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右のテンポと左のリズム〜キリンカップサッカー2022準決勝 日本代表vsガーナ代表 マッチレビュー〜

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PSG戦のチケット?

 

落ちたっつうの。

 

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューキリンカップサッカー2022、日本代表vsガーナ代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

6月6日、ブラジル戦──その結果と内容に対する感想と評価は人それぞれでしょう。出来た事もあったし、出来なかった事を突きつけられもした。あの試合に出た選手は掴んだ手応えと見せつけられた現実を自分の中で咀嚼しながらこれからの試合に繋げていかなければなりませんし、森保一監督を筆頭とした首脳陣もそれは同じ。だって"ああいうクラスのチーム"を倒さないと決勝トーナメントには行けない訳ですし。そしてあの試合に出られなかった選手達にとっては、カタールW杯に辿り着けないかもしれない危機感が一層強くなった事と思います。おそらくキリンカップでの2試合は多くの選手に出番も与えられる事でしょう。そこでインパクトを残し、森保監督の脳裏に自分を外す事への抵抗を覚えさせなければならないのが、当落線上に位置する選手達のこれからのサバイバルのやり方です。それは対戦相手のガーナも同じで、彼らも今回は超主力級の選手は何人か招集外になっている事を思うと、日本に来ている選手達にとってはまさしく最後のサバイバル。ブラジル戦とはまた異なった意地と意味がぶつかる一戦です。

キリンカップサッカーは2016年以来となる開催です。通常のキリンチャレンジカップとは異なり、日本、ガーナ、チリ、チュニジアのノックアウトトーナメントとして行われます。延長戦こそありませんが、今日はPK戦はあります。そういうノックアウトトーナメントの戦いという意味で有意義な試合になってほしいところ。

両チームスタメンです。

 

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日本は週初めに行われたブラジル戦からは吉田麻也遠藤航を除く9名を変更した先発メンバーを起用。この6月シリーズの中で久保建英柴崎岳は初先発で、川島永嗣と上田綺世は初出場になります。

当初スタメンが発表された際は顔触れ的に4-2-3-1の採用も予想されましたが、システムは4-1-2-3をそのまま採用し、堂安律を右WG、久保建英インサイドハーフとして起用。4バックの面々はパラグアイ戦と同じ4人をそのまま起用する形となりました。試合会場であるノエビアスタジアム神戸を古巣とする古橋亨梧はベンチスタートです。

W杯ではポルトガルウルグアイ、ガーナと同じグループHに入ったガーナは3バックを採用。

 

本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。

近年はJFAがサッカー専用スタジアムを中心に使用していく方針を採っている事もあって、関西開催の代表戦では共にパナソニックスタジアム吹田とこのノエスタの使用頻度が高くなっています。昨季もA代表のセルビア戦東京五輪壮行試合となるスペイン戦を開催。セルビア戦は無観客開催だったので、有観客の国際Aマッチ2019年3月のボリビア戦以来となります。

ちょうど20年前、日韓W杯を目前としたキリンカップではホンジュラス戦の会場となり、中村俊輔がFKとCKをぶち込んで3-3で引き分けた…みたいな試合もありましたね。20年前の日韓W杯ではロシアvsチュニジアスウェーデンvsナイジェリア、ブラジルvsベルギーの3試合を開催。日本vsガーナの前にはチリvsチュニジアの試合が行われますが、チュニジアにとってはちょうど20年前にW杯を戦ったスタジアムで再び試合をする形に。

 

 

本日は現地観戦!私個人としては、日本代表戦を拝みに来るのは2019年11月のベネズエラ戦以来。久々の国際試合の雰囲気に酔って参りました。スポーツ観戦日記はまた追々。

 

 

前半から主導権を握ったのは日本でした。立ち上がりから日本は高い位置からのプレッシングとテンポの良いパスワークで攻撃のリズムを作り、序盤は右サイドで堂安と久保がパスを交換しつつ、堂安の中に入る動きによって空いたスペースに山根視来が飛び出すパラグアイ戦で機能したような東京五輪の時に近い攻撃の流れでペースを握ると、逆に左サイドでは三笘薫の突破力を活かし、久保や柴崎岳とパスを出し入れしながら左サイドを切り崩す場面を多く作っていきました。

10分、12分は堂安が立て続けにミドルシュートを放ち、14分には山根のクロスに上田が合わせ、18分には久保がFKを狙うなど度々ゴールの予感を感じさせる瞬間は作ってはいましたが、ただなかなか点を取り切る事が出来ず。

 

24分には三笘の突破から鋭いクロスを入れるも、ライナー性のクロスを相手GKに阻まれてシュートまで行けず。その後も再三に渡ってテンポの右サイドとリズムの左サイドみたいな感じで攻め込みますが、なかなか先制点にまで至りません。

それでも27分、右サイドに開いた久保が中に入れたパスを逆に中に入り込んでいた堂安がワンタッチでスルーパス。ここに抜け出した山根が自ら左脚で流し込んで日本が先制!東京五輪でも見られた堂安と久保の好連係から生まれた隙をしっかりと捉えた山根の攻撃参加で日本がようやくゴールに結びつけます。

 

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しかし…ガーナは基本的にスピードに委ねたロングカウンター気味の攻撃を繰り返していましたが、日本が圧倒的に優勢に進める中でもアンカーの遠藤航を含めたDF陣が高い集中力でシュートを許さず、山根を前に出す分、伊藤洋輝を少し下がり目にした形でシュートを打たせる前に対処出来ていました。ですが43分、日本のビルドアップの過程で深い位置までプレスにきたガーナに対し、山根がフリーになっていたバイタルエリアに痛恨のパスミスこれを見逃さずカットしたアントウィアジェイが繋ぐと、プレミアリーグでの実績も豊富なFWジョーダン・アイェウに豪快なシュートを叩き込まれて同点に。

 

しかししかしハウエバー、前半アディショナルタイムでした。伊藤とのパス交換で中寄りの場所でボールを受けた三笘が鋭いクロスを入れると、上田と堂安が飛び込んだクロスボールがそのままネットに吸い込まれてすぐさま日本が勝ち越し!

勿体ない失点こそあったものの、2点が少なく感じるほどの攻撃チャンスを作った日本。結構イケイケムードで前半を終えます。

 

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日本は後半から吉田麻也を下げて板倉滉を投入。谷口彰悟と最終予選以来となるCBコンビを組ませます。

後半はガーナがギアを上げてきた影響もあって、後半の立ち上がりは日本もボールの収まりが少し悪くなるなど、少しガーナに押されていく時間が目立ち始めました。それでも54分には久保のスルーパスから三笘がシュートに持ち込むなど少しずつ流れの傾きを元に戻していくと、前半よりオープンな展開ではありながらも前線の選手も絡んだプレッシングが再機能し、試合は再び日本ペースへ。

 

69分、日本は堂安と遠藤を下げて伊東純也と田中碧を投入。後半はアタッキングサードに入り込む回数の割にシュートまで行ける機会が少し少なくなっていました中で73分、左サイドでボールを受けた三笘がJリーグファンに何度もトラウマを植え付けたドリブル突破から折り返し、後は決めるだけのパスを久保が冷静に流し込んで3点目!まさしくTHE・三笘。そして期待されながらもゴールが遠い状況にあった久保はこれでようやく代表初ゴール!

 

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更に日本は80分に前田大然と南野拓実をピッチに送るとその直後の82分、柴崎の浮き球のパスを山根が落としたところに走り込んだ伊東のライナー性のクロスに、途中出場の前田が爆速で飛び込んで4点目!こちらも三笘のアシストじゃないですが、Jリーグファンに何度も脅威を与えてきたTHE・前田的な一撃で代表初ゴール。

 

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85分になると、森保監督は山根を下げて中山雄太を投入。伊藤-谷口-板倉の3バックに中山と伊東を左右のWBに配置した3-4-2-1を、アディショナルタイムを含めた10分ほど再びテストします。既に大差がついていたのはあるにしても、交代で出てきた前田や伊東の機動力もあってガーナに最後まで脅威を与えていて日本。W杯にも出場するアフリカの強豪に4-1で快勝です!

 

 

 

今日のガーナって、例えば中心選手のトーマス・パーティーを始めとした複数選手は来日していなかったのでフルメンバーかと言われたら微妙ですけど、でもいわゆる主力がほぼ来てねえとかB代表じゃねぇかみたいな、それほどの状況では決してなかったんですよ。後半はガーナのスピード感に苦しむ場面はあったとは言えども決定機には殆ど至らせませんでしたし、その上であれだけの攻撃パフォーマンスが出来たのは素直に一定の評価がされるべきだとは思います。

パラグアイ戦でもそうですけど、4-1-2-3へのシステム変更で少し居場所を失いかけていた堂安、久保、ガーナ戦は出ませんでしたが鎌田大地がこのシステムでの有用性を示せた事…というのは非常に大きかったです。例えば今日は久保がインサイドハーフだったとはいえ、やり方としては4-2-3-1で挑んだ東京五輪に近い攻撃のパターンだったと思うんですが、右サイドは堂安・久保のパス交換で空いたスペースに山根が飛び出すテンポ感で崩し、逆に左サイドは三笘をストロングとして柴崎や久保が絡みながら、三笘のリズムが最も発揮できるような場面を多く作る事が出来ていて。パラグアイ戦では久保に近い働きを鎌田がやっていた事を思うと、パラグアイ戦とガーナ戦の攻撃パターンは日本にとってなかなか力強い武器なんじゃないかなと。久保もトップ下よりは下がり目の位置に置いた事でリンクマン的な働きも見せてくれましたし、あまり目立つ試合展開ではなかったですけど、上田も常に気の利いたポジションにいた事がテンポとリズムを出す上で大きな助けになっていましたし。

 

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そう言った意味では、今の日本ってチームとしてのオプションは意外と増えたような気はします。

以前メンバー発表時に、代表メンバーの現在の序列を考えよう的なブログにも似たような事を書いたのですが…

 

 

要は今、キーマンの異なる2つの戦い方を日本は有してると思うんですよ。一つは最終予選のような、伊東純也のストロングを徹底的に活かしたようなカウンター気味の戦術、もう一つは堂安や久保、ないしは鎌田をキーマンに三笘や山根を絡ませた戦い方…ここに3-4-2-1が有用性を示せれば、オプションは3つに増えるでしょうし。まだあと1試合残ってますけど、今のところこの6月の4連戦はそういう幅を示せたという意味で、個人的には結構ポジティブに捉えています。この辺はチュニジア戦も終わった時にブログに書けたら…と。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

キリンカップサッカー2022準決勝

チリ0-2チュニジア

日本4-1ガーナ

 

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日本vsガーナ戦の前に同じ会場で行われたチリとチュニジアの試合は、細かなパスワークを武器にチリが終始押し込む展開が続いてチャンスを多く作っていました。しかしチュニジアはGKアイマン・ダーメンの攻守連発などDF陣が身体を張って守ると、41分には鮮やかかつダイナミックなカウンターから最後は左SBのアリ・アブディが決めてチュニジアが先制。

後半もチュニジアは難しい展開が続くも、試合終了にはサイドをパス交換で崩して追加点を挙げ、最後には与えたPKのピンチさえもダーメンのセーブで防いで2-0で勝利。6月14日にパナソニックスタジアム吹田にて行われる3位決定戦はガーナvsチリ、決勝は日本vsチュニジアという組み合わせになりました。

 

 

チリvsチュニジアがなかなか熱かった件。

ではでは(´∀`)