はんしーん…
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦、レアル・マドリードvsチェルシーの一戦です。
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チャンピオンズリーグ最多優勝を誇るレアル・マドリード、そして前年度王者であるチェルシー……昨季は準決勝で対戦したこのカードが、今季は準々決勝という舞台で実現しました。
2位のFCバルセロナに勝点差12をつけてラ・リーガの首位を快走するレアルは、順風満帆ではなくとも今季を通じて安定したパフォーマンスを維持し続けています。対するチェルシーもリーグ戦の優勝の可能性は無いに等しく、クラブ経営に関する懸念点も増大するなど非常に難しい時期を過ごしているとはいえ、CLで見せているパフォーマンスに関しては安定そのもの。まさしくビッグマッチの要素を揃えに揃えた2チームです。
チェルシーホームで行われた第1戦は戦前の予想以上にレアルが優勢に試合を進め、ベンゼマのハットトリックで3-1で快勝。唯一連覇を目指せる立場にあるチェルシーがどういうリアクションを見せるかも含めて注目です。
両チームスタメンです。
本日の会場はスペイン、マドリードのエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウです。
現在改修工事中のベルナベウですが、無観客試合の期間が長期に渡った19-20シーズンの後半戦と20-21シーズンはエスタディオ・アルフレッド・ディ・ステファノで本拠地を行うことで改修工事のスピードを早める事に成功。改修工事はまだ完了しておらず、今年中の完成を目指して工事を進めていますが、2021年9月からはベルナベウでの主催試合開催が再開されています。
ちなみに今年は1982年スペインW杯の開催からちょうど30年です。W杯で比較しても稀に見るほどのスターの競演が多かった同大会の決勝はベルナベウで行われ、決勝ではイタリアが西ドイツを3-1で下して優勝を飾りました。そういえば今日の試合ってイタリア人監督vsドイツ人監督ですね…。
「チェルシーがどうやって2点ビハインドを挽回するか」という部分がこの試合の全てだった訳ですが、そんな中でトーマス・トゥヘル監督はカイ・ハフェルツを最前線に置いて4-3-1-2に近い形を選択。攻撃時には3-3-2-2に近い形に可変し、低い位置からビルドアップしていくレアルを相手にさながら「超攻撃的守備」のような形で、ボールを奪うなり前線のタレント4枚が狭い距離感でテンポ良くショートカウンターを仕掛けていこうとします。
15分、チェルシーは中央突破で仕掛けていくと、ロフタス・チークのパスをティモ・ヴェルナーがコースを変えたところに抜け出したメイソン・マウントのゴールでチェルシーが先制し、1点差に詰めよります。
レアルもやはり前線にストロングポイントを持つだけに、敵陣内に運べた際にはベンゼマやヴィニシウス・ジュニオールの力でカウンターを成立させるシーンも見られましたが、基本的にはチェルシーのハイプレスが上手くハマっており、チェルシーとしてはほぼほぼ理想に近い形で前半を終えます。
そしめ後半開始早々でした。51分、リース・ジェイムズのミドルシュートをルカ・モドリッチがブロックしたとしてチェルシーがコーナーキックを獲得すると、その右サイドからのCKをアントニオ・リュティガーが合わせてチェルシーが同点!!今季からアウェイゴールが廃止された事により、2試合合計スコアが3-3になって試合はイーブンな状態に戻ります。
レアルもフェデリコ・バルベルデが決定機を迎えるなど、チャンスは一応得てはいました。しかし63分、レアル陣内でボールを奪うとエンゴロ・カンテを経由して左サイドへ。マルコス・アロンソのクロスはDFにブロックされたものの、こぼれ球を自ら拾ったアロンソが自ら叩き込んで逆転!!…かと思いましたが、アロンソがトラップの際にハンドを取られてノーゴール。
とはいえチェルシーの勢いは全く衰える事もありませんでした。レアルはトニ・クロースを下げてエドゥアルド・カマヴィンガを投入する事で中盤での守備の強度を高めようと試みましたが、運命の瞬間は75分…左サイドでボールを持ったヴェルナーが中にボールを預けると、自身はすーっと中央に入る動きを見せます。左サイドでチェルシーの選手がパスを交換して崩すと、最後はマテオ・コヴァチッチの瞬間に抜け出したヴェルナーがDF2人を振り切ってシュート!!!チェルシー大逆転!!!!
それでもレアルも追いすがります。失点直後にレアルはフェラン・メンディ、さらには大黒柱のカゼミーロを下げてロドリゴとマルセロの2人を投入。そして79分、ルカ・モドリッチの芸術的かつ伝説的なアウトサイドクロスをここしかないタイミングとスペースに抜け出したロドリゴがダイレクトで合わせてレアルが追い付きます!
その後はお互いにかなりオープンな試合展開になった事で、ヴェルナーを下げてクリスティアン・プリシッチを投入したチェルシーは基本的には試合を通じて上手くいっている攻撃で攻め込み、対するレアルはヴィニシウスがサイドを駆け上がるなど、本来のプランだった攻撃が出せるようになっていきます。
レアルはナチョ・フェルナンデスが負傷。元々エデル・ミリトンが出場停止の為にCBがこれでいなくなってしまい、ダニエル・カルバハルが急遽CBを務めることに。そんなトラブルもありながらも激戦は90分を終了。終わってみればアウェイゴールがあっても延長戦というスコアで延長に突入します。
しかし延長戦に入るとレアルが取り返します。96分、お株を奪うようにチェルシーのビルドアップをカマヴィンガがカットして左サイドのヴィニシウスへ。フリーでボールを受けたヴィニシウスが冷静に絶妙なクロスを送ると最後は…帝王・ベンゼマのヘッドでレアル逆転!
延長前半の終了間際に投入したハキム・ツィエクに続き、延長後半からはジョルジーニョとサウールを投入したチェルシー。最後はリュティガーを最前線に上げて猛攻を仕掛けましたが…あと一歩及ばず。レアル、ベスト16のPSG戦に続いて歴史的な勝利を収めました!!
今後間違いなく、チャンピオンズリーグの歴史を振り返るときに取り上げられるだろう一戦でした。
チェルシーの戦いぶりも見事だったというか、彼らは彼らで尋常じゃないパフォーマンスを見せたと思うんですよ。まずベルナベウという場所で、2点差をひっくり返してしまうこと自体がちょっとやそっとで出来る事じゃないし、戦術設計やゲームプランの上で優位に立っていたのはチェルシーの方だったと思います。チェルシーに対してレアルはずっと、バランスの調整に苦心しているような状況が続いていましたし。
ただやっぱり……今日の試合の勝因みたいなことを考えると、非科学的ですけど「レアルだから」としか言えないというか。それこそレアルが歴史的な逆転劇を演じてみせたPSG戦で、PSGが出来なかった事をそのまま見せつけるかのような。あの場面であんなボールを出せてしまうモドリッチ、あの極限状態をしっかり仕留めてしまうベンゼマ、そしてカマヴィンガやロドリゴ、ヴィニシウスらがそれに付いていく光景……レアル・マドリードとは何たるか、みたいなものが詰まっていました。
最高に最高がぶつかり、そしてその結末は戦術や理屈よりも向こう側にあった……この前のマンチェスター・シティvsリバプールとはまた違ったベクトルの至高の120分を観れた気がしますし、1週間でこんな試合を2度も観れた事をサッカーファンとして幸せに思います。
なぜか息切れしてるもん。
ではでは(´∀`)