ねぇ、サンガスタジアムの代表戦まだ…?
どーもこんばんは
さてさて、3月24日に国立競技場で行われるキリンチャレンジカップ2023、日本代表vsウルグアイ代表の一戦より、第2次森保ジャパンが始動します!…とかこのブログで今更言ったところで、みたいなところはあるでしょうが。とりあえず3月の日本代表戦スケジュールはこんな感じ。
【キリンチャレンジカップ2023】
3月28日19:20 vsコロンビア@ヨドコウ桜スタジアム
そして、今回の試合は第2次森保ジャパン、いわば森保ジャパンシーズン2の初陣となる訳で、当然ながらそのメンバー構成は最も注目されるトピックでした。
それが発表されたのは3月15日。
という訳で今回のブログでは、個人的な今回の代表メンバーの考察というか、皆様の中で賛否があるような部分の自分なりの解釈を書いていこうと思います。
ポイントは以下の3点。
①メインテーマは"ステルス世代交代"?
②新戦力登用の狙いと意図
今回は①と②について書いていきます。
カタールW杯日本代表、森保ジャパンのチーム造りと全4試合の考察
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カタールW杯が終わっても楽しめる、振り返り企画なども更新中のカタールW杯観戦ガイド〜日本代表編〜も是非ご覧くださいませ。
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【第2次森保ジャパン初陣メンバー】
監督:森保一
コーチ:★名波浩
コーチ:斉藤俊秀
コーチ:★前田遼一
フィジカルコーチ:松本良一
GKコーチ:下田崇
※★印は新任コーチ
《GK》
☆シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(ガンバ大阪)
《DF》
☆板倉滉(ボルシア・メンヒェングラードバッハ)
☆冨安健洋(アーセナル)
☆伊藤洋輝(VfBシュトゥットガルト)
橋岡大樹(シントトロイデンVV)
★角田涼太朗(横浜F・マリノス)
瀬古歩夢(グラスホッパーCZ)
菅原由勢(AZアルクマール)
★バングーナガンテ佳史扶(FC東京)
★半田陸(ガンバ大阪)
《MF》
☆伊東純也(KRCヘンク)
☆守田英正(スポルティングCP)
☆鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)
☆三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)
☆堂安律(SCフライブルク)
☆田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)
《FW》
西村拓真(横浜F・マリノス)
☆前田大然(セルティックFC)
☆上田綺世(セルクル・ブルージュ)
★中村敬斗(LASKリンツ)
※★印は初招集選手、☆印はカタールW杯メンバー
※JFAの公式発表では《MF/FW》として発表していますが、ここでは筆者の判断で《MF》《FW》は分けて記載しています。
【カタールW杯メンバーで今回の代表は未選出となった選手】
①メインテーマは"ステルス世代交代"?
26名のメンバーを分けるとカタールW杯からそのままメンバー入りを果たした選手が16名、初招集が4名、W杯未選出の代表経験者が10名…というメンバー構成になりました。フィールドプレーヤーはリオデジャネイロ五輪世代以降(1993年生〜)の選手から選ばれており、26名全体でもロンドン五輪世代以前(〜1992年生)の選手はGKのシュミットのみ。カタールW杯で主将を務めた吉田も今回はメンバーを外れており、基本的には「2026年の計算が立つメンバー」を念頭に置いて選出したような感覚は強いですね。
その方針自体は森保監督の初陣…ロシアW杯後のコスタリカ戦(2018年)の時とスタンスとしては大きく変わってないんですね。あの時のメンバー選考も2022年を念頭に置いた上で考えていたでしょうから、その上でそれまで代表に定着していなかった南野や伊東が呼ばれましたし、堂安や冨安が初招集を受けた。
ただ、あの時はロシアW杯の日本代表が比較的平均年齢の高いチームだった事もあって、まずはロシアW杯時のレギュラーを外したメンバー構成を軸に始動し、そこにW杯メンバーの中から核となるメンバーを組み込んでいく手法を採っていました。実際に2019年1月のアジアカップでは前線の顔触れは大迫勇也以外はW杯不参加組だったりしたので、結果的にあの時の森保監督はややドラスティックなくらいのやり方を選択する形になっていました。
ですが今回は森保監督の基本スタンスは変わらないとしても、チームを取り巻く事情は結構変わってるんですね。端的に言うと、世代交代が早急に求められた4年前とは異なり、今回はそこまで世代交代の必要が無い…というところがまず前提になってきます。「あれ?カタールW杯までの4年間でいつの間にか世代交代完了しちゃってるくね?」みたいな。
今回のメンバーを見ても、2026年の時に30歳を超えるメンバーはシュミット、遠藤、伊東、守田、浅野の5人しかおらず、2026年で30歳になる鎌田を入れても6名。代表メンバーはアジアカップ2019年の時からも少しずつ変遷を辿っており、森保監督は「保守的だ」「同じメンバーばっかり」と言われながらもしれっと若返りを成功させてた…というなかなか恐ろしい事をやってのけていたんですよね。ステルス世代交代とでも呼ぶべきでしょうか。ドラスティックなメンバー変更は2018年の間だけで、そこからはまるで一人ずつ入れ替えていくような形で世代交代を進めていったから、ファンが新鮮味や斬新さを感じる前にミッションを達成してしまっていた…と。
今回も森保監督がやりたい事って…2026年に向けて、或いはそれ以降に向けて、ステルス世代交代のような変遷を常に辿れるようなな状況にしておく事なんだと思います。その為に唯一世代交代が進んでいなかったDF陣…特にサイドバックは板倉と冨安という軸を作った上で、今回のうちに変化を与えておけばドラスティックな事をせずにサイクルを回せてしまう。ある意味で、森保監督がやっている事はチームマネジメントとしてのシステム構築みたいなもので、そう考えると実に合理的だよな…と。
逆に言えば吉田や酒井、権田のようなベテランは本人の意欲とパフォーマンスさえ伴えば「戻そうと思えばいつでも戻せる」という強みがある。ショックを与えずに変化を加えつつ、いわゆる保険も持っている状況にしておきたい…それこそカタールW杯での勝因にも繋がった話ですが、トータルとしての幅をどう確保するか、みたいなのが今の代表チームのテーマなんだろうと考えています。
②新戦力登用の狙いと意図
「世代交代はいつの間にか進んでいる」と書きましたが、唯一進んでいなかったのがサイドバックでした。
センターバックはレギュラーこそ吉田でしたが板倉と冨安が台頭していたのに対し、サイドバックはこの4年間もずっと長友と酒井がレギュラーでした。左SBこそ東京五輪世代の伊藤や中山雄太が台頭しましたが、右SBに彗星の如く表れた山根は新星感がある割には、年齢的には今年で30歳なので世代交代出来た…という訳ではない。ましてやここからの4年間を3バックで一貫する訳でもないでしょうし、SBの若手選手に目星をつける事は必須テーマというべきでしょう。
実際、W杯メンバーからは伊藤以外の全員を入れ替える形になりました。そのスタンスで考えれば橋岡と菅原は真っ先に思い浮かぶベターな選択だったと言えますし、バングーナガンテと半田はポテンシャル枠というか、一度活動を共にする事で代表チームと個人のフィーリングを把握したい・把握させたいという側面があると考えられます。CBで言えば角田もバングーナガンテと半田と同じ枠組み。逆に瀬古は角田より年齢は下ですが、どちらかと言えば橋岡や菅原と同様にベター枠と表現するべきでしょうか。
前線の新戦力になるのは西村と中村。この2人がどのポジションで起用されるのかはまだわからない部分がありますが、いずれにしてもこの2人は最近の活躍と実力は勿論、持ち合わせているアスリート的な能力が今の森保ジャパンが求めるものに合致する…という部分があります。
次回のブログで取り上げるテーマにもリンクする話ですが、今の代表チームはある種、テクニカルな部分やクリエイティブな要素は現存の2列目のメンバーに任せている形を採っていますし、逆にその中で違いを出すにはアスリート的な強みを押し出す必要がある。それは今の代表のワントップ像に求められる話でもあって、森保監督はおそらく、特に中村に関しては起用ポジションを現段階では限定したくないと考えているようには思います。
上で述べたステルス世代交代の話にも繋がる話ですけど、森保監督って保守的・画一的に見えて、意外と選手招集は結構思い切った人選もしてくる部分があるんですよね。実際、2018年の初陣で山口蛍が負傷離脱した際には追加招集で当時大卒ルーキーだった守田英正をデビューさせてそのまま3ヶ月後のアジアカップに連れて行ったりとか、2019年の開幕数試合でインパクトを残した鈴木武蔵や橋本拳人をいきなり招集して、特に後者は一時期はレギュラーにまでなっちゃってたりとか。E-1選手権で活躍した相馬と町野をカタールに連れて行った事もそうですし、イメージの割に森保監督ってそういうところは一度は掬い上げてくれる監督だと思うんですよね。だから前述したステルス世代交代みたいな現象にもなったんでしょうし。
勿論、そこから先に定着できるかどうかは個人の問題もありますから、今回初招集されたメンバー、代表復帰を果たしたメンバーはそのサイクルの中に入っていけるようなアジャストを見せて欲しいところです。
次回は古橋と旗手が呼ばれなかった理由と、個人的な今回のメンバーの雑感を書き連ねていこうと思います。
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どこいったサンガスタジアム…
ではでは(´∀`)