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魂の殴り合い〜2022 FIFAワールドカップカタール大会 3位決定戦 クロアチア代表vsモロッコ代表 マッチレビュー〜

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巡り逢う〜〜〜恋心〜〜〜

 

どーんなとーきもーこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー2022 FIFAワールドカップカタール大会 3位決定戦、クロアチア代表vsロッコ代表の一戦です!!

 

カタールW杯観戦ガイド更新中!是非覗いてください!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

自称・当ブログ的カタールW杯テーマソング

 

W杯も残り2試合になってしまいました。辛い…。

しかし、この2試合こそが真のW杯であり、ロシアW杯が終わったあの日から誰もが目指して走り続けた最後の2日間です。ブロンズメダルの行く末は、不屈の精神を見せ続けた2者の手に委ねられました。

 

 

前回大会でファイナリストとなったクロアチアにとって、今大会の目標はあの時届かなかった優勝、そしてロシアW杯の準優勝が、様々な要素が絡み合った末に生まれた偶発的な事象ではない事を自分達の手で否定する為の戦いだったように思います。もう誰も、前回大会を偶然と捉える者はいないでしょう。この国のサッカーの英雄、ルカ・モドリッチに導かれ、彼が体現する不屈の精神をそのままピッチに映し出したかのようなチームのこれまでの戦いぶりは、まさにそれを象徴する軌跡でした。グループステージ第3戦のベルギー戦もそう、ベスト16の日本戦もそう、そして準々決勝のブラジル戦もそう……。そして彼らにとって、3位決定戦という舞台は歴史的に大きな意味を持つ舞台です。クロアチアのサッカーの歴史は、フランスW杯で3位になったところから急激に加速した。彼らにとってこの3位決定戦は、ある意味で先人が紡ぐ歴史への挑戦でもあります。

そしてモロッコ……彼らは間違いなく、この大会の主役とも言うべき眩い存在感を放ちました。グループステージ第2戦のベルギー戦も、決勝トーナメントでスペインとポルトガルを撃破する姿も……観る者の心を揺さぶるようなエネルギッシュなプレーぶりと溢れんばかりのスピリットは、まさしくこの大会を彩る唯一無二の"色"を見せてくれました。ただ、彼らの歴史を変える冒険はまだ終わった訳ではなく、彼らにとって未到の地である3位決定戦はアフリカ勢全体にとっても未到の地です。思えば36年前、アフリカ勢で初めて決勝トーナメント進出を決めたのが他でもないモロッコでした。アフリカの新境地を切り拓くのはいつでもモロッコ……同じアラブ圏という事で多くのサポーターも見守る中、最後の戦いに挑みます。

躍進を遂げた両者の冒険は、思えばグループFの初戦…クロアチアvsモロッコという試合から彼らのカタールW杯の物語は始まりました。奇遇にも、あの時のスコアは0-0。3位で大会を去る事、そしてクロアチアにとってはモロッコから、モロッコにとってもクロアチアから始まった物語の決着をつけよう…史上最も熱いかもしれない3位決定戦がこの舞台にあります。

両チームスタメンです。

 

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クロアチア準決勝のアルゼンチン戦からメンバーを5人変更。ブロゾビッチをベンチスタートとした事でシステムも従来のアンカーシステムではなく、モドリッチとコヴァチッチがWボランチを組む形にしてきました。また、DFラインはグバルディオル以外は全員変更しており、左SBは一列前でプレーしていたペリシッチが配置され、シュタロとスタニシッチは今大会初出場となっています。

ロッコはメンバーを3人変更し、準決勝フランス戦では5バックシステムも採用しましたが、今日は4バックに戻しています。フランス戦で負傷したサイスとマズラウィは今日は欠場し、ここまでフル稼働していたウナヒもベンチスタート。中盤に入った18歳のエルハヌスはW杯初出場どころか、この試合がモロッコ代表デビューとなっています。

 

本日の会場はカタール、ライヤーンのハリーファ国際スタジアムです。

8会場が使用されているカタールW杯ですが、7会場を新設する中でこのスタジアムは唯一既存スタジアムとしてこの大会で使用されました。W杯の為に大型スタジアムが多く建設されたカタールですが、それまではこの国にとってほぼ唯一の大型スタジアムでしたので、2006年のアジア競技大会や2019年の世界陸上ではメインスタジアムとしての役割を担っており、カタール国営の育成機関であるアスパイア・アカデミーの施設内にあるスタジアムという土地柄もあるなど、まさしくカタールのスポーツの歴史にとって重要な場所です。ちなみにモロッコは今大会初めてこのスタジアムで戦いますが、クロアチアは第2戦のカナダ戦をこのスタジアムで戦っています。

そして…2011年、日本代表はこの地でアジアカップ決勝を戦い、李忠成の伝説のボレーで、この地でアジア王者の栄光を勝ち取りました。そして今大会では、この場所でドイツとスペインを撃破した……この国にドーハの悲劇があったならば、これからはこの場所がドーハの歓喜の場所。日本サッカーの新たな聖地ですね。

 

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カタールW杯で使用される全スタジアムの紹介はこちらからどうぞ!

 

 

 

試合は想像よりも早く動きました。ミドルゾーンでフリーキックを獲得したクロアチアは、モドリッチのキックモーションでタイミングをズラすと、キッカーのマイェルはファーサイドではなくニアサイドにボールを蹴り込みます。これをペリシッチが頭で折り返すと、そこにグバルディオルが頭で合わせてクロアチア先制!

しかし文字通りその直後でした。今度はモロッコが右サイドでフリーキックを獲得すると、ツィエクのキックがリフレクションでエリア内の混戦を生むと、最後はダリが押し込んでいきなり同点。なんだこの3位決定戦は……早々とカオスだぞ…。

 

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1-1になってからはクロアチアペースの時間が続きました。モドリッチが常に選手と選手の間に入る事でちょうどいい距離感をキープしながら攻めるクロアチアは18分にはオルシッチ、こぼれたところを繋いでクラマリッチが立て続けにシュートを放ち、24分にもマイェルの落としからモドリッチがチャンスを迎えますが、GKヤシン・ブヌの好セーブもあって、クロアチアは攻勢ながらなかなかゴールまで持っていけません。

 

そうなると今度は試合を優勢に進めていたクロアチアに対し、ここまで多くの強豪を苦しめたモロッコのカウンターの猛威が鋭さを増す展開に。序盤は連戦や、満身創痍状態を窺わせる展開が続いていたモロッコですが、ミドルゾーンの守備でのキレを取り戻すと、そこからサイドを基点としたカウンターでクロアチアゴールに迫り続ける展開を迎えましたが、モロッコはモロッコで攻勢の時間に点を取り切ることが出来ず。

 

すると42分、展開を押し返されていたクロアチアは右サイドからチャンスを作るも、マイェルのところで相手に潰される形で攻撃は頓挫…したかに見えましたが、そこでコヴァチッチがボールを奪い返すとそのまま二次攻撃に繋ぎ、リヴァヤのパスからオルシッチが狙いすました美しいシュートをゴールに吸い込ませてクロアチアが2点目!クロアチアが勝ち越して前半を終えます。

 

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ロッコは後半からサビリを下げてシャイルを投入しましたが、後半もクロアチアのペースの時間が続いていきました。51分にはクラマリッチ、55分にはオルシッチがシュートまで持ち込み、いずれも実らなかったものの、試合の流れはクロアチアペースの時間が続いていきます。

そんな中でモロッコはこれまで中盤で大きな存在感を見せていたウナヒを56分には投入し、アムラバトとウナヒをWボランチにした4-2-3-1にシステムを変更。ミラーゲーム的にする事で打開を図ろうと試みます。

 

3位決定戦というシチュエーションの難しさに加え、両者ともにここまでの戦いで募った疲労の影響もあり、特にモロッコは負傷の影響で交代枠を66分に使い切ると共にボランチのアムラバトを最終ラインとして起用しなければならない文字通りの満身創痍状態に陥っていました。モロッコもツィエクを配球役とする為に中央に近い位置でプレーさせながら打開しようとしますが、クロアチアの壁をなかなかこじ開けられず。

 

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それでも両チームの魂の殴り合いのような攻防は続いていきます。74分にはクロアチアがカウンターを仕掛けると、最後にシュートチャンスを迎えたのは猛然とオーバーラップを仕掛けたCBのグバルディオル。しかし最後はアムラバトのタックルを前にシュートまで持ち込めず。逆にモロッコはそこからカウンターを仕掛けると、最後は左サイドからのクロスが流れたところにエンネシリがこの日最大の決定機を迎えますが…この場面はリバコビッチがスーパーセーブ!

 

それでもモロッコは最後の意地を出し切って猛攻を仕掛けます。

アディショナルタイム、ツィエクのミドルシュートは僅かに枠の上。さらにその直後にはアティヤットアッラーの左からのクロスをエンネシリがヘッド…しかし、ふわりと浮いた軌道はゴールの上のネットに触れて枠の外へ…。

最後はもはや理屈や戦術を超越した戦いぶりとなった3位決定戦。最後はモロッコの猛攻に対し、なんとか耐え切ったクロアチアが2-1で逃げ切って勝利!クロアチアは2大会連続でのトップ3入りとなり、アフリカ勢として初めて7試合を戦ったモロッコの最終結果は4位となりました。

 

 

 

3位決定戦はやっぱり難しいんですよね。これまでの3位決定戦で一部チームが指摘どころか公言していたモチベーション問題に関しては、今回のクロアチアとモロッコには無縁だったと思います。一方で、準決勝で敗れた事実を背負いながらプレーする事は結構難しいというか、少し影を落とすような状態は少なからず続く……アドレナリンって非常に都合よくて、モチベーションはあっても負けたことで一気に疲労が押し寄せてきたりもする。常にちょっと身体のどこかが重い状態で戦う必要があるんですよね。ましてやクロアチアもモロッコも、ここまで持てる力の全てを吐き出すようにしながら戦ってきただけに…。

なのでお互いに、すごく戦術的に戦えたゲームではなかったのは間違いなかったですし、特にモロッコは怪我人も多すぎて本当に苦しい試合になっていきました。死闘と呼ばれるべき展開だったと思います。ただ、この試合はあんまり戦術とかそういう側面で語るのは難しい試合だった分、戦術や理屈・論理を超えた要素を見た90分でしたし、これまでの大会で見た3位決定戦とは全く色合いの違う90分でした。最終的にクロアチアが3位の座につきましたが、ここまでの軌跡も含め、純粋に両チームに拍手を送りたい気持ちですね。クロアチアもモロッコも、この大会を機にステップアップを果たす選手も少なからずいることでしょう。だからこそ、彼らが帰ってくる4年後がまた楽しみです。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

12月17日(大会22日目)

3位決定戦

クロアチア2-1ロッコ

 

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12月18日(大会最終日)

2022 FIFAワールドカップ決勝

アルゼンチンvsフランス

2022年12月18日18:00(24:00)@ルサイル・アイコニック・スタジアム

 

 

クロアチアの3位力

ではでは(´∀`)