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たとえそこにどんな背景があったとしても〜明治安田生命J1リーグ第33節 ガンバ大阪vsジュビロ磐田 マッチレビュー〜

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vs Master of GAMBA

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第33節、ガンバ大阪vsジュビロ磐田の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

「こうなるとは思ってなかった……」

1月、この日程が提示された時と比べた時の偽らざる感情でしょう。

クラブ創立31年目、その新たなる一歩は文字通りの茨の道でした。…でしたって表現も間違いですね。だって現在進行形な訳ですから。

突きつけられた現実に抗おうとしながらも強い逆風に苛まれ、気がつけば17位。残り2試合が2勝でも残留出来ないかもしれない…これが現実です。

 

 

仮にJ2に落ちようが、J1に残ろうが、ガンバにとっての2022年は失敗の一年であり、屈辱に塗れた一年として終わる事は同じです。落ちようが落ちまいが、それが2022年の免罪符にはならない事に変わりはない。それでもガンバは、今得られる最大限の結果を縋りついてでも得なければならない。それもまた同じです。「失敗は成功のもと」とはよく言いますが、このJリーグの舞台に於いてそのセリフはJ1に残って初めて成立し、この失敗はJ1に残って初めて肥やしと呼ぶ事が出来ます。

少なくともここからの2試合に、負けて学ぶものは何一つありません。勝つか負けるかではなく、勝つか勝てないかの二択です。それは相手が優勝が懸かっていようが降格が懸かっていようが、そしてその相手に、このクラブの栄光の全てを築いた傑物がいようが同じ。開幕前に思い描いていた実情とは異なり、もう雑念に酔える90分ではありません。32年目、そしてこれから先の未来の全てを占うターニングポイントが目の前です。

両チームスタメンです。

 

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勝利した前節の横浜FM戦から3週間空いたガンバのスタメン変更は一人。この3週間の間でパトリックが別メニュー調整となっていたのでベンチスタートとなり、今日はレアンドロペレイラ宇佐美貴史と2トップを組む形になりました。前節は齋藤未月が出場停止だったのでダワンが起用されていましたが、復帰した齋藤はベンチスタートでダワンが継続して先発となっています。前節のベンチメンバーからは福岡将太と山本理仁が外れてクォン・ギョンウォンと鈴木武蔵が名を連ねました。

先週に第31節の延期分となる清水戦を戦っている磐田は先発を2枚変更。清水戦で劇的な同点弾を挙げたジャーメイン良が金子翔太に代わって先発となり、ボランチは今日は上原力也ではなく、満を持して遠藤保仁が先発に復帰しました。右WBの鈴木雄斗も古巣対決ですね。ちなみに、磐田は今日、引き分け以下で降格が決まるという状況にあります。

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

11月19日にはアイントラハト・フランクフルトとの親善試合も行われますが、レギュラーシーズンとしてはこれが今季のホーム最終戦です。今季から新たなマスコットキャラクターとしてモフレムも誕生させたガンバですが、今日は「ジャンピン・バンピンモフレム」というオリジナル楽曲が発表されるんだとか。ホーム最終戦という事で、試合終了後にはセレモニーも実施されます。

先々週はパナスタ初の音楽ライブとして藤井風のコンサートが行われて話題になりましたが、今日のホーム最終戦ではそれに負けじとチケット完売!コロナ禍が発生して以来、フルキャパのパナスタが完売するのはパリ・サンジェルマン戦を除けば初めてです。マスターオブガンバの帰還と、そしてアンブロとして最後にホームユニフォームで戦うJ1リーグが被るのは、いくら雑念を捨てようと言えども少しドラマチック…。

 

 

 

本日は現地観戦です。

何よりも、とにかく何よりも…。スポーツ観戦日記は後日更新します。

 

 

ガンバはファーストプレーからペレイラが浮き球のボールを身体を張って繋ぐと、拾って持ち込んだファン・アラーノがシュート。これは枠を外れますが、早々からチャンスを作って試合の幕を開けます。8分には右サイドで繋いで小野瀬康介のクロスをファーサイドで待っていた黒川圭介がダイレクトシュート。11分にも右サイドでCKを獲得すると、宇佐美のキックは一度は弾かれますが黒川がこぼれ球にミドルシュートを放ちますが、いずれもシュートは枠の右へ。

 

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しかし、ガンバのボールを握る時間や前でプレーする時間自体は長かったものの、プランとして上手く進んでいたのは磐田の方でした。前節はベンチだった遠藤とジャーメインをスタメンに置いた磐田は、遠藤をボールの出しどころにした上でジャーメイン、或いは両WBの鈴木雄斗と松本昌也がシンプルにスピードで仕掛けていました。特に、やはり三浦弦太昌子源がいる以上センターから崩すのは困難と見たのか、わかりやすくサイドに振りつつ、磐田は如何に試合をオープンか展開に引き摺り込むかを目論んでいるような戦い方でした。ガンバはガンバで引き分けNGの立場である以上、マリノス戦ほど割り切る事も出来ず、磐田のやり方はわかってはいながらもある程度それを受け入れるしかない状態になった事で、ある程度磐田のプランに沿った攻撃を受けなければならない形にもなっていきます。

 

12分には山本康裕のサイドチェンジを受けた松本昌也のスルーパスにジャーメインが抜け出してクロス。これに杉本健勇が頭で合わせてあわやという場面を作られると、28分にはショートコーナーからの遠藤のクロスは一度は東口順昭がキャッチしながらも、そのスローが小野瀬に当たったところで大ピンチ勃発。それでも杉本のシュートは東口が阻止し、鈴木雄斗と遠藤の折り返しは何とかダワンがブロックして事なきを得ます。

 

対するガンバにとって最大の決定機は41分。ペナルティエリアの左でボールを受けた宇佐美はDF3人に囲まれながらもドリブルでこじ開けて抉ってクロス。GK三浦龍輝が弾いたボールはゴール寸前で小野瀬の足下に転がりますが、小野瀬のシュートはフカす形になってクロスバーを大きく超えてゴールならず。前半は0-0で終えます。

 

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後半は引き分ければその時点で降格が決まる磐田のペースで始まりました。前半から磐田の狙いはサイドからのカウンターで三浦、ないしは昌子を中央から外に引き摺り出す事だったんでしょうが、実際に後半はジャーメインらの突破に対しそういう場面が増えていきます。

57分には左から攻め込むと、杉本の落としに走り込んだ遠藤のミドルシュートが枠の外へ。そして59分、磐田は自陣で遠藤を中心にビルドアップを試みると、ボールを受けた遠藤がそのまま左サイドをドリブルで突破。山田大記を介して右サイドに振って抜け出した鈴木がマイナス気味のクロスを入れると、杉本が三浦を引きつけて空いたドフリーのスペースに遠藤が走り込みますが……何の因果か、このシュートも大きく枠を逸れ…。

 

すると松田浩監督は59分、小野瀬とペレイラを下げて食野亮太郎とパトリックを投入。磐田もその直後に森岡陸を下げて大井健太郎を投入し、これに対応を試み、65分には山田を下げて大津祐樹も送り込みます。磐田は64分にも松本が左サイドからのカットインからシュートを放つなど、ここまではガンバは完全に劣勢と化していました。

しかし66分、三浦のサイドチェンジを受けた黒川が前に走った山本悠樹に縦パスを送ると、上手く反転して前を向いた山本は中央の食野へ。小刻みなステップで対峙した大井を翻弄すると、大井の股を抜くシュートはゴール右隅に吸い込まれ…!!劣勢だったガンバが全てをひっくり返す先制点!!!

 

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これで2点が必要になった磐田は72分、右サイドでボールを残した杉本のパスに抜けた鈴木のパスを、大津が角度の少ないところからシュートを放ちますがこれはサイドネットに直撃。

そしてガンバが中盤での運動量を上げるべく直後にダワンを下げて齋藤を投入すると73分、右サイドでボールを受けた髙尾瑠のパスを受けた宇佐美のクロスは弾かれましたが、こぼれ球を齋藤が頭で繋ぐとパトリックがオーバーヘッド!!!!やっぱりパトリック……その鮮やかな軌道はゴールの左へと吸い込まれ、ガンバ追加点!!!


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いよいよ後が無くなった磐田は、ここ数試合で途中出場からインパクトを残している古川陽介、更に金子翔太と松原后を投入して最後の反撃に出ます。86分には左CKに杉本が合わせますがGK東口がビッグセーブ。アディショナルタイムにも金子のパスを受けた杉本が溜めて右に出したところを鈴木が折り返すも東口が弾き、こぼれ球に走り込んだ金子のシュートも東口ががっちりキャッチ。そして試合終了!!ガンバ、自力残留の権利を復活させる大きな大きな勝点3!!そして磐田のJ2降格が決定しました。

 

 

上でも書きましたけど、試合の流れとして上手く狙い通りにやれていたのは磐田の方だったと思います。片野坂知宏監督体制はCBのタスクが多かった事もあって、そこのシンプルな強みは出しにくかったんですけど、今の松田体制である程度守備に専念できる状況になった時、やっぱり三浦と昌子の2CBを剥がす作業って困難なんですよね。なので磐田としては、遠藤を起点に徹底してサイドを狙う事で何とかDFラインを間延びさせようとしたのが前半で、それが上手く回り始めた後半は潤滑油的に中央に杉本のポイントを作る事で、その攻撃が更に具体性を持っていました。ガンバはそういう磐田の出方をわかっていても、ガンバはガンバで追い込まれた立場なので前に出ざるを得ないから、ある意味ではそれに付き合わないといけなくて。その設計は磐田に分のある展開だったかな、とは思います。磐田としてはとにかく試合をオープンにしてしまう事が狙いだったでしょうし。

 

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ただそこでも、まぁ、59分の遠藤の決定機は完全に救われたって感じでしたけど、個々としてのタスクは各々がしっかり果たせていたと思います。あまりにパスが繋がらなかった事は鹿島戦までに本当にどうにかしてほしい気持ちはありましたが、その後の戻りの部分であったりとか、カウンター時の各々のスタンスであったりとか。そういった原則的なところは各自がしっかり満たせていたのではないかと。戦力差で見れば、贔屓目を抜きにしてもガンバの方が磐田より上回っている訳で、タスクはしっかりとこなせたからこそ、そこでの差で戦える展開に持っていけたかな…というのが率直な感想です。

それに…磐田に恨みがあるという訳ではなく、磐田の降格を喜びとして捉えている訳では決してないですが、やっぱり10年前のリベンジを果たせた気持ちはどこかで否定できないですし。

 

 

間違いなく大きな勝点3でした。なにより、第31節柏戦終了時点で自力残留が消滅していたガンバにとって、このタイミングで自力残留を復活させられた事は本当に大きいです。

とはいえ、まだ何一つとして決まった事はなく、前節も今節も…ガンバを含め、残留争いのチームが勝ちまくってる以上、ガンバは次の試合で引き分けたとしても危ない立場に陥る訳で。大きな3歩ではあるけど、何かが決まる1歩ではない。オーラスの鹿島戦、クラブの歴史も、個々の人生も左右するこの試合にただただ全てをかけてほしいところです。

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

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明治安田生命J1リーグ第33節

川崎フロンターレ2-1ヴィッセル神戸

横浜F・マリノス4-1浦和レッズ

湘南ベルマーレ3-0サガン鳥栖

清水エスパルス0-1鹿島アントラーズ

名古屋グランパス2-1FC東京

京都サンガFC0-0セレッソ大阪

ガンバ大阪2-0ジュビロ磐田

サンフレッチェ広島1-2北海道コンサドーレ札幌

アビスパ福岡2-1柏レイソル

 

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1位 横浜F・マリノス(65)

2位 川崎フロンターレ(63)

3位 サンフレッチェ広島(54)

4位 セレッソ大阪(51)

5位 鹿島アントラーズ(51)

6位 FC東京(49)

7位 柏レイソル(47)

8位 浦和レッズ(44)

9位 名古屋グランパス(43)

10位 北海道コンサドーレ札幌(42)

11位 サガン鳥栖(41)

12位 ヴィッセル神戸(40)

13位 湘南ベルマーレ(38)

14位 アビスパ福岡(37)

15位 ガンバ大阪(36)

16位 京都サンガFC(35)

17位 清水エスパルス(33)

18位 ジュビロ磐田(29)


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優勝確定の可能性が発生して以降、17位G大阪と18位磐田にまさかの連敗(それも完封負け)を喫して暗雲立ち込めていた横浜FMですが、今日はその鬱憤の全てを晴らすかのように浦和から4得点を奪って圧勝。しかし、川崎の結果次第で優勝が決まる立場ではありましたが、川崎は1-1で迎えた終盤に家長昭博がPKを沈めて神戸相手に勝利を収め、横浜FMと川崎の優勝は最終節に持ち越されました。勝点差は2。共にアウェイで横浜FMは神戸、川崎はFC東京との対戦となります。

ACL圏内争いでは、ルヴァン杯を制した広島は自力でACLを決められる立場にありながらも敗戦を喫し、4位のC大阪も好機を決められずに引き分けで勝点1止まり。一方、スランプに陥っていた鹿島が8試合ぶりの勝利を挙げた事で、ACL出場圏内のラスト1枠は広島・C大阪・鹿島が争う形になりました。

そして残留争いでは、それぞれ勝利した湘南と福岡は残留は確定していませんが、清水が鹿島に敗れた事で16位以上が確定、即ち自動降格の可能性は無くなりました。最終節に自動降格の可能性を残すのはG大阪・京都・清水の3チームで、清水は引き分け以下で他会場の結果に関わらず降格が決定します。さぁ、いよいよラスト1試合です!

 

 

サンキューヤットさん

フォーエバーヤットさん。

ではでは(´∀`)