バスケで叫び過ぎてちょっと頭痛いんだわいま
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはパリオリンピック男子サッカーグループD第3戦、日本代表 vs イスラエル代表の一戦です!
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負傷者が出たことを除けば限りなくパーフェクトに近いゲームを演じて見せたパラグアイ戦。3月に完敗を突きつけられた相手に対し、一進一退の壮絶な死闘を最後の最後で差し切ったマリ戦。日本は快勝とハードなゲームという、どちらかだけでもアンバランスな2種類の勝利をいずれも経験し、第3戦を迎えようとしています。
マリ戦を終えた時点で決勝トーナメント進出は確定。あとは1位か2位かというところですが、現実的に考えて1位通過はほぼ確実と表現するべきでしょう。第3戦をそういう立場で戦えるという事は、間違いなく日本が掴み取った権利そのもの。対するイスラエルはこの国にとってタレントが揃った良い世代としてこの五輪に挑もうとしている中で、プレッシャーが軽い立場の日本がどういうゲームを仕掛け、どういう内容と結果と共に決勝トーナメントに進むか。日本にとって、様々な捉え方ができる一戦でグループステージを気持ちよく締めていきたいところ。
両チームスタメンです。
日本はマリ戦からスタメンを6人変更。今日は従来の4-1-2-3ではなく、川﨑颯太と山本理仁をWボランチに置いた4-2-3-1を採用。マリ戦から変更された6人はいずれも2試合連続で先発しているメンバーであり、グループステージ3戦先発となったのはGK小久保とボランチの山本のみとなっています。
当初はバックアップメンバーだった鈴木海音と追加招集された内野貴史がそれぞれ大会初出場となり、バックアップメンバーと本登録メンバーの入れ替えが可能になったことから2試合連続で先発していた大畑歩夢と斉藤光毅が今日はベンチを外れて植中朝日がベンチ入り。これでGK佐々木雅士以外は全員が一度はベンチに入った形となりました。
本日の会場はフランス、ナントのスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールです。
1984年のEURO1984の開催とFCナントのホームスタジアムとするべく建設されたスタジアムで、別名である「ラ・ボージョワール・ルイ・フォンテノー」は当時のFCナントの会長から採られています。今回の五輪と2023年ラグビーW杯の開催に向けて、ナントではこのスタジアムを取り壊した上で新スタジアムを建設する計画もありましたが、最終的にはこのスタジアムの改修という形で落ち着きました。ラグビーW杯では日本が「勝った方が決勝トーナメント進出」というシチュエーションでアルゼンチンと対戦しています。なお、明日には女子日本代表のナイジェリア戦も同じ会場で行われる為、今日この会場に来ている日本人サポーターは2試合をセットにしている方も多いのでは。
1998年のフランスW杯でも会場として使用されており、その時には第2戦の日本vsクロアチア戦が行われました。あの時の日本はこの試合で2連敗を喫して敗退が決まった……その場所に日本代表は、既に突破を決めた立場で消化試合として帰ってきた。その偶然もまた、日本サッカーの成長速度を表す巡り合わせと言えるでしょう。
前半から日本はサイドをポイントにしたところから中に切り込んでいくアプローチを試み、高い位置でプレーする時間は日本の方が多い状態が続いていましたが、両サイドが高い位置を取った弊害もあってかSBとCB、或いはボランチとの距離感がやや不安になり、そこからイスラエルにカウンターを狙われる場面が続いていました。いずれもGK小久保玲央ブライアンのファインセーブで救われたとはいえ、日本としては苦しい立ち上がりの展開に。
序盤の日本はこの試合に全てを懸けるイスラエルのペースにやや付き合わされる形になっていましたが、時間経過と共に後方から落ち着いてボールを動かせるようになると、イスラエルのハードチャージを受けつつも主導権をしっかり握れるようになっていきました。
前半は目立ったチャンスは多くなかったものの、イスラエルのハイテンションのいなし方を徐々に掴んでいったような試合展開で45分を終えます。
日本は後半から山本を下げて植中を投入。川﨑と荒木をWボランチの形とし、植中が藤尾と2トップを組む4-4-2にシフトして後半に挑みます。
前半同様に目立ったチャンスはイスラエルの方が多くはありましたが、試合としては後半は特に日本の方が主体的にボールを回し、Wボランチ+SB+SHの三角形の関係性も良いものを作りながらボールを動かす事が出来ていました。守備にしてもいくつかイスラエルが長い距離のシュートを放ってはいましたが、パラグアイ戦やマリ戦同様にアタッキングサードに入れない守備は徹底されており、序盤のバタつきからは打って変わって安定したプレーを披露していました。
61分には山田楓喜を下げて三戸舜介をピッチに送り込み、65分には左から三戸がシュート。更に66分にはセットプレーからの大混戦で立て続けにシュートを放つも相手にブロックされてゴールには至らず。79分には荒木、そして負傷退場となった川﨑に代わって細谷真大と藤田譲瑠チマの主軸2人を投入。
しかし試合全体としては日本が高い位置で圧縮した状態のプレーを継続できていた事で、イスラエルは引き分けでも敗退が決まるにも関わらずカウンター以外の好機を作れない状態で、尚且つそのカウンターに対しても木村や鈴木がしっかりと対応してほぼほぼ封殺できていました。80分には自陣でのミスからリエル・アバダに決定的なシュートを放たれましたが、ここはGK小久保がこの大会何度目かのスーパーセーブ!
より守備強度に長けた川﨑が下がり、藤田と植中のWボランチというなかなかイケイケの構図になった事で若干バイタルエリアでのボール奪取は不安定になる場面も散見されましたが、しかし圧倒的なゲームメイク力を誇る藤田を入れた事で両サイドにボールを捌き、そこから抜群のリズムとテンポでボールを動かす攻撃は精神的にも体力的にも追い詰められていたイスラエルを更に消耗させていきました。
そしてアディショナルタイム、90+1分でした。バイタルエリアで余裕を持ってボールを持っていた藤田が緩を急に変えるギアを入れるようなパスを右サイドへ。佐藤がワンタッチで折り返すと、細谷がコントロールショットをネットに突き刺して日本先制!!今大会では献身性が光っていたエースが待望の今大会初ゴール!!気持ちのいいテンポのゴールで1-0!!
🇫🇷#パリ五輪‼️速報‼️
— TVer_Sports🏃オリンピック™ほぼ全競技配信7/24~🏅 (@TVer_Sports) 2024年7月30日
⚽#サッカー 男子予選リーグ最終戦
日本🇯🇵は後半ロスタイム #細谷真大 選手がネットを揺らし3連勝でグループD首位通過。準々決勝でスペインと対戦です
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長いアディショナルタイムにもしっかりと試合をクローズさせ、機を見てはカウンターも仕掛けていくゲーム運びでゲームセット。大岩ジャパン、グループステージ全勝&全試合クリーンシート!!!2大会連続の全勝突破で1位通過を果たしました!
立ち上がりは結構イスラエルのペースに付き合わせた部分もあったと思います。イスラエルは引き分けでも敗退という状況でしたし、序盤からハイペースに試合を持っていってでもリードを奪いたかった。基本的にボール保持は日本が持っていたゲームでしたが、特に序盤はイスラエルが消化試合となっている日本をオープンな展開に引き摺り込もうとするようなスタンスは見て取れましたし、現に日本もそれに付き合う形になってしまっていました。
しかし、20〜30分くらいは日本もイスラエルのペースに慣れたというか、それを上手くいなせるようになってきました。そこで要所のスペースを川﨑がケアし、ボールを捌く役割を山本→荒木で補いつつ、自陣からゆっくりとボールを繋ぐ事でハイペースに引き込みたいイスラエルを無駄走りさせられるような状況を作っていけた。カウンターから数回ピンチを迎える場面こそありましたが、カウンターの場面に対しても守備陣がしっかり対応していましたし、日本はそういうスタンスに前半の途中から持ち直せた事でイスラエルが勝手に疲弊していくような試合展開をしっかり作っていく事が出来たのかなと。最後のゴールはあまりにも完璧なゴールでしたが、そういう下地が出来たところに、原因こそ川﨑の負傷退場ではありましたが、スペースを的確に突きながらボールを動かせる藤田の投入はイスラエルにとって絶望すら与えるような交代になったのでは。
それ以外のところでは西尾の右SB起用、荒木のボランチ起用、これまで出場機会のなかったメンバーの試合出場など、大岩監督もこの消化試合となったシチュエーションを利用して、試したい事や確認したい事も大方試し切れたところも含めて、最後の1試合を有意義に使いながら勝てたというのは非常に大きいですし、それだけチームや地力が付いている証左でもあるように思います。川﨑の状態だけが気がかりではありますが…。
五輪サッカーは複雑な大会です。
世代別代表の大会というところもありますが、そもそも招集に強制力がなく、選手の移籍事情にも左右される以上、その国ごとにそのスタンスは大きく異なってくる。額面通りに評価できるか?といえば、それは若干難しいところがあるのも事実です。
しかしながら、独特の雰囲気と世代別大会とは比較にならない注目度を誇るオリンピックというこの舞台で3戦全勝、ましてや3試合をクリーンシートで突破するという事は決して偶然と呼んではいけないものだと思っています。物事を過大評価や慢心に酔うのは禁物ですが、芸能人が「売れ続ける為には何を評価されてブレイクしたのかを理解しなければならない」とはよく言ったもので、自信を過小評価する事もマイナスになる。この結果はその自信として、決して過小評価されるべきではない代物です。大岩ジャパンそのものへの感想はマリ戦のマッチレビューで割と書き尽くした感があるのでここでは省きますが、実に良いチームになったなと。
五輪サッカーがU23になった1992年以降、GSで2大会連続全勝突破を果たしたのはアルゼンチン(04/08)、ブラジル(08/12)以来3チーム目。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年7月30日
また日本はGSで7連勝となり、これはブラジルに並んで最長記録ですがブラジルは1大会飛ばしての達成なので、連続出場かつ7連勝&3大会跨ぎの連勝は日本が唯一です。
さぁ、相手はスペインです。日本はかつてスペインの背中に憧れた時代があり、憧れたスペインの背中に手をかけた東京五輪は最後の最後で突き放された。そのリベンジはほぼそのメンバーで挑んだカタールW杯で基本的には果たされましたが、オリンピックの借りはやっぱり後輩がオリンピックで返したい。考えてみればこれは出来すぎた舞台です。スペインが2位転がり込んだ事を不運ではなく、物語としての幸運に変えてしまうようなサクセスストーリーを描けるだけのポテンシャルは十分に提示した。さぁ、本番はここからです!
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2024年パリオリンピック 男子サッカー
《A組》
1位 フランス
2位 アメリカ
3位 ニュージーランド
4位 ギニア
《B組》
1位 モロッコ
2位 アルゼンチン
3位 ウクライナ
4位 イラク
《C組》
1位 エジプト
2位 スペイン
3位 ドミニカ
4位 ウズベキスタン
《D組》
1位 日本
2位 パラグアイ
3位 マリ
4位 イスラエル
《準々決勝》
8月2日15:00(22:00) モロッコvsアメリカ@パリ
8月2日17:00(24:00/3日0:00) 日本vsスペイン@リヨン
8月2日19:00(26:00/3日2:00) エジプトvsパラグアイ@マルセイユ
8月2日21:00(28:00/3日4:00) フランスvsアルゼンチン@ボルドー
良い朝。
ではでは(´∀`)