6月、梅雨────
7月のE-1選手権は国内組限定で、9月の代表戦はもっと最終調整に寄った試合になるでしょうから、6月の代表戦は"失敗も収穫"と言える最後のシリーズだったと思います。
楽しかったパラグアイ戦、しんどかったブラジル戦、楽しかったガーナ戦、ァーンチュニジア戦。今回はざっくりと、今回の代表戦の感想を書いていきたいと思います。
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ブラジル戦のテーマは"最終予選の時のやり方がどこまでトップオブトップに通ずるか"みたいな部分だった以上、一番楽しみなのは間違いなくブラジル戦でしたけど、この6月シリーズの肝は他の3試合だったと思うんですよ。伊藤洋輝のテストっていうのも勿論ですけど、それ以上に2列目をどうするか…的な部分がすごく肝だったと思います。
やっぱり今の日本は2列目のタレントは豊富。豊富なんですけど、最終予選でシステムを川崎的な中盤の構成力と伊東純也のストロングを徹底的に発揮させる4-1-2-3に変え、結果的にこれは崖っぷちの状態から予選通過を決めるキーポイントになりました。一方で、このシステムはあの時点でW杯出場という結果を最優先にしたもので、その上でストロングポイントである伊東にどう仕事をしてもらうかが第一にくるやり方でもあったので、それまでは代表にとって重要な存在だった鎌田大地・堂安律・久保建英を組み込みようが無くなってしまった訳です。
ただ、これだけのタレントを宝の持ち腐れ状態にするのも勿体無い話で、今回の4連戦の大きなテーマの一つは鎌田・堂安・久保を現行システムにどう組み込むか…というところにあったと思います。吉田麻也と遠藤航が全試合に先発したのも、森保監督の中でスタメン確定状態である2人との疎通を図らせたい面も少なからずあったでしょうし。結果から言えば、この3人はいずれも代表での評価を上げる事は出来たようにも思います。
今の日本代表って、主に攻撃面で2パターンの戦い方があると思うんですよ。1つは遠藤をアンカーに配置し、伊東のスピードを徹底的に活かしたカウンターとプレッシングを軸にした4-1-2-3の「最終予選型」…これは主にブラジル戦の形ですね。もう一つは堂安を右サイド、久保をトップ下に置き、中央寄りでプレーしたい2人が空けた右サイドのスペースに攻撃的なSBが飛び込む事でチャンスを創出する4-2-3-1の「東京五輪型」……或いは逆ザックジャパン型とも言えるでしょうか。パラグアイ戦とガーナ戦の構図は、この東京五輪型のやり方を4-1-2-3に当て嵌めたような形でした。
パラグアイ戦とガーナ戦は、勿論相手の状況が状況だった事を加味して考えなければならなかったとはいえ……右WGの堂安が中に切り込む事で右SBの山根視来が上がるスペースを創出してサイド攻撃を度々成功させていました。IHにはパラグアイ戦で鎌田、ガーナ戦では久保を置きましたが、パラグアイ戦では鎌田が更に左に流れていってフィニッシュ時の厚みを作り、逆にガーナ戦では久保が、それこそ東京五輪の時のように堂安と山根(五輪の時は酒井宏樹)とのテンポの良いパスワークで攻撃を成立させていましたし、逆にそういう攻め方をしてくる右に対して、左は三笘薫が彼だけのリズムで何度も局面を打開。この左右非対称な攻撃システムはなかなかハマっていましたし、6月になんとかパラグアイ戦とガーナ戦のようなアプローチを成功させられたのは非常に良かったと考えています。
ただ同時に、今回の2試合やそれ以前でもそうだったように、鎌田・堂安・久保を最終予選型のやり方に嵌め込んでもあまり上手く行かなさそうな気はするんですよね。逆に、じゃあ伊東を東京五輪型のやり方に組み込んで上手くいくのか?と言われればそれも微妙で。それを踏まえると、いっそ日本は選手をユニット的に考えて、2パターンとしてW杯に行っても良いんじゃないか、とも思うんですよ。
個人的はガーナ戦のやり方は結構ヒントになると思っていて。
あの試合はこのスタメンで始まって、後半になってから伊東や前田大然のような選手を投入していって。要は後半の途中まで東京五輪型の戦いをして、終盤は最終予選的な戦い方になっていったように見えたんですね。最後は3バックも試したりもしましたが。
要は無理に最終予選のやり方、ないしは東京五輪のやり方に寄せるくらいなら、いっそ割り切ってポゼッション的な東京五輪型とカウンター的な最終予選型で分けても良いと思うんですよ。それこそ伊東や三笘なんかは、スタメンから外してもジョーカーとしても力を発揮できるタイプでしょうし。なんてったって、交代枠は5枚ある訳ですから、3枚くらいはパターン切り替え用に当てても良いと思っています。
それこそチュニジア戦なんかは、前半のメンバーと後半のメンバーが逆ならもう少し違う展開もあったのかな…と。
なので個人的に理想のメンバーを選ぶとしたら、今の所ですけどこんな感じでしょうか。
東京五輪の時のように右サイドで崩す形を徹底しつつ、左にも三笘という槍を置いておく事で、相手のDFの意識を分散させる…個人的に三笘はスーパーサブとしてラスト20分に全ツッパさせるのもロマンあるよなぁ、なんて思ってるタイプなので、左WGに古橋を置いて、左WGというよりは南野ないしは上田と2トップ的にプレーさせるのもありかもしれませんが、それだとワンパターンすぎるので左は三笘という選択肢を相手DFに突き付ける方が良さげでしょうか。
守備時は、それこそガーナ戦の伊藤がそうでしたけど、山根が積極的に上がる形になるでしょうから、そこに応じて左SBが絞って3バック気味になっていくという事で、伊藤や中山のようにそういう動きに慣れた選手が良いのかなと。
…で、ハーフタイムか後半10〜15分くらいのタイミングで堂安、鎌田or久保を下げて伊東、田中or守田を投入して最終予選型にシフト。このタイミングで伊東辺りにヒャッハーされたら相手からしたら絶対に地獄だと思うんですよね。後は残った交代枠で前田やら原口やらを入れつつ、カウンター返しへのケアとして冨安を右SBに出して板倉…もいいでしょうし。
それを踏まえてメンバー23人を考えてみると…こんな感じ。(26人になるかも、という報道もありますが)
DF2 山根視来(川崎フロンターレ)
DF4 板倉滉(シャルケ04)
MF6 遠藤航(VfBシュトゥットガルト)
MF9 鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)
FW11 古橋亨梧(セルティックFC)
MF13 守田英正(CDサンタクララ)
MF14 伊東純也(KRCヘンク)
DF15 伊藤洋輝(VfBシュトゥットガルト)
DF16 冨安健洋(アーセナル)
MF17 田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)
FW18 上田綺世(鹿島アントラーズ)
DF20 中山雄太(PECズヴォレ)
MF21 堂安律(PSVアイントホーフェン)
GK23 谷晃生(湘南ベルマーレ)
これで26人…ってなれば、旗手怜央、前田大然、大迫勇也…って感じですかね。
チュニジアサポ元気過ぎィ
ではでは(´∀`)