RK-3はきだめスタジオブログ

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縮めた距離、突きつけられた実力差〜キリンチャレンジカップ2022 日本代表vsブラジル代表 マッチレビュー〜

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Q.なんでテレビ観戦なんですか?

 

A.チケット争奪戦に負けたからです

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューキリンチャレンジカップ2022、日本代表vsブラジル代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

日本サッカーの源流……それを辿ると、辿り着くのはいつもブラジルです。世界のサッカーの歴史を語るときには、そして日本のサッカーの歴史を語る時には、そこには必ずブラジルという存在があり、日本代表もJリーグも、追っていた背中はいつもあのカナリヤ軍団でした。

Jリーグは今年で30シーズン目。それをどれだけ語ったとて、歴史は年齢と同じで、永遠に追いつくことの出来ない定めを背負っています。過去、ブラジルとは戦う度にその力の差を叩きつけられるかのように見せつけられていました。ただ、歴史とはいつかどこかで転換点が訪れるもので、たとえそれが親善試合であったとしても、日本がこの試合でどのようなスタンスを見せるのかはこの国のサッカー史に於いて重要な意味を持ちます。

 

 

ブラジルが最後にW杯を制してから、日本が初めてW杯で勝利を飾ってから…20年もの時が経ちました。その重なりの上にどんな結末が待つのか……カタールW杯に向けて、日本にとっては一つの親善試合以上の重みを持つビッグマッチです!

両チームスタメンです。

 

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パラグアイ戦に続いて先発となったのは吉田麻也遠藤航原口元気の3人。パラグアイ戦とは異なり、最終予選のメンバーを中心にした構成となりました。CL決勝との兼ね合いもあってパラグアイ戦ではベンチ入りしなかった南野拓実も左WGで先発し、冨安健洋が負傷となったCBは板倉滉と吉田麻也のセット。左SBには中山雄太が入り、通常左SBの長友佑都は右SBでスタメンです。

ブラジルは韓国戦からスタメンを4人変更してきました。CL決勝に出場した選手で韓国戦にスタメンで出たのはカゼミーロのみでしたが、今日はアリソン、エデル・ミリトン、ヴィニシウス・ジュニオールがスタメン起用。システムは4-4-2で、韓国戦では左SH起用だったルーカス・パケタはFWでの出場となりました。

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

2014年に前身の国立競技場を閉場し、取り壊した上で2019年12月に「新国立」としてオープンした国立競技場。埼玉スタジアム2002などと比べてスタジアムとしての見やすさは批判される事も多いですが、やっぱり国立には国立ならでは雰囲気を持っているもので。そんな国立で日本代表戦が行われるのは2014年3月のニュージーランド戦以来、そして「新国立」としては初の代表戦です。その相手がブラジルですからね…新国立で最初の代表戦としてはこれ以上ないほどの舞台でしょう。ブラジル代表と日本国内で戦うのは1999年以来。その時も旧国立競技場での試合でした。

本日は試合前に国立競技場内で2002年日韓W杯20周年を記念した式典、及び2020年日本サッカー殿堂入りとなったフィリップ・トルシエ元日本代表監督への表彰を実施。中田英寿氏、宮本恒靖氏、小野伸二氏など、日韓W杯メンバーが多く参加して式典が行われました。

 

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なお本日はパラグアイ戦同様、試合前に先日亡くなられたイビチャ・オシム元日本代表監督への黙祷が捧げられます。

 

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試合開始早々、ヴィニシウスのパスを受けたネイマールの意表を突いたスルーパスに抜け出したルーカス・パケタのシュートがポストに当たっていきなり大ピンチから始まった試合でしたが、その後は戦前の予想以上にかなりオープンな試合展開になっていきました。

日本は攻撃こそ速攻主体の形にならざるを得ない部分はあったとしても、ボールを失った後に対しての即時奪回はチームとして相当上手く行っており、ブラジルにボールをキープする時間と余裕は与えずにゲームを進めることは出来ていました。

 

日本もサイドから攻め込む形でいくつかセットプレーを起点にチャンスを作り、少しずつ両サイドではボールを持って時間を作れる場面も増えていきます。セットプレーから6分には板倉、23分には遠藤航が合わせるような場面も増えてありました。

しかし20分過ぎになってくるとブラジルの圧力が日本を押し込んでくるようになり、確かに日本も粘り強いディフェンスで対応して、そういうプレスや対人守備の面では悪くないものを見せていたとはいえ、徐々にその守備のラインはブラジルによって押し下げられていきます。19分にはダニエウ・アウベスのスルーパスを受けたラフィーニャが、27分にはネイマールが強烈なシュートを放ちますが、いずれもGK権田修一が好セーブで阻止。

 

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やっぱりDF陣にとっては消耗の激しい展開が続き、板倉が身体を張ってブロックしてなんとか防ぐような場面が続きます。それでも30分を超えると日本も押し返し、31分にも伊東純也のクロスに古橋が合わせたり、36分には伊東のパスにインナーラップした長友がシュートまで持ち込むなどサイドから何とかチャンスに至るような場面も見られました。

前半は0-0で終えます。

 

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日本は後半から原口元気を下げて鎌田大地を投入。鎌田をパラグアイ戦と同じインサイドハーフで起用します。

ただ日本にとって原口を下げて鎌田を投入するという事は攻撃と守備の比率を変える事でもあり、鎌田で攻撃面のクオリティを増加させた分、守備では原口の中盤でのプレス強度が削がれるという側面も持ち合わせている訳で、この交代の意味をそのまま反映するかのように後半の試合は更にオープンになっていきました。前半よりも中盤でボールを持つ時間も増えたブラジルは日本のアタッキングサードにどんどんクロスを入れてそこに人数がどんどん絡む波状攻撃を敢行し、日本は板倉や遠藤の懸命なブロックで耐える時間が後半は続いていきます。

 

ブラジルの猛攻を受けながらも、日本は機を見てカウンターを仕掛けようとする場面は前半より増えていて、そこは鎌田を入れたメリットもあって、カウンター時の迫力は増やせるようになっていきました。その中で右サイドからカウンターで攻め込む場面は何本か作れており、58分には伊東のパスに抜けた長友の折り返しがブロックされたところに田中碧が詰めるもシュートがミートせず。

 

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お互いにとって、若干プレスゲームというかカウンターゲーム的な形になってきた事もあって、日本は67分に古橋を下げて前田大然を投入し、対するブラジルは70分にダニエウ・アウベスフレッジを下げてチアゴ・シウヴァとリシャルリソンを投入。ミリトンを右SBに出す形にシフトします。72分には抜け出した前田が粘ったところにフォローに入った中山のクロスをファーサイドの伊東がダイレクトボレーで合わせるも…これも枠は捉えられず。更に日本は73分に南野、伊東を下げて三笘薫、堂安律の投入で両WGを入れ替え。

しかし77分でした。一瞬だけ少し展開が落ち着いた直後、ブラジルの波状攻撃の前にゴールエリアが大混戦状態に陥ると、ブラジルのシュート攻勢に対して日本も粘りのディフェンスを見せるも…リシャルリソンと遠藤航接触がファウルと判定され、この時間帯で日本はPKを献上。これをネイマールに決められて痛恨の失点…。

 

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その後、日本は柴崎岳と山根視来を投入して反撃を試みますが、1点をリードしたブラジルはペースを落とした事で攻守のバランスを整え、日本からすればボールを持てる時間が増える反面、スペースは掴みにくい展開に必然的になっていきました。その中で三笘が中山との連係から度々突破を試みますが、右SBに入ったミリトンがそこを徹底的に潰してきてシュートやクロスに持ち込めず。森保ジャパンの真価が問われた豪雨の激闘……誇示した成長もあれば突きつけられた現実もあり、日本は0-1で敗れました。

 

 

 

純粋に面白かったです。試合後の吉田麻也のインタビューでも「課題も収穫もあった」言ってましたが、吉田がチームとして狙いとしていたと語ったショートカウンターの部分であったり、チームとしてのプレッシングやネガティブトランジションの動きであったり……通用したかどうかで言えば、何を持ってしてそう言うべきなのかの定義がわからないですけど、少なくともブラジルに彼らが思い描いていたような展開にはさせなかった、彼らにとって苦しい時間を作らせた事は一つの大きな収穫で、相手のタイプやスタイルは参考にならないほど異なるとはいえども、ドイツやスペインと本戦で戦う上での自信や手応えにはなったんじゃないでしょうか。

一方で、日本はカウンターでチャンスを作るところまでは何度かいきましたけど、そこからなかなかシュートまで持っていけなかったという事実もある訳で。三笘が悪い訳では全くないんですけど、終盤に何度も繰り広げられた三笘vsミリトンの戦いはある意味でのその象徴的な部分だったと思います。日本はブラジルと比較しても、かつて見たほどの決定的な遠すぎるほどの差はないし、その距離は確かに縮まっている。それは確かでしょう。一方で、あそこの個のバトルが「それでもやっぱり確かな差がある」事の証左でもありました。

 

個人面で言えば、DF陣の働きは素晴らしかったです。近年は低調な試合も目立って批判されがちな長友にしても、やはり今日のヴィニシウスやネイマールのように、相手のアタッカーを封じる仕事を任せれば日本でのトップレベルである事を再証明してきたと思いますし、板倉のパフォーマンスも冨安・吉田・板倉の3人のうちの誰かがベンチになってしまう事を心底惜しいと感じるほどのパフォーマンスでしたし、遠藤はやっぱり大車輪だった。原口と鎌田にしても両者のタスクをこなしていましたし。過去の働きにもそれぞれが光るものはあったと思います。

だからこそ今日、日本とブラジルの差は我々が思っていたよりも縮まっている事と、それでもやっぱりまだまだ差があるよという表面を可視化する事が出来たんだと思いますし、そういう距離感の認識という意味で、強化試合としてもエンターテイメントとしてもすごく有意義な試合だったんじゃないでしょうか。後はこれを6月10日のガーナ戦、14日のチュニジアorチリ戦に繋げて欲しいところ。今日出れなかったメンバーの奮起も含めて。

 

 

キリンチャレンジカップトロフィーでも南米の人らってめっちゃ喜んでくれるよね

ではでは(´∀`)