昨日はGLAYのライブに行ってきました。
最高でした。
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第35節、清水エスパルスvs北海道コンサドーレ札幌の一戦です!
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「期待しなければ裏切られない」─これはもしかすると、今のエスパルスファンが自問自答するかのように頭の中を駆け巡っている言葉なのかもしれません。大型補強、実績に疑いの余地がない監督の招聘、クラブのブランド拡大、もはやダークホースじゃなくね?それ…ってほどダークホース候補としてみんなが名前を上げたあの2月、今の光景を想像した人はそこまで多くなかったと思います。私自身もどこまで躍進するかはともかく、こんなギリギリの残留争いを強いられているとは夢にも思いませんでした。
「J2覚悟で継続すること」「J2降格だけは何としても、どんな手段を使っても避けること」…二者択一のギャンブルの中で、清水が選んだのは後者でした。この決断を正しいものに出来るかどうかはこれからの彼ら次第な訳ですが、そんな大事な平岡宏章監督の初陣の相手は近年の清水にとって天敵と化しつつある札幌です。ここ数年、清水に最もトラウマを与え続けてきた相手との試合は、勝てど負けれど最大のターニングポイントになる事は確かです。
両チームスタメンです。
前述の通り、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の解任に伴い平岡宏章監督2年連続2度目の初陣となる清水は0-4で敗れた前節FC東京戦からメンバーを4人変更。特に中村慶太は第17節横浜FM戦以来久々のスタメン入りとなり、ホナウドが久々にスタメンから外れています。
既にJ1残留は確定している札幌はスタメンは一人だけ変更。青木亮太を下げ、荒野拓馬をシャドーに上げつつ、ボランチに深井一希を起用しました。
本日の会場は静岡県静岡市、IAIスタジアム日本平です。
天候次第ではスタンドから富士山が見える事でも知られるスタジアム。Jリーグが開幕した1993年からメインのホームスタジアムで在り続けているのもこことエディオンスタジアム広島だけとなりました。それだけ「サッカー王国・静岡」を象徴するスタジアムの一つであることに異論の余地はありません。しかし、今回の清水の顛末やジュビロ磐田がJ2にいるという事実に代表されるように、今やその地は揺らぎつつあります。清水には新スタジアム建設の計画も動き始めているとの事ですが、彼らが王の座に返り咲くことは叶うのでしょうか。
前述しましたが、清水vs札幌は近年の清水にとっては悪夢のような試合が続いています。特に2019年は2試合で13失点。特に8月にこのアイスタで行われた試合では0-8という記録的な敗戦を喫してしまいました。果たして今日は…。
序盤は清水ペースで試合が動いていきました。清水がコンパクトな陣形を保ちながら、札幌が攻めあぐねている…と思わせるような状況を作ると共に、積極的にプレスをかけつつ札幌に思うようなサッカーをさせません。そんな中で17分、西澤健太のフリーキックがゴール前で混戦を呼び起こしたところをチアゴ・サンタナが押し込んで清水が先制!
しかし序盤は清水が高めに設定したラインで札幌の良さを上手く消せていたものの、札幌の持ち前のアグレッシブスタイルの為か、もしくは清水の嫌な流れが反映されたのか、徐々に札幌が押し上げつつ清水のラインがズルズル後退し始めます。23分、一瞬の隙を狙った福森晃斗の絶妙な浮き球に反応した金子拓郎が完璧なボールコントロールから決め切って札幌が同点に追いつきます。
その後はボールを保持する札幌に対して清水は完全に割り切った戦い方を選択していきました。とはいえ、その中で清水は札幌のアタッカーをペナルティエリアに入れる前に食い止めることは出来ており、かつ藤本憲明がスピードやチアゴ・サンタナとのコンビネーションを活かしてカウンターのチャンスも作れていました。ある種、凹凸が嵌りあったような前半。1-1で前半を終えます。
しかし後半は札幌が一気に押し込んで行きました。48分の波状攻撃は清水のDF陣が体を張ったディフェンスでシュートブロックに成功したものの、その一連の攻撃で得たコーナーキックで福森のボスクロスボールをスタメンに抜擢された深井のヘッドで札幌が逆転!後半開始早々にスコアをひっくり返します。
清水は58分に鈴木唯人、鈴木義宜、中山克広を投入し、67分には滝裕太もピッチに送り込みます。しかし清水の攻撃はなかなか上手くいかなかったというか、チームとしてビハインド時のシフトとして戦うのか、或いはこれまでの攻め方を継続するのかがハッキリ出来ておらず、結局チャンスの数は札幌の方がずっと多い状況が続いていました。71分には金子の折り返しに駒井善成が狙い澄ましたシュート。GK権田修一の好セーブで阻んだとはいえ、清水は常に苦しい展開に。
それでも清水も意地を見せます。83分でした。右サイドでボールを持った中山のパスを受けた原輝綺が鋭いクロスを入れると、ニアに走り込んだサンタナの動きもあってフリーになった滝の足元に入り、後は右足を振り抜いてゴール!後半は特に常に劣勢を強いられていた清水が意地の同点ゴールで試合を振り出しに戻します。
終盤は非常に激しい展開となりました。85分にはカウンターから鈴木唯人のスルーパスに抜け出した中山のシュート。しかしこれはGK菅野孝憲のファインセーブで阻まれると、アディショナルタイムには途中出場のミラン・トゥチッチに対するヴァウドの行為がVARにより退場処分となり清水は数的不利に。それでも終盤は怒涛のカウンターの応酬となるスリリングな攻防戦で繰り広げられ、最終的には試合は2-2で終了。清水にとっては勝てなかったとも負けなかったとも言えるドローとなりました。
まず大前提として、前節FC東京戦が11月3日でロティーナ監督の解任が11月4日。平岡監督が監督として出来ることは時間的にほとんど無かった、やりようが無かったなかで、それでもできる限りの準備はしてきたのは前半の戦いぶりでも見てとれました。それは機能した部分もあると思います。
一方で…まぁ、それを一昨日監督になったばかりの平岡監督にどうにかしろ、という方が無茶なのは言わずもがなとして、清水がリードしている時、或いは同点の間は良いんですが、ビハインド時のリアクションが少し中途半端だった気はしました。結果的には同点に追いつくことができて、終盤はその追い風に乗れたところはあったものの、80分くらいまで清水が殆どチャンスを作れないままに札幌にカウンターを喰らいまくった背景はそこの部分にあったような気はします。ただ、清水としてはこの展開で掴み取った勝点1が「大きい勝点1」だったのか「痛い勝点1」だったのかの答えは全てこれからにかかってくる訳で、今日に関しての平岡監督は出来る事は最大限にやった上で、答えは保留…みたいな感じでしょうか。
札幌はやっぱり良いサッカー、迫力のあるサッカーをしてきますよね。前線のタレントも魅力的ですし。ただ、やっぱり手前味噌な表現ですが…権田の好セーブもあったとはいえ、札幌がもう1ステージ上に行くためには3点目は取らなければならない試合展開ではありました。
(11月7日追記)
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第38節
横浜F・マリノス8-0FC東京
1位 川崎フロンターレ(85)★確定
2位 横浜F・マリノス(75)
3位 ヴィッセル神戸(68)
4位 鹿島アントラーズ(62)
5位 名古屋グランパス(62)
6位 浦和レッズ(59)
7位 サガン鳥栖(56)
8位 アビスパ福岡(51)
9位 FC東京(49)
10位 サンフレッチェ広島(46)
11位 セレッソ大阪(45)
12位 北海道コンサドーレ札幌(45)
13位 ガンバ大阪(43)
14位 柏レイソル(40)
15位 湘南ベルマーレ(33)
16位 清水エスパルス(33)
17位 徳島ヴォルティス(30)
18位 大分トリニータ(28)
19位 ベガルタ仙台(27)
20位 横浜FC(27)
前節で優勝を決めた川崎ですが、スタメンを入れ替えて挑んだ今日の試合では天敵・鳥栖相手に前半だけで3失点を喫してまさかの敗戦。これで川崎は今季2敗目。その2敗はいずれも九州勢という事になりました。
ACL出場権を巡る争いは、神戸と名古屋がそれぞれ残留を争うチームと対決。神戸は徳島相手に勝利しましたが、名古屋は仙台相手に痛恨のドローを喫しています。今節は鹿島と浦和の直接対決が行われましたが、鹿島は土居聖真のゴールで1-0で勝利。これにより鹿島が4位に浮上するとともに、3位神戸と勝点差9となった浦和はかなり厳しい状況となりました。また、FC東京相手に8-0という歴史的な大勝を挙げた横浜FMは来季のACL出場権獲得が確定。敗れたFC東京は試合翌日、長谷川健太監督の辞任を発表しました。
残留争いでは大分に勝利した13位G大阪、C大阪に勝利した14位柏が残留を確定。降格の可能性がある15位湘南以下のチームは17位徳島と18位大分以外は勝点1は獲得しましたが、特に横浜FCは後半アディショナルタイムに同点弾を許し、湘南は70分以上を数的有利で戦いながらも得点を奪えずスコアレスドローと痛い引き分けとなりました。次節、他会場の結果次第では18位大分以下の3チームは降格が決まる可能性があります。
尚、今節は横浜FMの前田大然、G大阪のパトリックの二人がハットトリックを記録。また、柏のネルシーニョ監督は今日の勝利でJ1通算200勝を達成しています。
CS阪神頼むぞほんまに…。
ではでは(´∀`)