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BECOME A LEGEND〜カタールW杯アジア最終予選第9節 オーストラリア代表vs日本代表 マッチレビュー〜

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18:00キックオフトラップ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー2022FIFAワールドカップカタール大会アジア最終予選第9節、オーストラリア代表vs日本代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

世界中に星の数ほどいるサッカー選手、あるいはそれを志す者にとって、そのうちの何人が何度、"運命の一戦"と呼ぶべき試合を戦えるでしょうか。

シドニーという世界的な都市で、勝てばカタールW杯出場決定、回れば3位転落……「王手」と言えば聞こえはいいですが、同時に負ければ危機的な状況に追い込まれる一戦。例えるなら、今の日本が立つ位置はカタールに通じる扉が待つブレイブメンロードのゴール手前…くらいのところでしょうか。伸ばした足が台にかかればゴール、左右に触れれば転落…そしてその結果が及ぼす影響は単なる「出れる」「出れない」の次元ではない、強烈なスリルに満ちています。

 

 

日本は勝てばカタールW杯出場決定、引き分けなら王手をかけた状態で最終節持ち越し。そして敗れれば得失点差でオーストラリアに上回られての3位転落…JFAが掲げる「新しい景色を2022」というキャッチコピーが見る景色はカタールでの栄光か、日本のいないW杯か…その全てを決めると言っても過言ではない、怪我人が何人いようが関係ない、泣けど笑えど運命の90分が始まります!

両チームスタメンです。

 

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日本もオーストラリアも、共に複数の主力を欠いた上でのラインナップになりました。

 

日本は当初発表されていたメンバーから大迫勇也酒井宏樹・前田大然が離脱。特にレギュラーを張っている酒井と大迫のポジションには、酒井が出られなかったベトナム戦とオマーン戦で先発した山根視来と前回のオーストラリア戦で結果を残した浅野拓磨が起用されました。また、冨安健洋は今回も怪我で招集出来ませんでしたが、中国戦とサウジアラビア戦を欠場した主将・吉田麻也は復帰を果たし、板倉滉とCBコンビを組んでいます。今回の招集メンバーでベンチ外となったのは谷晃生・中谷進之介・林大地の3人です。

オーストラリアは前回の日本戦のスタメン11人のうち5人が怪我やコロナウィルス陽性などにより未招集及び離脱。この5人以外にも数名今回の予選に参加できなくなったメンバーがいるので、なかなか厳しい台所事情となっています。グラハム・アーノルド監督はかつてベガルタ仙台の監督を務めた事でも知られていますが、スタメンのミッチェル・デュークはファジアーノ岡山所属の選手で、CBのミロシュ・デゲネクは元横浜F・マリノスの選手。控えGKのダニエル・ヴコヴィッチもアーノルド監督時代に仙台の在籍歴があります。

 

本日の会場はオーストラリア、シドニーのスタジアム・オーストラリアです。

2000年シドニー五輪のメインスタジアムとして建設され、オリンピックでは開閉会式も行われた由緒正しきスタジアムです。前述のシドニー五輪に始まり、2003年のラグビーW杯やアジアカップ2015では決勝戦の会場にもなりました(アジアカップ2015で日本がUAEに敗れた場所はここ)オリンピックの後、ラグビーW杯に向けて陸上トラックを撤去する改修を行った為、現在は球技専用スタジアムとして運用されており、クリケットオーストラリアンフットボールの試合を開催する時にはグラウンドが楕円形に広がるんだとか。ちなみに大型ビジョンはパナソニック製です。

日本には「2大会連続オーストラリア戦でW杯出場を決めている」というデータもありますが、その二つはどちらも埼玉スタジアム2002でのゲームだったのに対して今回は敵地です。そして3大会連続でオーストラリアと同組になっていますが、過去の3回の会場はメルボルンブリスベンでしたので、満を持してサッカルーズの総本山に乗り込みます!

 

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開始から30秒ほどでいきなり南野拓実のシュートから始まった事が物語るように、試合前の構図では「勝たなければならないオーストラリア」「引き分けでもいい日本」という形だった中で積極的に仕掛けたのは日本でした。前からプレスをかけて度々サイドにボールを入れながら攻めの形を何度か作り、対するオーストラリアは最初は構えてロングカウンター気味の攻撃に終始していきます。

 

そんな中で25分、オーストラリアはCKのボールがGK権田修一の頭上を超え、ジャンニ・ステンスネスに押し込まれてオーストラリア先制…かと思われて日本人の心臓が止まりかけましたが、権田とトレント・セインズベリーの競り合いがセインズベリーのファウルと判定されてノーゴール判定。

日本はその直後、28分に伊東純也のスルーパスに走り込んだ田中碧の折り返しを南野がDFを翻弄してシュートを放ちますが、これは僅かに枠の左。更に32分には伊東のクロスに南野が頭で合わせますが…クロスバー。序盤の日本ペースから一転、試合は双方決定機祭りとも言えようオープンな展開に一気になっていきます。

 

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36分にはジョエル・キングのミドルシュートがデュークに当たってリフレクションし、またしてもあわや失点という場面が。狂ったような激しい試合展開は立て続けに37分、左サイドを抜け出した長友佑都の折り返しに南野が走り込みましたがこれもクロスバーに弾かれる事態に。日本人もオーストラリア人もみんな心臓が何度も止まりかけた前半は0-0とは思えない展開の0-0で終えます。

 

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後半からオーストラリアはジェームズ・ジェゴを投入。日本は64分に長友と浅野を下げて中山雄太と上田綺世を突入します。前半は相当バタバタし合った展開になりましたが、立場としても引き分けでOKの日本は後半はある程度ボールを落ち着かせる事に成功。サイドにボールを入れていく点では前半と同じ形でしたが、そこにインサイドハーフが絡めるようになった事で中盤省略的な場面は減り、前半のように無条件でカウンターを喰らう場面は減っていきました。

 

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前半よりは落ち着いた中でも、日本はチームとしての狙いと意識は統一出来た状態で後半を戦えていました。そして80分、伊東のスルーパスから右サイドに走り込んだ守田英正の折り返しにまたしても南野が走り込みますが……GKよりも後ろで相手DFにブロックされてまたしてもゴールならず。基本方針は0-0でも良い、ただ機を見て一発は欲しい…84分、森保一監督は南野と田中を下げて原口元気と三笘薫をピッチに送り込みます。

 

勝つか、負けるか、引き分けるか……カタールまでのジリジリした綱渡りの中で89分でした。右サイドで、今日何度も切り込んだ右サイドを山根視来が崩して折り返すとニアに突っ込んできた三笘!!!!!

 

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まァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 

 

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こうなると日本にとってのアディショナルタイムは綱渡りではなくカウントダウンでした。落ち着いてボールを回しながらサイドに振り、冷静に時計の針を進めると、左でボールを受けた三笘、スーパースタームーブ発動。

 

 

 

 

 

 

 

GoTo Qatar2022!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

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辛い始まり、苦しい船出……しかしながら、その苦難の道の先を悲劇ではなく、見事カタールへの入口に接続させました。日本代表、2022FIFAワールドカップカタール大会出場決定です!!!!

 

 

 

前半も後半も共通していたのは、今日の豪雨によるピッチコンディションやオーストラリアの直線的な圧力を回避する為か、中央勝負は極力回避しながらサイドから攻め込む…という狙いは一貫していました。その中で、前半は試合展開そのものが異常にアップテンポになってしまったところで、中盤の3枚がボールホルダー或いは中盤同士の距離感を掴み切れないまま、あのハイテンションサッカーのテンポに飲み込まれてしまった…その結果前半は、必ずしも悪いサッカーではなくとも「引き分けでも良い」という立場の日本にとっては都合の悪い展開でもありました。

しかし後半は遠藤航をMFの後ろというよりもDFの前で落ち着かせる事、インサイドハーフと両サイドの距離感を近付ける事により、落ち着きとサイドでの流動的なパス交換を促進する事が出来て、後半の日本のやり方と森保監督の修正はなかなか見事だったと思います。修正もそうですし、「川崎フロンターレ」という共通言語を持つ選手が多かった事もあるのか、チームとして器用な戦い方を後半は出来たのかな…と。決定的なピンチというのも、後半立ち上がりに打たれたシュートの後はほとんど無かったですし。

その中で原口と三笘の同時投入は、スペースを適切に管理する原口のポジショニングが三笘を解放する働きを持たせてくれて、結果的にそれが1点目のストライカー的な動き、そして2点目のファンタジックな主人公プレーに繋がった部分はあるのかなと。

 

…さぁ、決まりましたよ。W杯。

3試合を終えて1勝2敗になった瞬間、日本にはよぎった「悪いシチュエーション」がいくつか脳裏によぎったことも皆さんあったでしょう。ドーハの悲劇が起こった1993年に生まれた選手は今年で29歳…要は、今のサッカー界のメインストリームとなる年齢の選手は、物心を持ってW杯に出られないかもしれない状況を感じていない選手も多いだけに「W杯に出られないかもしれない」という事はある種、未知の恐怖にも似たプレッシャーがあったはずです。かくいう私も1997年生まれ。選手ではないのでプレッシャーではなくとも、あのサウジアラビア戦の後に感じた感覚は今までにないものでした。

そんな中で、日本代表は「当たり前じゃないと証明された当たり前」を掴み取りました。予選通過は「歴史を作る事」というよりは「歴史を繋ぐ事」を意味し、特に森保監督や吉田キャプテンにのしかかったプレッシャーの重さは想像を絶するものだったと思います。多分皆さん、森保監督に言いたいことがある人は多いことでしょう。もちろん、W杯に向けた進退を議論されるのは監督の宿命であり、それを語るのはファン・サポーターとしての権利でもあるので、この後の事を語るのも自然な流れです。ただ、今日ぐらいは……最後のベトナム戦までは、通過点をしっかり踏みつけ、カタールの扉を開けてくれた事に感謝したいと思っておりますし、純粋に祝いたいと思います。ありがとうございました。そしておめでとうございます。

 

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やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

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【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

カタールW杯アジア最終予選第9節

オーストラリア0-2日本

韓国2-0イラン

レバノン0-3シリア

ベトナム0-1オマーン

中国1-1サウジアラビア

イラク1-0UAE

 

グループA

1位 韓国(23)

2位 イラン(22)

3位 UAE(9)

4位 イラク(8)

5位 レバノン(6)

6位 シリア(5)

 

グループB

1位 日本(21)

2位 サウジアラビア(20)

3位 オーストラリア(15)

4位 オマーン(11)

5位 中国(6)

6位 ベトナム(3)

 

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日本がオーストラリアに勝利した時点で、日本より後のキックオフとなっていたサウジアラビアもW杯出場が決定。この結果により、アジアからストレートでカタールW杯に出場するチームは韓国・イラン・日本・サウジアラビアの4チームで確定しました。

残る焦点は南米予選5位チームとのプレーオフにW杯出場の可能性を残す3位枠ですが、グループBはオーストラリアの3位が確定し、オーストラリアがプレーオフ出場を確定。対するグループAは3位UAEを4位イラクが勝点差1で追う構図で最終節にもつれ込んでいます。

 

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カタールW杯出場確定チーム(3月25日時点)】

セルビア

スペイン

スイス

フランス

ベルギー

デンマーク

オランダ

クロアチア

イングランド

ドイツ

ブラジル

アルゼンチン

韓国

イラン

日本

サウジアラビア

 

 

カタール行きたい。

ではでは(´∀`)