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突き抜けたい〜明治安田生命J1リーグ第14節 北海道コンサドーレ札幌 vs 京都サンガFC マッチレビュー〜

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観光地に練習場併設してるような感じになってるの好き

 

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第14節、北海道コンサドーレ札幌vs京都サンガFCの一戦です!

 

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オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

なかなか波のあるシーズンを過ごす今年のサンガ。一度良い方に転びかけたバイオリズムは再び振れ、第11節川崎戦以降は再びころころと3連敗。気がつけばこれで5戦未勝利という事になってしまいました。

横浜FCが少し盛り返したように、今最下位のG大阪だって彼らが持つ戦力からすれば巻き返してくる可能性はある。それは今は下位に沈む柏にも同じことが言えるでしょう。即ち、サンガはじわじわと「うかうかしていられないポジション」に足を踏み入れてしまっている訳です。何かを起こして勝ち続ける事、何かが起こされても平気な顔を出来るために勝点を積んでおく事、内容がどうのと言っても、結局サッカークラブができるのはこの2つに集約されます。

「スタイルを貫くことの難しさ」を感じる出来事が続く中で、札幌はそれを徹底してきた稀有なチームです。ここ2試合で9得点という圧倒的な火力を持つ彼らを前に、サンガは改めて貫いたものを出せるのか、或いは相手の貫きを利用できるのか。サンガにも強さとしたたかさが求められる時期に来ています。

両チームスタメンです。

 

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サンガは0-1で敗れた前節C大阪戦からはスタメンを3人変更。3トップの3人を木下康介-山﨑凌吾-豊川雄太のセットから木村勇大-パトリック-山田楓喜のセットにまるごと変更。山田は第7節福岡戦以来の出場となり、木村は出場は第9節鳥栖戦、先発は開幕戦の鹿島戦以来となっています。

好調の札幌は4-2で勝利した前節湘南戦からはベンチメンバーの7名を含めた18名全員が変更なし。スタメンの11人に関しては5-1で勝利した第12節FC東京戦とも全く同じ顔触れになっています。この試合はサンガの白井康介、札幌の駒井善成菅野孝憲にとってはそれぞれ古巣戦となりました。

 

 

 

本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。

30周年を迎えたJリーグの中で、現在の札幌のスタイルと同様に独特なキャラクター性を誇るスタジアムです。昨年までプロ野球北海道日本ハムファイターズも本拠地としていましたが、サッカーと野球の兼用球場は言うまでもなく世界初にして世界唯一。日韓ワールドカップラグビーW杯、或いは東京オリンピックサッカーなどの会場にも選ばれ、国際大会にも欠かせないスタジアムですね。なお、近日開幕する女子ワールドカップは日本も開催国として立候補していましたが、日本開催が実現していた場合の会場リストに札幌ドームも入っていました。

サンガにとっては今季初めての金J!今日はこの試合が唯一の開催なので、なるべく良いインパクトを与えられるように…。

 

 

開始5分までにお互いに効果が生まれました。サンガは2分、セットプレーをパトリックが頭で合わせてゴールかと思われましたがシュートは僅かに枠の右へ。逆に札幌は5分、金子拓郎のグラウンダーのクロスに対する小柏剛と麻田将吾の積極が麻田のファウルと判定されてPKに。これを金子が決め切って開始早々に札幌が先制。

その後はお互いのプレースタイルもあるのか、なかなかオープンな展開で前半は推移していきました。12分には木村がミドルシュートを放つと、直後には札幌が田中駿汰の折り返しに小柏がシュート。更にその直後には今度はサンガが山田のパスを受けた白井康介のクロスに木村が合わせましたが、ここも僅かに枠を捉えきれません。

 

 

 

しかし20分以降のサンガはマンツーマンを徹底してくる札幌に対し、サンガはなかなか目の前の1枚のDFを剥がす事が出来ず、デュエルにも持ち込まれたところで若干後手に回る場面が増えます。39分には札幌が自陣から荒野拓馬がスルーパスを送ると、これを浅野雄也が中継して左に抜けた菅大輝がクロス。ファーサイドの金子が折り返したところに宮澤裕樹が合わせる決定機を得ましたが、これは僅かにクロスバーの上へ。

しかし試合が劣勢になりかけた中でサンガは41分、自陣からテンポ良く少ないタッチでパスを回していくと、川﨑颯太のパスに抜けた白井がインナーラップしてきた山田へスルーパスを供給。GK菅野孝憲との1対1になった山田のシュートともパスとも取れる柔らかいボールにパトリックが詰めて同点!サンガが前半のうちに追いついて1-1で前半を終えます。

 

 

後半から札幌は前半に足を痛めるシーンもあった宮澤裕樹を下げて中村桐耶を3バックの一角として投入し、福森晃斗ボランチの位置にシフトさせます。

後半は割とサンガが押し込む形で上手く入れていましたが後半最初の決定機は札幌で、56分に金子のクロスを中央の小柏が足元に収めてシュート。枠の左に逸れて事なきを得ますが、サンガは押し込みながらもなかなかチャンスに繋げられないもどかしい展開になっていきます。

 

 

 

札幌が61分に田中が負傷退場で馬場晴也と交代した後、サンガは65分に松田天馬を下げて金子大毅を投入。対して札幌は69分に菅と福森を下げてルーカス・フェルナンデスとスパチョークを投入して勝負を決めにかけます。

試合は再び札幌が持ち前の攻撃時の圧力と迫力を全面に押し出してくる形になってきてしまい、サンガもシュートは打たせない守りを展開するまでは出来ていましたが…72分、右サイドの金子がドリブル突破から上げた絶妙なクロスをファーサイドの浅野がヘッド。これがゴールに吸い込まれて札幌勝ち越し…。今最も波に乗っている男の一打が刺さります。

 

 

 

谷内田哲平、福田心之助、一美和成、豊川雄太と攻撃的な選手を立て続けに送り込んだサンガでしたが、一度札幌に傾いた流れは札幌というチームの破壊力を前になかなか取り戻せません。失点直後には早速札幌の波状攻撃を受けると、76分にはクロスに対する浅野の折り返しをスパチョークに叩き込まれて…このゴールはオフサイドで認められずにサンガは九死に一生を得ますが、非常に苦しい時間が続きます。

 

終盤、札幌は途中出場の馬場も負傷退場となった事で荒野がCB、小柏がボランチというスクランブルな守備配置に。そこをどうにか押し込み切りたいサンガでしたが、89分には谷内田がミドルシュートを放つもGK菅野がファインセーブ。

終盤には麻田を前線に上げたパワープレーを敢行するも実らず。札幌の3連勝に対し、サンガはこれで4連敗かつ6戦未勝利となってしまいました。

 

 

 

強めにラッシュをかけてくる札幌に対し、サンガは前に押し出していこう、札幌を押し返していこうという意思はあったと思いますし、そこに関しては試合を通じて出せていた部分ではあったと思います。少なくともハイプレス・ハイインテンシティーを基調にここまで来たサンガにとって、おそらく札幌相手に引いて固めてブロックを組んで対峙する事は口で言うほど簡単ではないというか、やらないんじゃなくてやれないんですよね。結局、アグレッシブに殴り合いに行った方がサンガが勝てる確率は高くなるというか。少なくとも今日の試合はそういうフィールドには持ち込めていたようには思います。

ただ、後半開始早々の攻勢が全てを物語っていましたが……試合自体は接戦で、大差をつけられたような内容ではなかったけれど、一方でサンガと札幌の間で攻撃の構成力というか、攻撃の完結力には段違いと言えるほどの差があったのは確かでした。サンガの攻撃戦術は「偶然を起こす確率を意図的に高める」為の組み方をしていて、それ自体は間違ってはいないですし否定もしない。ただ今日に関しては、やはり組まれた時のこじ開け方として、創造性とテンポ・リズムの全てを駆使して攻撃を彩ってくる札幌の前にその脆さを見せつけられた形になってしまいましたね。スパチョークの幻弾しかり、あと3〜4点は取られてもおかしくない場面があった訳で。

4連敗ですか……どうしよっかなぁ、これ…。正念場だとは思います。それは今のやり方が頭打ちになるのか、ここから天井を突き抜けることが出来るのかどうかに於いて。それは結構突きつけられたゲームでしたね。

 

 

千歳は札幌じゃなーい

ではでは(´∀`)