大谷さん山本由伸おめ!
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第35節、ヴィッセル神戸 vs ジュビロ磐田の一戦です。
【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。】
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第35節です。もう。台風等の影響でチームによって試合数の差違があるとはいえ、多くのチームにとっては残り4試合。ここからは言うまでもなく文字通りのクライマックスであり、ここから掴む勝点1がダイレクトに希望につながり、ここから失う3ポイントはそのまま致命傷へと繋がっていきます。
優勝争いと残留争い……今日、ノエスタの地で対戦する2チームはそれがまさしくわかりやすく影響してくる2チームです。優勝争いを巡り、広島の肩に手を伸ばす2位神戸。残留争いをめぐり、17位と18位の境目の崖に手をかける18位磐田。お互いがお互いのミッション、ノルマ、目標の為、全ての数字が歓喜と絶望に繋がる狂気の試合がここから始まっていきます。両チーム、対策や論理を準備してくる事でしょうが、それでも終盤戦はフィジカルでプリミティブでフェティッシュになってくる。どちらが掴み取るのか、辿り着くのか。対なるものを目指して走る両者も欲しいものは同じ。死闘が金曜の夜を彩ります。
両チームスタメンです。
神戸は0-2で敗れた前節FC東京戦からはスタメンを2人変更。左サイドを初瀬亮と佐々木大樹のコンビから今日は本多勇喜と広瀬陸斗のコンビに変更してきました。直近の試合となった天皇杯準決勝京都戦はややターンオーバー気味なメンバーでしたが、京都戦からはマテウス・トゥーレル、酒井高徳、井手口陽介、宮代大聖、広瀬陸斗が連続先発です。
前節はC大阪に勝利した磐田は先発を2人変更。ボランチはレオ・ゴメスが今日は累積警告で出場停止となった事から第13節磐田戦以来のメンバー外となり、右WBや右SB起用が多かった植村洋斗がボランチで中村駿と組む形になりました。右WBには今日は西久保駿介が第25節新潟戦以来の先発を果たしています。
本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。
【11/1(金)神戸戦】
— ジュビロ磐田 (@Jubiloiwata_YFC) 2024年11月1日
ジュビロくんからのお土産をモーヴィくんにお届け🎁#神戸磐田 #横さんち pic.twitter.com/sYNUFj1cFN
このスタジアムは現在、ヴィッセル神戸のみならずWEリーグのINAC神戸レオネッサ、そしてラグビーのコベルコ神戸スティーラーズも使用している事で知られています。ラグビーといえば、ジュビロは同じヤマハが静岡ブルーレヴスを運営しているので、ラグビーでも同じスタジアムの神戸vs磐田が実現するカードですね。
今日の試合は金J、フライデーナイトJリーグとして開催されると同時に、楽天モバイル最強DAYと銘打って開催され、グッズ抽選会なんかも色々実施されています。楽天はヴィッセル神戸の胸スポンサーや東北楽天ゴールデンイーグルスのスタジアム名を「楽天モバイル」に変更するなどPRに力を入れていますが、今季からノエスタでは楽天モバイルユーザーへの好待遇を実施。チケット代金や場内飲食にも適用される為、恩恵を受けたアウェイサポもちょこちょこいたり…?
基本的には神戸もボール非保持型の戦術を採用しているチームですが、今日は磐田がかなり露骨に引いて守ってきた事もあり、神戸は前半のほとんどの時間を70%近いボールポゼッションで過ごしていました。
磐田が5バックを組んできた事で中盤の脇から神戸はボールを動かしていくような形になり、そこからどうやってミドルゾーンを突破していくか。インサイドハーフの流動性や大迫のポストプレーを絡ませてどこにスペースを作るか…という展開になってきましたが、磐田もそこは粘り強く守備の陣形を保ち前半は膠着状態に。
すると神戸は攻撃のアプローチを少し変更し、両WGをサイドに開かせつつ、ロングボールでサイドの深いエリアに武藤や広瀬が入ったところから細かいパスで繋いで打開するようにシフトチェンジしていきました。33分には右サイドでボールを受けた武藤がカットインすると、ルーズボールになったところを大迫が収めてスルーパス。抜け出した井手口が決定期を迎えますが、井手口のシュートはGK川島永嗣が好セーブ。その後も神戸は波状攻撃を行いますが、磐田守備陣もどうにかブロックして失点は免れます。神戸はその後、広瀬が負傷退場となった事で佐々木と交代。
ほとんどの時間で守勢に回っていた磐田も数少ない攻撃ターンでは時間と人数をかけた攻撃をやる意図は出しており、ゲームプラン通りに試合が進んでいたのは磐田の方。しかして個人とチームのキャパシティーの広さを神戸が駆使しながらリズムを作ろうとする展開のまま0-0で前半を終えます。
しかし後半は一気に試合が動きました。
46分、神戸は自陣でボールを奪うと井手口が宮代大聖に繋ぎ、宮代のカウンタードリブルに合わせて井手口も追走。宮代からのリターンを受けた井手口のスルーパスを大迫が収めると、チェックに入ったグラッサの対応に苦しめながらもディフラクションを味方につけてスルーパスに送り、最後に走ってきた宮代がフィニッシュ!一度のプレーの次を走った井手口と宮代、一度カットされてもプレーを繋げた大迫。この3者のワンプレーで終わらない意識の連続から鮮やかなカウンターが決まって神戸先制。
更に53分、今度は右サイドから扇原貴宏がコーナーキックをニアサイドに蹴り込むと、浅い位置にフリーでポジションをとった山川哲史がヘッドを叩き込み、神戸が後半開始10分足らずで一気に2点リードをゲット。
宮代選手がPA内に走り込んで大迫からのパスを受けて冷静に浮かせてシュート!⚽
— ヴィッセル神戸 (@visselkobe) 2024年11月1日
この一撃がゴールネットを揺らし、先制点を奪う!
ハイライトは @DAZN_JPN 📺
登録は▶️https://t.co/P80XKwItyQ#visselkobe #ヴィッセル神戸 #神戸磐田 pic.twitter.com/ekxgo9q78J
磐田も56分には高畑奎汰の折り返しをジャーメイン良が巧みなコントロールから左脚を振り抜いてネットを揺らしますが、その前に本多勇喜に対するファウルを取られてゴールは認められず。磐田は直後にクルークスと高畑を下げて渡邊りょうと山田大記投入し、3-4-2-1から3-3-2-2の2トップシステムに変更。ジャーメインのところにボールを収めるまでは出来ていたものの、ジャーメインがダイレクトで合わせられるようなパスやクロスが入る状況、或いは神戸が大迫でやっているようにジャーメインをポストに他の選手が打開する流れはなかなか作れずに…。
磐田は最後、ペイショットなどをピッチに送り込んでなんとかゴールをこじ開けようと試みますが、神戸の守備陣を前に磐田の方策も乏しく、2点リードを奪った神戸も終盤はカウンターは狙いつつも試合をクローズさせる方向に舵を切って試合終了。
ゲームプランを構えて乗り込んだ磐田に対し、個と組織の幅を見せつける形で神戸が快勝を飾り、暫定首位となりました。
磐田としてはまず守備を徹底する、5バックで引いて守るゲームプランを敷いた上で、どこかのタイミングでギアを入れるのか、-0でも良しとするのかという選択をできる状況まで持っていく…という事がプランだったと思います。実際、前半はそのプランを遂行はできていましたし、磐田の引いて構えるブロックを前に神戸が攻めあぐねている時間も長かったですし、それ自体は立案と実践までできていたと思います。
ただ、神戸はやっぱり彼らの強さとしてやれる事のキャパシティが広いという部分がある。スタートはいつものようなショートカウンターが少し活かしにくい展開になっていたので、ボールを保持しながらスローペースに試合を進めつつ大迫に当てたりインサイドハーフを噛ませたりしたところから打開していく狙いにシフトしましたが、これもそこまで上手くいかなかった。しかし神戸はこのあとに3パターン目のやり方を持っていて、とりあえずロングボールを入れて深い位置にWGを走らせてから中盤がフォローに入り、サイドで細かい関係性を作りながら磐田の5バックの間隔に歪みを生じさせていくようなやり方に活路を見出してきたと。
結局前半は0-0で終わりましたから磐田としてはゲームプランを遂行して前半を終えた事になるんですけど、あのやり方で前半の終盤は崩され始めていた自覚を磐田自身が持っていたように思います。後半立ち上がりの磐田はハーフタイムの時間をもってしてもそこを統一しきれなかったのかなと。前半の守り方を維持するのか、神戸のコーナーエリア辺りまで運んでくる戦い方に対応できるように修正をいれるのか、前半を0-0で乗り切った事で後半からは攻撃のアプローチを加えていくのか。当然、ハーフタイムで何かしらの指示はあったとは思いますが、当初のゲームプランが成功でも失敗でもあった事…言うなれば「結果としては成功だったけど崩れ始めてきた」という微妙な状況で前半を終えてしまった事が前半は統率されていた磐田の守りに歪みを生じさせ、後半開始早々のカウンターによる失点に繋がったように見えました。
トータルすれば、やっぱり神戸はやれる事が圧倒的に多かったんですよね。これは先日の天皇杯京都戦にも共通して言えることでしょうし。
普段は非保持型のチームですが、相手が引いてくるというならば保持型としてプレーしながら打開していく事もできる。それも上手く行かないようなら、ロングボールをスイッチとして使いながらコンビネーションを発動させる事もできる。そこは個人の能力の高さであり、それを組織の幅として使えている事の証左と呼ぶべきでしょう。逆に磐田はゲームプラン以上の方策をチームとして持てていませんでしたし、神戸が大迫をポストプレーとした時にそこから提示できるようなバリエーションを、磐田はジャーメインに入れた後に出していけなかった。ジャーメインにボールを入れる機会まではある程度持っていけたからこそ、持ち合わせている方策の数の差、個人と組織のキャパシティーの差は顕著に表れたゲームだったように思います。今日は雨が降っていたという事で開閉式の屋根を持つノエスタは屋根を閉めて試合を行っていましたが、言うなればスタジアムよろしく神戸自体が全天候型のスペックを持っている事を見せつけるような勝利だったのかなと。
三宮商店!
ではでは(´∀`)