台風とイベントのせめぎ合いラウンド2…
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第30節、アビスパ福岡vs清水エスパルスの一戦です。
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
昨日の鳥栖vs鹿島の試合から、遂に2022年のJ1リーグも第30節に到達しました
。2019年以来となる通常レギュレーションで行われている今季のJリーグですが、その残留争いは過去に類を見ないほどに熾烈な状況になっています。勝点の状況を見ると…11位札幌以下のチームはまだ何が起こってもおかしくない状況でしょう。そんな中、今日の対戦カードは17位福岡vs12位清水の一戦……この残留争い、両者の勝点差は4。ラスト5試合で迎える、まさしくシックスポイントゲームとなりました。
昨年、いわゆる5年周期ジンクスを打破した福岡は今季に更なる飛躍が求められていました。中盤頃までは極端に不安視されているわけではなく、あまり残留争いのメインストリームに食い込んでいた訳ではないものの、気が付けば第21節京都戦での勝利を最後に8試合未勝利。第24節ではG大阪との直接対決に敗れ、他の下位チームの突き上げもあり、気が付けば去年から数えても初めての自動降格圏に突入してしまいました。明日は16位神戸と15位G大阪の直接対決が組まれている為、このどちらかは少なくとも勝点1は積み上げる事になる。…で、あるならば。この試合で福岡がもし勝点ゼロに終われば、それは福岡にとっては致命傷を意味する事に他なりません。
対する清水は乾貴士など大型補強を敢行し、8月の4試合は3勝1分。その中には第25節G大阪戦、第27節京都戦と2つの直接対決が含まれていた事を思うと、清水は実に良い夏を過ごしたと言えるでしょう。一時は残留争いを脱したかのように見えました。しかしその後、福岡と磐田を除く下位クラブが勝点を積み上げた事で清水は再び残留争いへ。ここで福岡に敗れれば、自動降格圏への勝点差は一気に1まで縮まる可能性があります。
勝てば天国、負ければ地獄とはよく聞く言葉ですが、残留争いは勝てばまだ地獄を歩けるけれど、負けは天に召されるとも表現できるのかもしれません。さぁ、終盤戦らしくなってきたぞ!!
両チームスタメンです。
福岡は前節横浜FM戦からスタメンを5人変更。システムも前節の3-4-2-1から4-4-2に変更し、清水とシステムを合わせる形になりました。前節はスタメンを外れたルキアン、前嶋洋太、宮大樹がスタメンに戻り、金森健志は第23節C大阪戦以来の先発復帰。更に離脱していた中村駿も第22節湘南戦以来の復帰となり、早速ボランチとして先発です。
清水は前節湘南戦からのスタメン変更は、ボランチの松岡大起をホナウドに変更した一枚のみ。基本的には前節と同じ布陣・同じメンバーで残留争い直接対決の連戦に挑む形となりました。
本日の会場は福岡県福岡市、ベスト電器スタジアムです。
最寄り駅は福岡空港駅。駅近というより、空港近めというなかなかレアな特性を持つスタジアム。近年は各クラブが新スタジアムを建てたりしているので、今や博多の森はJリーグの中でも長い歴史を持つスタジアムになりました。今日の試合ではNHK福岡の企画で結成された「バリカタキッズ」のミニライブが行われる他、エコ活動の一定条件を満たすとオリジナルタオルマフラーが貰えるキャンペーンも実施。「秋のグルメ祭り」と称して、場外には様々な福岡グルメも用意されているそうで。
今から22年前、福岡は2000年に清水相手にシーズンダブルを達成しました。しかしそれ以降、福岡は天皇杯を含めて清水相手に11試合勝利がなく、清水にとって福岡はお得意様的な存在になりつつあります。2001年に福岡の降格を濃厚にしたのは福岡の2点リードを清水にひっくり返された、同じ博多の森での試合でしたから…。そして清水のゼ・リカルド監督の初陣は清水ホームでの福岡戦でしたし、そういう相性がどう作用するかにも注目です。
前半からわかりやすくどちらかがペースを握った訳でもなければ、お互いに大きなチャンスを迎える訳でもない形で試合は進みました。しかし言うまでもなく、この試合はお互いにとって死活問題レベルの意味合いを持つ一戦。序盤から試合は激しい肉弾戦の様相を呈し、局地的な激しい競り合いが度々勃発するなど、立ち上がりから試合はパワフルに進みます。
お互いに主導権を握りあぐねていた中で迎えた29分、ハーフェーライン付近でどっちつかずのようなボールをチアゴ・サンタナがワンタッチで左サイドにスルーパスで流すと、これに反応した山原が左サイドを突破。山原は相手DFの対応により縦突破はならずとも、切り返して絶妙なグラウンダーのクロスを上げればこれが直接ゴールに吸い込まれて清水が先制!
しかし福岡も反撃。36分、福岡のセットプレーからの攻撃は頓挫したものの、清水のビルドアップの乱れを前に残っていた宮大樹がカット。宮のパスを受けた金森がエリア付近でファウルを獲得すると、これを中村が鮮やかなフリーキックで沈めて福岡同点!中村はこれがJ1での初ゴール。大一番と自らの復帰戦を最高の形で飾ります。
42分には左サイドからのジョルディ・クルークスのCKに志知孝明と鈴木義宜が競り合ったこぼれ球に詰めた山岸祐也が押し込んでゴール。一度はオフサイド判定でノーゴールとなったものの、VARに委ねられた末にゴールが認められて福岡が逆転!
後半も前半の勢いそのままに入れたのは福岡でした。50分、前線でルキアンが粘ると山岸がフォロー。その山岸を更に追い越したクルークスが深い位置でヒールパスを叩くと、走り込んだ山岸が冷静に決め切って福岡追加点!
しかしながら、このシックスポイントゲームはまだまだ試合をクローズには進ませません。60分、清水は左サイドから攻撃を組み立てると、中央でボールを受けた白崎凌兵が前線に浮き球のパス。抜け出そうとしたホナウドが中村に倒されてPKを獲得すると、このPKを得点ランキングで首位に立つサンタナが冷静に決めて清水が再び1点差に。
そこからは攻め込む清水、耐える福岡……前線に圧倒的な個の強さを持つ清水と、粘り強い守備でここまで駆け上がってきた福岡のぶつかり合いが始まりました。70分には中山克広と鈴木唯人、80分には岸本武流と北川航也を投入し、スピードとパワーで博多の森を襲撃しにかかります。何度も何度も攻め込む清水でしたが、一度はレギュラーを奪われた時期もあったGK村上昌謙の攻守もあって何とか耐え抜いていく福岡。85分、山原のCKが足元に入ったところを中山がダイレクトで合わせますが、これも村上のビッグセーブに…。
執念、焦燥、情念、意地、根性……残留争いを残留争いたらしめるアディショナルタイムの攻防戦、清水が押し切るか、福岡が耐え切るか……その結末は後者でした。福岡、8試合ぶりの勝利で降格圏を脱する大きな勝利を掴み取りました。
まー……壮絶な試合でしたね。これぞ残留争いというか、恐ろしい試合でした。
後半の清水の猛攻に対しては「清水が押し切るか、福岡が耐え切るか」という表現を使いましたが、前半からあれだけハードな肉弾戦が繰り広げられていて、どちらもボールは繋いでいくよりも奪い合って早く攻めるスタンスを取っている訳ですから、それこそ押し相撲のようにどちらが相手を押し出せるか…という構図の試合だったと思います。その点で言えば、清水が先制して清水が逃げ切れる流れになったところでセットプレーを取れた事、それを中村がきっちり仕留めた事……その意味はやっぱり大きかったですし、ああいう飛び道具一発が試合の形成をひっくり返す事が出来るサッカーの怖さを示した試合でもあったんじゃないでしょうか。あれで福岡は、守備で清水を押し返す事が出来た。割り切った戦い方を福岡にやらせれば、彼らはJ1の中でもかなり上位のクラブですしね…。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第30節
横浜F・マリノス(9月18日14:00)北海道コンサドーレ札幌
※順位表は9月18日の3試合終了後に開催する予定です。
明日のガンバ神戸、吐くかも…
ではでは(´∀`)