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横浜クラス〜明治安田生命J1リーグ第26節(延期分) 京都サンガFCvs横浜F・マリノス マッチレビュー〜

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eFootballあるある〜

 

ジョンカビラ「フレンドリーマッチ、京都サンガFCvsブラウブリッツ秋田、世界が注目する一戦です」

 

んなアホな。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第26節(延期分)、京都サンガFCvs横浜F・マリノスの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。


 

 

 

9月のサンガには良い流れが来ています。思えばド頭で神戸に勝ち、名の知れたクラブとの試合で引き分けた…これはサンガが快調に飛ばした4月と全く同じ流れです。ただ、問題なのは今日の相手がマリノスだという事。前半戦の対戦では若原智哉の好守が光って2失点で抑えましたが、内容的にはもっと失点を重ねてもおかしくない試合でした。いわばマリノスは「超J1級」とも言えよう相手で、サンガファンじゃない人がtotoでサンガに賭ける事は想像しにくいのが現状です。

冷静に考えて、昇格組は真っ先に降格候補とされるチームです。その予想通りに呆気なく散っていくクラブが歴史を見ても多くあって、サンガもそうなった過去があった。それらのチームよりは勝ちを重ねているけど、サンガより上の順位で昇格した磐田も苦しい戦いを今まさに強いられている中で、残留争いのベビーゾーンに位置しているとはいえ、今季未だに一度も降格圏に落ちた事がないサンガの戦いぶりは"健闘"と評するには十分と言えるでしょう。その意味ではサンガにとって、この超J1級の相手との対戦は、単に残留に向けた重要な試合というのは勿論ですが、その残留した先……「サンガというクラブが"J1のクラブ"になれるかどうか」さえ問われてくる一戦になると思います。

今年、J1でサンガは十分戦える事を示しました。今年に関しては残留出来れば勿論万々歳。でも、これからサンガはJ1のクラブとして生きていけるようなチームにならなければ、またエレベータークラブの異名をとったり、J2で燻る未来に落ち着いてしまう可能性だってあります。幸いにもサンガは、残留争いの中では比較的優位な位置にいます。サンガはこれから脱皮していかなければならない……我々はJ1のチームにならなければなりません。鳥栖や札幌が辿り、今に至るこの道を、次はサンガが辿る番です。

両チームスタメンです。

 

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中3日ではありますが、サンガは前節鹿島戦からのスタメン変更は一人だけで、その一人も累積警告での出場停止となった武田将平を福岡慎平と入れ替えたのみで、神戸戦から生まれた良い流れを維持していこうという志向が見て取れます。前節は負傷退場を余儀なくされた豊川雄太も先発に名を連ね、ベンチには荻原拓也と金子大毅が復帰しました。

同じく中3日となるマリノスは前節福岡戦からはスタメンを4人変更。小池龍太のところに永戸勝也、渡辺皓太のところに藤田穣瑠チマ、水沼宏太のところに仲川輝人を置いたのはいつものターンオーバーといったところですが、前節の負傷退場で離脱を余儀なくされた西村拓真のところにはマルコス・ジュニオールが第14節福岡戦以来4ヶ月ぶりとなるスタメンとなっています。また、ベンチに入った吉尾海夏も第16節磐田戦以来のベンチ入りです。

 

本日の会場は京都府京都市、サンガスタジアム by Kyoceraです。

サンガにとっては9月3日の神戸戦から続くホーム3連戦の3戦目です。第一生命スペシャルデーとして開催される本日の試合では、オリジナル付箋セットが先着で販売される他、「京都サンガF.C. 川柳コンテスト2022」の優秀作品が発表される予定になっています。前節鹿島戦でプレオープンした「SANGA LIFE LAB.」という新ブランドもこの日からグランドオープン。また、9月のホーム3連戦限定で着用するリミテッドユニフォームは今日が最終日。神戸戦は勝ち、鹿島戦は引き分け。果たして限定ユニは無敗で役目を終えられるのか…!?

第26節は当初、8月19〜21日の期間で開催される予定でしたが、マリノスACL決勝トーナメント参加に伴い、今日のミッドウィークにこの試合が延期となっています。今季、サンガスタジアムで開催される試合は天皇杯の広島戦、J1の名古屋戦とC大阪戦の3試合ですが、広島は既にホーム戦を消化しており、名古屋はルヴァン杯C大阪2020年のこけら落としでサンガスタジアムに来ているので、マリノスさんが今季最後の「サンガスタジアムはじめましてクラブ」という事になりますね。初来場のアウェイサポの皆様のキャッキャ感が見られるのも一旦ひと段落でしょうか。

 

 

本日は現地観戦です!行ってきました。スポーツ観戦日記はまた後日。

 

 

神戸戦しかり鹿島戦しかり、前半からアグレッシブにハイプレスを畳みかける事で試合のリズムを生んできたサンガは今日もこの2試合で培った流れを踏襲したような形で試合に入っていきました。

守備面では連動したプレスでマリノスのショートパスの選択肢を削りつつ、テンポの良いパスワークで度々ゴールに迫るようなシーンを作り出せば、守備面ではセカンドボールへの鋭い対応でサンガの攻撃ターンの時間を作り出していた事で、マリノスの攻撃回数自体を少なくすることが出来ていましたし、上手くマリノスの攻撃パターンを中盤省略系に限定させれていた事でカウンターへの対応も上手く出来ていました。

 

19分には中盤で藤田から川﨑颯太がボールを奪うと武富孝介を介して右サイドの白井康介に展開。クロスが一度弾かれたところに福岡がミドルシュートを放ちましたが、これはエドゥアルドがブロック。更にその直後には再びボール奪取から、今度は豊川雄太からまたしても白井がクロス。ファーサイドに流れたボールを松田天馬が折り返したところに福岡が突っ込みましたがGK高丘陽平がセーブ。こぼれ球に詰めた武富と喜田拓也が交錯したボールはゴールに向かって転がりましたが…最後はゴールライン付近でエドゥアルドに掻き出されて、サンガは攻勢でこそありながらも得点を奪い切れません。

 

その後もサンガは優勢に試合を運んでいましたが…そんな中で迎えた23分、井上黎生人のアーリークロスに対するエドゥアルドのクリアが仲川へのパスになると、仲川は松原健に落として前線へ。松原の期待通りのパスに抜け出した仲川のパスを受けたアンデルソン・ロペスが井上を振り切り、最後はエウベルがGKと1対1の場面を迎えますが、これはさすがの上福元直人がファインセーブで阻止します。

しかし、このプレーでマリノスが獲得したCKのこぼれ球に対する対応で武富が永戸を倒してFKを与えてしまうと、左サイドからの永戸が蹴り込んだクロスにエドゥアルドがドンピシャで合わせてマリノスが先制。サンガは攻勢だっただけに、エドゥアルドをフリーにしてしまった隙を突かれた悔やまれる失点に。

 

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前半の終盤はこのゴールで温まった部分もあったのか、3トップ+マルコスの前線の鋭さを見せられる場面も多くなったものの、サンガも前半アディショナルタイムには上福元のパントキックに対してサンガの山﨑と豊川、マリノスの両CBの4人で混戦状態に。最後は豊川がシュートに持ち込みましたが、ここもGK高丘に阻まれて得点には至らず……サンガにとってはまさしく、25分の失点が悔やまれる前半。1点ビハインドで後半へ。

 

 

後半、マリノスはロペスを下げてレオ・セアラを投入。サンガはメンバー交代なしで後半に挑みます。

しかし前半の勢いを維持して早い時間帯に追いつきたかったサンガを現実が襲ったのは50分でした。永戸のCKは一度クリアに成功したものの、このボールをカバーに入った松原がすぐさまクロスを上げると飛び出したGK上福元がエドゥアルドとの競り合いでパンチング。しかしボールの転がった先にいたのは紫のユニフォームではなく……。エウベルのループシュートはスローモーションのようにゴールに吸い込まれてマリノスが追加点。

 

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サンガも試合自体は常にマリノス陣内でプレーする事が出来ていて、53分には豊川がミドルシュートを放つ場面もあったものの……普段は攻撃面がフォーカスされているマリノスですが、特にCBの岩田智輝とエドゥアルド、そこのブロックやセカンドボールの回収と攻撃へのリンクを担う喜田拓也のクオリティの高さを前に攻撃を躓かされ、マリノスが前にボールを出せば……強力というか、もはや極悪アタッカー陣の鬼畜カウンターを喰らうような状態になり、サンガとしては早いうちに1点を返さなければならない緊迫感と、マリノスのカウンターに対する恐怖感のジレンマに挟まれるような時間が続いていきました。

 

そんな中で61分、曺貴裁監督は山﨑、豊川、武富を下げて松田を中盤に変更し、ピーター・ウタカ、木村勇大、パウリーニョを投入して3トップを総替え。65分には木村の落としから白井がクロスを上げ、そこにウタカと佐藤が飛び込むも…マリノス守備陣の対応に遭ってシュートはミートせず。66分には佐藤を下げて荻原、70分には松田を下げて金子を投入し、サンガは5人の交代枠を早めに使い切って得点を追います。

 

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ここからサンガは怒涛の猛攻を繰り広げます。69分、サンガの攻撃は躓いたものの、エドゥアルドのクリアを拾った福岡のアーリークロスパウリーニョが合わせますが、このシュートは無情にもポストに直撃。72分には左サイドで時間を作ったパウリーニョのパスを受けた荻原がクロスを入れて、ファーサイドの福岡がこれをダイビングヘッドで合わせましたが……エウベルのゴールと同様に会場の空気はスローモーションになりながらも、エウベルの時とは違ってボールは転々と枠の外へ。

 

一時はマリノスの脅威をただただ感じるような時間帯もあったものの、後半のサンガは首位相手に牙を剥くように果敢に攻め続け、マリノスの守備網を押し下げていきました。右サイド主体で攻めた前半とは異なり、途中出場のパウリーニョを中心に左から攻め込む形が増えたサンガに対し、マリノスは岩田をボランチに上げてDFラインに畠中槙之輔を入れて対応を図ります。

87分、右サイドを突破しようとした木村のドリブルは止められたものの、こぼれ球を拾った金子がサイドチェンジ。これを受けたパウリーニョのスルーパスに抜け出した荻原のクロスは畠中にブロックされましたが、サンガはここでCKを獲得します。パウリーニョのクロスに合わせた井上のヘッドはGK高丘のビッグセーブに阻まれましたが、こぼれ球を金子が突き刺すように決めて1点差!

 

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しかしその後は再びマリノスも集中力を超えた落ち着きを帯びたプレーを取り戻せば、カウンターというよりも早くサンガ陣内にボールを送り、そこで上手く時間を使いながらあわよくば3点目…みたいなスタンスでサンガを追い込みにかかります。サンガも何とかそこに抗おうとしましたが……同点弾には至らず。サンガ、首位相手に素晴らしい試合を見せたものの……首位相手に素晴らしい試合を見せただけに悔しい敗北となりました。

 

 

 

素晴らしい試合でした。試合内容にケチを付けるつもりは何もなく、これまでサンガがやろうとしてきた事、この9月の試合で形に出来た良い流れをそのまま首位のチームにぶつけて、もちろんマリノス疲労や怪我人等の事情があった事は無関係ではないとしても、内容としては胸を張っていいだけの試合をしてくれたと思います。曺監督が会見で語っていたように、5月の対戦時には"超J1級"というべきマリノスに対して、ただ若原の奮闘にすがる事しか出来なかったのが、4ヶ月で「勝つチャンスもあった」と思えるような試合が出来るとは……もっと言えば、去年の今頃や光が見えなかった頃に、こういう超J1級の相手にここまでのサッカーを見せてくれる未来なんて想像もつかなかった訳で、そこへの感慨がまずあります。

 

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ただ、サンガがマリノスに対して見せたJ1でも戦えるチームである事を示すパフォーマンスは、成長と同時に現実と距離を突きつけてきた事も事実です。

マリノス視点で見れば、この試合は決して彼らにとって良い試合内容で戦えた日では無かったはずで、元々リアクションではなくアクションサッカーで今の地位を築いたマリノスにとって、居心地の良い90分じゃなかった事は確かでしょう。でも前半、あれだけサンガが推していた中で一本のFKで、一瞬のマークのズレを見逃さずに突いてきた。そして一つ一つの恐ろしく正確なプレーのクオリティとチームとしてのビジョンは最後の最後でサンガに対して決定的な瞬間を与えなかった。そして何より、最後に勝ったのはマリノスだった……。近年の川崎にも同じ事が言えますが、結局優勝できるようなチームは内容が悪い試合でも勝てるし、そういう試合でほとんど訪れない好機を確実に仕留めてしまうだけのクオリティを持って、マリノスからすれば自分達が王者に相応しいと言えるだけの力を誇示したようなゲームだったとも言えるでしょう。

サンガはこの日、自分達が間違いなく素晴らしいパフォーマンスをしたからこそ、マリノスの強さ、超J1級のクラブとの距離を突き付けられる結果になりました。試合内容はあくまで結果を得る為の手段の一つに過ぎないし、手応えとは裏腹に数字としては痛い勝点0になってしまった…と。それでもこの神戸戦鹿島戦マリノス戦のホーム3連戦は、京都サンガというクラブを見続けた中で久しく見なかった景色を見せてくれたような3試合だったと思いますし、この3試合は将来的に、サンガをJ1クラスのチームにした試合、ステージを一つ上げた試合として認識できるかもしれません。そしてその為には、まずは何が何でもJ1に残る必要がある。「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは言いますが、マリノスや川崎と本当の意味で戦えるクラブになる為には、二兎を追って二兎を捕まえなければならない。ただ、そういうことを考えさせられるような試合を見られた事は、あの12年間を思うと純粋に感慨深いです。

 

 

 

明治安田生命J1リーグ第26節

8月19日

名古屋グランパス1-0ジュビロ磐田

8月20日

北海道コンサドーレ札幌1-2サガン鳥栖

清水エスパルス1-1柏レイソル

サンフレッチェ広島5-2ガンバ大阪

アビスパ福岡1-4川崎フロンターレ

8月21日

湘南ベルマーレ1-1鹿島アントラーズ

9月14日

京都サンガFC1-2横浜F・マリノス

ヴィッセル神戸2-1FC東京

浦和レッズ0-1セレッソ大阪

 

 

1位 横浜F・マリノス(58)※

2位 川崎フロンターレ(53)※

3位 サンフレッチェ広島(50)

4位 セレッソ大阪(47)※

5位 鹿島アントラーズ(46)

6位 柏レイソル(44)

7位 サガン鳥栖(40)

8位 FC東京(40)※

9位 浦和レッズ(39)※

10位 名古屋グランパス(38)

11位 北海道コンサドーレ札幌(34)※

12位 清水エスパルス(32)

13位 京都サンガFC(30)※

14位 湘南ベルマーレ(30)※

15位 ガンバ大阪(29)

16位 ヴィッセル神戸(28)※

17位 アビスパ福岡(28)

18位 ジュビロ磐田(23)※

 

※1試合未消化のチーム

 

 

スタジアムDJ的にはエドゥアルドはエ↑ドゥアルド統一なの…?

ではでは(´∀`)