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自転と公転〜AFCチャンピオンズリーグ2022ラウンド16 ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス マッチレビュー〜

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ガンバもサンガも暴風雨じゃあ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCチャンピオンズリーグラウンド16、ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノスの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

いよいよACLが再開、決勝トーナメントの開幕です!

今日から始まるラウンド16からベスト4までの試合は、ここから僅か1週間の間に全て消化される過密日程になります。準決勝までは文字通り、負けたら終わりのサバイバルゲーム。そんなヒリヒリする状況で、いきなり日本勢対決が実現しました!

 

 

アジア制覇をクラブとして最大の目標に掲げ、それに向けてJリーグでは類を見ないレベルの投資を続けてきた神戸にとって、ACLという舞台は今もなお悲願であり続けています。初めて参加した2020年、あと一歩で決勝進出を逃したあの理不尽な結末は、関係する全ての人にとってACLでの勝利でしか拭えないトラウマになった事でしょう。神戸にとっては文字通り、打倒すべき相手は目の前の対戦相手と共に2020年の自分達であり、それを超える事でクラブは歴史に打ち勝つ事になるはずです。この1週間はまさしく、アンドレス・イニエスタと共に歩んだここ数年の台頭の集大成とも言える時間になるでしょう。

対するマリノスは、今季はクラブ創立30周年のメモリアルイヤーです。前身の日産自動車の頃から、マリノスは何度も黄金期を経験してきました。しかしアジアの舞台で輝く機会は少なく、かつてアジアカップウィナーズカップを制したのみで、ACLに関してはベスト16が最高成績。なかなかACLでは伸び悩んでいます。ですが、逆に言えばマリノスに唯一欠けたコンペティションこそがACLで、ここを埋める事が出来た時、彼らはマリノス史上最強と言えるほどのチームになるはずです。

神戸にとってもマリノスにとっても、ある意味で今回のACLは現在のチームによる過去の自分達への挑戦。リーグ戦の順位は対極に位置する両者ではありますが、ノックアウトステージでの力関係は全てがイーブンに戻るはず。ACLの日本勢対決は2019年の広島vs鹿島以来。執念がぶつかり合うこの勝負、熱狂の一発勝負が始まります!

両チームスタメンです。

 

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夏に大型補強を行った神戸は、新戦力としてはマテウス・トゥーレルと飯野七聖が先発出場。スタメンとしては直近のリーグ戦である第25節札幌戦と同じ11人を起用しており、前節はベンチを外れていたアンドレス・イニエスタもベンチメンバーに名を連ねています。

マリノスはお馴染みの4-2-1-3システム。こちらは畠中槙之輔が久し振りに先発に復帰し、岩田智輝はCBではなくボランチ起用となりました。

 

本日の会場は埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002です。

前述の通り、今回のACLのベスト16〜ベスト4までの試合は日本の埼玉県を舞台に行われます。今日の試合と明日のジョホール・ダルル・タクジムvs浦和レッズの試合は埼玉スタジアム、残りの2試合はさいたま市駒場スタジアムでの開催です。昨年に開場から20年を迎え、サッカー日本代表戦のホームゲームのみならず、2002年日韓W杯や2021年東京五輪の開催会場にもなったアジア最大級のサッカースタジアムで、ここからのコンペティションは進んでいきます。

思い返せば2020年、コロナ禍突入前夜、ゼロックス杯(現:富士フイルム杯)でこの2チームは同じ埼玉スタジアムで戦いました。あの時も一発勝負、そして伝説のPK戦、ウッ、頭が………。

 

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試合は想像以上に早い時間帯に生まれました。序盤はマリノスがシュートまで持ち込むシーンが多かった中で8分、マリノスの自陣でのビルドアップのミスを汰木康也がカットするとドリブルで持ち運んでスルーパス。ここに右サイドを駆け上がった飯野七聖がチップ気味に流し込んで神戸が先制!

しかしその直後でした。マリノスは右サイドで細かいパスを繋ぎながら機会を伺うと、右サイドを最後に抜け出した仲川輝人のクロスを西村拓真がダイビングヘッドで飛び込んで同点弾!

 

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そこからは一進一退の展開になっていきました。神戸は16分、左サイドから入ったパスを大迫勇也が落としたところに山口蛍。放たれたミドルシュートはポストに直撃すると、マリノスも再び右サイドから攻め込んで最後はこぼれ球に喜田拓也がシュートまで持ち込むなど、お互いにシュートまで度々到達するスリリングな展開を見せていきました。神戸は21分にも酒井高徳のクロスを大迫が落としたところに山口が走り込みますが、ここはGK高丘陽平が好セーブ。

 

すると神戸は32分、右サイドに流れた大迫の折り返しに中に入ってきた佐々木大樹がシュート。このシュートを實藤友紀が手でブロックする形になって、VARチェックの末に神戸がPKを獲得します。これをPKを獲得した佐々木がGK高丘の逆を突くシュートを流し込んで2-1。

その後はマリノスがサイドから積極的に攻め込もうとしますが、神戸も局面局面のところでマリノスのアタッカー陣に対してしっかりと対処。32分に西村に訪れた決定機もGK前川黛也がファインセーブで収め、前半から打ち合った試合は神戸の1点リードで後半へ。

 

 

後半に入るとマリノスが攻勢に出ます。特に55分を過ぎた頃からは度々シュートに持ち込み、永戸勝也やエウベルのミドルシュートに続いて西村が好機で2発シュートを放つも、前川の好セーブやサイドネット直撃もあってゴールには至りません。

マリノスの猛攻を受ける形になった神戸は少しでも状況を打開するべく、60分に大迫と佐々木を下げて武藤嘉紀と小田裕太郎を投入。対するマリノスも67分に實藤と仲川を下げて藤田穣瑠チマと水沼宏太、76分に喜田を下げてアンデルソン・ロペスを送り込み、なんとか同点への足掛かりを得ようとします。

 

攻め込むマリノス、耐える神戸………しかし神戸はGK前川を中心にマリノスの攻撃を凌ぎ続けると、終盤に入ってその構図を自ら打ち砕きました。80分、前川のゴールキックから攻撃を仕掛けた神戸は汰木のクロスは一度右サイドに流れたものの、このボールを拾った飯野のパスが山口→酒井と繋がり、最後は酒井のスルーパスに抜け出した山口の折り返しに小田が詰めて神戸が追加点!!劣勢の中で、これ以上ないほどに大きな追加点を獲得します。

 

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89分にはエウベルの折り返しを水沼がスルーしたところにロペスが詰めてマリノスも1点を返します。しかし同点に追い付くには時間が足りず。試合は3-2で神戸が勝利!2020年大会に続いての準々決勝進出となり、一方、首位で今大会を迎えたマリノスはまたしてもベスト16で悔しい敗退となりました。

 

 

 

全てに於いて神戸が効率よく試合を進めていた印象です。ポゼッションでは圧倒的にマリノスが上回っていたものの、神戸は大迫を最前線で絶対軸として配置しておく事で、飯野や汰木、山口に佐々木といった面々は大迫のところを道標のようにして連動して動く事が出来た。大迫もそこでボールを失わない本来の強さを見せたところで、神戸の前線の連動性は生み出されていった感覚でしょうか。とにかく大迫+大迫周りの4人の連動した動きはそれぞれがタスク以上の働きをしていたのではないでしょうか。

対するマリノスは…もしかすると彼らにとっては、想像以上にボールを持ててしまった事がかえって試合を難しくした側面はあるかもしれません。マリノスはやっぱりスペースを使う・活かすの動きにどこよりも長けたチームだと思うんですが、今回はどちらかと言えば神戸にそれをやられてしまった印象で、おっと言わせるシーンは多かったものの、どうしてもミドルシュートが多くなってしまっていた事とその流れは無関係ではないでしょう。それでも押し返して、後半にあれだけの反撃を見せる辺りはさすがでしたが、大崎のポジション取りで変則3バック的に敷いた神戸のブロックを上手く崩したとは言えなかったですし、大崎・小林・トゥーレルの3人は常に気の利いた動きをしていたなと。面白い試合でした。

 

 

阪神の連敗やっと止まった…

ではでは(´∀`)