RK-3はきだめスタジオブログ

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ふるまい〜2026年北中米W杯アジア最終予選グループC第5戦 インドネシア代表 vs 日本代表 マッチレビューと試合考察〜

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ジャワカレー

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第5戦、インドネシア代表 vs 日本代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

3勝1分。苦しんで、苦しんで、苦しみ続けた前回大会のW杯予選とは異なり、今回の予選で日本は「アジア最強」「日本代表史上最強」とのフレーズが単なるお飾りではないことを証明するかのように走り続けています。中国戦の快勝劇から始まった新しい冒険は、前節のオーストラリア戦こそ引き分けたものの……森保ジャパンの課題と目されていた「対アジア」に一つの解を出すような戦いぶりだったと言えるでしょう。

そんな日本にとって、サウジアラビア/オーストラリアという大一番2連戦だった10月シリーズに続き、11月シリーズのこの2試合は「癖の強い大アウェイ」での2連戦となります。

 

 

インドネシア……一般的に「サッカーの強い国」というイメージが強い国ではないと思います。

しかし国内のサッカーの熱量は過激とも言えるほどに熱く、競技力も日に日に向上。実際に日本と同組に入った1月のアジアカップでは決勝トーナメント進出を果たしており、世代別代表もU-23アジアカップで韓国を撃破。オリンピック出場まであと一歩のところまで迫ったのは飛躍的な成長が実になり始めた表れでしょう。今回の予選も4試合を終えて十分に上の可能性があるポジションに立っており、このアウェイスタジアムは初めて現実味を帯びたW杯を視界にこれ以上ないほどのボルテージ。そこに日本は呑まれるのか、ちゃんと力を見せつけるのか。まさしく地力が問われるシチュエーションです。

両チームスタメンです。

 

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最終予選の日本は基本的に初戦の中国戦からほぼ同じメンバー起用しており、今日もシステムは継続して3-4-2-1。しかし今回の代表活動ではここまで全4試合に先発している上田綺世と谷口彰悟が負傷で不参加となった為、小川航基と橋岡大樹が共に6月のミャンマー戦以来のスタメン起用となりました。谷口が欠場している為、今日は板倉滉が3バックの真ん中に入ります。

 

 

 

本日の会場はインドネシアジャカルタのゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムです。

 

 

ジャカルタ政府が所有するインドネシア最大のスタジアムで1962年に開場。建設決定に携わった当時のスカルノ大統領にちなんでこのスタジアム名が付けられました。タイ、マレーシア、ベトナムインドネシアの4ヶ国共催で行われた2007年のアジアカップでは決勝戦の会場に選ばれており、2018年にジャカルタで行われたアジア大会でもメイン会場として使用されました。ちなみに2015年にはガンバ大阪がペルシジャ・ジャカルタと、2018年にはFC東京がバヤンカラFCとの親善試合をこのスタジアムで行っていますが、前者は堂安律のトップチーム初出場であり、後者は久保建英のトップチーム初得点の試合となったという豆知識。

なお、JFAは2023年12月より東京ドームシティにblue-ing!という施設をオープンさせましたが、アウェイゲームではお馴染みとなった同施設での代表OB/OGを招いてのパブリックビューイングを今回も開催しています。

 

 

立ち上がりの日本はインドネシアとの実力差、戦力差も踏まえて、自分達のペースで勝負を急がずにボールをゆっくり動かしながら仕掛けるタイミングを伺おうとするサッカーを見せていました……見せようとしていました。

実際に立ち上がりはそれでチャンスに繋がりそうな場面もいくつかあったもののそこをインドネシアに守り切られると、強烈な雨によりピッチコンディションもイレギュラーな状態になり、そこを狙ってインドネシアがハイプレスを敢行してくるようになりました。9分にはインドネシアのラフなボールに対して板倉滉が処理しきれず、そこを突いたオラットマングーンが一気に突破。GKとの1対1は鈴木彩艶の素晴らしい対応で阻止するも、このインドネシアの決定機から日本は少し苦しい時間帯が続きます。

 

 

 

インドネシアはコンパクトな陣形を常にキープしながら、闇雲に蹴る訳ではなくちゃんと受け手と出し手のタイミングが合うまで待つ、合った時に裏に走るボールを出す、それでボールが日本陣内に移動すれば、今日のコンディションへの適応に時間を要していた日本に対してボール奪取が直接チャンスに繋がるような位置でハイプレスをかけるなど、何度か日本ゴールを脅かしてくるような場面を創出していました。

この時間帯の日本はインドネシアのしっかり組織だったスピード感を前に苦しい時間帯が続いていたものの、守備陣も最後のところではしっかりと踏ん張りつつ、局面が良くないなら良くないなりの割り切りと振る舞いを見せて対処していました。

 

 

 

しかしじわじわとインドネシアの勢いが落ち着き、少しずつ日本が前でチャンスを作り出すようになってきた流れの中で機が巡ってきたのは35分、中央でボールを持った遠藤航がタメを作りながら左サイドを駆け上がった町田浩樹にパスを託すと、町田が中に入れたボールは守田英正を介して鎌田大地へ。鎌田は相手GKを嘲笑うかのような折り返しを見せると中に小川航基が詰めて日本先制!(記録はジャスティン・ハブナーのオウンゴール)

さらに直後の40分、鎌田の絶妙なロングスルーパスに反応した三笘薫は突破と折り返しの2つの選択肢がある中でアウトサイドで中央にボールを入れると、走り込んできた南野拓実が鮮やかに三笘のパスを仕留めて追加点!!

 

 

前半は苦しい時間も続いたものの、しっかりと耐えるところは耐えて、行けるところで仕掛けきる横綱相撲を見せつける形で日本が1点リードで前半を終えます。

 

 

後半から日本は南野を下げて前田大然をWBとして投入。三笘をWBからシャドーの位置に上げて後半を開始します。

インドネシアの心根をへし折ったのはいきなりでした。49分、敵陣に押し込んでじわじわと追い詰めるようにプレスをかける…プレスというよりも圧力をかけていくようにプレッシャーを与えていくとものの見事にGKのパスミスを引き出し、カットした守田が自ら持ち込んで一閃!スコアは3-0!

 

 

日本は62分に三笘を下げてシャドーに伊東純也、同時に堂安を下げて3バックに変更してから出場機会が減っていた菅原由勢を投入します。

すると69分、橋岡のパスを大外で受けた菅原は伊東とのワンツーで中央に斬り込むと、そのままインサイドから一気に単独突破。最後は折り返しのモーションも匂わせて相手を迷わせながらニアのここにしかないコースにズドンとブチ込み4点目!攻撃的なシステムへの変更で割を食う形になっていた菅原が、その攻撃面で結果を出して4-0に。

 

 

インドネシアと4点目が入る前の時点でアルハンを投入してからは一度失われた前線の躍動感が再び復活しており、一時的にいくつかのピンチを招く場面も少なからずありました。

しかし日本がそこはしっかりと落ち着いて対処したこと、インドネシアにもさすがにそこをこじ開けるほどの質は持ち合わせていなかったこともあって、終盤はインドネシアの強度も落ち、日本が悠々とプレーできる状態に。

 

 

 

終盤には大橋祐紀もデビューさせつつ、前がかりになったインドネシアの背後も大橋や伊東に狙わせながら上手くボールを動かして試合終了。

前節オーストラリア戦の引き分けで連勝が止まった日本でしたが、大アウェー2連戦の初戦できっちり4得点・クリーンシート・3ポイントを達成しました!

 

 

 

戦力差がある時によく言われる言葉ですが、いわゆる「普通にやれば勝てる」って言葉はあんまり使いたくないんですよ。サッカーに限らず、スポーツとは常に不確実性を孕んだ物事だと思うので。

ただ同時に、いくらインドネシアの成長が著しいと言っても実力差、戦力差には大きな開きがある訳で、例えばウイニングイレブン(旧名)なんかでコンピューター対戦をやらせたらまあ日本が勝つ訳ですよ。今日の日本は苦しい時間も長い試合だったのでスコアほど悠々自適なゲームでは無かったんですが、そういう実力差・戦力差を驕りや慢心ではない形で自覚していましたし、それをしっかりと踏まえたスタンスでプレーしていたように思います。 要はインドネシアの時間があっても勝負を急がず、焦ることなく「そのうち自分達のターンに戻ってくるでしょ」くらい構えてプレーすることが出来ていたなと。

 

 

インドネシアに押される時間帯が思っていたより長かったことは否めませんが、同時にインドネシアに押されっぱなしの90分になることも考えにくい。試合序盤の日本にとって、やるべき事は無理にボールを奪いに行って保持権を取り返すことでもなければ、一気に攻勢を仕掛けることでもなく、インドネシアの攻撃に対して要所を割り切って締めながら、インドネシアのアクションと大雨の特殊なグラウンドコンディションにアジャストしていく事でした。で、実際に訪れた日本のターンでしっかりと点を取りきった…ハーフタイムを挟んだとはいえ20分そこそこで3点取ってますからね。

試合後に森保監督が語っていた「耐えなければいけないところ耐えられたところが勝因」「選手たちがピッチ上でいろんな流れを見ながら賢くしたたかな戦いをしていく、勝利をつかみ取るという部分、選手たちの意思共有は、今日の試合で非常に素晴らしかった」という言葉が全てと言えるような勝利だったのかなと。理想で言えば中国戦のように前半に押し込まれるような時間も与えたくはなかったでしょうし、実際に今日のMVPは一番最初の決定機を阻止した鈴木彩艶と言うべきでしょう。あの時間帯は日本が今日のコンディションとインドネシアの攻め方に慣れておらず、一番最初のあそこで点を取られていたらちょっとどうなっていたかはわからなかった。ただそこから日本も状況に対応する事を優先させながらピッチ内で修正する事が出来ていましたし、そこから先はインドネシアが攻め込んできてもある程度日本の掌の上…コップの中の嵐程度に収められていたように思います。

そう考えると、インドネシア戦はインドネシアのアクションも興味深いもので、必ずしも日本にとってスコアほど思い通りに運んだ試合ではなかった。だからこそ逆に、今の日本代表がやれる事の多さ、チームとしてのキャパシティーの広さを見せたようなゲームだったんじゃないでしょうか。途中出場の菅原が点を決めたり、上田綺世が怪我したところに起用された小川が点に絡んだり、谷口がいなくてもしっかりクリーンシートに仕留めたところも然り。そういう横綱相撲的なゲームだったと言っていいんじゃないですかね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

FIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第5戦

オーストラリア0-0サウジアラビア

バーレーン0-1中国

インドネシア0-4日本

 

1位 日本(13)

2位 オーストラリア(6)

3位 サウジアラビア(6)

4位 中国(6)

5位 バーレーン(5)

6位 インドネシア(3)

 

 

ドネシア!

ではでは(´∀`)