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その価値の重さを知る者よ〜AFCチャンピオンズリーグ2022決勝第2戦 浦和レッズ vs アル・ヒラル マッチレビュー〜

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ラスト春秋ACL

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦、浦和レッズvsアル・ヒラの一戦です!

 

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ACL2022、遂にファイナルです。

その結末が誰に味方し、誰に背を向けたとしても、トロフィーは今日埼玉スタジアムの中央で誰かが掲げ、そして誰かが埼玉スタジアムの中央で膝をつく。ここから始まる90分はそういう戦い。それがファイナルという舞台です。

 

 

4月30日にサウジアラビアで行われた第1戦、立ち上がりはアル・ヒラルに一方的に殴られるような展開となった浦和でしたが、その後は見事に持ち直して後半には同点ゴールもゲット。貴重なアウェイゴールを手にして1-1のドローでホームゲームを戦う事になりました。

ここまでくればイントロダクションとて、もう多くを語る必要もないでしょう。舞台は埼スタ。この戦いの価値を最も知る者は、その頂きに最も触れた者…それは浦和も、そしてアル・ヒラルも共に持ち合わせる矜持でありプライド、そして思い入れです。ある者にとってはリベンジを期し、ある者にとってはこここそが夢に見た一つの舞台。最後に笑うのは赤か青か。勝負のフィールドに委ねられた歓喜をその手で掴み直すのはどちらのチームでしょうか。泣いても笑ってもこれがファイナル!

両チームスタメンです。

 

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浦和は第1戦と全く11人をスタメンに起用。第1戦では負傷退場となってしまった主将・酒井宏樹も間に合って右SBとして先発に名を連ねています。ベンチメンバーは一人だけ変更しており、馬渡和彰が外れてルヴァン第1戦湘南戦以降出場のなかった高橋利樹が入っています。

今日の浦和のベンチ入りメンバー21名のうち、2019年の決勝に参加した選手は西川周作関根貴大興梠慎三岩波拓也、柴戸海(柴戸はベンチ入りのみで出場はなし)の5名。更にそのうち2017年の優勝をピッチで味わったのは西川と興梠の2人です。

 

 

 

本日の会場は埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002です。

当初はACL決勝が2月に予定されており、その時期は芝の張り替え工事が行われる事から一時は埼スタでの開催が危ぶまれたものの、決勝自体の日程が2か月ほどスライドした事で浦和はホームで聖杯を巡る事が可能になりました。試合前には決勝のアンバサダーを務め、浦和の一員として2007年と2017年の大会で優勝を果たした阿部勇樹氏がACLトロフィーを持って試合前に入場する大役を担っています。

今、日本で最もアジアを懸けた戦いが最も似合い、最も映える場所はこの埼スタです。浦和にとっての換気も屈辱も、その全てがこの地で生まれてきました。奇しくも勝利した2017年と敗れた2019年と同じスタジアムに迎える同じ相手。スタジアムに木霊する咆哮をゴール裏から吹く風に乗せ、浦和はトロフィーまで辿り着くことが出来るのでしょうか。今宵、日本サッカーに数々の歴史を刻んだこの場所に新たな1章が記されます。

 

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最初のチャンスはアルヒラルでした。5分、右からのクロスにカリージョがフリック。ゴール前の混戦の末にGK西川と相手アタッカー2人が交錯する形になり、最後は何とか浦和の守備陣もかき出して失点は阻止。

ただ、第1戦が1-1で浦和がアウェイゴールを持っている以上、0-0のまま試合が終われば浦和が優勝という状況はアルヒラルにとって実質的なビハインドスタートとなった事もあり、序盤はアルヒラルがほぼ一方的にボールを保持される時間が続いていました。浦和も序盤から専守防衛をするつもりは無かったはずですが、早い段階からほぼ興梠だけを残して守らざるを得ない形に。

 

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21分には高い位置でボールを回されるとミシャエウにミドルシュートを放たれましたが、ここはGK西川がしっかり弾き出して阻止。そこからはアルヒラルにクロスを何本も入れられて我慢の時間が続きましたが、そこは浦和もしっかりと集中した統率と共に弾き出し続けていきました。

浦和は基本的に一方的に押し込まれる展開ではあったものの、カウンター時にはきっちり人数をかけて攻め込む事が出来ており、30分には右サイドを抜けた酒井のクロスに飛び込んだ興梠が合わせるも…これはクロスバーにヒットしてゴールならず。

 

 

 

それでも苦しい展開には変わらず、35分には左から入ったクロスがイガロの足元にピタッと入って一躍GK西川との1対1の状況に。ここはなんとか西川が前を向かせずに対応し、続く流れからのカンノのシュートも枠の上に逸れて事なきを得ます。西川は前半終了間際にもカリージョのミドルシュートをストップ。

 

 

しかし後半、遂に遂にて試合が動きます!49分、ハーフェーライン付近でのフリーキックを岩尾憲がエリア内にロングフィードとして入れると、ホイブラーテンの頭での折り返しに興梠が詰めたボールが相手守備陣の目測を狂わせて浦和先制!記録上はオウンゴールとなりましたが、文字通り手繰り寄せた、引き摺り出したゴールで浦和が1-0とします!

 

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そこからは当然ながらアルヒラルが総攻撃を仕掛けてくる形になりましたが、アルヒラルも相当なリスクを冒していた分、浦和としてもカウンターを仕掛ける隙は前半よりも多く作れており、猛攻にさらされる苦しい展開ながらもリードを持つ立場としては悪くない試合展開に持ち込めていました。

58分には伊藤敦樹、73分には大久保智明が惜しいシュートを放っており、猛攻に耐える展開ながらそこからカウンターに繋ぐまでのルートは確保しながら試合を進める事が出来ていました。

 

 

 

ラスト5分、アルヒラルもなりふり構わず攻め込んできました。アディショナルタイム寸前にはイガロがマークを剥がして決定的なシュートチャンスを作り出し、埼スタの時が止まるかのような決定的な場面を迎えますが…そこに立ちはだかったのはこのクラブの文脈を飲み込んで聳え立つ西川周作!スーパーセーブで掻き出します。

 

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アディショナルタイムはマイボールの時間を作れた事でボールキープが可能になった浦和。最後は右サイドでボールを持ち…試合終了!!

浦和レッズ、3回目のアジア制覇を達成しました!!!

 

 

 

第1戦にも同じことは言えるでしょうけど、第1戦以上に浦和はやるべきことがチームとしてクリアに出来ていましたし、その上でやるべきことにしっかりとコミットできていたように思います。全体的には劣勢でしたし、苦しい試合だったことには間違いない。ただ、その中でも一つ一つのプレーというよりも一つ一つの動作に極限まで気を遣う事が出来ていましたし、そういう守備の集中は本当に素晴らしかった。リトリートにならざるを得ない展開の中でも集中を切らさず、コースの前にしっかりと入った事でアルヒラルミドルシュート以外のシュートを打ちにくい状況を作れてしました。そしてそういう遠い距離からのシュートもきっちり西川がシャットアウトしていましたし。

加えて、アウェイゴールの都合上実質的に浦和リードから試合が始まった中で、押し込まれながらも「ボールを奪った時にどうするか」のビジョンをしっかり持てていました。特に前半はカウンター時に人数をかけて攻める意識を常に持っていたことはアルヒラルを少なからず牽制出来ていましたし、終盤にしても途中出場のホセ・カンテがしっかり収めたところに必ず誰かがフォローに入っていた。その流れをシステム化して戦えたのは大きなポイントでした。

 

 

 

「その価値の重さを知るものは、その価値に触れた事のある者である」……浦和のACLの戦いぶりはまさにそれを示すものでした。特に今季は。そしてそれはアルヒラルも同様だったと思います。

実質、2シーズンをかけて辿り着いた舞台で見せたそのタフな精神は、良き季節も悪き季節もクラブとして醸成してきたアイデンティティーであり、メンタリティーです。強いだけじゃ勝てない、魅力的なだけじゃ勝てない……だからこそACLという大会は難しく、そしてそのチャンピオンという称号は特別なのです。

 

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浦和レッズの皆さん、本当におめでとうございます。この国で最もアジアを知る者達の勇姿には心震えるものがありました。ただただ尊敬の念を抱いています。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー

 

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AFCチャンピオンズリーグ2022

《優勝》

浦和レッズ(日本)

《準優勝》

アル・ヒラル(サウジアラビア)

《ベスト4》

全北現代モータース(韓国)

アル・ドゥハイル(カタール)

《ベスト8》

BGパトゥム・ユナイテッド(タイ)

フーラード(イラン)

ヴィッセル神戸(日本)

アル・シャバブ・リヤド(サウジアラビア)

《ベスト16》

ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)

シャバブ・アル・アハリ(UAE)

大邱FC(韓国)

アル・ラーヤン(カタール)

傑志体育会(香港)

アル・ファイサリー(サウジアラビア)

横浜F・マリノス(日本)

ナサフ・カルシ(ウズベキスタン)

 

 

いつかまた…

ではでは(´∀`)