G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

真髄を背負って〜UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦 インテル・ミラノ vs ACミラン 爆速★マッチレビュー〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517061627j:image

 

Jリーグ30周年企画バチクソに更新してるのでみてね。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦、インテル・ミラノvsACミランの一戦です。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

堕ちた名門、堕ちたカルチョの街……世界屈指の観光都市として知られるその街がこの上なく大事にしている文化は、変わらない内々の熱とは裏腹にフットボールの主戦場から遠ざかっていきました。そしてそれはこの2クラブに限らず、イタリアという国そのものが……。

時代は変わり2020年、カルチョの権化たる2クラブはフットボールの舞台に追いついてきました。ユベントスしかイタリアを維持できなかった時代を過ぎ、それぞれがセリエAのタイトルを取り戻して復興した先の舞台がここにあります。両者が当たり前にCLを勝ち進んだ時期を過ぎたからこそ、ここにこのカードが実現した事はエモーショナルに響く。あまりにも長いカルチョの歴史の中でも、この90分、そして180分は眩い光を放ちます。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517061207j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517061204j:image

 

本日の会場はイタリア、ミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァです。

2026年に行われるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪では開会式会場になることが予定されており、ミラノの名所にちなみに「サッカー界のスカラ座」と称される事もあるこのスタジアム。おそらく2クラブで共同保有するスタジアムとして世界で最も有名な会場でしょう。インテルミラン…黒を交えた青と赤の縦縞が交錯するこのスタジアムは、カルチョフットボールの歴史に大きな足跡を絶えず残し続けました。ホーム&アウェイは180分の一つの試合、第1戦は前半みたいなものとよく言われますが、ホームの立場を入れ替えただけの今回のダービーは一層その趣が強そうです。なんでも、この2試合の興行成績はイタリアの歴史に残る数字が出たんだとか。

ちなみに「インテル側は"ジュゼッペ・メアッツァ"と呼び、ミラン側は"サン・シーロ"と呼ぶ」のが定石とされているこのスタジアムですが、厳密にはインテル側が呼ぶジュゼッペ・メアッツァが正式名称です。今日は"アウェイ"として挑んだ第1戦を2-0で勝利したインテルがホームとして行うダービー。果たしてその結末や如何に…。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517061533j:image

 

2点のビハインドを追うミランは当然ながら、序盤から前目の立ち位置を取りつつ、アグレッシブな攻撃姿勢を見せていました。一方のインテルミランほスタンスゆえに設定ラインは必然的に低くなっていましたが専守防衛には達しておらず、カウンター時にはしっかり人数をかけて攻撃を仕掛けるなど1点を奪いに行く姿勢は強く見せており、むしろアタッキングサードに入る機会ならインテルの方が多い展開に。

 

 

 

決定機としてはまずミランが11分、引き気味に構えてなかなかスペースを与えてくれなかったインテルに対し、トナーリが左サイドをドリブルで強引にこじ開けてマイナスに折り返し、中でブラヒム・ディアスが走り込みますが…シュートコースがやや甘くゴールには至らず。

逆にインテルは左サイドで起点を作ったジェコのサイドチェンジを折り返したダンフリースのパスにバレッラが走り込みましたが今度はGKメニャンが好セーブを見せます。ミランはその後ラファエル・レオンにも決定機が訪れましたが、ミランとしてはインテル相手にどうにか個でこじ開けねばならない展開になっていました。

前半は0-0。第1戦と合わせればインテル2点リードのまま前半を終えます。

 

 

後半と試合を巧妙に進めたのはインテルの方でした。

引き気味に構える事で、ミランが仕掛けてきてもしっかり構えてミランのスピードを落とした状態で対応する事が可能になり、5バック気味に中央を固めた事でミランは無理に突破するかバックパスしか選択肢がない。バックパスをすればするで、インテルで守備ブロックを構成する選手以外のある種「自由な守備」が出来る選手達がそこにはしっかりとプレスをかけていく。特に前半にカウンターの牙を見せた事でその効果は一層強くなっていました。

 

 

 

一方でミランも攻めあぐねながらも、左右に広くボールを動かして常にインテルDFに守備位置の調整を強いるようなアプローチは絶えず行っていた事もあって、インテル守備陣はインテル守備陣で脚を攣る選手が出てくるなど消耗は与えていく事に。

まさに耐久戦。お互いの我慢比べ。1点取られればジエンドのミランと、1点取られれば全てが決壊しかねないインテル。まさしくお互いがブレイブメンロードを進むような攻防が続いていきました。

 

 

 

運命の瞬間は74分でした。

前線にボールを持ち運んだインテルペナルティエリアの左でラウタロ・マルティネスがボールを持つと中央へ。ジェコと途中出場のルカクがやや重なる形になってミランもアプローチの対象に困惑すると、ルカクのリターンを受けたラウタロが最後に決め切ってインテル先制!復活のその時へ。まさしく沈んだインテルが浮上していく軌跡を歩んだ10番キャプテンのゴールでインテルが2戦合計3点リード!

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517060422j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230517060420j:image

 

全てを決める1点を制したインテルにとって、後やるべきことは試合終了の笛を待つのみでした。

そして試合終了…インテル、09-10シーズン以来となるチャンピオンズリーグ決勝進出です!!

 

 

 

攻防戦というか、文字通り耐久戦でしたね。インテルはシンプルにミランの圧力に耐える必要がありましたし、逆にミランとしてはインテルの守備が一瞬でも綻びを見せた瞬間を突かなければならない訳で、焦れることなくその瞬間を捉える為に極度の神経戦を強いられた事は彼らにとっても耐える時間だったと思います。そういう意味では、このタイミング、この状況で訪れた最高にカルチョなやり合いだったのではないでしょうか。

そしてやっぱりラウタロは役者でしたね…。上でも書いたように、インテル復興の軌跡をインテルでそのまま保ってきたのが彼な訳ですから。個人的にはミランにもインテルにも肩入れしてる訳じゃないんですよ。だからこそどちらが勝つか以上に、この2チームが準決勝まで帰ってきてくれた事、そこでミラノダービーという宿命を辿った事が何よりも嬉しかったですし、このステージまでチームを戻した事に何より心を震えさせています。

 

 

選手としてミランでCL獲った兄貴、監督としてインテルでCL決勝に行く弟。

ではでは(´∀`)