WEリーグ、INACが17試合で6失点って聞いてちょっと引いてる
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第12節、ガンバ大阪vsヴィッセル神戸の一戦です!
↓
ガンバ大阪が長年抱える難点……近年の悩ましい問題として、一つ深刻な習性なるものがあります。
ここ最近のガンバ大阪vs最下位チームの対戦成績
— R (@blueblack_gblue) 2022年4月17日
2016年
vs福岡△0-0
2017年
vs新潟●0-1
2018年
vs名古屋●2-3
vs長崎◯2-1
2019年
vs鳥栖●1-3
vs磐田△1-1
2020年
vs湘南●0-1
vs仙台●0-4
vs清水●0-2
2021年
vs横浜FC◯2-0
vs横浜FC●1-3
2022年
vs湘南●0-1
vs神戸←NEXT!!!!
最下位にすっげぇ弱い……。
これは近年のガンバを悩ませる大きな問題でした。例えば昨年や2017〜2018年に関してはガンバ自体が深刻な不振に陥っていた側面もあるんですけど、2位になった2020年でさえもこの習性は引き継いでしまっている…と。非常になんとも言えない状況が現状出来上がっています。そして今シーズン、第9節…開幕から8試合未勝利だった湘南に、初勝利を献上してしまったのもの他でもないガンバでした。
それで最下位を脱出した湘南に代わって最下位に転落したのが、その時点ではACL参加に伴いタイに遠征していた神戸でした。そもそも神戸がC大阪に敗れてリーグを一時離脱した時点で、いわゆる"開封作業"に定評がある事を自覚しているガンバファンは、当時未勝利だった湘南も神戸もどっちも「次節→G大阪」である事実に戦々恐々。ガクブルですよ。
…確かに、ヴィッセル神戸は本来最下位になってはいけない戦力を持ち合わせているチームです。このスランプを一時的な低迷と捉える事も出来る。しかし、例え相手がどこであっても、これからの歴史を築く上では最下位のチームに、ましてや未勝利の相手に慈悲を与えるような試合をしてはならない……あの湘南戦の悪夢を拭い、ガンバを覆う負の習性を断ち切る為、今日の神戸は叩かねばならない相手。なかなか苦しい時を過ごす片野坂知宏体制……対最下位チームとの対戦も、ここのところのフラストレーションも、その全てから解き放たれる為に必要なものは勝利のみです。
両チームスタメンです。
ガンバは前節札幌戦からスタメンを3人変更。黒川圭介を左SBに戻し、昌子源とパトリック、柳澤亘がスタメンに戻っています。ただ、中盤の顔触れは前節と同じで、中村仁郎を1.5列目に近い役割で起用するなど、前節の布陣をベースとして継続してきました。エントリーメンバー18人というくくりでは前節と同じ18名。倉田秋と宇佐美貴史が離脱中で三浦弦太がベンチスタートの為、今日は昌子がキャプテンマークを巻きます。
4月10日に行われた前節C大阪戦よりミゲル・アンヘル・ロティーナ監督体制をスタートさせた神戸は、タイで行われたACLの4試合は主に4-1-2-3を採用しましたが、今日は大迫勇也と武藤嘉紀を2トップにした4-4-2を採用。ロティーナ監督とは東京V時代に師弟関係にある井上潮音が今季のリーグ戦では初スタメンとなり、ACL傑志戦で怪我から復帰した武藤はリーグ戦では3月2日以来の復帰です。タイ遠征に帯同していなかったアンドレス・イニエスタも、ベンチスタートではあるものの復帰を果たしています。
GW最終日。そして相手もスター集団ヴィッセル神戸という事で、今日も様々な施策が用意されています。スタジアム場外広場では試合開始15分前までミニ動物園が開催される他、FIFA22の体験ブースや母の日企画としてファンクラブ会員を対象に花でちぎり絵を作れるブースも
ゲストも来場し、OB選手の出演が恒例となった「HEAT UP TIME」には解説でもお馴染み木場昌雄氏が出演し、スタジアム場外の吹田Gステージでは8.6秒バズーカのはまやねん氏がトークショーを開催。そして試合前の花束贈呈とハーフタイム中のスタジアムビジョンで放映される番組のゲストとして、なんと阪神タイガースのレジェンド、元プロ野球選手の鳥谷敬氏がご来場されます。阪神ファン、しかも鳥谷一番好きなワイ涙目。バッティングフォーム真似しました…右打ちのくせに…。
神戸がボールを常にキープする時間が続いていましたが、最初の決定機を迎えたのはガンバでした。6分、神戸のビルドアップに小野瀬康介がプレスをかけるとセカンドボールをダワンが拾ってパス。しかしパトリックに渡ろうとしたところを酒井高徳のカバーで阻まれます。神戸もその直後、ファーサイドに流れたクロスを酒井がダイレクトで強烈なシュートを放ちますがこちらはGK一森純がセーブ。
ガンバも神戸もボール保持時にはポゼッションを重視しており、両チームとも攻撃時には両SBが高いポジションを取れていました。20分くらいまではやや神戸が主導権を握る時間が続いていたものの、20分過ぎからは徐々にガンバの時間帯に。25分には黒川が持ち上がってパトリックに展開すると、最後は右から上がってきた柳澤がシュートを放つも惜しくも枠の外。
そんな中で27分、ガンバは福田湧矢が大迫のチャージを受けて無念の負傷退場。山見大登との交代を余儀なくされるアクシデントが発生。一方、34分には裏に抜け出したパトリックを背後からのタックルで倒した菊池流帆がDOGSOにより一発退場となり、数的有利を手にしたガンバはここから一気に攻勢を仕掛けていく事に。
菊池の退場のプレーで得た中村のFKは山口蛍にブロックされましたが、そのプレーによるCKを奥野耕平が頭で合わせてネットを揺らすも、その前のファウルを取られてノーゴール判定により得点にはならず。更には41分には柳澤、前半アディショナルタイムにはクォン・ギョンウォンが相次いでポスト直撃シュート。いずれもネットを揺らす事が出来ませんでしたが、それでも前半はかなりガンバが優勢に運ぶ中で終えました。
数的優位という状況を手にしたガンバは攻勢をかけます。47分、奥野のパスから右サイドを突破した柳澤の折り返しにパトリックが詰めるも、後半は5バック気味にしてきた神戸の粘りのディフェンスにも遭ってまたしてもゴールにはならず。51分にも黒川のクロスが流れたところを拾ったダワンのクロスのこぼれ球に奥野が走り込みますが、シュートはミートせずにチャンスを活かしきれません。
逆に神戸もアンドレス・イニエスタを54分に投入すると、59分にはセットプレーがこぼれたところからイニエスタのスルーパスに武藤がGKと1対1。ですがこれは絶賛ゾーン状態中の一森がビッグセーブ。危うく試合の流れを左右しかねない場面でしたが何とか阻止。
56分に小野瀬を下げてレアンドロ・ペレイラを投入した片野坂監督は73分に藤春廣輝、ウェリントン・シウバ、齋藤未月を一気に投入します。攻めれど攻めれど点が入らない、手応えはあるけどもどかしい……そんな状況の中、遂に歓喜の瞬間が訪れます。81分、右からのCKが一度クリアされたところを柳澤がミドルシュート。これは初瀬亮にブロックされましたが、そのブロックしたボールに身体を投げ出すように合わせたのはクォン・ギョンウォン!!!!
クォン
ギョン
ウォン
Diegoooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
イケイケドンドンモードに突入したガンバ。その勢いは止まりませんでした。後半アディショナルタイム、ダワンの縦パスをパトリック→ペレイラと繋ぐと左サイドをシウバが爆走。カットインから右足を振り抜くと、これがDFに当たりながらもゴールに吸い込まれて2点目!!!シウバは何気にこれがJ1リーグでは初ゴール。ブラジル人選手4人が絡んだゴールで、最後はブラジル人選手4人のお祈りパフォーマンスも披露!!!!
試合はそのまま終了。ガンバ大阪、長らく続いた無得点ロードに終止符を打ち、2-0で勝利を収めました!!
いやー……楽しかったですねぇ……。素晴らしい試合だったと思います。後半の一方的な、ワンサイドゲームに近いような試合展開は相手が1人少なくなった影響を無視しては語れないですけど、20分過ぎの時間は特に、前半の11対11の段階から良い形というか、期待を持てるようなリズムは生み出せていました。やっぱり苦しい時って全体のラインが下がりがちになる中で、両SBが如何に効果的に攻撃に絡めているか…みたいなところは一つパラメータにもなってくると思うんですよ。その点、ゴールにはならなかったものの、25分の黒川のドリブルが柳澤のシュートで完結した場面は今日の状態の良さを象徴していたように見えました。柳澤なんて札幌戦からめちゃくちゃ良いですし。
序盤は神戸にボールをもたれる時間もありましたけど、ガンバがポゼッションを握ってからは…ボランチを含めて、攻撃面に於けるスペースを埋める・使う、前の選手を追い越していく動きがチームとして連動して出来ていたと思います。
そして今日も…むしろ今日こそ触れなければならないのが一森の59分のビッグセーブですね。
どっちもクソ凄かったのは間違いないとして、これだけ一方的に攻めた展開でたった一本の超決定機を防いだ一森のセーブって打たれまくってゾーン状態だった前節の連続セーブ以上に難易度高いと思う。セーブ一本で流れを変えるってのはよく聞くけど、今日はあのセーブのおかげで流れが変わらずに済んだ。
— R (@blueblack_gblue) 2022年5月8日
もちろんどっちもバケモノ級に凄かったというのは前提として……札幌戦の時の一森って、完全にゾーンに入っていたと思うんですよ。多分あの試合の一森って、もう何をどんだけシュート打たれても止められる的な状態に入っていたと思うし、要は彼自身が試合を通じてノリにノっていて、身体が温まり切っていたと思うんですね。
それに対して今日は、GKが目立つ場面というのは試合を通じてかなり少なかった。特に数的優位になってからはガンバ陣内に神戸が入った回数の方が数えるほどで、あのような試合展開でGKが集中力を保ち続けるのは、ましてや決定機に対応するのは口で言うほど簡単な事じゃないです。その中で武藤のあの決定機を右脚でシャットアウトしてみせた…あのセーブの難易度は札幌戦よりも遥かに高かったと思います。
それこそ札幌戦の一森のPKセーブがそうでしょうが、GKはよく「一つのセーブで流れを変えられる」と評されます。しかしあの場面、イニエスタというスーパースターが投入直後にあの場面を作ったので、あれが決まっていればガンバの流れが完全に神戸に渡っていたでしょう。ガンバが攻勢を強めていたあの試合で一森が見せた「流れを変えさせないビッグセーブ」は間違いなく、この試合で最も重要なポイントの一つでした。
では最後に叫びますね。
やったァァァァァァァァァァ!!!!!
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第12節
1位 鹿島アントラーズ(25)
2位 川崎フロンターレ(23)※1
3位 横浜F・マリノス(21)※1
4位 柏レイソル(20)
5位 サガン鳥栖(19)
6位 FC東京(18)
7位 サンフレッチェ広島(17)
8位 セレッソ大阪(17)
9位 北海道コンサドーレ札幌(17)
10位 京都サンガFC(16)
11位 アビスパ福岡(15)
12位 ガンバ大阪(14)
13位 清水エスパルス(12)
14位 浦和レッズ(11)※1
15位 名古屋グランパス(11)
16位 ジュビロ磐田(11)
17位 湘南ベルマーレ(7)
18位 ヴィッセル神戸(4)※1
※1 11試合消化
ACL参加に伴う海外遠征を行なっていた4チームが帰国した為、4月10日の第8節以来となる18チーム揃い踏みの節となりました。
首位の鹿島は敵地で広島と対戦しましたが広島が3-0で快勝。広島はこの勝利によりJ1通算400勝を達成しました。ACLから帰国して鹿島を追う立場の川崎と横浜FMは共に勝利。FC東京と鳥栖の上位対決では、鳥栖が堀米勇輝のFKで敵地で1-0で勝利しました。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が史上2人目、外国人監督しては史上初めてとなるJ1通算500試合を達成した札幌は京都を下し、メモリアルゲームを白星で飾っています。
下位争いでは横浜FMに敗れた名古屋が6戦未勝利と不振から抜け出せません。ACLに参加しながら残留争いを強いられている2チームですが、浦和は上位につける柏と引き分けて降格圏は脱出。一方、未だに未勝利の神戸はG大阪に終盤の2失点で敗れ、これで開幕11戦未勝利となっています。
ついでにとらほー。
ではでは(´∀`)