月の磐田戦、京都戦の3試合を普段の緑ではなく黒をベースカラーとした夏季限定ユニフォームで挑みます。また、京都は2日前の試合がアウェイでの甲府戦だった為、一部選手以外は京都に戻らずそのまま延泊する形で松本に乗り込んでいるとの事。

 

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予想通りサンガが前に出て立ち上がりから畳み掛け、松本はそれに耐える、構える形で試合が始まりました。しかし押し込むサンガ、引き込む松本……みたいな感じでこの構図が上手く噛み合った事で松本に大チャンスが生まれます。サンガがハイラインになるに連れて全員がハーフェーラインを超える形となり、そこを上手く突いた河合秀人が一気に抜け出してGKと1対1。ペナルティエリア外まで飛び出した若原智哉がそのまま振り切られてしまい、ボールは転々と無人のゴールへ……松本先制。

 

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ただ、前節と違ってサンガも失点から10分後に同点に追いつく事に成功します。押し込んでいったサンガは19分にフリーキックのチャンスを獲得。これは一度クリアされたものの、クリアボールを福岡慎平が回収して出したパスを受けたヨルディ・バイスがタメを作り、バイスがタメを作っている間にバイスの右を抜けた白井のクロスを宮吉が頭で合わせてサンガ同点!

 

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しかしサンガは前半を通じてずっと橋内が復帰して最終ラインが安定した松本の守備に苦しめられ続けていきました。省エネというか、徹底的に効率の良いサッカーをしてきた松本が再び火を噴いたのは33分、FKからの攻撃が流れたボールが再び左サイドのセルジーニョに渡ると、セルジーニョが上げたクロスに完璧な位置とタイミングで飛び込んできたのは伊藤でした。熟練のストライカーの技が出たような移籍後初ゴールで松本が勝ち越し。前半は松本リードで終えます。

 

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しかし後半開始早々、サンガは試合を再び振り出しに戻します。やはり最終ラインを高く保ったところでのビルドアップを徹底する事で引き込む松本を更に押し込んでいった中で、中央でのパス回しにはややアバウトさもあったものの、DFを背負いながらボールを受けたピーター・ウタカが左サイドに展開。スペースにフリーで抜け出した黒木はワンタッチでドンピシャのクロスを上げると、同じくフリーの宮吉が頭で流し込んで2-2!

 

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同点に追いついた直後、本多勇喜イエローカードをもらった事もあって本多と白井を下げて麻田将吾と飯田貴敬を投入。74分には切り札イスマイラも送り込み、松本を押し込んでいきます。しかしここからはサンガもサンガで松本のブロックを崩す前にアタッキングサードまで行けなくなってしまい、イスマイラやウタカにボールを集めようとしますがそこがなかなか上手くいかなくなり始めていきました。2点目を取って以降はサンガは攻めあぐねる形になって2-2。連敗こそ回避しましたが、少し消化不良感も残るドローに終わりました。

 

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宮吉が2点取ったという事実もそうですが、曹貴裁監督が「カオス」と称するような畳み掛ける攻撃のみならず、松本に堅められた中で細かくじっくり崩した2つのゴールの形はサンガにとってはポジティブなものだと思います。攻撃のバリエーションとして。ただ、今日は松本の集中力も高く、それはDFラインの盗撮のみならずカウンターも狙うところは狙うぞ、みたいな部分でも発揮されていたので、サンガの攻撃スペースが無くなってきた2点目以降はフラストレーションは溜まる展開になってしまいましたね。

ただ、まぁ…21位相手に押し込んでのドローは間違いなく痛手ではありましたが、2度リードされて2度追いついたのは、前節の内容と流れと日程を踏まえれば踏ん張ったと言える結果だったのでは無いでしょうか。

 

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さぁ、代表戦待機。

ではでは(´∀`)