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【ステップアップさせまくったJクラブはどこ!?】◯◯はワイらが育てた王決定戦〜ステップアップ選手ベストイレブン〜①

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夏の移籍市場もいよいよ残りわずか。

 

夏の移籍市場って、冬より…唐突な別れって感じで。ある意味ではシーズンオフの移籍以上に資本主義的な難しさを感じるところでもありまして。今季であれば、やっぱりサガン鳥栖はその切なさをより強く感じていると思います。

一方で、近年の鳥栖は海外やJ1の規模の大きなクラブに優秀な選手を多く送り、そして彼らがそこでもまた活躍した事で、いわゆるステップアップの為に最適な環境として「サガン鳥栖」という育成ブランドが確立されつつあります。

鳥栖は下部組織にも力を入れているので、自前のアカデミーで育った選手は勿論、高卒や大卒ルーキーのみならず、J2から引き上げた選手やJ1で伸び悩んでいた選手・出場機会を求めてレンタルで移籍してきたをことごとくブレイクさせて再輸出……鳥栖のファンやサポーターにとっては複雑ではあるでしょうが、このサイクルを確立させたのはもはや芸術としか言いようがない訳ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ、どこかが選手を多くブレイクさせているのか?

そしてそれをどこがどれだけステップアップさせているのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…という訳で今回は「ブレイク&ステップアップさせまくりクラブはどこ!?◯◯はワイらが育てた王決定戦!」をお届けします。

 

 

 

…まぁ、決定戦とは言いましたが、単に主観で、ブレイクしてステップアップしていった選手でベストイレブンを組んでいこうというだけの企画なので、◯◯ってそういえば△△にいたな〜くらいの感覚というか、水曜日のダウンタウンの「今まで一番〜」シリーズ的な感覚でお楽しみいただければと。

 

 

今回は単純に育成大賞ではなく、ステップアップさせているクラブはどこ?という趣旨の企画です。なので例えば…鹿島や浦和、近年の川崎のように、少なくとも絶対的なレギュラー選手が国内クラブに移籍する事はほとんどないようなクラブは対象外になります。

また、例えば選手としての最盛期をステップアップせずにそのクラブで過ごしきった選手(例:豊田陽平梁勇基など)も対象外としますが、ブレイクさせてステップアップさせた事が争点になるので、例えばレンタルで移籍してきた選手をレンタル元に返しました〜…みたいな選手は勿論カウントします。それも一つの技ですからね。

 

 

 

今回は全部で15チームをピックアップしてみました。

当企画は全4回で更新。第1回では3チーム、第2回以降は4チームずつ取り上げていきます!

 

第1回

第2回

第3回

第4回

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

エントリーNo.1

サガン鳥栖

 

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近年、ステップアップキングの称号を欲しいままにしているクラブ。特に極度の財政悪化が露呈した2020年以降の放出事情は凄まじい事になっており、リーグを席巻した2021年前半戦の基本スタメンで、現在も鳥栖でプレーしているのは2〜3人くらいで、もう個人名を挙げ始めるとキリがない。

前述の財政悪化はスポンサーに依存した過度な投資が要因ではあった。しかし、その投資を育成面にも大きく向けていたことは大きなポイントであり、スカウトや一貫したプレースタイルも含めた強固な育成モデルを形成したのは日本でも唯一無二と表現出来る。獲得する選手はアカデミーやルーキーに加え、下位カテゴリーで台頭した選手やJ1で燻っている選手を中心に補強し、彼らをブレイクさせてステップアップさせる近年の鳥栖のスタイルはもはや芸術の域にすら達している。鳥栖のファンやサポーターにとっては複雑な気持ちではあるだろうが、フランスやオランダ、ベルギーにポルトガル辺りのクラブでよく見られる発掘→育成→売却のサイクルを確立出来た事は"サガン鳥栖"としてのブランド価値を高めたとさえ言えるし、高卒・大卒ルーキーの選手にとってはビッグクラブと競合したとしても有力な選択肢と見做されるはずである。

鳥栖からのステップアップは近年の移籍市場でしきりに叫ばれるが、元々財政が貧弱なクラブだった事情もあり、アカデミーの規模が拡大する以前から高卒・大卒ルーキーやレンタル移籍で獲得した選手を積極的に主力として起用するスタイルは当時から確立されていた。前者が藤田直之高橋義希藤田祥史キム・ミヌといった面々で、後者に当たるのがハーフナー・マイク水沼宏太、そして豊田陽平といった顔触れが挙げられる。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 高丘陽平横浜FM(2020.10)

DF チョン・スンヒョン→鹿島(2018.7)、吉田豊→名古屋(2019)、高橋祐治→柏(2020)、原輝綺→清水(2021)、森下龍矢→名古屋(2021)、大畑歩夢→浦和(2022)、エドゥアルド→横浜FM(2022)、飯野七聖→神戸(2022.6)

MF 高橋義希→仙台(2010)、藤田直之→神戸(2016)、水沼宏太FC東京(2016)、鎌田大地→フランクフルト(2017.6)、原川力C大阪(2021)、松岡大起→清水(2021.8)、樋口雄太→鹿島(2022)、小屋松知哉→柏(2022)、仙頭啓矢→名古屋(2022)

FW ハーフナー・マイク甲府(2010)、田川亨介→FC東京(2019)、林大地→シントトロイデン(2021.8)

 

 

エントリーNo.2

湘南ベルマーレ

 

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Jリーグ2年目となる1994年から参入したクラブで、それこそ初期は既に韓国のスターだったホン・ミョンボを争奪戦で獲得出来るくらいのクラブではあったが、1999年にメインスポンサーのフジタが撤退してから一気に経営難に陥ったことで、いわゆる"ベルマーレ平塚"の時代に輝いた選手の多くは1999年までに去った。上で挙げたメンバーで言えば海外に移籍した中田英寿は事情が異なるが、名良橋晃田坂和昭呂比須ワグナーといった辺りがこれに該当する。

その後は長きに渡るJ2生活を余儀なくされたが、2010年にJ1に復帰した辺りから、特にユースの監督を務めた曺貴裁が監督に就任した2012年以降はユース卒の遠藤航、大卒組の永木亮太ハン・グギョン、レンタル組の丸山祐市武富孝介を中心に前述の鳥栖の項で書いたようなサイクルが回り始める。2015年にJ1で8位まで進んだメンバーが一気に2016年に退団したのは非常事態だっただろうが、新たに齋藤未月、金子大毅、山根視来、杉岡大輝といった面々が台頭した。

鳥栖同様、ブレイクした選手がことごとくステップアップする、或いはクラブとして手放かなければならない難しい状況に度々陥っているが、それでも近年の育成手腕や彼らの移籍先での活躍は、育成面で大きなブランド力を築いている。現所属選手なので加えなかったが、G大阪からレンタルで加入している谷晃生の成長にも大きく寄与した。なお、中田英寿は若手選手がJクラブから欧州に移籍した最初の事例だった。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 秋元陽太FC東京(2016)

DF 名良橋晃→鹿島(1997)、茂庭照幸FC東京(2002)、村松大輔→清水(2011)、丸山祐市FC東京(2015)、遠藤航→浦和(2016)、三竿雄斗→鹿島(2017)、杉岡大輝→鹿島(2019)、山根視来→川崎(2020)

MF 中田英寿ペルージャ(1998.7)、田坂和昭→清水(1999)、ハン・グギョン→柏(2014)、武富孝介→柏(2015)、永木亮太→鹿島(2016)、齋藤未月→ルビン・カザン(2021)、鈴木冬一→ローザンヌ(2021)、金子大毅→浦和(2021)

FW 呂比須ワグナー→名古屋(1999)、山﨑凌吾→名古屋(2020)

 

エントリーNo.3

京都サンガFC

 

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この手の話題を語る時に確実に名前が出るのがサンガ。やはり2000年に遠藤、松井、パク・チソン、そして三浦和良がチームメイトだった事実のインパクトは強い。サンガにとって一つのキーポイントだったのは2000年のJ2降格で、それまでは他クラブで下り坂に差し掛かったベテランの獲得が主体だったが、2001年のJ2を若手主体で勝ち上がると、2003年の天皇杯は決勝のスタメンの平均年齢が23.2歳のスカッドで優勝。松井、パク、黒部の3トップが爆発的な破壊力を誇った2002年だったが、後にパクと松井は後に海外移籍を果たし、パクはアジア人としては歴史的快挙とも言える偉業を成し遂げ、松井もパクほどではなくとも十分な活躍を見せた。黒部もC大阪で優勝争い、浦和で優勝に絡んでいる。2010年に再びJ2に降格した際は、生え抜きの渡邉やユース出身の角田らが退団したが、彼らが移籍先で存在感を発揮したのは大きなポイント。また、角田や染谷、仙頭などステップアップを2度決めた選手も存在する。GKに関しては厳密な意味での該当者はいなかったが、レンタル先の富山からJ1へステップアップを果たしたという事で守田を置いた。

2002年や2010年の時の若手選手は主に高卒・大卒で獲得した選手が多かったが、2005年より当時監督を務めた柱谷幸一の提唱により抜本的なアカデミー改革が行われ、そこで育った選手が駒井、久保、原川、高橋、奥川といった面々。高卒では中村充孝や岩崎、大卒では仙頭、韓国からチョン・ウヨンらを引っ張っており、若手選手の顔触れもなかなか多彩で、それぞれがJ2からJ1にステップアップを果たした。これからはJ1に定着し続ける事で、サンガに残り続けてもらえるようになっていって欲しいところである。

ベテランスター取りがちな印象が強いクラブだが、こうして見ると育成面での実績はなかなか凄まじい。ガンバとセレッソは言わずもがな、神戸もアカデミー強化を頑張っていること思えば、関西は全クラブ、ユースよーやっとる的な状態になっている。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 西村弘司→名古屋(2008)、守田達弥→富山(2012.6)→新潟(2014)

DF 角田誠→名古屋(2004),仙台(2011)、児玉新→清水(2007)、増嶋竜也→柏(2011)、森下俊→川崎(2012)、染谷悠太C大阪(2014),柏(2019)、高橋祐治鳥栖(2018)

MF 遠藤保仁G大阪(2001)、パク・チソンPSV(2003)、松井大輔ル・マン(2004.9)、渡邉大剛→大宮(2011)、中村充孝→鹿島(2013)、チョン・ウヨン→磐田(2013)、奥川雅也→RBザルツブルク(2015.6)、原川力→川崎(2016)、駒井善成→浦和(2016)、仙頭啓矢→横浜FM(2020),鳥栖(2021)

FW 黒部光昭C大阪(2005)、久保裕也→ヤングボーイズ(2013.6)、岩崎悠人→札幌(2019)、小屋松知哉鳥栖(2020)

 

 

第2回に続くァ!

 

 

ではでは(´∀`)