呼ばれて飛び出てセリヌンティウス
どーもこんばんは
多分酔ってるんだと思います
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第28節、北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪の一戦です。
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J1も残り7試合。コロナや台風やACLの影響で試合数ズレまくってるので札幌は残り8試合、セレッソは残り9試合ですかね。それぞれのフェーズでの争いはいよいよ佳境に入ってきました。
湘南との直接対決を5-1で制したかと思えば、連続して訪れた神戸との直接対決でスコア以上の完敗を喫するなど、試合ごとの波の大きさを解消しきれないまま下位に沈んでしまっている札幌。気がつけば14位。16位湘南との勝点差は僅かに2で、11位清水〜13位G大阪よりは1試合少ないものの、15位京都〜17位神戸は札幌より1試合少ないという所謂"地味にヤバい"みたいなポジションに入りつつあります。明日には15位京都vs17位神戸の直接対決も控えており、この試合はどちらかが勝点を積み上げることは確実…それを思うと、今日負けようものなら地味じゃなく派手にヤバい状態に至るのは避けられません。
対するセレッソは前節、広島との上位対決に0-3で完敗。8試合ぶりの黒星を喫する形となりました。とはいえ、まだセレッソは優勝戦線に於いて片脚はなんとか残している状態です。ただ「セレッソより上位のチームがどこまで負けてくれるか?」という事を考えると、セレッソをターゲットにするなら一敗も出来ない状況。それぞれがそれぞれの勝たなければならない理由を抱え、今週の金Jに挑みます。
両チームスタメンです。
札幌は前節鳥栖戦からの先発変更は一人。今日は小柏剛が欠場という事で、前節はボランチだった駒井善成が小柏のいたシャドーの位置に入り、ボランチには第23節名古屋戦以来のスタメンとなる荒野拓馬が起用。夏の新戦力であるスパチョークやキム・ゴンヒもベンチに名を連ね、第22節柏戦から負傷離脱していた金子拓郎もベンチに復帰しました。
コロナ療養中だった小菊昭雄監督が前節から復帰したセレッソは、その前節広島戦からスタメンを3人変更。右SBはこごで全試合先発中だった松田陸が累積計画によって今季初めてメンバーから外れ、右SBには今季は右MFのレギュラーを務める毎熊晟矢が元々の本職に就きました。前節より負傷離脱から復帰した清武弘嗣も今日もベンチに入っています。
本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。
今日の試合は「明治安田生命サンクスマッチwith北洋銀行」と「CONSADOLE GIRLS NIGHT」という二つのイベント看板を並べての試合となりました。限定グッズや限定グルメの発売の他、スタジアムにはNMB48の堀詩音氏も来場するそうで。
どちらかと言えばヤンマーのイメージが強いセレッソですが、実はそのヤンマーと共に筆頭株主に数えられるのが日本ハムです。今年、同じ札幌ドームを本拠地とする北海道日本ハムファイターズで大流行している「きつねダンス」が、札幌のホームゲームより先にセレッソのホームゲームで披露されたのは完全にその影響。要は"日本ハム"という微妙な因縁を持つ構図になりました。共に2017年からJ1に復帰して以降、実は札幌ホームの試合ではセレッソが無敗の立場。果たして札幌はこの流れをどうにか打破出来るでしょうか。
立ち上がりから動きのある入りを見せた中で最初に決定機を作ったのはセレッソでした。札幌の自陣でのボール回しを上門知樹がカットしてスルーパス。これに抜け出したアダム・タガートがアウト気味のシュートを放ちますが、このシュートは惜しくもクロスバーに直撃。
その後は自陣からビルドアップを図る札幌に対して、セレッソは高い位置から札幌の選手を狭いスペースに追い込むプレスをかけることでショートカウンターの糸口を掴んでいました。対する札幌はそれを避ける狙いもあるのか、今日はややロングボールも多めに使いつつ、なんとかセレッソを押し返していこうと試みます。
25分には左サイドから山中亮輔のCKをファーサイドのマテイ・ヨニッチが折り返すと、エリア内の混戦に最後は為田大貴が詰めるも僅かに枠の上。41分にも為田が自陣から持ち上がると、タガートに当てて自らシュートに持ち込むもDFにブロックされてゴールには至らず。それでもセレッソはプレッシングとショートカウンターの連動がハマった事で常に札幌陣内で攻撃を繰り返せる状態が作れており、逆に札幌がややロングカウンター気味の戦い方を選択しなければならないような状態を作れていました。
ただ、セレッソもなかなか決め切るまでには至らないまま前半は0-0で終了。
札幌は後半から興梠慎三と福森晃斗を下げて青木亮太とキム・ゴンヒを投入。高嶺朋樹と駒井善成を一列ずつ下げた形に配置を変更します。セレッソも58分にタガートとジェアン・パトリッキを下げて山田寛人と中原輝を投入します。
後半は札幌が思い切って設定位置を一つ上げたところでプレーをスタートできるようになっていった事もあって、前半のようにセレッソのプレスに対して逃げ場を失うような場面は減っていました。ただ、札幌がなかなかチャンスにまで持っていかなかった中でまたしてもセレッソに決定機。68分、ハーフェーライン付近でボールを持った山田のスルーパスに抜け出した山中の絶妙なクロスを上門がフリーでボレーで合わせますが……悔しいミスショット。
69分、セレッソは上門に代わって清武、札幌は72分にルーカス・フェルナンデスを下げて金子拓郎を投入。両者共に、怪我から復帰したエース格の選手を切り札的にピッチに送り出します。
後半はやや膠着した時間がお互いにとって続いていましたが、ここに来てセレッソが前半のリズムを掴んでいたプレスが再び機能する瞬間が訪れました。78分、札幌のビルドアップにここぞと言わんばかりにプレスで逃げ場を奪ってパスミスを誘発すると、カットした奥埜博亮の縦パスを清武へ。清武の突破は相手DFに阻まれるも、清武に引き付けられて空いた右サイドにボールが転がると、中原が鮮やかなショットでゴールに流し込んでセレッソが遂に先制。
しかし、敗れればかなり厳しい状況に追いなれる札幌も意地を見せます。82分に菅大輝を下げてスパチョークを投入して迎えた86分でした。スパチョークの持ち上がりから左サイドに走り込んだガブリエル・シャビエルに繋ぐと、シャビエルは早いタイミングでクロスを供給。エリア内で待っていたキム・ゴンヒはマークにつく鳥海晃司を振り切りフリーでヘッド!キム・ゴンヒの移籍後初ゴールは値千金の同点弾に。
アディショナルタイムはまさに激動の展開となりました。仕掛けたのは札幌。高い位置で打開を試みると、岡村大八もオーバーラップして攻撃参加をしますが…セレッソの守備に捕まりシュートまで持ち込めず。逆にセレッソはボールを拾った山中が清武と途中出場のブルーノ・メンデスとワンタッチパスを繰り返して一気に鮮やかなカウンターを決め、勝負あったかと思われましたが……山中の左脚から放たれたシュートはGK菅野孝憲がスーパーセーブ。
逆にそのプレーで生まれたCKを凌いだ札幌は、こぼれたボールを拾った奥埜のロングボールを田中駿汰が跳ね返し、そのボールを青木が回収。青木が一気にカウンタードリブルで持ち上がると、最後は左のスパチョークに出してリターンを受けてから……!!そのシュートに名手キム・ジンヒョンも一歩も動けず。DAZNではリプレイが流れている間に試合終了。札幌、第18節以来となるホームでの勝利はあまりにも劇的な形で訪れました!
基本的にはセレッソの試合でした。前半のセレッソは文字通り自分達が好調である理由、自分達が今のステージで戦えている要因のようなサッカーを徹底的に発揮しており、特に自陣からビルドアップする札幌としては、ある意味で自分達のプレースタイルで首を絞めているような状況にすらなってしまっていた。セレッソの良さと両者のスタンスは、完全にセレッソにとって美味しいところだらけのような前半になっていました。そういう意味では前半で取れなかったセレッソとも言えますし、前半を耐えた札幌という表現も出来るでしょう。
後半の札幌は、札幌とセレッソのスタンスの噛み合わせが札幌にとって絶望的に悪かった(セレッソにとって抜群に良かった)事を踏まえた上で、若干札幌もダイレクトに寄せたやり方にシフトしていたようにも見えていました。要は、如何にしてセレッソに狭いエリアで追い込まれるシチュエーションを減らそうか…というところでしょうか。その中で、唯一札幌を追い込むチャンスで点を取り切ったセレッソは見事でしたが、最後はオープンに殴り合う展開に持ち込んだ札幌が押し切った…という印象です。
札幌としては間違いなくこれ以上ない勝ち方、これ以上ない勝利でした。札幌ドームでセレッソに負けまくってる…という歴史もありましたし。逆にセレッソからすれば、内容としては理想に近いシーンを多く作れていた中で「理想に近い」で止まってしまった。心理的ダメージは否定できない敗北だったのは確かです。まぁ…結局はなんと言っても、菅野のあのアディショナルタイムのセーブですよね。あれは札幌が残留に成功したとすれば、クラブの歴史として語り継がれるべきセーブだったと思います。
サンガちゃん明日マジでビッグマックやぞ…
ではでは(´∀`)