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集中力の中の意外性〜明治安田生命J1リーグ第37節 湘南ベルマーレvs徳島ヴォルティス マッチレビュー〜

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本日のマッチレビュー明治安田生命J2リーグ第37節、湘南ベルマーレvs徳島ヴォルティスの一戦です。

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

 

Jリーグも残り2試合。勝点36で15位の湘南、勝点33で17位の徳島……史上初めて4チームが降格するという過酷なレギュレーションになった残留争いの中で、残り一枠となった降格を巡るこの試合はまさに残留争いの全てを決めかねない一戦。大一番という言葉でさえ足りないような試合なので当初から「第37節最注目カード」とも言われていましたが、そこにまた違う意味も含まれるようになってしまいました。

ただでさえこの試合のプレッシャーは大きかったでしょうから、その中で湘南が置かれた現状は……少なくとも平常心では居られないでしょう。ただそれでも、山口智監督が述べたように時間は待ってくれないし、この試合が湘南の来年を左右する一戦になる事も変わりません。彼らにとって酷な状況ではあるけれど、それでも湘南は勝点を掴まなければならない…と。

一方で、それを踏まえれば徳島もまた、難しい立場に置かれたという表現もできるでしょう。徳島も同じJリーグクラブ・選手として悲しみを共有していても、来年が懸かった試合になるのは徳島も一緒です。徳島は徳島でプロとして、もし湘南が浮き足立っていたり、精神的に試合に入れていないような兆候があれば……徳島はプロとしてそこを徹底的に、容赦なく突かなければならないのです。残留争いの大一番である今日の試合、それは両チームのプロとしての矜持が問われる試合ともなります。

両チームスタメンです。

 

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前節、仙台との直接対決を完璧な試合内容で勝利した湘南は、仙台戦から先発メンバーは全く同じ11人を起用。ベンチメンバーも高橋諒から古林将太に代えたのみで、前節の流れを維持させたいところです。また、湘南の最終節の相手はG大阪ですので、G大阪からのレンタル移籍契約に伴い谷晃生にとってはこれがシーズン最終戦となります。

前節を良い内容で勝利した点では共通する徳島も、基本的には前節FC東京と同じメンバーと同じ布陣です。しかしこちらはジエゴが出場停止の為、左SBには第22節清水戦以来の先発となる田向泰輝を起用してきました。

 

 

本日の会場は神奈川県平塚市レモンガススタジアム平塚です。

湘南がJに参入する前の1992年から本拠地であるこのスタジアムですが、1994年には一度だけ横浜ダービーの会場になった事もあるこのスタジアム。この大一番でチケットは即完売。Jリーグもラスト2節ですから、各チーム「ホーム最終戦セレモニー」も各会場で開催されますね。来場者には「One Bellmareスペシャルフラッグ」が配布される他、試合前には湘南乃風HAN-KUNが来場し、キックオフ前とハーフタイムに1曲ずつパフォーマンスを披露するとの事。そういえば2019年、J1・J2入れ替え戦の舞台となったのもこのスタジアム、そして湘南vs徳島のカードでしたね…。

そして、バックスタンド裏には23日に24歳の若さでこの世を去った、湘南ベルマーレMFオリベイラ選手へ向けた献花台が設置されています。オリベイラ選手のご冥福をお祈りいたします。

 

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前半はお互いにセーフティーというか、サイドでの攻防戦がちょこちょこ見られた以外はどちらも堅めの試合の入りでした。徳島がいつも通り、丁寧にビルドアップをしてポゼッションを高めていこうとするのに対し、いつもはハイプレス寄りの戦術で戦う湘南はややリトリート。徳島も強引に攻め入るような展開にはまだなっておらず、睨み合いのような様相を呈して前半は進みます。

 

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試合はじわじわと徳島ペースのような形で傾いていきましたが、徳島もサイドからの侵入までは出来てもなかなかチャンスにまで繋がりません。一方の湘南は、徳島のビルドアップのミスを確実に突いてからのカウンターに活路を見出し、まさにそういう流れで生まれた34分のウェリントンのシュート以降はサイドを中心に湘南もチャンスを作っていきました。

結局前半ではゲームは動かず。0-0で後半に向かいます。

 

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後半も試合はお互いに極端にリスクは冒さない、ヒリヒリとした試合展開が続いていきました。それでもお互いに隙を突くようなアタックは試みていたので、両者ともに「気を抜いたが最後」みたいな時間が続いていきます。しかし67分、徳島が左サイドでCKを獲得すると、岩尾憲が勝ったボールは密集地帯を超えてファーサイドへ。サインプレーで誰もいないファーサイドに走り込んだ宮代大聖のシュートはGK谷に阻まれたものの、こぼれ球を岸本武流が押し込んで徳島先制!

 

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84分になると山口監督は石原広教、古林将太を両WBに配置し、この試合度々徳島の脅威になっていたウェリントンを軸にしたパワープレー、或いはサイド攻撃を展開していきました。アディショナルタイム、右サイドを突破した古林のクロスをニアで途中出場の町野修斗が合わせましたが……僅かに枠の外。ヒリつく激闘を制した徳島が湘南と勝点で並び、J1残留をかけた三つ巴の争いは背後の1試合に全てが委ねられました!

 

 

 

湘南にとっては当然ですし、同じとは言いませんが、徳島にとっても残留争い直接対決のプレッシャー以上の難しさはあったと思います。そんな中でショートカウンタースタイルの湘南、ポゼッションスタイルの徳島と、両者ともにスタイルを出しながら集中力も高く、非常に締まった試合をこの状況の中でやってのけた事はどちらも素晴らしかったなと。

ただ、やっぱりそういう試合の中だからこそ…隙といえば酷かもしれませんが、徳島が生んだ一瞬の「意外性」が勝負を分けた事を思うと、やはりサッカーというスポーツは一瞬に全てを左右される、どんな状況・どんな状態であろうと綱渡りのようなスポーツなんだなと再確認しました。結局のところ、湘南も徳島も高い集中力を見せ、緊張の糸を途切れさせないような試合が出来ていたからこそ、ああいうサインプレーの効果が何倍にもなったのかなと。

それでも非常に締まった、見応えのある試合でした。最終節すごい事になりそう…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第37節

北海道コンサドーレ札幌3-1柏レイソル

鹿島アントラーズ1-0サガン鳥栖

浦和レッズ0-1清水エスパルス

川崎フロンターレ4-1ガンバ大阪

湘南ベルマーレ0-1徳島ヴォルティス

セレッソ大阪2-1名古屋グランパス

ヴィッセル神戸0-2横浜F・マリノス

サンフレッチェ広島1-2FC東京

アビスパ福岡2-2ベガルタ仙台

大分トリニータ2-0横浜FC

 

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1位 川崎フロンターレ(91)※順位確定

2位 横浜F・マリノス(78)※順位確定

3位 ヴィッセル神戸(70)※順位確定

4位 鹿島アントラーズ(66)

5位 名古屋グランパス(65)

6位 浦和レッズ(62)

7位 サガン鳥栖(59)

8位 アビスパ福岡(53)

9位 FC東京(52)

10位 北海道コンサドーレ札幌(48)

11位 セレッソ大阪(48)

12位 サンフレッチェ広島(46)

13位 ガンバ大阪(43)

14位 柏レイソル(41)※残留確定ライン

15位 清水エスパルス(39)

16位 湘南ベルマーレ(36)

17位 徳島ヴォルティス(36)

18位 大分トリニータ(32)※順位確定

19位 ベガルタ仙台(28)※降格決定

20位 横浜FC(27)※降格決定

 

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ホーム最終戦G大阪を4-1で下した川崎はこれで今シーズンのホームゲーム無敗が確定。これは2006年の浦和以来となる大記録で、連覇に華を添えました。一方、ACL圏内を巡る争いでは3位神戸が2位横浜FMに敗れたものの、4位名古屋がC大阪に逆転負けを喫した為、神戸の来季ACL出場が確定。残されたACL出場枠は天皇杯優勝チームに与えられる一枠のみですが、天皇杯で川崎が優勝した場合に繰り上げでACLに出場できる4位の枠を鹿島と名古屋が争う形になっています。

そして残留争い。注目を集めた15位湘南と17位徳島の直接対決は17位の徳島が勝利。一方、16位清水はアディショナルタイムの中村慶太の決勝ゴールで劇的勝利を収めました。この結果、15位清水を勝点差3で追う16位湘南・17位徳島という構図になり、最終節の相手は清水がホームでC大阪、湘南がアウェイでG大阪、徳島がホームで広島となっています。

今節は各地でホーム最終戦セレモニーが行われました。その中で、C大阪大久保嘉人、浦和の阿部勇樹槙野智章宇賀神友弥など今季限りで引退・退団をする選手のセレモニーも。寂しさも感じる季節になりましたね。さぁ、ラスト1試合です!

 

 

さぁ明日は!

ではでは(´∀`)