昨日のACLは面白かった
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはUEFAチャンピオンズリーグラウンド16第2戦、アヤックスvsベンフィカの一戦です。
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世界経済のグローバル化はいつしかサッカー界にも波及し、それこそチャンピオンズリーグはいつしか、文字通り選ばれたクラブの戦いのような様相を呈し始めていきました。それはそれで「選ばれ者の戦い」という意味での美しさはあるのですが、同時にサプライズ感は薄れつつあるのもまた事実。
そんな中でアヤックスとベンフィカは、彼らがクラブとして持つアイデンティティをしっかり誇示し、その特性をむしろこの時代だからこそ更に強く世界に示して位置を築いています。
「4大リーグ以外で、世界最高の育成クラブは?」と問うた時、多くの人はこの2クラブのどちらかの名前を挙げる事でしょう。だからこそ、このヒリヒリする大舞台とこの2者が相見える事には意義とロマンが詰まっています。
1stレグは2-2の白熱のドロー。アウェイゴールのない今季は、文字通りこれが2度目のキックオフです。アヤックスは18-19、ベンフィカは15-16が直近のベスト8進出でしたが、いずれも今をときめく面子の揃ったチームでした。勝者はまた、ロマン時代として人々の記憶に刻まれるかもしれません。
両チームスタメンです。
本日の会場はオランダ、アムステルダムのヨハン・クライフ・アレナです。
かつてはアムステルダム・アレナとして知られたオランダ屈指のスタジアムですが、アヤックスとオランダ代表、そしてサッカーという歴史そのものを変えた存在であるヨハン・クライフが2016年に死去した事を受け、2018年から彼の名を冠したスタジアム名に変更されました。それもあって、スタジアムの外壁には彼の肖像が掲げられています。クラブの英雄の名を冠したスタジアムはサンチャゴ・ベルナベウやジュゼッペ・メアッツァなどがありますが、やはり重厚感が漂いますね。
EUROではベルギーと共催した2000年大会、11ヶ国開催となった2020年大会(2021年開催)でそれぞれ会場となっているこのスタジアムは開閉式の屋根を持つドーム型スタジアムです。ちなみに1階の駐車場には高速道路からそのまま入れるそうで。ちなみに今日はアヤックスのCEOであるエドウィン・ファン・デル・サールにOBのクラース・ヤン・フンテラール、ベンフィカの会長であるマヌエル・ルイ・コスタやOBのジュリオ・セザール、そしてOBではないですがカカも来場しているという2000年代のサッカーファン垂涎のメンツ…。
開始早々から攻勢に出たのはアヤックスでした。ホームでの大歓声も受け、立ち上がりから積極的かつ果敢にプレッシングを行い、常に高い位置で勢いのあるプレーを続けていきます。7分には左サイドを細かいパスワークで崩すと、デュサン・タディッチの折り返しをセバスティアン・ハラーが押し込んでアヤックス先制…かと思われましたが、これはタディッチの時点でオフサイド判定。
対するベンフィカはガンガン来るアヤックスに対して構えるような形でアヤックスの攻撃を受け、基本的にはゾーンディフェンスで耐えながらカウンター気味…要はあまり高くないライン設定で前半を戦いました。その過程で攻撃時のアイデアは光ったものの、アヤックスと共に序盤のアヤックスの序盤の猛攻を除けば大きな決定機はなく、試合展開としてはある意味、お互いのゲームプランとスタンスが噛み合ったような形で前半は推移しました。
ベンフィカは後半開始からアデル・ターラブドを下げてスアヒロ・メイテを投入。押し込まれる時間が続いていたところで修正を施しにいきます。しかし展開というか、噛み合った両者の構図は基本的には後半も同じ形で進んでいき、ベンフィカとしてはアヤックスの攻撃に焦れずに耐えながら、試合がオープンになりだす瞬間を待つ形になりました。
そして遂に歓喜が訪れたのが77分でした。右サイドからの攻撃でベンフィカが右サイドでのフリーキックを獲得すると、アレハンドロ・グリマルドの鋭いボールにダルウィン・ヌニェスが頭で合わせて劣勢だったベンフィカが先制!この試合、チャンスのほとんどがセットプレーだったベンフィカが、自らのストロングポイントを用いて一点をもぎ取ります。
アヤックスはなんとか1点を取るべく猛攻を仕掛けますが、激しい肉弾戦にもなっていく中でベンフィカはここまでの時間帯でずっと続けていた集中力の高い守備を徹底し続けていました。7分与えられたアディショナルタイム、絶えず粘り強い守備を続けていたベンフィカの守備が一瞬乱れたのはラストワンプレーの事。パワープレーから途中出場のブライアン・ボビーが最後のチャンスを得ますが…ここはGKヴラホディアスがビッグセーブ。ベンフィカ、6年ぶりのベスト8です!
ベンフィカのチームとしてのテーマが一貫していた…というのが全てだったように思います。徹底的に統率され、集中を一寸たりとも切らさない守備で耐え抜く事、攻撃はスピードを活かしてサイドから一気に攻め、シュートまで行けなくてもCKを取って終わる事、そしてそのセットプレーを仕留める事…前半からセットプレーのアイデアも豊富に見せていましたし、その辺りは全てセットでチームのプランとして組み込まれていたのでしょう。そういう意味ではベンフィカは、アヤックスと共に我慢比べのようなゲームプランにも勝利した…という見方もあるのかもしれません。
ローリスクな戦略のようで、実は結構綱渡りな事でもあったと思うんですよね。だって一糸でも乱れれば、おそらくその瞬間にやられるでしょうし。それを思えば、ベンフィカはまさしくアヤックスと集中力と時間の全てに勝利した試合だったのではないでしょうか。お見事でした。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
UEFAチャンピオンズリーグベスト16
基本的には2試合合計スコアで評価しており、( )内は第2戦のスコアです。
バイエルン・ミュンヘン8-2(7-1)FCザルツブルク
マンチェスター・シティ5-0(0-0)スポルティングCP
レアル・マドリード3-2(3-1)パリ・サンジェルマン
マンチェスター・ユナイテッド1-2(0-1)アトレティコ・マドリード
マ、マンう…!
ではでは(´∀`)